福島大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説
最終更新日:2023/03/31
福島大学は、福島県福島市金谷川にキャンパスを構える国立大学です。1949年に福島師範学校・福島青年師範学校・福島経済専門学校の3校を母体として設立されました。発足時は学芸学部と経済学部の文系2学部でしたが、2004年の国立大学法人化に合わせ理工学群が、2019年に農学群が創設。現在は文系の流れを汲む人文社会学群との3学群で教育・研究が行われています。
この記事では、福島大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。福島大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2022年5月31日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
福島大学の入試問題で問われる能力
初めに、福島大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。
福島大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
福島大学では、国立大学法人化が実施された翌年2005年に、「新生福島大学宣言」の一つとして、以下のような大学の理念を発表しています。
福島大学の理念
1. 自由・自治・自立の精神の尊重 2. 教育重視の人材育成大学 3. 文理融合の教育・研究の推進 4. グローバルに考え地域とともに歩む |
このような理念をもとに、教育目標としては、自立した人間の育成や、複雑かつ困難な課題に果敢に挑戦する人材の育成、確かな専門知識や技術・実践的なスキル・「解のない問い」に挑む態度などを身に付ける、としています。
また、福島大学の求める学生像(福島大学のアドミッション・ポリシー)は、以下のとおりです。
1. 〈福島大学の教育目標〉を理解していること
2. 地域や社会の発展に貢献する志をもつこと 3. そのために、①選択した領域の専門知識、②問題を発見し探究する力、③広い教養と知的関心、④グローバルな視野、⑤主体的に多様な人々と協働する力、を自ら向上させようとする意欲があること 4. 福島大学での学士課程教育を受けるにふさわしい基礎的学力、思考力・表現力・コミュニケーション能力、現実の問題や学問への能動的姿勢を持っていること |
なお、福島大学では、学部・学科ではなく、学群・学類として教育・研究が行われており、学類ごとの「求める学生像(アドミッション・ポリシー)」を公開しています。受験を考えている場合は、福島大学ホームページ、または福島大学令和4年度入学者選抜要項(PDF)などでご確認ください。
福島大学入試の特徴
福島大学は国立大学なので、一般選抜として大学入学共通テストと個別学力検査を受験するのがスタンダードな選抜方法です。
- 一般選抜(前期日程・後期日程)
大学入学共通テストで指定された科目数(5教科7科目、5教科8科目、6教科7科目、6教科8科目)を受験後、個別学力検査に臨む選抜方法です。
個別学力検査は前期日程・後期日程があり、多くの受験生は前期日程で受験します。
受験科目は学類により異なりますが、1~2科目程度と少なめ。文系の多くの学類で小論文が課されているのが特徴的です。
- 総合型選抜
学類ごとに指定された書類審査や面接、小論文、実技などで選抜する入試方法です。人文社会学群のなかで、一部実施されないコースがあるほか、学類ごとに独自の出願資格が設定されており、受験を検討する場合は注意してください。
基本的に大学入学共通テストは不要ですが、人文社会学群 経済経営学類のみ大学入学共通テストの成績による第3次選抜が行われています。
- 学校推薦型選抜
推薦基準を満たした人が、学校長の推薦により出願する選抜方法で、農学群以外の各学群で実施されます。大学入学共通テストを課す方法と課さない方法があります。
受験を考えている場合は、いずれも詳細を福島大学令和4年度入学者選抜要項(PDF)などで必ずご確認ください。
福島大学入試の概要
ここからは、福島大学の入試概要を解説します。
出願資格について
福島大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められているので、募集要項などで詳細を確認しましょう。ここでは一般選抜での出願資格をご紹介します。
出願資格は、大学入学共通テストで大学が指定した教科・科目を受験し、以下のいずれかに該当する者とされています。
- 高等学校または中等教育学校を卒業した者および入学年の3月に卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年の3月に修了見込みの者
- 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条の規定(第6号を除く。)により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者
なお、上記の3番に該当する場合は、別途6項目の条件があります。その他詳細は福島大学 令和4年度一般選抜学生募集要項(PDF)でご確認ください。
試験科目や合格要件
ここからは、福島大学の一部学群・学類ごとの試験科目や配点を一部学部・学科を抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、一般選抜前期日程の内容です。その他の学群・学類・コースの試験内容については、福島大学 令和4年度一般選抜学生募集要項(PDF)にてご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2022年5月31現在のものです。
人文社会学群 行政政策学類
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 150 | ― | 150 |
地歴公民 | 世B、日B、地理Bから1科目
現社、倫、政経、倫政経から1科目 各75 |
― | 150 |
数学 | 数Ⅰ・数Aは必須
数Ⅱ、数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目 100 |
― | 100 |
理科 | 物基、化基、生基、地学基から2科目
または物、化、生、地学から1科目 50 |
― | 50 |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1科目
150 |
― | 150 |
その他 | ― | 小論文 | 200 |
合計 | 600 | 200 | 800 |
理工学群 共生システム理工学類
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 200 | ― | 200 |
地歴公民 | 世B、日B、地理B、現社、倫、政経、倫政経から1科目
100 |
― | 100 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅰ・数Aから1科目
数Ⅱ、数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目 200 |
