東京農工大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

最終更新日:2022/09/26


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東京農工大学(東京都府中市)は、農学部と工学部の2学部からなる、きわめて特徴的な国立大学です。古く1874年(明治7年)設立の、内務省勧業寮内藤新宿出張所が前身。出張所内の駒場農学校は東京大学農学部の起源にもなっており、両大学の由来には深いつながりがあります。

大学内では2019年からSDGsの達成に向け、「農工大プラスチック削減5Rキャンパス」活動を実施するなど、独自のユニークな取り組みもおこなっています。

この記事では、東京農工大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。近畿大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2021年6月18日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

東京農工大学の入試問題で問われる能力

初めに、東京農工大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。

 

東京農工大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

東京農工大学は、教育の基本理念として「使命志向型教育研究-美しい地球持続のための全学的努力」と標榜しています。

これは、「持続発展可能な社会の実現」に向けた課題を受け止め、自由な発想に基づく教育研究を通して、世界平和と科学技術の進展に貢献し、人材の育成と知の創造に邁進する、という内容を示しています。

そのような東京農工大学では、アドミッション・ポリシーとして、求める学生像を次のように定めています。

東京農工大学は、学士課程において、学生の自主的・自律的な学習活動を尊重し、科学技術系の大学に相応しい学識、知の開拓能力、課題探求能力、問題解決能力を兼ね備えた人材の育成を行っています。
本学の理念と以下に掲げる農工両学部の教育目的に応じて、本学で学ぶことに明確な目的を持った人の入学を求めています。特に、自然や科学技術に関心を持ち、意欲と主体性を持って勉学に励む人を、国内外から広く受け入れます。

引用:東京農工大学ホームページ アドミッション・ポリシー

農学部、工学部それぞれにもアドミッション・ポリシーが設定されていますので、詳細は東京農工大学ホームページ アドミッション・ポリシーや募集要項でご確認ください。

 

東京農工大学入試の特徴

東京農工大学は国立大学なので、大学入学共通テストで指定された5教科7科目を受験したあと、個別学力検査(前期日程または後期日程)を受験する「一般選抜」が中心になります。

大学入学共通テストの受験科目は、次のようになっています。

 

農学部の大学入学共通テスト受験科目

教科 対象学科 科目
国語 全学科 国語
地歴公民 全学科 世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目選択
数学 全学科 数Ⅰ・数Aと

「数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目選択」の計2科目

理科 生物生産学科

応用生物科学科

環境資源科学科

地域生態システム学科

物、化、生、地学から2科目選択
共同獣医学科 物、化、生から2科目選択
外国語 全学科 英(リスニングを含む)、独、仏、中、韓から1科目選択

 

工学部の大学入学共通テスト受験科目

教科 対象学科 科目
国語 全学科 国語
地歴公民 全学科 世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目選択
数学 全学科 数Ⅰ・数Aと

「数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目選択」の計2科目

理科 生体医用システム工学科

機械システム工学科

知能情報システム工学科

物と「化、生、地学から1科目選択」の計2科目
生命工学科

応用化学科

物、化、生から2科目選択
化学物理工学科 物、化の2科目
外国語 全学科 英(リスニングを含む)、独、仏、中、韓から1科目選択

東京農工大学では、一般選抜以外にも、学部・学科により次のような選抜方法があります。
●総合選抜(旧AO選抜)ゼミナール入試
●総合選抜(旧AO選抜)SAIL入試
●学校推薦型選抜

入試内容など詳しくは募集要項でご確認ください。

 

各科目の試験問題の特徴

入試対策には、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、東京農工大学の個別学力検査で、前期日程の特徴を科目ごとにご紹介します。

個別学力検査(前期日程)で必要な教科は、農学部・工学部とも「英語」「数学」「理科」の3教科。理科の科目は2科目ですが、学部・学科により指定科目(選択科目)が異なります。

 

英語

試験時間は60分。設問は例年3問で、長文読解が2問、英会話文が1問。英会話文の大問には、自由英作文が含まれます。全体的な難易度は標準レベルで素直な問題が多いとされますが、試験時間が短く、時間内にきっちり解答できる練習もしておきましょう。

長文読解は日本語での設問で、内容理解や和訳問題、空所補充など、オーソドックスな問題が中心。3問目の英会話文は英語設問で、内容理解や空所補充が出題されます。英作文で差が付きますので、よく使う言い回しや文法を意識しながら、継続的に英作文のトレーニングを積んでおきましょう。

 

