こんにちは!四谷学院 受験コンサルタントチームの伊達です。
新年度、部活を引退するタイミング、テストで成績が悪かった…
1学期は予備校を探し始めるきっかけがたくさんありますね。
塾や予備校に通った経験が少ない受験生のなかには
「合格率の高い予備校に行った方がうまくいきそうだ」
と考え、予備校選びのポイントとして合格率を挙げる人も珍しくありません。
しかし、合格率だけにとらわれて予備校を選ぶと、失敗してしまう可能性は高いでしょう。
今回は、合格率という考え方の危険性と、失敗しない予備校選びについてお伝えします。
予備校選びに失敗して後悔しないよう、ぜひ知っておいてほしい内容です。
目次
なぜ合格率を重視すると危険なのか
算出方法が曖昧…分母は?分子は?
そもそも各予備校が出している合格率という数字は、どのように算出されているのでしょうか。
「難関大合格率70%!」や「医学部合格率80%以上!」など、各予備校のホームページやチラシには大々的に数字が押し出されています。
これを見ると、「なんだか自分も受かりそうな気がする!!」と思えてくるかもしれませんね。
しかし、数学で確率を習った経験があれば、「これってどれくらい信頼できる数字なんだろう?」と冷静に考えることができるのではないでしょうか。
確率が収束するには、相当な数の試行回数が必要なはずです。
医学部を受験した人が5名のみ、そのうちの4名が合格していたら「医学部合格率80%!」と表現できてしまいます。
どれだけ信頼できるデータでしょうか?
もちろん優秀な数字ではありますが、再現性や信頼性は高くないと言えます。
合格率と合格者数を併記しない理由とは
先述した合格率だけでなく、合格者数を全面的に押し出している予備校もあります。
ただ、合格率と合格者数をどちらも記載している予備校はあまりありません。
合格率だけを載せている予備校は、生徒数や出願者数自体が少ない可能性が高いです。
「少数精鋭」と表現すれば聞こえは良いですが、自分にも合うやり方なのか判断が難しいですね。
一方、合格者数だけを載せているケースは、生徒数が非常に多い予備校であることがほとんどです。
100名以上いるクラスのなかで、何割かが受かっていれば、合格者数をアピールすることができてしまいます。
クラスでも「上澄み」とされる一部の生徒たちが受かれば良いので、ついていけない人はそのまま置いていかれる…ということが起こる原因がわかりますね。
人間は数字に騙されやすい
『数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う』というフレーズを聞いたことがあるでしょうか。
抽象的な言葉だけで伝えるよりも、具体的な数字を使うことで客観性や説得力は増していきます。
しかし、表現する側が「どの数字を伝えるか」を選べてしまう点に注意が必要です。
相手へアピールするときに、自分の短所を伝える人はいないでしょう。
面接試験などで『短所も長所の裏返しとして伝えるように!』と、アドバイスされた経験がある人もいますよね。
伝えたい情報を絞ってアピールするのは、自然なことだと言えます。
これは、「予備校側」の視点でも同じことが言えます。
多くの人に選んでもらいたいからこそ、自分たちにとって都合が良い数字をアピールしているわけですね。
数字は発信者側がコントロールできてしまう点に注意
数字の見栄えをよくするために、一度講習に参加しただけでも合格者数にカウントする予備校もなかにはあります。
各予備校が掲載している合格者数を足してみると、その大学の定員を大きく超えている…ということもありました。
ほかにも、医師や薬剤師などの国家試験で、「新卒合格率を高めるために留年させる」という話を聞いたことはないでしょうか。
そのままの実力では試験に合格できないと思われる生徒には、その受験資格を与えないことで、合格率という数字の見栄えを良くしているのです。
予備校で言えば、「合わずに退会した生徒」をカウントしなかったり、難関大には届かないと思われる受験生の志望校を変えさせたり…といったことが当てはまりますね。
考えたくはないですが、学校のように入学者数などを発表しているわけではないため、公表している数字が本当に正しいのかどうかは、生徒側からは確認する術もありません。
何かを判断をするのに数字やデータを活用することは大事なことですが、それだけしか眼中に入らなくなってしまう…というのは、視野が狭くなり危険だと認識しておきましょう。
自分が合格しなければ意味がない!
自分が「合格する側」になれるのか
合格率80%の予備校に通って、あなたは合格できるでしょうか。
もしこの数字を素直に受け取ったとしても、20%の受験生は不合格になってしまっています。
学校の1クラスが40名だとしたら、そのうちの8名が不合格。
完全運任せのくじ引きだったとしても、「自分はハズレなんて絶対引くわけがない」と思うにはなかなか難しい確率ですよね。
さらに大学受験では、学力が高い人や、志望校対策に時間をかけた人の方が合格する可能性は高まります。
実力がわからない相手との競争になると、不安はより強くなっていくでしょう。
また、よく耳にする「全国模試A判定!」。
間違いなく合格をつかめそうだ…と思うかもしれませんが、模試でA判定を取り続けていたのに落ちてしまう受験生も実際にいます。
模試によって基準は異なりますが、A判定というのは、現時点で「合格率80%以上」の実力を持っているというだけのこと。
ライバルに抜かれてしまったり、本番で自分の苦手な問題ばかり出てしまったりと、様々な要因で不合格になってしまうことも珍しくないのです。
目安にする人も多いB判定は、「合格率60~80%」。
まったく安心できる数字ではないですよね。
受験勉強は自分の合格確率を高めていくための準備期間
志望校合格をつかむのに必要なのは、「試験本番で合格点をとる」ということだけです。
それまでの成績が悪くても、最後の最後に大きく伸びて合格をつかむ人はたくさんいます。
反対に良い判定が出ていたとしても、自分の苦手な分野ばかり出題されてしまい、不合格になってしまう人も珍しくないのです。
受験に「絶対」はありません。
どれだけ優秀な受験生でも、「まさか」の結果に終わってしまうことも実際にあります。
だからこそ、受験勉強をするときには、「合格確率を高めていく」期間にする意識が必要なのです。
やみくもに勉強時間を増やしたところで、なかなか合格はつかみとれません。
なぜ志望校対策が必要なのか…
その大学の出題傾向を把握することで、どこに対策時間を割くべきかがわかるからです。
また、同じやり方や勉強時間で努力したとしても、人それぞれ伸び方は違います。
なぜ合格率で判断するのが危険なのか…
それは、「だれかがうまくいった方法」が「自分にとってもうまくいく方法」とは限らないからです。
あなたには、あなたに合ったやり方があります。
「大体の人がうまくいっているみたいだから自分もそうしよう」ではなく、「あなたにとってベストな方法」で受験勉強に臨んでください。
予備校選びでは、「自分に合っている予備校なのか」を重視することをオススメします。
「合格率80%の予備校は本当に良い予備校なのか?」まとめ
今回は、合格率という考え方の危険性と、失敗しない予備校選びについてお話ししました。
合格率などの数字だけで判断するのは危ない…というのは伝わったでしょうか。
四谷学院では、志望校合格に関係のない過去の合格率や実績ではなく、目の前のあなたが合格するための指導を重視しています。
自分に合った予備校を見つけるには、まずあなたの状況を先生に知ってもらうことが大事です。
志望校も成績も、あなたの特性も知らないままで、的確なアドバイスを送ることはできませんから。
四谷学院の個別相談会では、学習システムを説明するだけでなく、勉強計画や方針までイメージし、あなたの困りごとを解決していきます。
予備校選びで迷っている、どうすれば良いか困ってしまった…という人は、ぜひ一度お話を聞かせてくださいね。
全国の四谷学院でお待ちしています!