横浜国立大学(横国大)の受験対策!難易度や偏差値、合格に向けての勉強法を解説
最終更新日:2023/04/14
こんにちは!四谷学院の奥野です。
横浜国立大学横国学は、関東圏の国立大学の中でも高い人気を誇る大学です。多くの著名人を輩出している大学でもあり、名門大学の1つでもあります。
日本の国立大学の中で唯一「国立」という文字が大学名に入る横浜国立大学は、1876年にできた横浜師範学校がもとになって設立された大学です。さまざまな沿革を経て、1949年に横浜国立大学として発足しました。
この記事では、横浜国立大学に合格するために問われる能力や難易度、入試概要をはじめ、効率の良い勉強法をご紹介します。合格を目指している方は、ぜひチェックしてみてください。
※本記事に記載されている情報は2023年3月8日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
横浜国立大学の入試問題で問われる能力
ここでは、横浜国立大学が求めている人材や、入試問題の特徴などをご説明します。
横浜国立大学はどんな人材(学生)を望んでいるのか
横浜国立大学では、「知識・教養」「思考力」「コミュニケーション力」「倫理観・責任感」という4つの実践的「知」を身に付けた人材の育成を目指しています。そして、横浜国立大学では、その理念に則って求める学生像を以下のように定めています。
● 幅広い基礎学力を備え、確かな知識や技能を身に付けたい人
● 知的好奇心や科学的探究心を持ち、新たな発見やアイディアを創造する思考力や判断力を獲得したい人
● 社会が直面する諸課題を解決するために、多様な人々と協働して主体的に社会へ参画する強い意志と責任感を持ちたい人
● 国境を超えたグローバル時代において、外国人学生と共にコミュニケーション力を高め、世界を舞台に発信・飛躍したい人
● 大学院に進学し、さらに高度の知識・技能を身に付け、高度専門職業人として社会に貢献したい人
引用元:横浜国立大学「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」
まとめると、横浜国立大学が求めている人材は、「社会のリーダーとしてグローバルな共生社会に貢献したい学生」です。基本的な学力が備わっていることはもちろん、グローバルな視点で学業に主体的に取り組み、柔軟な発想と課題解決能力を身に付ける力も求められます。
横浜国立大学入試の特徴
横浜国立大学の入試では、基本的に他の国立大学と同じように、大学入学共通テストのあとに個別学力検査が行われます。ただし、学部によって少し試験方法が異なります。
すべての学部において、調査書と自己推薦書の提出が必要です。
● 教育学部
教育学部では学科試験の実施はありません。共通テストの成績に加え、面接試験・小論文・実技検査などで合否が判断されます。
● 経済学部
経済学部では、共通テストの合計点と個別学力検査の合計点をそれぞれ偏差値に換算して1対1の比率で合計します。なお、共通テストの偏差値は、個別学力検査受験者全体から算出されます。
● 経営学部
経営学部では、共通テストの合計点と個別学力検査の合計点をそれぞれ偏差値に換算して2対1の比率で合計します。なお、共通テストの偏差値は、個別学力検査受験者全体から算出されます。
● 理工学部
理工学部では学科ごとではなく、EP(学科内のプログラム)単位で入試が行われているのが特徴です。機械・材料・海洋系学科および数物・電子情報系学科では、同じ学科内に限り他の教育プログラムを第2志望とすることが可能です。ただし、化学・生命系学科では第2志望の選択はできません。
● 都市科学部
出願できる学科は1つのみですが、建築学科または都市基盤学科を志望する場合は、出願時に他方の学科を第2志望とすることが認められています。
なお、都市社会共生学科の個別学力検査では学科試験は行われません。前期試験では共通テストの成績と小論文、後期試験は共通テストの成績と面接で合否が判断されます。
各科目の試験問題の特徴
ここでは、各科目の試験問題の特徴や傾向をご説明します。
英語
試験時間は90分で、長文2題、会話文1題、英作文1題の大問4つで構成されています。ほとんどの問題が記述式なので、長文を正確に読み取る能力と英作文能力が重要です。特に長文読解と英作文では、問題文の文脈をしっかり把握しないと答えられない内容になっています。
過去問などで、読解と英作文の演習を繰り返し行っておくとよいでしょう。
文系数学
試験時間は90分で、大問3つの構成。全体的なレベルはそこまで高くはないものの、全問記述式で、異なる分野が融合した問題が出題されるので、幅広い知識が必要になります。難しい問題でも、問題文中や小問で誘導があるので、丁寧に読み取っていけば得点が可能です。
教科書や問題集を使用して、高校数学で習うすべての分野において、一通りの基礎知識は身に付けておきましょう。
理系数学
試験時間は150分で、大問が5つ。難問・奇問はほとんど出題されませんが、難易度は標準~やや高めで、全体的に計算量が多いのが特徴です。頻出問題は、微分積分・空間ベクトル・確率。なかには論証力が必要になる問題もあるので、わかりやすい証明ができるように練習しておくとよいでしょう。
特に、数Ⅲの問題は周りと差がつきやすい範囲。合格を目指すなら、数Ⅲを重点的に学習しておきましょう。
