こんにちは、四谷学院 受験コンサルタントチームの藤川です。
志望校の過去問を解いたとき、気になる数字の一つが「合格最低点」ではないでしょうか。
「前年の合格最低点を超えたから、このくらい取れれば大丈夫そう」
と思いたくなるところですが、合格最低点は毎年同じとは限りません。

実際に主要私立大学が公表している2025年度・2026年度の入試結果を比べてみると、わずか1年で60点以上動いたケースもありました。
一方で、前年より最低点が下がった入試方式や、まったく変わらなかった学科もあります。
今回は大学公式の入試結果をもとに、合格最低点が1年間でどのくらい動くのかを見ていきましょう。
※原則として、2025年度と2026年度で入試方式と満点が同じものを比較しています。
※同じ入試方式でも、年度によって得点調整の有無や方法が異なる場合があります。点数の変化をそのまま入試難易度の変化として比較するものではありません。



合格最低点は1年間でどれくらい変わる?
まずは、2025年度と2026年度で比較できる代表的な例を見てみましょう。
慶應義塾大学、明治大学、青山学院大学が公表している2025年度・2026年度の入試結果をもとに比較します。
| 大学・学部・方式 | 2025年度 | 2026年度 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 慶應義塾大学 法学部 法律学科 | 253/450(56.2%) | 317/450(70.4%) | +64点(+14.2pt) |
| 慶應義塾大学 法学部 政治学科 | 251/450(55.8%) | 317/450(70.4%) | +66点(+14.7pt) |
| 明治大学 農学部 食料環境政策学科 | 294/450(65.3%) | 331/450(73.6%) | +37点(+8.2pt) |
| 青山学院大学 文学部 英米文学科 C方式 | 207/300(69.0%) | 236/300(78.7%) | +29点(+9.7pt) |
| 青山学院大学 文学部 英米文学科 A方式 | 351/450(78.0%) | 340/450(75.6%) | -11点(-2.4pt) |
| 慶應義塾大学 文学部 | 220/350(62.9%) | 210/350(60.0%) | -10点(-2.9pt) |
| 明治大学 理工学部 機械工学科 | 248/360(68.9%) | 248/360(68.9%) | ±0点 |
1年間で60点以上も上がったケースがある一方、10点以上下がった例や、まったく変わらなかった学科もあることがわかります。
合格最低点の動きは、大学・学部・入試方式や年度によってさまざまです。
60点以上アップした慶應法学部
今回の比較で特に大きく動いたのが、慶應義塾大学・法学部です。
法律学科の合格最低点は、2025年度の253点から2026年度は317点へ64点上昇。
政治学科も251点から317点へ66点上昇しています。
得点率で見ても、法律学科は約56.2%から70.4%、政治学科は約55.8%から70.4%へと、どちらも14ポイント以上高くなりました。
これだけを見ると、
「2026年度の慶應法学部は、一気に合格するのが難しくなったのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、ここで注目したいのが受験者の得点状況です。
法律学科の英語の受験者平均点は、2025年度の105.34点から2026年度は147.28点へ上昇。
政治学科でも107.48点から148.35点へ大きく上がっています。
この数字だけから「英語の問題が易しくなった」などと原因を断定することはできません。
ただし、少なくとも英語や地理歴史では、受験者の得点状況が前年と大きく異なっていたことがわかります。
こうした得点状況の違いもあるため、合格最低点が60点以上上がったからといって、「前年より60点分、合格するのが難しくなった」と単純に考えることはできないのです。
同じ大学・学科でも最低点の動き方は異なる
合格最低点は、大学全体で同じ方向に動くわけでもありません。
たとえば明治大学では、農学部食料環境政策学科の学部別入試が294点から331点へ37点上昇しています。
一方、理工学部機械工学科は2025年度・2026年度ともに248点で、まったく変わりませんでした。
さらに興味深いのが、青山学院大学・文学部英米文学科です。
個別学部日程A方式は、351点から340点へ11点低下。
ところが、同じ英米文学科のC方式は207点から236点へ29点上昇しています。
得点率にすると69.0%から78.7%となり、9.7ポイントの伸びです。
つまり、同じ大学どころか、同じ学科でも入試方式が違えば最低点が逆方向に動くことがあるということです。
「青山学院大学文学部の最低点」のように大きなくくりで見るのではなく、自分が実際に受験する学科・入試方式まで確認する必要があります。

