このページでは、令和8年度(2026年度)大学入学共通テスト「世界史」の出題について解説します。
歴史総合、世界史探究
2026年度(令和8年度)も、昨年度と同じく大問数は5、解答番号数は32でした。
昨年度に引き続き、第1問が歴史総合、第2問以降が世界史探究からの出題でした。
今年度は細かい内容を問う問題が多く、大方の教科書には記載がない内容を問う問題も散見されたため、昨年度よりはやや難しい試験でした。
単純に用語名を覚えているだけでは太刀打ちできず、用語の意味・内容や、各時代・地域の歴史の流れ・社会情勢等を理解していなければ解答することができない問題も多かったため、点差のつきやすい試験だったと思います。
また、これまでと同様に、資料・設問文・会話文の読み取りを要する問題が多数出題され、素早くかつ正確に読み解く力が求められました。

第1問
歴史総合からの出題で、問2・問3・問4について根拠を持って解答するためには、日本史分野の知識が必要でした。
問2は、ナポレオン3世在位中の1864年に、四国艦隊下関砲撃事件(下関戦争)が起こっていることを理解している必要がありました。
問3では、一部の教科書にしか記載がない南海路や東廻り航路(海運)、文化住宅について理解している必要があり、世界史選択者には難しい問題でした。
問4は、平成不況について知っていれば解答することができました。
また、問6では都市図を読み取らせる問題が出題されており、試作問題から出題されるようになった「都市図を読み取らせる問題」は今後も出題される可能性があります。

第2問
法律やその運用をテーマにした大問でした。
資料や説明文を読み取らなければ解答できない設問がいくつかあり、そのような設問では解答に必要な箇所を素早く・正確に読み取ることが必要です。
このような問題に対応するために、日頃から過去問題等を通じて、資料問題の形式に慣れておく必要があります。
問1は令が行政法や民法典、律が刑法典であることを理解している必要があり、単純に用語名を覚えているだけでは太刀打ちできない問題でした。
問3では、昨年度と同様に絵を見て解答させる問題が出題されました。
重量有輪犂が描かれているXを選べればよいです。
なお、Xは『ベリー公の豪華時禱書』の挿絵、Yはミレー作の「落ち穂拾い」です。
問4は、bがエリトリア(地図北部)とソマリランドの一部(地図南部)であることを判別したうえで、それらを領有したのがイタリアと理解していなければならず、共通テストとしては難しい問題でした。
第3問
歴史に触れるきっかけや、歴史を伝える手段をテーマにした大問でした。
問1では、マンガの1コマを読ませて解答させるという新しい形式の問題が出題されました。
問2では、細かい知識を問う問題が出題されています。
「い」文中のオランプ=ド=グージュは共通テストレベルとしては細かい知識でしたが、「あ」が正解とわかれば問題ありません。
XYについては、一部の教科書にしか記載がない知識を求める問題でした。
共通テストのレベルを逸脱していた難問ですので、できなかったとしても気にする必要はありません。
私立・国公立大学の入試で、世界史探究を使用する場合は覚えておきましょう。
問3は、『集史』がペルシア語で書かれていることを知っている必要があり、難しい問題でしたが、消去法で対応できたのではないかと思います。

第4問
「帝国」のあり方をテーマにした大問でした。
問2では、Ⅱがユスティニアヌス1世(大帝)時代の東ローマ帝国の支配領域を示していましたが、問題文から「Ⅰ・Ⅱが東西分裂前のローマの支配領域を示している」と思い込んでしまった受験生は悩んでしまったのではないでしょうか。
問6のメモ3は、マンサブダール制が官僚制度であることを理解できていれば、不適と判断することができました。
単純に用語名を覚えるだけではなく、その内容についても正しく理解しておく必要があります。
第5問
税制度と社会の変容をテーマにした問題でした。
問2を解答するためには、徴税請負制に移行するまで、騎士に封土(ティマール)を配分してその土地の徴税権を与えるティマール制が、オスマン帝国で実施されていたことを理解しておく必要がありました。
第4問 問6のマンサブダール制にも同じことを言えますが、制度名だけでなく、制度の内容も理解しておくことが重要です。
問4は、反穀物法同盟を指導していたゴブデンやブライトが自由貿易、南北戦争直前のアメリカ北部がリストと同様に保護貿易を支持していたことを理解しておく必要がありました。
各時代・地域の社会情勢についても、しっかりと理解しておく必要があります。

新高3生・新高2生へのアドバイス
昨年度に引き続き、第1問では歴史総合の日本史分野からも出題されました。
今後もこの傾向は続くと考えられるため、高得点を狙いたい方は日本史分野についてもしっかりと学習しておきましょう。
また、これまでと同様、資料・設問文・会話文の読み取りを要する問題が多数出題されました。
次年度以降もこの傾向は続いていくと考えられますので、過去問題等を通じて、独特な問題形式に慣れておきましょう。
文章を読まない、もしくは一部しか読まずに断定してしまうと、誤答になってしまう問題もあります。
文章には一通り目を通す必要があり、そのために素早くかつ正確に読み解く力をつけましょう。
今年度も、単純に用語名を覚えているだけでは太刀打ちできない問題が多数みられました。
用語の意味・内容や、各時代・地域の歴史の流れ・社会情勢まで正確に理解しておきましょう。
世界史の共通テスト対策