数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B
200 |
400 |
理科 | 物理、化学、生物、地学から2科目
または物基、化基、生基、地学基から2科目および物、化、生、地学から1科目 200 |
物基・物、化基・化、生基・生から1科目
200 |
400 |
外国語 | 英、独、仏、中、韓から1科目
200 |
― | 200 |
合計 | 900 | 400 | 1,300 |
出願者数や合格者数のデータ
福島大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2022年度(令和4年度)の一般選抜前期日程の結果です。
学群 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 志願倍率 | 実質倍率 |
人文社会 | 376 | 1056 | 935 | 440 | 2.8 | 2.1 |
理工 | 70 | 135 | 132 | 92 | 1.9 | 1.4 |
農 | 60 | 156 | 146 | 67 | 2.6 | 2.2 |
出典: 令和4年度度福島大学一般選抜(前期2日程)合格者統計(PDF)
各科目の試験問題の特徴や難易度
ここからは、福島大学の一般選抜での試験問題の特徴や傾向について、科目を抜粋して取り上げます。
英語
福島大学の個別学力検査で英語が必須になっている学群はありません。選択科目として、人文社会学群人間発達文科学類(人文科学コース)と経済経営学類、農学群食農学類で必要です。
試験時間は120分(経済経営学類は70分)で、大問は4題、記述式。大問中3題が英語長文で、大半が英文和訳問題です。難易度は標準的ですが、英語の総合的な単語や熟語、構文などをしっかり仕上げておきましょう。
なお経済経営学類では長文の割合は少なくなっており、文法や会話文の分量が多くなっているようです。
国語
人文社会学群人間発達文化学類(人文科学コース)で選択科目になっています。試験時間は120分、大問2問のシンプルな構成で、1問目が現代文、2問目が古文・漢文です。現代文は論述問題が中心になっており、記述量が多めの出題傾向。古文漢文は現代語訳を中心に、古文の単語や文法、漢文の内容説明などが中心となります。
数学
人文社会学群人間発達文科学類(数理自然科学コース)、理工学群共生システム理工学類、農学群食農学類で必須または選択科目になっています。試験時間は120分です。
まんべんなく広い範囲から出題されるので、苦手分野を作らないことは大前提に、各分野とも理解を深めたうえでしっかりと演習を積んでおく必要があります。
福島大学入試の難易度
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、福島大学の入試の偏差値は49~56、共通テスト得点率は59~82%となっています。以下は、学群別の偏差値データです。
学群 | 偏差値 |
人文社会学群 | 49~56 |
理工学群 | 51~56 |
農学群 | 52~56 |
福島大学に合格するための勉強方法
ここからは、福島大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
福島大学に入るには、何をすればいい?
国立大学である福島大学の入試は、一般選抜が中心です。特徴としては、全学群を通じて、大学入学共通テストの配点率が高い点が挙げられます。
多くの学群で、配点のうち大学入学共通テストの点数の割合は60~70%を占めています。特に人文社会学群行政政策学類では、800点満点のうち600点は共通テストの点数で、配点率は75%に上ります(個別学力試験は小論文のみ)。
したがって、福島大学は大学入学共通テスト対策が非常に重要といえるでしょう。
受験期の過ごし方
受験期の高校3年生をどのように過ごすかにより、合否の確率が変わるといっても言い過ぎではないでしょう。やみくもに勉強するのは効率的ではありません。年間を通じた長期的なスケジュールを立てて、受験勉強に取り組んでみましょう。
- 春(4~6月):徹底して基礎を身に付ける時期です。教科書の内容を基本に学習し、合わせて苦手分野の洗い出しもしましょう。暗記ものは自分に合った単語集や用語集を使い、1日でも早く取りかかるのがおすすめです。
- 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服する時期です。長期休暇中は、まとまった学習に取り組みやすいので、ぜひ成績アップにつなげましょう。「問題集を一日10ページ解く」など、短期スケジュールを組むのもモチベーションを保つコツです。
- 秋(10~12月):大学入学共通テストの対策を始める時期です。基礎固めをしつつ、応用力も磨くことで個別学力検査対策に役立ちます。
- 冬(1月~):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期です。個別学力検査対策には、時間配分に気を付けながらミスなく問題を解くようにし、最後の仕上げをします。
予備校で勉強する場合
一人で受験勉強に取り組む場合、継続する意志や情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになりがちです。だからといって「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れません。
その理由は、予備校の集団授業です。大手予備校ともなれば、多くの生徒が一度に同じ授業を受けることも珍しくないでしょう。講師の授業を受け身で聞いて、わかった気になっているだけの場合もあり、授業内容が知識として定着しない心配があります。
また集団授業のなかで、苦手分野が取り残されるケースもあります。授業でわからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなどして積極的にフォローしないと、期待したような学習の効果が出ない可能性も捨て切れません。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
まとめ:福島大学入試は丁寧に解く力が重要!
【福島大学の入試概要】
- 一般選抜が中心で、大学入学共通テストの配点率が高いのが特徴。
- 難易度は標準的。
【福島大学の入試データまとめ】
- 一般入試前期日程の学群での実質倍率は4~2.2倍、志願倍率は1.9~2.8倍。
【勉強方法まとめ】
- 基本的な知識を十分に身に付け、教科書や用語集を丁寧に学習し、大学入学共通テスト対策をしっかり行う。
- 過去問を使って時間配分をしつつ、ミスなく解き切る練習をしておく。
福島大学は、難易度は標準的ですが、個別学力試験の科目数が少なめで、大学入学共通テストでの得点が合否を左右するといっても過言ではありません。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2022年5月31日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

大学受験合格ブログ編集部
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