このページでは、令和8年度(2026年度)大学入学共通テスト「生物」の出題について解説します。
生物
2026年度入試も、2025年度同様に大問5題の構成で、一つひとつの考察問題に十分時間をかけられる問題量でした。
実験考察問題の分量は増加したものの、一つひとつの問題は比較的取り組みやすいものが多く、知識問題も教科書レベルの知識ですべて対応可能であり、全体としての難易度は昨年並みか、やや易化したといえます。
生物の学習でもっとも大切なことは、「基本知識の正しい理解」です。
「理解」とは、その現象を「自分なりの言葉や図解で説明できるレベルにする」ということ。
ふだんから、このような学習を意識しておくと、物事を順序立てて論理的に考える力が自然と身につき、結果的に、実験考察問題を論理的に読み解く力が身につくのです。

以下、大問ごとに注目すべき問題についてコメントしていきましょう。
第1問
問2
(1)は、遺伝子頻度の変化のシミュレーションの問題でした。
「集団が小さいほど、遺伝的浮動の影響は大きくなる」という基本知識があれば対応できます。
四谷学院の教材でも、55段階の共通テスト対策などで、同グラフを扱っていました。
(2)はハーディ・ワインベルグの法則の基本的な計算で、確実に得点したいものです。
問4
表1より、「MLGをもつ個体は932番目と991番目の間で組換えが起こっており、MVGをもつ個体は991番目と1908番目の間で組換えが起こっている」ということを読み取れるかがポイントになります。
「ある遺伝子間で組換えが起こった個体が多い=その遺伝子間での組換えの頻度が高い」と読み替えて正答を選択します。

第2問
モータータンパク質による小胞輸送のしくみ、および鞭毛が屈曲するしくみについて問われました。
やや分量は多いですが、実験の結果から確実に読み取れることを落ち着いて選択したいです。
問2
「実験は条件が1つ異なるものどうしで比べるもの」という基本に、忠実に考えていきましょう。
実験条件ⅠとⅡを比較すると、モータータンパク質Yの有無が異なり、Yが存在するⅡで近位方向の輸送速度が顕著に大きくなっていることから、③が正答であると選択できます。
また、実験条件ⅡとⅣは小胞の有無が異なり、小胞が存在するⅣで遠位への輸送速度が大きくなっていることから、⑥が正答であると選択できます。
第3問
ショウジョウバエの前後軸形成についての問題で、共通テストでは頻出の分野です。
問1
母性効果遺伝子の有無によって、次世代の表現型とその比率がどうなるかという典型的な計算問題で、四谷学院の教材でも複数回扱っています。
センター試験の時代から含め、本試験で複数回出題されています。
問2
(2)は、1から76までが必要ということは読み取りやすいですが、77から202までは必要か不要か判断できない、という点に注意が必要です。
1から76までのみで正常に発生するのか、1から202まで存在して初めて正常に発生するのか、今回の実験から判断することができません。
(1)(3)は考察問題ですが、転写、翻訳の流れについての基本知識をもっていることが前提の問題となっています。

第4問
問2
「植物ホルモンの作用でセルロース繊維の向きが変化し、その結果として細胞の成長方向が変化する」という基本知識がある生徒は、取り組みやすかったでしょう。
ここでも、「実験は条件が1つ異なるものどうしで比べるもの」という基本に沿って考えると、(2)では、変異体のエチレンの処理前と処理後で、セルロース繊維の方向がほとんど変わっていないことが読み取れ、エチレンを外部から与えているということもあわせて考えると、与えられたエチレンの受容およびその後の情報伝達に異常がある変異体であるということがわかります。
問3
(2)の図5は、活動電位を発生する音の強さの最小値であり、A1のほうがA2に比べて敏感(=遠くからの音に反応可能)であるということに注意しましょう。
この問題に限らず、グラフの読み取り問題では、縦軸と横軸がそれぞれ何を表すのかをきちんと確認する習慣をつけておくことが大切です。

第5問
問3
「皮目」や「皮層の細胞間隙」など、見慣れない語句が出てきますので、問題文と図1、図2からしっかり状況を把握することが大切です。
問題を読みながら自分で考察することは難しいため、結果から読み取った内容と矛盾しない選択肢を選ぶという方針になります。
ここでもまた、「実験は条件が1つ異なるものどうしで比べるもの」という基本に沿って考えます。
図3のO2について、対照実験では「36時間後もO2濃度は変わらないものの、グリースを塗るとO2濃度は低下する」ということ。
一方でCO2について、対照実験では「36時間後もCO2濃度は変わらないものの、グリースを塗ると36時間後でCO2濃度が増加する」ということが読み取れ、選択肢をあわせて考えると、正答として⑥を選択できます。
生物の共通テスト対策









