こんにちは、四谷学院 受験コンサルタントチームの藤川です。
国公立大学を目指している人なら、
「共通テストと二次試験、どちらを重視して勉強すればいいんだろう?」
と考えたことがあるのではないでしょうか。

「難関大学は二次試験重視」と言われることもありますが、実際の配点を見ると、大学によってかなり違います。
さらに、同じ大学でも学部によって共通テストの重みが大きく変わることがあります。
そこで今回は、2027年度入試について公表されている各大学の公式資料をもとに、旧帝大と呼ばれる北海道大学・東北大学・東京大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学・九州大学の配点を比較します。
数字を比べながら、共通テストと二次試験のどちらにより大きな比重が置かれているのかを見ていきましょう。
※この記事では、大学入学共通テストと個別学力検査等の合計点に占める、大学入学共通テストの配点の割合を「共テ比率」としています。
※表の共通テストの点数は、各大学が合否判定に使用する換算後の配点です。
※学部・学科・入試区分によって配点は異なるため、以下の表は各大学の代表的な区分を比較したものです。「大学全体の共テ比率」を示すランキングではありません。
※2026年9月時点で公表されている2027年度の入学者選抜要項・入学者選抜概要などをもとにしています。出願時には、必ず各大学の最新の募集要項を確認してください。



共通テストは「1000点満点」でも大学によって重みが違う
まず注意したいのが、共通テストの素点と、大学が実際の合否判定に使う配点は同じとは限らないという点です。
わかりやすい例として、東京大学を見てみましょう。
東京大学では、共通テストの1000点満点を110点満点に換算し、第2次学力試験の440点と合わせて550点満点で合否を判定します。
つまり、最終的な550点のうち共通テストが占める割合は、
110÷550=20.0%
です。
共通テスト自体は1000点満点でも、最終的な合否判定では二次試験の方が大きな配点を持っています。
大学の配点を見るときは、「共通テストが何点満点か」だけではなく、その得点が最終的に何点へ換算され、二次試験とどのように合計されるのかまで確認しましょう。
共通テスト対策と二次試験対策、それぞれにどれだけ力を入れるべきかを考える大事な判断材料になります。
旧帝大7校の文系代表例を配点で比較
まずは文系の代表的な区分を比べてみましょう。
大学によって入試区分が異なるため、文学部を中心に取り上げ、東京大学は文科類で比較しています。
| 大学・区分 | 共通テスト | 個別学力検査等 | 総合点 | 共テ比率 |
|---|---|---|---|---|
| 東京大・文科類 | 110 | 440 | 550 | 20.0% |
| 京都大・文学部 | 250 | 500 | 750 | 33.3% |
| 東北大・文学部 | 700 | 1,300 | 2,000 | 35.0% |
| 九州大・文学部 | 275 | 500 | 775 | 35.5% |
| 大阪大・文学部 | 260 | 400 | 660 | 39.4% |
| 北海道大・文学部 | 315 | 450 | 765 | 41.2% |
| 名古屋大・文学部 | 950 | 1,200 | 2,150 | 44.2% |
代表例を比較すると、東京大学は20.0%なのに対して、名古屋大学文学部は44.2%です。
同じ旧帝大の文系でも、最終得点に占める共通テストの割合には2倍以上の差があるということがわかります。
たとえば名古屋大学文学部では、総合点2150点のうち950点が共通テストです。
今回比較した文系の代表例の中では、共通テストの比重が比較的大きいことがわかります。
「旧帝大なら二次試験重視」と一括りにするのではなく、自分が受験する学部や入試区分の実際の配点を見ることが重要です。
旧帝大7校の理系代表例を配点で比較
続いて理系です。
工学部を中心に比較し、東京大学は理科一・二類、北海道大学は前期日程の総合入試(理系)を取り上げています。
| 大学・区分 | 共通テスト | 個別学力検査等 | 総合点 | 共テ比率 |
|---|---|---|---|---|
| 東京大・理科一・二類 | 110 | 440 | 550 | 20.0% |
| 京都大・工学部 | 225 | 800 | 1,025 | 22.0% |
| 大阪大・工学部 | 325 | 700 | 1,025 | 31.7% |
| 東北大・工学部 | 950 | 2,000 | 2,950 | 32.2% |
| 名古屋大・工学部 | 635 | 1,300 | 1,935 | 32.8% |
| 北海道大・総合入試(理系) | 315 | 450 | 765 | 41.2% |
| 九州大・工学部 | 520 | 700 | 1,220 | 42.6% |
※東京大学理科三類も学力試験の配点は共通テスト110点、第2次学力試験440点ですが、面接試験の結果も含めて総合的に判定されるため、表では理科一・二類を取り上げています。
理系では、東京大学と京都大学の二次試験比重の大きさが目立ちます。
東京大学は共テ比率20.0%、京都大学工学部は22.0%。
一方、北海道大学の総合入試(理系)は41.2%、九州大学工学部は42.6%です。
こちらも、代表例では最終得点に占める共通テストの割合に約2倍の差があります。
「理系だから二次試験だけを重視すればいい」と考えるのではなく、共通テストが総合点の何%を占めるのかまで確認したうえで対策を考えましょう。

