こんにちは!四谷学院の奥野です。
偏差値は、大学の入試難易度や合格可能性判定で必ず目にする指標です。しかし、「偏差値が何を意味するのかよくわからない」という方も少なくないでしょう。
そこで本記事では、偏差値の概要や、「偏差値50」が何を意味するのかを解説します。また、大学入学共通テストで偏差値を50から60へ引き上げるには、どれくらい点数をアップすればよいのかもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
偏差値50=上位50%のこと
「偏差値」とは何か、「偏差値50」がどのような意味を持つのかを解説します。
そもそも偏差値とは?
「偏差値」とは、ある集団内で自分がどの位置にいるのかを数値で示す指標です。模試を受けることで、その集団内での自分の学力レベルがどの程度かを把握できます。
ただし、偏差値は絶対的なものではなく、同じ試験を受けた生徒全体のレベルが高ければ、高い偏差値を取ることは難しくなります。また、同じ集団で模試を受けたとしても、出題内容によって偏差値は変動します。
平均点を取れば「偏差値50」
では「偏差値50」とは、どのような立ち位置になるのでしょうか。ここで、偏差値の算出方法をみてみましょう。
偏差値=(個人の得点-平均点)÷標準偏差×10+50
この式からわかるように、平均点を取った場合には「偏差値50」となります。
なお、標準偏差とはデータのばらつきを表す数値のことで、試験ごとに異なります。
高校の偏差値と大学の偏差値は違う
一般的に、高校の偏差値は大学の偏差値よりも高く出る傾向があります。その理由は、先述のとおり、偏差値が母集団のレベルによって変動する性質を持つためです。
高校入試では、中高一貫校に通う生徒を除き、ほとんどの中学生が受験します。生徒の学力層は幅広く、学力下位層の生徒も一定数含まれるため、平均点が下がりやすい傾向にあります。その結果、偏差値が高く出やすくなるのです。
一方、大学入試は、志望校合格を目指して本格的に受験勉強を積んできた高校生が受験します。受験する生徒全体の学力が比較的高いことで、平均点も高くなりやすいため、偏差値が上がりにくくなります。
同じ偏差値の場合でも、大学入試のほうが難度は高くなることを理解しておきましょう。
偏差値を50から60へ上げるのはすごく大変!
「偏差値50」が平均点を意味することはわかっても、具体的にどのくらいの位置にいるのかは、イメージしにくいかもしれません。そこで、各偏差値が上位何%にあたるかを表にまとめました。
偏差値 | 上位何%か |
80 | 0.13% |
70 | 2.28% |
60 | 15.87% |
50 | 50% |
40 | 84.13% |
表からもわかるように、偏差値50は上位50%、偏差値60は上位16%に相当します。
つまり、偏差値を50から60に上げるには、100人中で50位だった成績を16位以内にまで引き上げる必要があるということです。偏差値において「10」の差がどれほど大きいかが、よくわかるでしょう。
偏差値50の具体的な大学
「偏差値50」の大学は、私立・国公立、短大、大学校を含めて、全国で286校あります(※)。
※2025年4月25日時点、Benesseマナビジョンのデータを参照。
ここからは、偏差値50前後の大学と、その学部をご紹介します。
日東駒専(私立大学)
日東駒専は、関東圏にキャンパスを置く中堅私立大学群です。
・日本大学
学部 | 偏差値 |
生産工学部 | 45~50 |
松戸歯学部 | 48~50 |
スポーツ科学部 | 50~51 |
・東洋大学
学部 | |
食環境科学部 | 50~56 |
情報連携学部 | 50~57 |
健康スポーツ科学部 |
・駒澤大学
学部 | 偏差値 |
仏教学部 | 47~52 |
・専修大学
学部 | 偏差値 |
ネットワーク情報学部 | 52~55 |
産近甲龍(私立大学)
産近甲龍は、関西圏にキャンパスを置く中堅私立大学群で、関東の日東駒専と同等レベルとして知られています。
・京都産業大学
学部 | 偏差値 |
生命科学部 | 50~54 |
・近畿大学
学部 | 偏差値 |
生物理工学部 | 48~53 |
・甲南大学
学部 | 偏差値 |
理工学部 | 50~55 |
フロンティアサイエンス学部 |
・龍谷大学
学部 | 偏差値 |
先端理工学部 | 48~54 |
農学部 | 48~54 |
