
こんにちは!四谷学院の奥野です。
京都薬科大学は、京都市にキャンパスを構える私立大学です。1884年にドイツ人教師のルドルフ・レーマンによって創立された京都私立独逸学校の「別課学科(別科)」(のち薬学科)をルーツとし、歴史ある薬学教育・研究機関として、多くの人材を輩出しています。
京都薬科大学の特徴は「研究の京薬」と呼ばれてきたように、3年次後期からの早期の研究室配属や、京都4大学連携機構における共同研究への参画など、研究に力を入れていることです。
質の高いきめ細かな教育は、ストレートでの薬剤師国家試験合格率において全国トップクラスという形で実を結んでいます。
この記事では、京都薬科大学の入試問題の特徴や難易度、合格に向けた効率的な勉強方法について解説します。
※本記事に記載されている情報は2025年6月21日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。



目次
京都薬科大学の入試問題で問われる能力
まずは、京都薬科大学が求めている人物像や入試の特徴、難易度について解説します。
京都薬科大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
京都薬科大学は、学問を愛して自ら学び、実践することを意味する「愛学躬行(あいがくきゅうこう):Philosophia et Praktikos」を建学の精神としています。
この建学の精神をもとに、Science(科学)、Art(技術)、Humanity(人間性)を兼ね備えた薬剤師の養成に取り組んでいます。
そして、アドミッション・ポリシーでは、入試を通じて以下4つの能力を備えた人を選考するとしています。
AP1.薬学を学ぶ上で必要な基礎学力を有している。(知識・技能)
AP2.論理的に思考・表現し、自らの考えを的確に他者に伝えることができる。(思考力・判断力・表現力)
AP3.自ら進んで物事の課題や問題点を考え、解決するために努力できる。(主体性)
AP4.協調性を持ち、他者と円滑にコミュニケーションをとることができる。(協働態度)
アドミッション・ポリシーを見ると、京都薬科大学では学力だけでなく、主体性や協調性などをもつ人材を求めていることがわかります。
なお、京都薬科大学のカリキュラム・ポリシーやディプロマ・ポリシーについては、大学公式ホームページをご確認ください。
京都薬科大学入試の特徴

京都薬科大学の選抜方法は大きく分けて一般選抜と学校推薦型選抜の2つですが、意欲のある学生を幅広く受け入れるために、複数の入試方式が設けられています。各入試方式の特徴を解説します。
一般選抜前期・後期
大学独自の学力試験を実施し、調査書と併せて総合的に合否を判断する入試方式です。前期は3教科型、2025年度試験より新規に導入された後期は2教科型となっています。一般選抜前期・後期および一般選抜共通テスト利用前期・後期は併願が可能です。
一般選抜共通テスト利用前期・後期
大学独自の学力試験は実施せず、大学が指定する大学入学共通テストの教科・科目の成績を利用する入試方式です。
前期では、大学入学共通テストと調査書による総合評価が行われます。後期では、大学入学共通テストと調査書、志望理由書による総合評価が行われ、意欲や志向性も重視されます。一般選抜共通テスト利用前期・後期および一般選抜前期・後期は併願が可能です。
学校推薦型選抜(指定校制)
大学が指定する高等学校の学校長による推薦を受けた者を対象とする選抜で、面接と調査書で総合的に合否を判定します。大学独自の学力試験は実施しません。
学校推薦型選抜(一般公募制)
出願要件を満たしたうえで出身学校長による推薦を受け、合格した場合に入学を確約できる者を対象とする選抜です。適性検査と面接、調査書によって合否を判定します。
詳細は、大学公式ホームページの入試制度や最新の要項をご確認ください。
京都薬科大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策
京都薬科大学に合格するには、試験問題の特徴や出題傾向、難易度を把握することが大切です。ここからは、京都薬科大学の一般選抜前期(3教科型)における試験問題の特徴を、2025年度の入試問題をもとに科目別でご紹介します。
外国語(英語)
大問3問の構成で、試験時間は90分です。難易度は高めで、化学などの専門的なテーマが扱われます。要約など記述問題が比較的多いため、過去問で分量や出題傾向を確認しましょう。
また、長文を読みこなすために、単語や文法は早い時期にマスターして基礎を固めておくことをおすすめします。
数学
大問4問の構成で、試験時間は90分です。難易度は基礎から標準レベルで、一部やや難しめの問題があります。全問記述式ですが、解答のみを記述する形式となっており、部分点による得点はありません。
