大阪教育大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説
最終更新日:2023/03/31
大阪教育大学は、大阪府柏原市に本部を構える、教育系単科の国立大学です。1874年(明治7年)5月に設置された教員伝習所を起源とし、大阪第一・第二師範学校を包括する形で、1949年(昭和24年)6月に開学した大阪学芸大学を前身としています。
令和4年3月に文部科学省が指定した「教員養成フラッグシップ大学」に選ばれており、「令和の日本型学校教育」を担う教師の育成が期待されています。
この記事では、大阪教育大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。大阪教育大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2022年7月29日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
大阪教育大学の入試問題で問われる能力
初めに、大阪教育大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。
大阪教育大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
大阪教育大学は、起源とする教員伝習所から数えると140年を超える歴史を持ち、教員就職者数はトップクラス。西日本最大の教員養成大学です。
そのような大阪教育大学では、国内の先導的な教員養成大学としての「基本理念・目標」を、「大阪教育大学アドミッション・ポリシー」のなかで次のように定めています。
基本理念・目標
大阪教育大学は、我が国の先導的な教員養成大学として、教育の充実と文化の発展に貢献し、とりわけ教育界における有為な人材の育成をとおして、地域と世界の人々の福祉に寄与する大学であることを使命としています。この使命を達成するため、大阪教育大学では人と真摯に向き合う姿勢を基に、学生一人ひとりの個性を尊重した教育を推進していきます。
出典:大阪教育大学公式HP
また、このような理念・目標を踏まえたうえで、大学の中心となる教育学部の「求める学生像」については以下のようになっています。
求める学生像(教育学部)
・子どもの未来への使命感と教職への意欲や強い関心を持つ人
・教員として教育現場を担える十分な基礎学力と旺盛な探求心を持つ人
・幅広く専門分野を学ぶことにより広い視野や柔軟な思考力の修得をめざす人
・現代社会への幅広い関心と自らの課題意識を持って積極的に社会参画をめざす人
出典:大阪教育大学公式HP
大阪教育大学では、教育学部以外に、大学院教育学研究科・大学院連合教職実践研究科・特別支援教育特別専攻科・外国人留学生について「求める学生像」を定めています。また、課程や学科ごとのアドミッション・ポリシーも公開していますので、詳細は大阪教育大学公式HPまたは学生募集要項(一般選抜)などでご確認ください。
大阪教育大学入試の特徴
大阪教育大学は国立大学なので、大学入学共通テストを受験後、個別学力検査を受ける一般選抜が中心です。それ以外では、特別選抜として学校推薦型選抜が実施されます。
- 一般選抜
大学入学共通テストで、志望する課程・学科で課せられている教科・科目を受験後、大学で行われる個別学力検査を受験する方法です。前期日程と後期日程があります。
個別学力検査では、所定の教科の学力検査が行われる課程・専攻もありますが、多くの課程・専攻で、小論文や面接、実技などのみが課せられています。したがって、十分な共通テスト対策はもちろんのこと、小論文や面接など独自の対策が求められます。
- 特別選抜:学校推薦型選抜
学校推薦型選抜には、大学入学共通テストを課さない選抜方法と、課す選抜方法、課す方法で特別枠選抜、の3種類があり、該当する課程・専攻が異なります。
いずれも受験を考えている場合は、最新の受験情報でご確認ください。
→大阪教育大学 令和5年一般選抜・学校推薦型選抜【予告版】(PDF)
大阪教育大学入試の概要
ここからは、大阪教育大学の入試概要を解説します。
出願資格について
大阪教育大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められています。ここでは一般選抜の出願資格についてご紹介します。
出願資格は、次のいずれかに該当する場合で、受験年度の大学入学共通テストで指定された教科・科目を受験した者、とされています。
- 高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)を卒業した者及び入学年の3月に卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年の3月に修了見込みの者
- 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
なお、上記の3番に該当する場合の詳細は、募集要項にてご確認ください。特に個別の入学資格審査が必要な場合は、事前に大学の入試課に問い合わせが必要です。
試験科目や合格要件
ここからは、大阪教育大学の試験科目や配点について、一部課程を抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、2022年度に実施された一般選抜前期日程の内容です。その他の学部・学科の試験内容については、大阪教育大学 令和4年度学生募集要項(一般選抜)にてご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2022年7月29現在のものです。
教育学部 初等教育教員養成課程 小学校教育専攻 昼間コース
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 200 | ― | 200 |
地歴公民 | 世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目
100 または2科目 200 |
― | 100または200 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅰ・数A から1科目、
数Ⅱ、数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目 200 |
― | 200 |
理科 | ●地歴公民で2科目選択の場合
物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目、または物理、化学、生物、地学から1科目 100 ●地歴公民で1科目選択の場合 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目+物理、化学、生物、地学から1科目、または物理、化学、生物、地学から2科目 200 |
― | 100または200
※地歴公民との合計で300 |
外国語 | 英(リスニング含む)、独、仏、中、韓から1科目
200 |
― | 200 |
その他 | ― | 小論文 300
活動報告書 60 |
360 |
合計 | 900 | 360 | 1,260 |
教育学部 学校教育教員養成課程 小中教育専攻 国語教育コース
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 200 | 国語(国語総合、国語表現、現代文A、現代文B、古典A、古典B)
300 |
500 |
地歴公民 | 世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から2科目
200 |
― | 200 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅰ・数A から1科目、