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関東圏の偏差値50前後の国公立大学
関東圏にある偏差値50前後の国公立大学・学部は、以下のとおりです。
大学 | 学部 | 偏差値 |
群馬大学 | 理工学部 | 49~54 |
信州大学 | 経法学部 | 54 |
上越教育大学 | 学校教育学部 | 50~52 |
新潟大学 | 教育学部 | 48~53 |
関西圏の偏差値50前後の国公立大学
近畿圏にある偏差値50前後の国公立大学・学部は、以下のとおりです。
大学 | 学部 | 偏差値 |
大阪教育大学 | 教育学部 | 48~57 |
福知山公立大学 | 情報学部 | 49~54 |
和歌山大学 | 教育学部 | 50~56 |
京都教育大学 | 教育学部 | 50~57 |
滋賀大学 | 教育学部 | 50~57 |
自分の偏差値を知るには模試を受けるのが一番
先述のとおり、模試の偏差値は、受験した生徒全体の学力レベルによって変動するものです。そのため、全国規模や各都道府県単位で実施される模試を、積極的に活用することをおすすめします。
中でも、大学入学共通テストと同じ難易度で実施される「共通テスト模試」は、入試本番に近い精度で自分の偏差値や実力を確認できる模試です。
模試は予備校ごとに独自に開催されており、実施時期や受験方法が異なります。事前に情報を確認し、必要に応じて準備を進めることが大切です。
大学入学共通テストで何点取れば偏差値50をクリアできる?
次は、大学入学共通テストで偏差値50を超えるには、どれくらいの得点が必要なのかをみていきましょう。
平均点を取れば偏差値50であることを踏まえて、2025年1月18・19日に実施された大学入学共通テスト本試験の各科目平均点をご紹介します。
教科名 | 科目名 | 平均点 |
国語(200点) | 国語 | 126.67 |
地理歴史、公民(100点) | 地理総合、地理探究 | 57.48 |
歴史総合、日本史探究 | 56.99 | |
歴史総合、世界史探究 | 66.12 | |
公共、倫理 | 59.74 | |
公共、政治・経済 | 62.66 | |
地理総合/歴史総合/公共 | 47.15 | |
地理総合(50点) | 21.75 | |
歴史総合(50点) | 24.83 | |
公共(50点) | 25.28 | |
旧世界史A | 44.51 | |
旧世界史B | 68.20 | |
旧日本史A | 53.95 | |
旧日本史B | 68.31 | |
旧地理A | 56.96 | |
旧地理B | 61.43 | |
旧現代社会 | 64.96 | |
旧倫理 | 54.65 | |
旧政治・経済 | 59.84 | |
旧倫理、旧政治・経済 | 62.03 | |
数学①(100点) | 数学Ⅰ・数学A | 53.51 |
数学Ⅰ | 28.08 | |
旧数学Ⅰ・旧数学A | 59.86 | |
旧数学Ⅰ | 32.82 | |
数学②(100点) | 数学Ⅱ、数学B、数学C | 51.56 |
旧数学Ⅱ・旧数学B | 59.42 | |
旧数学Ⅱ | 30.19 | |
旧簿記・会計 | 47.94 | |
旧情報関係基礎 | 56.88 | |
理科(100点) | 物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎 | 59.95 |
物理基礎(50点) | 24.78 | |
化学基礎(50点) | 27.00 | |
生物基礎(50点) | 31.39 | |
地学基礎(50点) | 34.49 | |
物理 | 58.96 | |
化学 | 45.34 | |
生物 | 52.21 | |
地学 | 41.64 | |
外国語(200点) | 英語(リーディング)(100点) | 57.69 |
英語(リスニング)(100点) | 61.31 | |
ドイツ語 | 127.24 | |
フランス語 | 130.59 | |
中国語 | 166.02 | |
韓国語 | 146.91 | |
情報(100点) | 情報Ⅰ | 69.26 |
旧情報 | 72.82 |
科目により差はありますが、おおむね6割以上の得点を目指せば、偏差値50に達する可能性が高くなります。
共通テストで偏差値50→60へアップするには?