そのため、基本的な解法を理解するだけでなく、正確に計算する力を身につけておくことが大切です。しっかりと得点できるように、演習を重ねて訓練しておきましょう。
理科(化学)
大問4問の構成で、試験時間は90分です。難易度は基礎から標準レベルが中心ですが、やや難しめの問題もあります。解答は記述式のため、化学式や構造式は確実に書けるようにしておきましょう。
全体を通して思考力が問われる内容で、簡単な論述を求められる問題もあります。そのため、過去問を参考にして、要点を簡潔にまとめられるように練習しておくのがポイントです。計算ミスにも注意しましょう。
京都薬科大学入試の難易度
Benesseの「マナビジョン」のデータによると、京都薬科大学の偏差値は49~54、大学入学共通テスト得点率は73%とされています(2025年6月21日時点)。
難易度は標準レベルですが、試験は記述式のため、対策は十分に行っておく必要があります。
参照:京都薬科大学/偏差値・共通テスト得点率(入試難易度)【2025年度入試・2024年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報
京都薬科大学試験の概要
ここからは、京都薬科大学の出願資格や試験科目と配点、合格者数のデータなどの試験概要について解説します。
なお、以下の情報は2025年度試験のものです。詳細は大学公式ホームページもしくは最新の要項をご確認ください。
出願資格について
京都薬科大学の出願資格は選抜方法によって異なるため、ここでは一般選抜の出願資格をご紹介します。
一般選抜に出願できるのは、以下いずれかに該当する方です。
- 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び入学年の3月卒業見込みの者</li
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年の3月修了見込みの者
- 学校教育法施行規則第150条及び第154条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
なお、一般選抜共通テスト利用前期・後期に出願するには、上記の条件に加えて大学が指定する教科・科目の受験が必要です。
そのほかの選抜方法の出願資格については、最新の要項をご確認ください。
試験科目や配点
京都薬科大学の入試科目や配点は、入試方式によって異なります。ここでは、受験者数の多い一般選抜前期(3教科型)および、一般選抜共通テスト利用前期の試験科目と配点を抜粋してご紹介します。なお、取り上げているのは2026年度試験の情報です。
<一般選抜前期(3教科型)>
| 教科・科目名 | 配点 | |
| 数学 | 数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学A、数学B(数列、統計的な推測)、数学C(ベクトル) | 200 |
| 外国語(英語) | 英語コミュニケーションⅠ、英語コミュニケーションⅡ、英語コミュニケーションⅢ、論理・表現Ⅰ、論理・表現Ⅱ、論理・表現Ⅲ | 200 |
| 理科 | 化学基礎・化学 | 200 |
| 合計 | 600 | |
<一般選抜共通テスト利用前期>
| 大学入学共通テストの利用教科・科目名 | 配点 | |
| 数学 | 数学①(『数学Ⅰ,数学A』)、数学②(『数学Ⅱ,数学B,数学C』) | 200 |
| 外国語 | 『英語』(「リーディング」と「リスニング」) | 200 (※リーディング160点満点、リスニング40点満点に換算) |
| 国語 | 『国語』(近代以降の文章のみ) | 110 |
| 理科 | 『化学』(必須)、『物理』『生物』から1科目選択 | 200 |
| 合計 | 710 | |
出願者数や合格者数のデータ
京都薬科大学の2025年度一般選抜における出願者数や合格者数は、以下のとおりです。
| 入試方式 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
| 一般選抜共通テスト利用前期 | 710 | 619 | 297 | 2.1 |
| 一般選抜前期(3教科型) | 879 | 841 | 372 | 2.3 |
| 一般選抜後期(2教科型) | 414 | 317 | 42 | 7.5 |
| 一般選抜共通テスト利用後期 | 16 | 12 | 3 | 4.0 |
京都薬科大学に合格するための勉強方法

ここからは、京都薬科大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
京都薬科大学に入るには、何をすればいい?
