このページでは、令和8年度(2026年度)大学入学共通テスト「国語」の出題について解説します。
国語
小説・古文・漢文については、25年度と同様に、複数テキストの読解が求められました(ただし、いずれも同一出典の別の箇所)。
第3問の資料読解型の問題は、昨年と異なり、資料のなかにグラフは含まれず、数値の読み取りの要素はありませんでした。
古文・漢文で一部例外はあるものの、全体として選択肢数は四つでした。
ただ、設問によっては紛らわしい選択肢もあったため、昨年度と比較するとやや難化したと言えるでしょう。

第1問 評論
昨年度に引き続き、課題文は一つ(櫻井あすみ「『贈与』としての美術・ABR」)で、別の課題文やレポートなどを参照させる設問もなく、センター試験と同じつくりをしていました。
本文の分量は4300字で、昨年より500字程度増加しています。
また、やや抽象的で難しめの文章(芸術論)でしたが、全設問で選択肢は4つでした。
問1は従来と同様、傍線部と同じ漢字を選ばせる問題でした。
問2・3は傍線部の内容説明問題、問4・5は理由説明問題でしたが、いずれも各傍線部の前後の内容をしっかりと押さえれば正解を選ぶことができました。
問6はやや紛らわしい選択肢もある主旨合致問題であり、本文の最終段落の内容と合致するものを選ぶ必要がありました。
受験生としては、筆者の主張と論理展開の仕方をしっかり押さえながら取り組むとよいでしょう。
第2問 小説
出典自体は一つ(遠藤周作「影に対して」)ですが、課題文自体は本文以外に、問6で生徒がまとめたノートに同一出典の他の箇所(抜粋①②)が引用されていたため、複数文章を用いた出題と言えます。
本文は、過去の回想のあいだに現在が挟まれるという、やや複雑な構成になっているため、小説を読み慣れていない受験生にとっては難しく感じられたでしょう。
登場人物の心情や様子に関する設問に加えて、本文の表現に関する問題も出題されました。
また、問6では同一出典の別の箇所の引用を踏まえて、中心的なテーマ・表現をめぐる生徒どうしの会話中の空欄を埋める問題が出題されました。
受験生が意識すべきポイントとしては、まずテーマが示されているリード文をしっかりと読むこと、そのうえで課題文から読み取れる登場人物の心情や表現上の工夫について、わかりやすく説明できるようにすることが挙げられます。

第3問 実用文+資料
自分の好きな本に見られる工夫について考えるというテーマについて、複数の資料(Mさんがまとめた【文章】、【資料Ⅰ】「山形昌也氏へのインタビュー記事」、【資料Ⅱ】「大片忠明『イワシ むれで いきる さかな』の抜粋」、【資料Ⅲ】「東京水産振興会『世界はイワシでできている?』」)をもとに考察させるものでした。
資料は文章とイラスト(図1・2)から成っており、グラフは含まれませんでした。
問1・2は【文章】をしっかりと読めば正解を選ぶことができる設問でした。
他方で、問3の(ⅰ)は選択肢が6つあったため、吟味に時間がかかった受験生もいたことでしょう。
また、同じ設問の(ⅱ)は、Mさんの考察の「今後の方針」を選ばせるものですが、設問に含まれる条件に注意していないと正解を選ぶことが難しい問題でした。
受験生としては、まずはリード文や実用文で提示されているテーマや意見の方向性を正確に読み取り、次に与えられた各資料の役割を理解したうえで、その特徴を細かくチェックしていくという姿勢で学習に取り組むべきでしょう。
第4問 古文
出典はひとつ(『うつほ物語』)ですが、設問中で同一出典より別の箇所の抜粋があったため、形式としては複数テキストを関連付けて読み取ることが求められました。
また、共通テスト本試験としては初めて、和歌に関する出題がありませんでした。
問1は傍線部(単語短文)解釈で、昨年度よりは難しくなったとはいえ、4択で複雑な選択肢はありませんでした。
問2は語句と内容に関する傍線部説明問題で、一昨年以前の出題形式が復活しました。
識別や敬語の基本的な知識で正解を選ぶことができます。
問3は近年頻出の、段落を指定した内容一致問題でした。
誤りの選択肢の根拠も明確なので、標準的と言えます。
問4はやや紛らわしい選択肢もある内容一致(第2・3段落)問題で、得点の差がつく問題です。
問5は複数テキストの読解ですが、抜粋の内容は本文の延長上にあり、会話している人物は課題文横の【人物相関図】にも含まれていたため、比較や関連付けはそれほど難しくなかったでしょう。
受験生は、重要単語、基本的な文法についての知識を固めたうえで、課題文の登場人物どうしの関係性を素早く把握し、話の展開を押さえる練習をするとよいでしょう。

第5問 漢文
2年連続、和製漢文からの出題(長野豊山『松蔭怪談』)でした。
昨年度の【文章Ⅰ】【文章Ⅱ】(別筆者)の形式ではなく、本文と【資料】(同一著作)の形式で、複数テキストの読み取りが求められました。
問1は語句の解釈の問題で、前後の文脈が正しく把握できたかどうかで差が付きそうな問題でした。
問2は傍線部解釈問題で、(2021年の追試でも出題された)「不必…」は基本的な部分否定の句形であり、選択肢も難しくありませんでした。
問3は返り点と書き下しに関する問題で、「雖」(逆接)、「使」(使役)はどちらも基本句形でしたが、どこから「雖」に返るのか、判断が難しいものでした。
問4は傍線部解釈問題で、「不亦…乎」は、基本的な詠嘆の句形でした。
問5は「請」が何を求めているのか、「其詩」が誰の詩か(指示語)に着目する傍線部解釈問題でした。
問6は比喩を用いた発言から、筆者の主張を読み取る問題で、問7は本文と【資料】の二つの文章の論旨(主張)を把握する問題でした。
受験生としては、まずは基本的な知識を身につけたうえで、課題文の主旨をしっかりと理解し、そのうえで個々の設問を判断していく姿勢を意識しながら学習を進めるとよいでしょう。
国語の共通テスト対策









