
以下の記事もぜひ参考にしてください!

目次
なぜ東京大学は学校推薦型選抜を導入したの?
~ある日の放課後~


東大前駅で降りると良いよ。


でも、東大を目指すなら今よりも努力しないとね。
一般入試では無理かもしれないですけど、
なんか東大も推薦みたいなのやってますよね?
それだったらチャンスはあるかもしれないなって。


学生の多様化を促進するために導入されたんだよ。
東大生の8割は男子学生
東京大学に一般入試で合格した受験生(2024年度入試)のうち、女性の割合は19.4%でした。
推薦入試を含めても20.6%であり、「二割の壁は高い」と言われるほど、男子に偏っていることがわかります。
昨今の社会では、多様性が重視されるようになりましたね。
異なる立場や経験が混ざり合うことで、より良い成果を出せる可能性が高まるという考えがあるのです。
たとえば、2016年の日本政策投資銀行の発表によると、
「男性のみが発明者の特許よりも、男女の発明者が関わっている特許の方が、大きな経済価値をもたらす」とされています。
発明や研究に限らず、普段の講義やディスカッションでも、自分と異なる視点から学ぶことは多いはず。
複数の国立大学が「女子枠」を導入し話題となっていますが、大学としては、この多様化を促進したいという考えが根底にあるのでしょう。
首都圏の私立高校出身者が集まる環境
ニュースで、「高校別 東大合格者数ランキング」のようなものを見たことはないでしょうか。
上位を占める学校はほとんどが首都圏の高校であり、なかでも中高一貫の男子校ばかりであることがわかります。
東大生の約半数が首都圏出身。
全体の2/3が私立高校を卒業しており、大きく偏っていると言えるでしょう。
首都圏に多い名門私立高校、特に中高一貫の学校は、難関大合格という目標に向けて学習の進度を速めています。
ハイペースで履修を終えることで、浪人生との差を埋めるための演習時間を確保でき、東大に現役合格している生徒が多いと考えられます。
学力勝負である一般入試においては、私立高校の生徒が有利であると言えるでしょう。
しかし、学校推薦型選抜で課されるのは単純な学力だけではありません。
一般入試よりも、様々な境遇の学生を受け入れることができる可能性が高いと言えますね。
これも、多様化につながっていると考えられます。
学校推薦型選抜では何が評価されるの?

そういえば、性的な多様性をテーマとして弁論大会に出ていなかった?
全校集会でも表彰されていたよね。
あのときは「アロマンティック・アセクシャル」をテーマにスピーチしました。
ジェンダー平等に関心を持つようになって、ワークショップも開催しましたよ。
大学の先生方や他校の生徒とも交流し、研究発表の機会も多く持てました。


学部によって少し違いはあるけれど、志望理由書と面接が大事になるもんね。
担当者の話では、高校での活動や研究を評価することが重視されているそうだし。
大会や課外活動が評価の軸になる
点差がつきやすい筆記試験とは異なり、これまでの活動という漠然としたものを評価するからこそ、わかりやすい実績が重要になります。
法学部の提出書類の例を見てみましょう。
- 論文「●●」
- 新聞記事「△△」
- TOEFL成績証明書
「論文を発表している」「新聞に掲載されるような活動をしている」「外国語試験のスコアを有している」など、自分の能力や姿勢が伝わりやすいものばかりです。
理学部の場合は以下のとおりです。
- 志願者の活動実績をよく知る人物による推薦書(必須)
- 志願者の活動実績をよく知る人物による推薦書(任意)
- 20□□年国際○○オリンピック表彰状のコピー
- 20□□年△△科学賞表彰状のコピーおよび作品概要資料
- 生徒会での顕著な活動実績に関する担当教員の意見書
- 英検☆級合格証明書のコピー
「大会で表彰されている」という実績だけでなく、担当者からの推薦書なども必要となっています。
学部によって必要な書類は少しずつ異なるため、推薦入試を視野に入れている場合は、早いうちに確認しておきましょう。
まとめ「東京大学の学校推薦型選抜とは?【目的と評価ポイント】」

東京大学が学校推薦型選抜を実施する目的は、学生の多様化を促進するためと考えられます。
合格者が多い、首都圏の学校や私立高校でなくても、チャンスは広がっていると言えるでしょう。
東京大学の学校推薦型選抜で評価のポイントになるのは、部活動や課外活動の結果です。
自分が関心のある分野については、積極的にコンクールやボランティア活動に参加しましょう。
推薦書が必要になることもあるため、部活動の顧問や引率者には、あらかじめ推薦入試の受験意思を伝えておくと良いですね。
次回は学校推薦型選抜で進学するメリットや、志望理由書をはじめとした出願の準備、そして出願時の提出資料についてより詳しくお伝えします。