数学

試験時間は120分、設問は4問です。理系入試での標準レベルの問題で、試験時間も充分なことから、確実にミスなく解答することが特に重要です。

数Ⅲからの出題が多めで、微分積分はほぼ毎年出題されます。計算力を試される問題なので、煩雑な計算もしっかり解き切りましょう。その他、複素数平面、空間ベクトルも頻出となっています。

 

理科

理科は、物理・化学・生物のなかから2科目を指定または選択で解答します。試験時間は2科目で160分。全体的に難易度は標準的とされますが、科目により特徴も見られるので、過去問などで慣れておくと安心です。

物理は設問が3問で、近年は毎年力学、波動、電磁気から1問ずつ出題されています。考察力を求められる問題や作図問題もあるので、基本的な物理法則をしっかり身に付けておきましょう。

化学は設問が4~5問。問題文が長いのが特徴で、設問の理解に時間を要する場合があります。重要な個所にチェックを入れるなど、自分なりの読み方を工夫してください。酸化還元、平衡、高分子は頻出です。

生物は設問が4問。体内の恒常性、植物生理、DNA・タンパク質、生態の分野をメインにしつつ、範囲の生物基礎・生物からまんべんなく出題されます。化学と同様に問題文が長く、読解力が問われます。過去問などを使い、ポイントを箇条書きにして時間内に解き切るよう演習を重ねてください。

 

東京農工大学試験の概要

東京農工大学の入試の偏差値は、農学部で52.5~67.5、工学部で52.5~60.0。大学入学共通テストの得点率は、農学部で76%~88%、工学部で71%~80%とやや高めになっています。

 

東京農工大学試験の概要


ここからは、東京農工大学の入試概要を解説します。

 

受験資格について

東京農工大学の受験資格(出願資格)は、入試方式によってそれぞれ定められています。受験者の多い一般選抜(前期・後期)の受験資格は次のようになっています。

次の各号のいずれかに該当し、かつ、志願する学部・学科が指定する、「入学年度の大学入学共通テストで受験を課す教科・科目(5教科7科目)」のすべてを受験した者とします。

(1) 高等学校または中等教育学校を卒業した者および受験年3月までに卒業見込みの者

(2) 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および受験年3月までに修了見込みの者

(3) 学校教育法施行規則第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、および入学年3月31日までにこれに該当する見込みの者

参照:募集要項

なお、(3)の項目に該当する場合は、詳細が別途決められていますので、募集要項などで必ずご確認ください。

 

試験科目や合格要件

東京農工大学は理系の国立大学なので、一般選抜(前期日程)の個別学力検査は英語、数学、理科の3教科です。両学部とも大学入学共通テストの比率が高くなっている点に注意しておきましょう。

合否判定は、大学入学共通テストと個別学力検査の合計点数で判定されます。調査書は能力や適性を見るための参考資料として扱われ、その他の提出書類は判定材料にはなりません。

ここでは一般選抜(前期日程)における試験科目や配点などを、学部ごとに紹介します。なお、以下のデータはすべて2021年6月18日現在のものです。

 

農学部

農学部の個別学力検査の内容は、全学科共通です。

区分 教科 科目 配点
大学入学共通テスト 5教科7科目 国語(配点200点)

地歴公民(配点100点)

数学(配点200点)

理科(配点200点)

外国語(配点200点)

合計900点
個別学力検査 理科 物理基礎・物理

化学基礎・化学

生物基礎・生物

以上から2科目選択し、出願時に届け出る

150点×2科目で300点
外国語 コミュニケーション英語Ⅰ

コミュニケーション英語Ⅱ

コミュニケーション英語Ⅲ

英語表現Ⅰ

英語表現Ⅱ

英語会話

以上の範囲から出題

200点
数学 数学Ⅰ

数学Ⅱ

数学Ⅲ

数学A

数学B(数列、ベクトル)

以上の範囲から出題

200点
合計点数(共通テスト900点+個別700点) 1600点

 

工学部

工学部は、理科の選択科目が、学科ごとで違います。志望する学科の指定内容を確認してください。

区分 教科 科目 配点
大学入学共通テスト 5教科7科目 国語(配点200点)

地歴公民(配点100点)

数学(配点200点)

理科(配点200点)

外国語(配点200点)

