このページでは、令和8年度(2026)の大学入学共通テスト「公共」「倫理」「政治・経済」の出題について解説します。
公共、倫理
昨年度と同様に大問数は6で、第1問と第2問は「公共」、「公共,政治・経済」との共通問題が出題され、第3問から第6問が倫理分野からの出題でした。
解答番号数は昨年度の33から32に減少しています。
昨年度みられた連動型の問題は、今年度出題されませんでした。
倫理分野については、第3問が源流思想と西洋思想、第4問が日本思想、第5問が心理学と生命倫理、第6問が現代社会の諸課題で、各分野からバランスよく出題されています。
正確な読解力や論理的な思考力が求められる問題が複数あり、受験生にとっては見慣れない用語を含んだ問題もみられましたが、基本・標準的な知識や理解があれば解くことができる問題も多かったです。
難易度は標準的と言えるでしょう。

第1問 社会保障制度の現状と課題(公共分野)
「社会保障制度の現状と課題」をテーマとして、公助と共助、ロールズの「格差原理」、経済指標、税制、社会保障制度の財源、社会保障制度における再分配について出題されました。
基本的な知識があれば正解できる問題が多いですが、問1のように具体例を問う問題が出題されるときもあります。
ただ用語とその内容を覚えるだけでなく、具体例も意識しながら学習を進めるようにしましょう。
問3の資料の数値を読み取る問題は、丁寧に読み進めることで正解を導くことができたと思われます。
第2問 現代社会の文化や宗教(公共分野)
「グローバル化が進む現代社会の文化や宗教」をテーマとして、文化の捉え方、日本に暮らす外国人の動向、政教分離、宗教と伝統や文化との関係について出題されました。
基本的な知識が求められた問題もありましたが、問1・問2・問4のように読解力や思考力が必要とされる問題もありました。
問3の政教分離をめぐる判例については、基本的なものが多いので、しっかりとおさえておきたいです。

第3問 源流思想と西洋思想(倫理分野)
「悪」をテーマにして、源流思想から西洋思想まで幅広く出題されました。
知識を問う問題については、文中に登場した人物の思想を正確に理解しているかが問われるものが多かったです。
問2に登場した「イザヤ」や「スーフィズム」については取り扱われることが少ないため、正誤判断に苦労したかもしれません。
また、問4のヒュームの思想についても踏み込んだ内容となっており、難易度が高いと言えるでしょう。
問5は、授業資料で示された「信念の不一致」と「態度の不一致」の区別について、具体的な事例に当てはめる問題、問7は、『ダンマパダ』と『維摩経』のそれぞれがもとにしている考え方を読み取る問題で、やや高度な読解力が求められました。
問9は、場面1から3の会話文を踏まえて解答することが求められ、前のページに戻る必要があったため、時間を必要としたかもしれません。
第4問 日本思想(倫理分野)
「理」と「情」をテーマとして、日本思想の分野から仏教思想、近世と近代の思想を中心に出題されました。
問1から問3は、基本~標準的な知識が求められた問題でした。
問4と問5は、会話文や資料を読み取る問題でしたが、丁寧に取り組めば正解しやすい問題でした。
全体的に取り組みやすい大問でした。

第5問 心理学と生命倫理(倫理分野)
BMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)についての会話文をもとにして、新課程で大きく取り上げられることになった心理学の分野から出題されました。
また、最新の動向を踏まえた倫理的な問題についても取り上げられています。
受験生にとってはあまり慣れない、なじみのない内容だったため、戸惑ったかもしれません。
第5問は、知識が必要とされる問題も一部ありましたが、全体的に思考力が問われる問題が多かったです。
問1は、基本感情についての知識がないと正解できない問題でした。
問2は、思考力が求められる問題であり、実験の意義を理解するのに苦労したかもしれません。
問4は、7つの文章が示されていて、時間を必要としたかもしれませんが、QOLについての知識があれば正解できる問題でした。
第6問 現代社会の諸課題(環境倫理)(倫理分野)
現代社会の諸課題の分野から、環境倫理を中心に出題されました。
問1は、ノージックに代表されるリバタリアニズムについて、問2は、各人物の思想について、問3は、「共有地の悲劇」や「Think Globally, Act Locally」などといった観点について、正確な知識があるかどうかが問われました。
問2に登場したピーター・シンガーのように細かい知識が求められた設問もあり、苦労したかもしれません。
問5は、レオポルドの「土地倫理」についての知識と読解力が求められた問題でした。