数Ⅱ、数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目 200 |
― | 200 |
理科 | 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目、
または物理、化学、生物、地学から1科目 100 |
― | 100 |
外国語 | 英(リスニング含む)、独、仏、中、韓から1科目
200 |
― | 200 |
その他 | ― | 面接 300 | 300 |
合計 | 900 | 600 | 1,500 |
出願者数や合格者数のデータ
大阪教育大学の出願者数や合格者数は以下のようになっています。なお、ここで取り上げるのは2022年(令和4年)度一般選抜(前期日程)の結果です。
課程区分 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 志願倍率 | 実質倍率 |
初等教育教員養成課程 | 52 | 114 | 95 | 63 | 2.2 | 1.5 |
学校教育教員養成課程 | 276 | 615 | 537 | 288 | 2.2 | 1.9 |
養護教諭養成課程 | 25 | 48 | 47 | 25 | 1.9 | 1.9 |
教育協働学科 | 174 | 532 | 481 | 208 | 3.1 | 2.3 |
各科目の試験問題の特徴や難易度
大阪教育大学の個別学力検査(2次試験)は、各専門科目1教科または2教科が課せられますが、小論文や面接、実技、活動報告書のみで合否判定される課程・コースも多くあります。したがって、大学入学共通テストで得点を上げることは特に重要です。
ただし、個別学力検査の配点が低いわけではありませんので、必要な教科の対策は十分に行ってください。
数学
大阪教育大学の数学は、「数学教育コース」や「数理情報コース」で受験する場合に課せられています。基本的・標準的な問題が6割といわれていますが、各年で差があり、難問が混ざる年もあります。大学入学共通テスト対策として基礎を徹底するとともに、過去問などを利用して問題に慣れておきましょう。
小論文
多くの課程・コースで小論文が課せられています。過去問などで出題テーマを確認しておきましょう。採点・評価の基準については、募集要項に記載されています。最新の募集要項でご確認ください。
面接
面接も多くの課程・コースで課せられています。例えば2021年度の小中教育専攻国語教育コースの面接は、45分間のグループ討論という形式で実施。自己紹介や志望動機などの自由スピーチのあと、和歌の音読、枕詞の持つ意味、割り当てられた和歌の枕詞を答える、与えられた単語の枕詞を考えるグループワーク、という内容でした。
大阪教育大学入試の難易度
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、大阪教育大学の入試の偏差値は52~60、共通テスト得点率は55~75%となっています。
大阪教育大学に合格するための勉強方法
ここからは、大阪教育大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
大阪教育大学に入るには、何をすればいい?
大阪教育大学の入試は、先ほども述べたように、個別学力検査が専門科目1科目か2科目を課せられるほかは、小論文や面接などが中心になっています。したがって、全体を通じて大学入学共通テストが重要になっています。
まずは大学入学共通テストでしっかり得点を挙げられるよう、基礎を徹底した十分な対策をしておきましょう。共通テストで得点アップできれば、私立大学など併願校の受験でも有利です。
そのうえで、専門科目や小論文、面接、実技など志望課程・コースに応じた十分な対策が必要です。特に個別学力検査で科目試験がある場合は、配点が高いので漏れのない対策をしておきましょう。
受験生は過去問などから自分が志望する課程・コースで求められる内容をつかみ、絞り込んで勉強し入試に臨みます。つまり、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。
大学入学共通テストを含め、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。
受験期の過ごし方
受験期である高校3年生をどう過ごすかによって、合否の確率が変わるといっても過言ではないでしょう。やみくもに勉強するのではなく、試験日までの長期的なスケジュールを立て、受験勉強に取り組んでください。
- 春(4~6月):徹底して基礎を身に付ける時期です。教科書の内容を中心に丁寧に学習し、同時に苦手分野の洗い出しをしましょう。暗記ものは単語集や用語集を用意し、1日でも早く取りかかるのがおすすめです。
- 夏(7~9月):苦手分野を徹底して克服する時期です。長期休暇中は、まとまった学習に取り組めるので、成績アップを狙ってください。「一日に問題集を10ページ進める」など、短いスパンでスケジュールを組むのもおすすめ。モチベーションを保つのに役立ちます。
- 秋(10~12月):大学入学共通テストの対策を始める時期です。基礎固めとともに、応用力を磨くことで、私大入試や個別学力検査対策にもなります。
- 冬(1月~):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期です。個別学力検査対策としては、時間配分にも注意しましょう。注意深くミスなく問題を解けるようにし、最後の仕上げとします。
予備校で勉強する場合
ひとりで受験勉強に取り組む場合は、継続する意志に加え情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになってしまいます。だからといって「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れません。
理由は、集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ教室で授業を受けることも珍しくありません。個別指導の対極ともいえる状態です。したがって、大勢のなかで授業を受け身で聞き、わかった気になっているだけの場合もあり、知識が定着しない可能性があります。
また集団授業のなかで、苦手分野が取り残される心配もあります。授業だけでわからなかったところは、進んで講師に聞きに行くなど積極的に取り組まないと、思うような学習の効果が出ないかもしれません。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
まとめ:大阪教育大学入試は丁寧に解く力が重要!
【大阪教育大学の入試概要】
- 一般選抜が中心で、大学入学共通テストと課程・コースに応じた個別学力検査が課せられる。小論文や面接などが中心になる課程・コースも多い。
- 難易度は標準~やや難。
【大阪教育大学の入試データまとめ】
- 2022年度一般選抜前期日程の実質倍率は5~2.3倍、志願倍率は1.9~2.2倍。
【勉強方法まとめ】
- まずは大学入学共通テストで得点できるよう、基本的な知識を十分に身に付け、教科書や用語集などを丁寧に学習する。
- 小論文や面接など、課せられる試験内容に応じて十分な対策をする。
- 専門科目が課される場合は、解き切れるよう時間配分にも注意する。
大阪教育大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、教育系単科大学という性格上、ハイレベルな戦いになりやすいともいえます。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2022年07月29日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

大学受験合格ブログ編集部
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