同じ大学でも、学部が変われば比率は大きく変わる
さらに注意したいのが、同じ大学でも学部によって配点比率が違う点です。
2027年度の名古屋大学を例に見てみましょう。
| 学部 | 共通テスト | 個別学力検査等 | 総合点 | 共テ比率 |
|---|---|---|---|---|
| 文学部 | 950 | 1,200 | 2,150 | 44.2% |
| 法学部 | 950 | 600 | 1,550 | 61.3% |
| 工学部 | 635 | 1,300 | 1,935 | 32.8% |
法学部では、総合点1550点のうち共通テストが950点。
共テ比率は61.3%に達します。
一方、工学部は32.8%です。
同じ名古屋大学でも、法学部では総合点の6割以上を共通テストが占めるのに対し、工学部ではその割合が3分の1程度にとどまります。
もちろん、配点比率をそのまま勉強時間の比率にするわけではありません。
現在の学力や科目ごとの得意・不得意、得点の伸ばしやすさなども考える必要があります。
それでも、共通テストと二次試験のどこで得点を確保する必要があるのかを考えるうえで、配点は重要な材料になります。
「名古屋大学は共テ重視」「名古屋大学は二次重視」と大学単位で判断するのではなく、自分が受験する学部・学科まで確認しましょう。
共テ比率が低ければ、共通テストは軽視していい?
ここで気をつけたいのが、「東大は共テ比率20%なら、二次試験だけ頑張ればいいのでは?」と考えてしまうことです。
しかし、そう単純ではありません。
東京大学では、志願者数が各科類の募集人員に対する予定倍率に達した場合、共通テストの成績による第1段階選抜が行われます。
つまり、最終的な合否判定で共通テストの配点が小さくても、共通テストの結果によっては二次試験を受けられない可能性があるのです。
ほかの大学でも、志願者数などの条件によって第1段階選抜を実施する場合があります。
そのため、「共テ比率が低い=共通テストは重要ではない」とは考えないようにしましょう。
最終的な配点だけでなく、第1段階選抜の有無や条件も募集要項で確認することが大切です。
配点を見たら「自分なら何点になるか」まで計算しよう
配点を調べる目的は、「この大学は共テ重視」「この大学は二次重視」と分類することではありません。
大切なのは、自分の現在の得点を、その大学の配点に当てはめてみることです。
たとえば、共通テスト模試で1000点満点中、自分が800点をとったとします。
東京大学の110点満点に換算すると、
800÷1000×110=88点
です。
このように現在の得点を志望校の配点に換算すると、
「共通テストではどのくらい得点を確保できそうか」
「二次試験ではどのくらい得点する必要があるのか」
を具体的に考えやすくなります。
ただし、配点比率をそのまま勉強時間の比率にすることはできません。
現在の完成度や科目ごとの伸ばしやすさ、第1段階選抜の条件なども含めて、
「共通テスト対策と二次対策に、それぞれどれくらい時間をかけるか」
「どの科目を優先して伸ばすか」
「苦手科目をどこまで引き上げる必要があるか」
を考えていきましょう。
志望校が決まっている人は、募集要項を確認するだけで終わらせず、次の模試を受けたら、自分の得点を志望校の配点に一度換算してみるのがおすすめです。
数字に置き換えてみることで、今後の課題もより具体的になります。
なお、共通テスト後の出願校の考え方や2段階選抜については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

まとめ|大学名だけでなく「自分が受ける学部・入試区分」の配点を見よう
旧帝大7校を比較しても、共通テストと二次試験の配点比率は同じではありません。
今回取り上げた代表例では、共テ比率が20%程度のところもあれば、40%を超えるところもありました。
さらに名古屋大学のように、同じ大学でも学部によって共テ比率が大きく異なるケースもあります。
志望校が決まったら、まず確認したいのは、
「共通テストの得点は最終的に何点に換算されるのか」
「二次試験と合わせて何点満点になるのか」
という点です。
そのうえで、自分の現在の得点を実際の配点に当てはめてみましょう。
「難関大だから二次重視」といったイメージだけで判断せず、自分が実際に受験する学部・学科や入試区分の配点をもとに、どこで得点を確保するのかを考えることが大切です。
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