物理
試験時間は2科目で150分。大問3つで構成されています。問題のボリュームが多いため、かなりスピード感を持って解答する必要があるのが最大の特徴です。計算問題が中心なので、素早く正確に解答できるよう練習しておきましょう。
一見難解な問題でも、問題文を丁寧に読むと基本的な知識で対応可能な場合が少なくありません。語句を聞かれる問題もあるので、基礎を徹底して学習しておきましょう。
化学
こちらも、試験時間は2科目で150分。大問3の構成です。難易度は標準的で、教科書レベルの問題が中心。内容正誤問題が出題されるので、教科書を読み込んで正確な知識を身に付けておきましょう。
また、計算問題も少しではありますが出題されます。計算ミスをしないように、途中式を書く癖を付けておきましょう。
生物
試験時間は2科目で150分。大問は4~6つほど。教科書レベルの問題が大半ですが、論述問題も出題されます。基礎的な問題ではまわりと差がつきにくいので、論述問題を確実に獲得できるように対策をしておくとよいでしょう。
20〜120字と、問題によって文字数に幅がありますが、どの問題でも「簡潔さ」と「論理的」の2つを意識することが重要です。
小論文
学部や学科で内容は異なりますが、どれも課題文から2題出題される方式です。文章の内容を説明する問題と、自分の意見を述べる問題が出題されます。
小論文の対策は数をこなすのが有効ですが、自分1人で学習してもあまり伸びません。学校の先生や塾の講師などに添削を依頼して、フィードバックを得ることが有効です。
横浜国立大学入試の難易度・偏差値
Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、横浜国立大学の入試の偏差値は54~69、共通テスト得点率は64~87%となっています。以下は、学部別の偏差値データです。
学部 | 偏差値 |
経済 | 63~69 |
経営 | 63~68 |
教育 | 54~57 |
都市科学 | 60~65 |
理工学 | 59~65 |
横浜国立大学試験の概要
以下では、横浜国立大学の試験概要をご説明します。
受験資格について
横浜国立大学の定めている受験資格は、以下の通りです。なお、4つ目の「個別の入学資格審査」については入学者選抜要項に詳しく記載されているので、自分が当てはまるか確認してみてください。
1.高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者、及び入学年の3月卒業見込みの者
2.通常の課程による12年の学校教育を修了した者、及び入学年の3月までに修了見込みの者
3.学校教育法施行規則第150条第1号から第5号の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、及び入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
4.本学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者で、18歳に達した者および入学年の3月31日までに18歳に達する者
出典:横浜国立大学「令和5年度(2023年度)横浜国立大学一般選抜学生募集要項」
試験科目や合格要件
横浜国立大学の学部ごとの試験科目や配点は、以下の通りです。なお、ここでは、2023年度の個別学力検査前期日程における試験科目などについて解説します。
教育学部
<言語・文化・社会系教育コース>
<自然・生活系教育コース>
<芸術・身体・発達支援系教育コース(心理学・特別支援教育専門領域)>
教科 | 出題範囲 | 配点 |
面接試験 | 調査書及び自己推薦書の評価を含む。
受験者全員に集団面接試験を課す。 |
200 |
小論文 | 教育課題論文 | 200 |
<芸術・身体・発達支援系教育コース(音楽・美術・保健体育専門領域)>
教科 | 出題範囲 | 配点 |
面接試験 | 調査書及び自己推薦書の評価を含む。
受験者全員に集団面接試験を課す。 |
200 |
実技 | 「音楽の実技」、「美術の実技」、「体育の実技」のうち選択した専門領域の実技検査。 | 200 |
経済学部
教科 | 出題範囲 | 配点 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B | 400 |
外国語 | コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ | 400 |
経営学部
教科 | 出題範囲 | 配点 |
数学・外国語
*出願時にいずれかを選択。ただし、DSEPを志望する場合は「数学」を選択 |
数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B | 400 |
コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ |
理工学部
教科 | 出題範囲 | 配点 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数A、数B | 450 |
理科 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学 | 450 |