新高3生・高2生へのアドバイス
公共分野
統計資料や図表を正確に読み取る問題、思考力や判断力が問われる問題もありますが、正確な知識を身につけられているかを問う問題も多く見られます。
そのため、倫理分野、政治分野、経済分野それぞれの基本的な知識を身につけていくことを最優先に学習を進めていきたいです。
教科書をくり返し読んで、太字になっている用語を中心に習得していきましょう。
ただし、用語だけを覚えるのではなく、思想、法律、制度、理論の大枠をおさえることも意識してください。
学習を進めるなかで、身近な例に置き換えて考えてみる、特に経済分野の単元は図を使いながら理解していくのがおすすめです。
基本的な知識が身についているかを確認するために、模試・過去問・問題集などを使用して演習に取り組んでいくことも重要です。
問題演習は、資料や図表を読み取る問題、思考力や判断力が問われる問題に慣れていくためにも必須になってきます。
演習を通して、理解が不十分とわかった単元は教科書に戻って復習をしていきたいですし、思考力や判断力が問われる問題は正解に至るまでのプロセスを確認するようにしてください。
「公共」は過去問が少ないため、「現代社会」の過去問を利用してみるのも良いでしょう。
時事的な内容を絡めた問題が出題されることもありますので、新聞、テレビ、スマートフォンのアプリなどを通してニュースに触れていくと良いでしょう。
学習している内容を理解することに役立つ場合もあります。
倫理分野
倫理分野についても、資料文を読み取って解答する問題や論理的思考力が求められる問題が出題されますが、十分な知識が身についているかを確認する問題も多くみられます。
倫理で得点していくためには、それぞれの思想家・哲学者の考えや主張を正確に理解しているかどうかが非常に重要になっていきます。
まずは教科書を使用して、「プラトン」と「イデア」のように、人物名と用語がリンクさせられるようにしてみましょう。
高得点を狙う場合は、出題頻度が少ない人物や用語も覚えていくようにしたいです。
次にその人物の思想や用語の内容を正確に理解していくことに重点を置きたいです。
その際に、具体的な例・身近な例に置き換えながら学習を進めていくと理解がしやすいです。
そして基本的な知識が身についているか、思想の内容が正確に理解できているかを確認するために、模試・過去問・問題集などを使用して演習に取り組んでいくことも重要です。
問題演習は、読解問題、思考力や判断力が問われる問題に慣れていくために必須になってきます。
演習を通して、理解が不十分とわかった単元は教科書に戻って復習をしていきたいですし、思考力や判断力が問われる問題は正解に至るまでのプロセスを確認するようにしてください。
文章量が多い問題には困惑してしまうかもしれませんが、丁寧に読み進めていけば解ける問題も多いので、落ち着いて問題に取り組んでみてください。
公共、政治・経済
昨年度と同様に大問数は6で、第1問と第2問は「公共」、「公共、倫理」との共通問題が出題され、第3問から第6問が政治・経済からの出題でした。
解答番号数は昨年度の32から34に増加していますが、連動型の問題が2問出題されているため、設問数は昨年度から変更はありませんでした。
政治・経済分野については、幅広い内容が出題されていますが、国際政治や国際経済分野に関連する設問も目立ちました。
問題を解くうえで必要とされている知識については、基本・標準的なものが多いです。
統計資料や図表を用いた問題、昨年度は見られなかった連動型の問題も複数出題されており、論理的思考力や判断力が求められました。
難易度は標準的と言えるでしょう。

第1問 社会保障制度の現状と課題(公共分野)
「社会保障制度の現状と課題」をテーマとして、公助と共助、ロールズの「格差原理」、経済指標、税制、社会保障制度の財源、社会保障制度における再分配について出題されました。
基本的な知識があれば正解できる問題が多いですが、問1のように具体例を問う問題が出題されるときもあります。
ただ用語とその内容を覚えるだけでなく、具体例も意識しながら学習を進めるようにしましょう。
問3の資料の数値を読み取る問題は、丁寧に読み進めることで正解を導くことができたと思われます。
第2問 現代社会の文化や宗教(公共分野)
「グローバル化が進む現代社会の文化や宗教」をテーマとして、文化の捉え方、日本に暮らす外国人の動向、政教分離、宗教と伝統や文化との関係について出題されました。
基本的な知識が求められた問題もありましたが、問1・問2・問4のように読解力や思考力が必要とされる問題もありました。
問3の政教分離をめぐる判例については、基本的なものが多いので、しっかりとおさえておきたいです。