合計900点
個別学力検査 理科 物理基礎・物理

化学基礎・化学

生物基礎・生物

以上から2科目解答する

【学部ごとの指定】

【生命工学科、応用化学科】2科目選択し、出願時に届け出る

【生体医用システム工学科、機械システム工学科、知能情報システム工学科】

物理(必須)と「化学・生物から1科目選択」の計2科目とし、出願時に届け出る

【化学物理工学科】物理、化学の2科目

200点×2科目で400点
外国語 コミュニケーション英語Ⅰ

コミュニケーション英語Ⅱ

コミュニケーション英語Ⅲ

英語表現Ⅰ

英語表現Ⅱ

英語会話

以上の範囲から出題

150点
数学 数学Ⅰ

数学Ⅱ

数学Ⅲ

数学A

数学B(数列、ベクトル)

以上の範囲から出題

350点
合計点数(共通テスト900点+個別900点) 1800点

 

出願者数や合格者数のデータ

東京農工大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2021年度(令和3年度)一般入試前期日程の結果です。

学部 倍率 志願者数 募集人員
農学部 2.9 592 203
工学部 3.2 904 279

出典:東京農工大学ホームページ 一般選抜志願状況

 

東京農工大学に合格するための勉強方法


ここからは、東京農工大学に合格するための学習方法をご紹介します。

 

東京農工大学に入るには、何をすればいい?

東京農工大学の入試で特徴的なこととして、大学入学共通テストの配点が高い点が挙げられます。

農学部では、共通テストと個別の点数比率がおよそ1:0.8、工学部では1:1となっており、大学入学共通テストでいかに失点を少なく解答するかが重要になってきます。

また個別学力検査では、特に理科の問題文にボリュームがあるため、問題文の読解に慣れておくことが大切。過去問で出題形式をつかんでおきましょう。

大学入学共通テスト、個別学力検査とも、受験生は自分の志望する学部・学科で求められる学習内容に絞り込んで勉強して入試に臨むので、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。

 

受験期の過ごし方

高校3年生の大切な1年をどのように過ごすかで、合否の確率が変わります。やみくもに勉強するのではなく、年間を見通してスケジュールを立て、受験勉強をすすめましょう。

●春(4〜6月):基礎を徹底する時期。教科書を丁寧に学習し、単語集や用語集といった暗記ものを早くから始めましょう。合わせて、この時期に苦手分野の洗い出しをしておくのがおすすめ。

●夏(7〜9月):苦手分野を克服する時期。まとまった時間が取れるので、自分に必要な学習に取り組みやすくなります。夏休みには「1日に問題集を10ページ進める」など短いスパンでスケジュールをたて、成績アップを狙いましょう。

●秋(10〜12月):大学入学共通テスト対策を始める時期。基礎固めが重要ですが、私大入試や個別学力検査の対策にもなるので、応用力も磨いておきます。

●冬(1月〜):過去問を集中的に学習し演習を積む時期。ミスをなくし、時間配分に注意して問題を解く練習を。繰り返し演習し、最後の仕上げをします。

 

予備校で勉強する場合

1人で受験勉強に取り組むのは、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになってしまいます。しかし「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れません。

その理由は、集団授業にあります。多くの予備校は、大勢の生徒が集まって同じ授業を受ける形式です。集団のなかで講師の授業を受け身で聞くだけで分かった気になっている場合もあり、そのままでは知識が定着しない可能性があります。

また集団授業で、苦手分野が取り残される可能性もあります。授業で分からなかったと場合、自分で講師に聞きに行くなどの積極性がないと、思うような学習の効果があがらない懸念があります。

 

四谷学院のカリキュラムのご案内

予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。

 

科目別能力別授業

大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。

四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。

 

55段階個別指導

科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。

55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。

 

東京農工大学入試は丁寧に解く力が重要!

【東京農工大学の入試概要】
●大学入学共通テストの配点比率が高い。
●難易度は標準的だが個別学力検査の問題文に読解力が必要。

【東京農工大学の入試データまとめ】
●倍率は一般選抜前期で農学部2.9倍、工学部3.2倍。学部・学科により差がある。

【勉強方法まとめ】
●大学入学共通テスト対策を充分におこない、失点を防ぐことと、個別学力検査の出題形式や範囲に慣れておくこと。たとえば数学は、高3で習ったばかりの数Ⅲが出題の中心になるので、充分に学習しておくことが重要。
●時間が短めの科目もあり、時間配分の練習は必須。

東京農工大学は、大学入学共通テストの点数配分が高く、その分ハイレベルな戦いになりやすい大学。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。

自分の学習レベルにあった授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2021年6月18日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。


大学受験合格ブログ編集部

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