京都薬科大学の偏差値は、49~54と標準レベルです。基礎を固めて点数の取りこぼしを防ぐことが重要になるため、基本~標準問題を繰り返し勉強しましょう。また、記述式の試験となるため、わかりやすい答案作成の練習も必要です。
入試では、1点の差が合否を左右することになります。少しでも曖昧な部分については復習をし、ミスがないようにしましょう。
受験期の過ごし方
志望校への合格を勝ち取るうえで、高校3年生の時期の過ごし方は重要になります。
ただ勉強時間を増やすだけでは効率的な成績向上が望めないため、長期的な学習計画に基づいて勉強を進めてみてください。
以下を参考に大まかな年間スケジュールを立て、短期の計画へと落とし込んでいきましょう。
- 春(4~5月):基礎学習に取り組む時期です。教科書レベルの問題に取り組み、苦手分野を明らかにしておきましょう。英単語や文法などの暗記項目は、早めに手をつけるのがおすすめです。
- 夏(6~8月):苦手部分を克服する時期です。勉強時間を確保しやすい夏休みを活用して、じっくりと取り組みましょう。学習計画を立てる際は週単位で目標を決めると、モチベーションを維持しやすくなります。
- 秋(9~11月):これまでに身につけた基礎をもとに、入試レベルの問題演習に取り組みます。過去問を解き、志望校の出題形式やレベル感を確認しておきましょう。大学入学共通テストを受験する場合は、その準備も始めます。
- 冬(12月~):受験勉強の仕上げの時期です。時間配分を意識しながら過去問演習を繰り返し行い、本番で実力を発揮できるようにしましょう。曖昧な部分や間違った問題があれば必ず復習し、抜けがないようにしていきます。
予備校で勉強する場合
受験勉強を効率よく進めたいなら、予備校に通うのも一つの手段です。予備校では受験に特化した勉強ができる、進路相談などのサポートを受けられるなど、多くのメリットがあります。
しかし、予備校に通えば、必ず志望校合格レベルにまで学力がアップするわけではありません。通っていることで満足して自宅学習がおろそかになると、学力は定着しないためです。
また、多くの予備校では集団授業を行っています。集団授業では、自分の理解度と授業のペースが合わなかったり、聞いているだけで理解したつもりになったりするおそれがあります。
授業で積極的に質問しなければ、苦手分野が取り残されやすくなるため、注意が必要です。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業にありがちな欠点をカバーできるのが、四谷学院独自の「ダブル教育」です。以下では、ダブル教育の2つのポイントをご紹介します。
科目別能力別授業
多くの予備校では、入塾テストの結果や志望校によってクラス分けをします。それに対し、四谷学院の科目別能力別授業は、科目ごとのレベルに合わせて「基礎クラス」「選抜クラス」といったクラス分けを行うのが特徴です。
これにより、授業についていけなくなったり、内容が簡単すぎたりする心配がなく、効率的に理解力を伸ばせます。
また、毎月行う「レベル診断テスト」により、学力の伸びに合わせてクラスレベルも上がっていきます。
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解力を解答力につなげるのが、55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を分析して作成した55テストを通じて、解答の仕方が不完全なところや理解が不足しているところをチェックします。
チェックした箇所については、プロの講師がその場で解説するため、着実に解答力を高められます。
講師との1対1のやりとりで、できていなかったところの理解はもちろんのこと、思考力や記述力アップも期待できます。
京都薬科大学入試は丁寧に解く力が重要!
【京都薬科大学の入試概要】
- 一般選抜は大学独自の学力試験のほか、大学入学共通テストのみでの受験も可能
- 難易度は標準レベル
【京都薬科大学の入試データまとめ】
- 実質倍率は2.1~7.5倍(2025年度試験)で、入試方式によって差がある
【勉強方法まとめ】
- 基礎を確実にして、点数の取りこぼしを防ぐ
- 過去問で出題形式や時間配分に慣れておく
京都薬科大学合格を勝ち取るために、四谷学院で学んでみてはいかがでしょうか。四谷学院では、科目別能力別授業と55段階個別指導のダブル教育によって、理解力と解答力の両方を高められます。効率的に受験対策を行いたい方は、ぜひお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2025年6月21日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!
志望校への合格を目指すうえで重要なのは、自分に合った予備校を選ぶことです。
パンフレットやインターネットの情報、口コミだけでは、十分な情報は得られません。予備校が実施する説明会・相談会に出向き、自分の目で指導方法や学習環境、サポート体制などを確認しましょう。
以下の記事では、説明会・相談会への参加方法や、確認すべきポイントなどを解説しています。ぜひ参考にしてください。