第3問 グローバル化する国際社会の課題(政治・経済分野)
グローバル化する国際社会の課題について発表するという場面設定の下で、貿易、国連機関の仕組みと活動、多国間条約、パレスチナ問題といった国際政治や国際経済分野の問題が出題されました。
求められている知識は基本・標準的なものが多かったです。
問1は、「(1)で①と②のいずれを選んでも、(2)の問いについては、それぞれに対応する適当な選択肢がある」という連動型の問題であり、昨年度の「公共,政治・経済」では見られなかったため、戸惑った受験生もいるかもしれません。
問2は、標準的な知識問題ですが、何について問われているかをしっかりと確認することが求められました。
問3は、モノの貿易とサービス貿易の区別という出題意図をつかむ必要がありました。
問6は、パレスチナ問題における国連の対応という時事的な内容でした。
時事問題を絡めた設問が出題される可能性がありますので、ニュースには関心を持つようにしましょう。
第4問 日本の経済政策(政治・経済分野)
日本の経済政策についての学習内容を振り返るという場面設定の下で、政治分野、経済分野からバランスよく出題されました。
全体的に必要とされている知識は、「政治・経済」で学習する基本的なものが多かったです。
問4は、国会の議決に関する規定の知識に基づいて、具体例について判断させる問題でした。
問6は、裁判所の違憲審査権について対立する二つの立場のうちどちらかを選択し、その根拠を選択するもので、思考力・判断力が問われる連動型の問題でした。

第5問 日本の人口減少(政治・経済分野)
授業で学習した日本の人口減少について話し合っているという場面設定の下で、地方公共団体、日本のNPOや企業に関する問題が出題されました。
問1は、全国の市区町村数や地方公共団体の職員数の推移についての図を読み取る知識不要な問題でしたが、しっかりと計算をして正誤判断する必要がありました。
問2は、「規模の経済」についての理解と論理的思考力が必要でした。
問3・問4・問6は、地方自治、NPOや企業に関する基本的な知識が必要とされました。
問5は、宿泊税の事例をもとに、応益負担や応能負担、価格の弾力性への理解と、思考力が求められる問題でした。
第6問 SDGsからみた地球規模の課題とその解決(政治・経済分野)
「SDGsからみた地球規模の課題とその解決」というテーマを設定し、生徒たちが探究活動を行うという場面設定の下で、格差や貧困に関する問題、地球環境問題、エネルギー問題、平和に関する問題が出題されました。
国際政治や国政経済分野の事項が中心でした。
問2は、知識問題になりますが、名古屋議定書が採択された年代を正確に把握していないと難しい問題でした。
問3は、一定の知識をもとにして提示された図を丁寧に読み取ることが求められました。
問4と問5は、読解力が必要とされましたが、問題文の誘導に素直に従えば解きやすい問題でした。

新高3生・高2生へのアドバイス
公共、政治・経済
共通テストでは、単に知識を問う問題は少なくなり、統計資料や図表を正確に読み取る問題、思考力や判断力が問われる問題が増えました。
ただし、正確な知識があることを前提にしている問題が多いのも事実であり、知識を身につけていくことを疎かにしてはいけません。
そのため、「公共,政治・経済」では、倫理分野、政治分野、経済分野それぞれの基本的な知識を身につけていくことを最優先に学習を進めていきましょう。
教科書をくり返し読んで、太字になっている用語を中心に習得をしていきたいところです。
用語だけを覚えるのではなく、思想、法律、制度、理論の大枠・特徴をおさえることも意識してください。
学習を進めるなかで、身近な例に置き換えて考えてみる、特に経済分野の単元は図を使いながら理解していくのがおすすめです。
そして、用語を正しく理解できているか確認するために、模試・過去問・問題集などを使用して演習に取り組んでいくことも重要です。
問題演習は、資料や図表を読み取る問題、思考力や判断力が問われる問題に慣れていくためにも必須になってきます。
演習を通して、理解が不足していたと分かった単元は教科書に戻って復習をしていきたいですし、思考力や判断力が問われる問題は正解に至るまでのプロセスを確認するようにしてください。
時事的な内容を絡めた問題が出題されることもありますので、新聞、テレビ、スマートフォンのアプリなどを通してニュースに触れていくと良いでしょう。
学習している内容を理解することに役立つ場合もあります。
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