医学部志望者は知っておきたい「医学部受験の実態」の話

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こんにちは。四谷学院の山中です。
近年、少子化の進行によって18歳の人口が減り、大学受験倍率が急速に低下していることをご存知でしょうか?

定員割れを起こしている私立大学もあり、大学全入時代と呼ばれることもしばしば。
本人さえ良ければ、誰でもどこかの大学に合格できてしまうんです。

しかし、当然ながら全ての大学が「誰でも合格できる」というわけではありません。
大学全入時代と言われる一方で、一部の難関大学に人気が集中し、倍率が上昇している実情があります。特に不況に強いとされる資格・技能を習得できる大学・学部は人気があります。今回は、その中の頂点、医学部についてお話していきます。

医学部って特別?

医学部入試の実質倍率は?

  • 国公立大学は3.4倍 (2023年度一般選抜・前期日程)
  • 私立大学は11.2倍 (2023年度一般選抜・メイン方式)
  • 国公立大学の倍率を見て「あれ?意外と倍率低い?」と思った人もいるかもしれません。
    国公立大学は「共通テストの得点による2段階選抜」や、「すべての大学が同じ日に入試を行うため、原則1校にしか出願できない」というハードルがあるので受験生が自分のレベルに合わせて分散し、倍率は抑えられる傾向にあります。その結果ほとんどの大学は倍率2~5倍となっていますが、同レベルの受験生がひしめき合う少数激戦の入試となります。
    なお、一部の大学は後期日程もあるのでチャンスは最大2回あります。

    一方、私立大学は入試日程がバラバラなので日程が被っていなければ複数校を併願することが可能です。国公立大学と違って共通テストなどによる出願のハードルもないので、受けたい人がどんどん挑戦できるのが私立大学の特徴です。

    その結果、私立大学の医学部では実質倍率が10倍を超える大学も少なくありません。同じ私立でも医学部以外の他の学部で10倍を超えることはほとんどなく、5倍を超えることも珍しいので医学部の倍率が極めて高いことがわかります。

    倍率を見るだけでもわかるとおり、医学部に合格することは簡単なことではありません。

    しかし、今日ここでお伝えしたいのは、「医学部は本当に特別なのか?」という問題です。

    国公立医学部は東大レベル?

    「国公立医学部」と聞いた瞬間に、もはや神のごとき扱いをする人もいます。「医学部に合格できるのは特別な人」と考えている人も少なくありません。

    ですが、それって本当にそうなのでしょうか?

    医学部の難しさを表現するときに、「東大レベル」のような言い方を使うことがあります。確かに少し前までは国公立医学部は「センター試験(現共通テスト)の得点率ボーダーは90%以上が当たり前」と言われ、東大とほぼ同じ得点率でした。

    しかし、定員の増加や、地域枠の拡大により、国公立医学部の中でも難しい大学と比較的入りやすくなってきた大学の二極化の傾向が見られています。

    医学部が難しいと言われる理由

    一般的には、やはり国公立医学部は難しいと言われています。共通テストで得点しなければいけない点数が高いからです。医学部に合格するには地方の国公立でも概ね80%以上の得点率が必要です。さらに大学独自の二次試験でも合格点を取る必要があります。

    ここでポイントになるのが、二次試験の内容です。
    国公立医学部の多くは総合大学に設置されていて、たいていの場合、他の理工系学部と共通の問題が出題されます。英語であれば文系学部とも共通問題です。合格ラインは、他の理工系学部と比べて医学部の方が高くはなりますが、出題される問題自体は他学部と同じというパターンが多いのです。
    単科の医科大学や医学科受験生だけは別の問題を準備する一部の大学においては、医学科受験生を対象とした難問を出題してくる場合もありますが、多くの大学では、他の学部と同じ基礎~標準レベルの問題が解ければよいのです。
    こう考えると、医学部に合格するために特別な専門対策が必要なわけではないということが分かりますね。

    国公立医学部に受かるためには

    さて、ここまでを踏まえて、国公立医学部に受かるためには何が必要だと思いますか?

    挙げるとすれば、基礎をしっかりと理解し、共通テストや他学部と共通の「標準レベルの二次試験」でミスをなく、取れる問題をしっかり得点することだと言えます。

    2021年度入試からセンター試験が共通テストに代わりました。共通テストになってからは暗記要素が強い知識問題が減り、「理解力」や「思考力」を問う問題が増えました。その結果、センター試験に比べ、高得点が取りにくい試験となり、国公立医学部であっても地方であれば80%強の得点で合格できるようになりました。これまでは苦手科目であっても、過去問を中心にパターン暗記をすればある程度乗り切れる試験でしたが、共通テストではそうしたごまかしは効かなくなったと言えます。

    人間誰だって「得意・不得意」や「好き・嫌い」があるでしょう。勉強だって得意科目や苦手科目、得意な形式、苦手な形式があります。しかしながら、医学部に受かるためには、得意不得意や好き嫌いは言っていられません。

    ここまで読んで「あ、やっぱり自分に医学部は無理かも」と思ったあなたに、最後に一つ、朗報です。

    医学部合格に必要な得点率がセンター試験時代に比べて下がっているということは、それだけ暗記に頼った勉強をしてきた受験生が多く、共通テストの形式を苦手にしている人が多いということです。
    逆にいえば、多くの人が苦手としているその問題を克服できればチャンスは非常に大きくなるということです。

    医学部志望者は知っておきたい「医学部受験の実態」の話~まとめ~

    共通テストは、全て高校の教科書の範囲内から出題されます。難しい知識や高度な発想力を求めるものではなく、あくまで「基礎の理解」を重視した試験ということが、お判りいただけたでしょうか。
    基礎を「なんとなく暗記」で済ませてしまうのではなく、基礎をしっかり理解することが共通テストの高得点につながり、またそれはそのまま二次試験での高得点にもつながります。

    しっかり基礎の土台を固めればおのずと医学部合格は見えてくるのです。

    まずは「自分が何を分かっていて、何を分かっていないのか」、「何が苦手なのか」をしっかりと把握しましょう。
    四谷学院ではあなたの苦手を発見し一緒に克服するための相談会(もちろん無料です)も随時行っていますので、「ここから逆転して医学部に合格したい・・・!」
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