模試の結果で偏差値50だったとしても、偏差値50レベルの大学に必ず合格できるとは限りません。確実に合格を目指すために、模試ではさらに高得点を狙う必要があります。
なお、2025年1月18・19日に実施された大学入学共通テスト本試験で偏差値60を取るためには、以下の点数が必要です。
教科名(満点) | 科目名 | 偏差値60の点数 |
|
国語(200点) | 国語 | 161.57 | 34.9 |
地理歴史、公民(100点) | 地理総合、地理探究 | 73.33 | 15.85 |
歴史総合、日本史探究 | 72.75 | 15.76 | |
歴史総合、世界史探究 | 83.73 | 17.61 | |
公共、倫理 | 75.03 | 15.29 | |
公共、政治・経済 | 78.5 | 15.84 | |
地理総合/歴史総合/公共 | 62.45 | 15.3 | |
地理総合(50点) | 29.83 | 8.08 | |
歴史総合(50点) | 33.71 | 8.88 | |
公共(50点) | 34.14 | 8.86 | |
旧世界史A | 64.08 | 19.57 | |
旧世界史B | 86.82 | 18.62 | |
旧日本史A | 71.81 | 17.86 | |
旧日本史B | 85.41 | 17.1 | |
旧地理A | 73.41 | 16.45 | |
旧地理B | 76.36 | 14.93 | |
旧現代社会 | 81.17 | 16.21 | |
旧倫理 | 70.31 | 15.66 | |
旧政治・経済 | 76.37 | 16.53 | |
旧倫理、旧政治・経済 | 78.01 | 15.98 | |
数学①(100点) | 数学Ⅰ・数学A | 74.93 | 21.42 |
数学Ⅰ | 43.34 | 15.26 | |
旧数学Ⅰ・旧数学A | 79.68 | 19.82 | |
旧数学Ⅰ | 49.82 | 17 | |
数学②(100点) | 数学Ⅱ、数学B、数学C | 75.76 | 24.2 |
旧数学Ⅱ・旧数学B | 83.07 | 23.65 | |
旧数学Ⅱ | 48.04 | 17.85 | |
旧簿記・会計 | 72.72 | 24.78 | |
旧情報関係基礎 | 76.58 | 19.7 | |
理科(100点) | 物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎 | 77.54 | 17.59 |
物理基礎(50点) | 35.34 | 10.56 | |
化学基礎(50点) | 36.41 | 9.41 | |
生物基礎(50点) | 40.62 | 9.23 | |
地学基礎(50点) | 44.03 | 9.54 | |
物理 | 81.68 | 22.72 | |
化学 | 65.36 | 20.02 | |
生物 | 71.65 | 19.44 | |
地学 | 60.6 | 18.96 | |
外国語(200点) | 英語(リーディング)(100点) | 81.61 | 23.92 |
英語(リスニング)(100点) | 81.37 | 20.06 | |
ドイツ語 | 174.38 | 47.14 | |
フランス語 | 179.35 | 48.76 | |
中国語 | 196.2 | 30.18 | |
韓国語 | 192.72 | 45.81 | |
情報(100点) | 情報Ⅰ | 85.35 | 16.09 |
旧情報 | 87.25 | 14.43 |
模試の結果をもとに、得点を伸ばせそうな「攻める科目」と失点を防ぎたい「守る科目」を見極め、効率よく成績アップを目指しましょう。
まとめ
偏差値は、同じ試験を受けた生徒の中で、自分の学力がどの位置にあるのかを示す重要な指標です。
偏差値を50から60に上げることは簡単ではありませんが、実現すれば志望校合格が現実味を帯び、将来の選択肢も広がるでしょう。そのためにも、小さな目標を一つずつクリアしていく「スモールステップ」が大切です。
四谷学院の個別指導では、学年にとらわれない「無学年式」を採用しており、得意な科目はどんどん先に進めることができます。
一方で、苦手な科目はつまずいた単元まで戻って丁寧に指導するため、着実な基礎固めが可能です。四谷学院の個別指導で確かな学力を身につけて、偏差値アップを目指しましょう。
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