
こんにちは、受験コンサルタントの田中です。
9月に入り、「このままでいいのかな」「志望校を変えないといけないかも」と感じている浪人生も少なくありません。夏の模試を終えて、自分の成績や学習ペースを見つめ直すと、今の予備校が本当に自分に合っているのか疑問に思う瞬間が出てくる時期です。
今の予備校や塾を変えるのには抵抗を感じるかもしれませんが、大学受験は時間との勝負。合っていない環境で勉強を続けることは、むしろ受験に不利になることもあります。
この記事では、9月から予備校を変えたいと感じている浪人生に向けて、見直しの判断基準と、実際に変える際の注意点を解説します。
・9月からでも間に合う理由
・予備校を変える際の注意点5つ
・自習室の活用が合格を左右する
・後悔しないための予備校選び



目次
今の予備校を「変えたい」と思う瞬間は?
9月は、夏までの努力が結果として表れ始める時期です。その一方で、「今のやり方では伸びないかも」と感じる浪人生も増えてきます。
たとえば次のような場面があるかもしれません。
・授業スタイルや講師との相性が合わない
・質問がしづらい・できない
・自習室が使いづらい・雰囲気が悪い
・周囲のモチベーションが低い
・相談できる人がいない
こうした違和感を「甘え」として切り捨ててしまうのは危険です。なぜなら、冷静に自分を分析できている証拠でもあるからです。
「予備校を変えたい」と感じる気持ちは、今の学習環境が自分の成長を妨げているサインかもしれません。
9月からでも予備校を変えるのは遅くない理由
「もう9月だから今さら…」と思うかもしれませんが、実はここからの環境の見直しは十分に間に合います。とはいえ、あまりのんびりはできません。早めに行動することで、残りの受験期間を有効に使いましょう。
9月以降は学力の“伸びる・伸びない”が明確に分かれてくる時期です。ここで環境を変えることで、年末までの数か月を効率よく過ごすことができます。
途中入学を受け入れていない予備校もある
途中入学を受け入れている予備校や塾も多く、秋からでも新たなスタートを切る浪人生は意外と少なくありません。しかし、一部の予備校では年間を通じてカリキュラムを組んでいるため、途中入学できないケースもありますので、注意が必要です。
焦る必要はありませんが、「合っていない」と感じているなら、勇気を出して一歩踏み出す価値はある、と言えるでしょう。
予備校を変えるときの注意点5つ
1. 学習カリキュラムの違いを確認する
予備校によって、授業の進度や教材、科目の設定などが異なります。途中から入る場合でも、無理なく合流できるカリキュラムかどうかを確認しましょう。特に選択科目は注意が必要です。
2. サポート体制を見極める
独学ではなく予備校を選ぶ最大のメリットは、学習計画や入試情報といったサポートに関するものです。
受験直前期になるほど、サポートの重要性を強く感じるようになります。逆に言えば、このタイミングで予備校や塾を辞めてしまった場合、これからの受験生活は孤独との戦いになる可能性が高いということ。担任制度があるか、面談の頻度はどのくらいか、個別サポートしてくれるのは大学生かそれともプロの講師なのか、などを確認しましょう。
今は些細な事と感じるかもしれませんが、直前期には自分に寄り添ってくれるサポートが大きな力になります。
3. 質問サポートを使いこなせるか
さらに、「質問できる環境が整っているか」も大切なチェックポイントです。授業外で講師やチューターに気軽に質問できる仕組みがあるか、また質問しやすい雰囲気かどうかも確認しましょう。質問できない環境は、学習の停滞につながります。
特に質問するのが苦手である場合には、その旨、事前に相談しましょう。もしも「そのうち慣れますよ」などと言われるようであれば、質問サポートは期待できません。せっかく勉強しても疑問が残ってしまっては効果半減です。学習効率を高めるためにも質問サポートを重視している予備校を選ぶことを強くお勧めします。
3. 自習室の環境を調べる
自習室の使いやすさは、学習効率を大きく左右します。席の配置や照明、利用時間、静けさなど、実際に見て確かめることが大切です。また、「いつ使えるか」も重要です。居心地のよい自習室がある予備校は、自然と勉強時間が増え、結果的に成績アップにもつながります。
自習室については、SNSなどでも情報が出ていることがありますが、それはあくまでも「匿名の人」の「個人の感想」となります。そうした口コミを鵜呑みにしないことも大切です。どうしても自分の目で確認できない時には、実際にその塾や予備校に通い、合格した先輩の意見を参考にするとよいでしょう。
4. 授業スタイルと講師の質を比較する
集団授業・個別指導・映像授業など、予備校ごとに特徴があります。これまでの勉強法で合わないと感じたものもあるかもしれませんが、さらにそこからもう一歩進めて「なぜ合わないと感じたのか」を、今一度確認しましょう。
集団授業がいやだったのは、人数が多すぎただけで、少人数なら集団授業もよいかもしれません。また、今の実力に合わない授業だっただけで授業スタイルが悪かったわけでもないかもしれません。「今までと違うスタイルにしたい」という場合には特に「なぜか?」という理由も自分の中で確認できていると、次の予備校選びの決め手になるかもしれません。
5. 学費と残り期間のバランスを考える
予備校を変えたいと思った時に、保護者にもきちんと説明をする必要があります。その際に無視できないのは「学費」です。入学金や教材費、講習費などの初期費用がどれくらいかかるかを把握しておきましょう。
多くの場合、9月から入学する場合は、割引や特典を設けています。事前に予備校の説明会に参加するなどして、カリキュラムのほか学費についてもしっかり確認しておきましょう。
「変える勇気」が合格への一歩
せっかく通ってきた予備校を変えるのに抵抗を感じるのは自然なことです。ですが、大学受験は「どれだけ力を伸ばせるか」がすべてです。環境を変えることで、グングン成績が伸びるということも大いにあり得ます。
たとえば、ある生徒は物理が苦手でしたが、集団授業から個別指導に変えた結果、模試の得点が40台から80オーバーと、ほぼ倍になるほど跳ね上がりました。
環境を変える勇気は、自分の未来を守る行動でもあります。 もし今の予備校で伸び悩みを感じているなら、それはチャンスです。環境を変えることで、気持ちが前向きになり、勉強への集中力もぐっと高まることが期待できます。
まとめ:まずは相談会に行ってみよう
9月から予備校を変えるのは、勇気のいる決断です。ですが、それほど珍しいことではありません。予備校の個別相談会に参加してみると、実際の雰囲気やサポート体制、印象など自分の目で確かめることができますから、安心できると思います。
「変えたい」と感じたその気持ちを大切に、まずは一歩踏み出しませんか。
あなたに合う予備校に出会えれば、残りの受験生活が驚くほど前向きで実りあるものになるでしょう。