合格最低点が上がるとは限らない
もちろん、合格最低点は毎年上がっていくものでもありません。
慶應義塾大学・文学部では、2025年度の220点から2026年度は210点へ10点低下しました。
一方、先ほど紹介した明治大学・理工学部機械工学科のように、2年間まったく変わらないケースもあります。
前年の最低点が高かったからといって、翌年も同じ水準になるとは限りません。
逆に、前年の最低点が低かったとしても、「今年もこのくらい取れば大丈夫」とは言い切れないのです。
なぜ合格最低点は毎年変わる?
合格最低点は、あらかじめ「この点数以上なら合格」と決められた数字ではありません。
その年の選抜結果として公表される数字であり、問題の難易度や受験者の得点分布、募集人員や合格者数などが変われば、最低点も動く可能性があります。
今回の慶應法学部のように、英語や地理歴史の受験者平均点が前年から大きく変わるケースもあります。
そのため、「最低点が10点上がった=前年より10点分、入試が難しくなった」という見方はできません。
合格最低点は、その年の入試を振り返るうえで重要なデータですが、翌年もそのまま使える固定された合格ラインではないと考えておきましょう。
公表された合格最低点と「自己採点」は同じ条件とは限らない
合格最低点を見るときには、もう一つ注意したいことがあります。
大学によっては、選択科目による有利・不利を小さくするため、得点調整や成績標準化を実施しています。
たとえば慶應義塾大学・法学部では、地理歴史について科目間の難易度差を考慮し、年度によって統計的な得点補正を行う場合があります。
また、早稲田大学・法学部では、全科目について成績標準化による得点調整を行っています。
こうした入試では、自分で過去問を採点して出した「素点」と、大学が公表している合格最低点がまったく同じ条件の数字とは限りません。
そのため、「自己採点で最低点を5点上回ったから、5点分の余裕がある」と考えるのは危険です。
合格最低点を見るときは、点数だけでなく、その大学・学部で得点調整が行われているか、公表されている最低点がどのような得点なのかまで確認しておきましょう。
過去問では「前年の最低点」だけを目標にしない
今回紹介した例だけでも、大きく動いたケースがある一方、まったく変わらなかったケースもありました。
過去問演習では、前年1年分の最低点だけを見るのではなく、複数年度の数字を確認することが大切です。
そして「最低点を超えたかどうか」だけではなく、「年度が変わっても安定して得点できているか」を見るようにしましょう。
合格最低点そのものの見方や、過去問の自己採点と比較するときの注意点については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

まとめ|合格最低点は「毎年動く数字」と考えよう
2025年度と2026年度の入試結果を比較すると、合格最低点は学部や入試方式によって大きく変化していました。
60点以上上がった例がある一方で、最低点が下がったケースや、まったく動かなかった学科もあります。
大切なのは、前年の最低点をそのまま次年度の「合格ライン」と考えないこと。
過去問を解くときは、複数年度の最低点や得点調整の有無を確認しながら、年度が変わっても安定して得点できているかを見ることが重要です。
過去問の結果を今後の学習につなげるなら四谷学院へ
「最低点は超えたけれど、本当に合格圏に入っているのかわからない」
「過去問で点が取れなかった場合、どの科目から立て直せばよいのだろう」
と迷うこともあるでしょう。
四谷学院では、受験コンサルタントが一人ひとりの志望校や学習状況を確認しながら、今後の学習計画や受験戦略を一緒に考えていきます。
過去問は、合否を予想するためだけのものではありません。
現在の自分と志望校との距離を知り、次に何を勉強するかを決める材料として活用していきましょう。
志望校対策や今後の学習について不安がある方は、ぜひ四谷学院の個別相談会へお越しください。




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