外国語 | コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ | 300 |
※化学・生命系学科のバイオEPのみ理科に「生物基礎・生物」が追加され、3科目から2科目選択して受験します。
都市科学部
<都市社会共生学科>
教科 | 出題範囲 | 配点 |
小論文 | – | 500 |
<建築学科・都市基盤学科>
教科 | 出題範囲 | 配点 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数A、数B | 450 |
理科 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学 | 450 |
外国語 | コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ | 300 |
<環境リスク共生学科>
教科 | 出題範囲 | 配点 |
数学 | 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数A、数B | 450 |
理科 | 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学
*2科目選択 |
450 |
外国語 | コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ | 300 |
出典:令和5年度(2023年度)横浜国立大学一般選抜学生募集要項
出願者数や合格者数のデータ
横浜国立大学の出願者数や倍率は、以下の通りです。なお、ここでご紹介するのは、2022年度の個別学力検査の前期日程におけるデータです。
学部 | 学科・課程、コース・E P名 | 受験者数 | 倍率 | ||
教育学部 | 学校教育課程 | 言語・文化・社会系教育コース | 70 | 1.6 | |
自然・生活系教育コース | 81 | 1.9 | |||
芸術・身体・発達支援系教育コース
|
音楽専門領域 | 12 | 1.7 | ||
美術専門領域 | 9 | 1.5 | |||
保健体育専門領域 | 45 | 4.5 | |||
心理学専門領域 | 16 | 2.0 | |||
特別支援教育専門領域 | 16 | 1.3 | |||
経済学部 | 経済学科 | 317 | 1.6 | ||
経営学部 | 経営学科 | 682 | 3.5 | ||
理工学部 | 機械・材料・海洋系学科 | 機械工学EP | 149 | 2.4 | |
材料工学EP | 22 | 0.9 | |||
海洋空間のシステムデザインEP | 42 | 2.3 | |||
化学・生命系学科 | 化学EP、化学応用EP | 225 | 2.8 | ||
バイオEP | 39 | 2.4 | |||
数物・電子情報系学科 | 数理科学EP | 54 | 2.3 | ||
物理工学EP | 156 | 2.2 | |||
電子情報システムEP | 183 | 2.4 | |||
情報工学EP | 126 | 3.9 | |||
都市科学部 | 都市社会共生学科 | 89 | 2.7 | ||
建築学科 | 200 | 4.3 | |||
都市基盤学科 | 28 | 1.0 | |||
環境リスク共生学科 | 78 | 2.0 |
出典:令和4年度(2022年度)横浜国立大学一般選抜実施状況
横浜国立大学に合格するための勉強方法
ここでは、横浜国立大学に効率良く合格するためにおすすめの勉強方法をご紹介します。
横浜国立大学に入るには、何をすればいい?
難易度の高い横浜国立大学ですが、入試問題は標準〜少し難しいレベルがほとんど。つまり、1つのミスが命取りになる可能性が高いということです。教科書や問題集、資料集などを丁寧に学習して、基礎的な知識を徹底的に学習しておきましょう。
また、いずれの科目も試験時間に対して問題量が多めの傾向があります。本番通りに過去問演習を行い、時間配分をシミュレーションしておくとよいでしょう。
どの学部・学科でも科目によって大きな配点の差がないので、どの科目もまんべんなく学習する必要があります。
受験期の過ごし方
受験前の1年間、季節ごとにすべきことをご紹介します。
● 春(4〜6月):春は基礎を徹底する期間。横浜国立大学は基礎を重視する問題が多いので、決して疎かにしてはいけません。
● 夏(7〜9月):夏休みは、秋以降に苦手分野を残さないように、春の学習で出てきた苦手分野や疑問点を解決する期間。まとまった時間がとれるのは貴重なので、夏休みが終わるまでにどのレベルに達しておきたいのかを目標に、短期的なスケジュールを組みましょう。
● 秋(10〜12月):共通テスト対策を始めましょう。横浜国立大学の二次試験対策にもつながります。
● 冬(1月〜):二次試験対策に集中しましょう。過去問や難易度が高い問題演習を行い、応用問題にも対応できるようにしておきます。英作文や小論文対策として、数をこなすことも重要です。
予備校で勉強する場合
予備校に通うという選択肢は良いのですが、予備校に「通っているだけ」ではNG。確かにスケジュールを管理しやすくなりますし、いつでも質問できる環境も整っています。友だちやライバルができて、切磋琢磨できるのも予備校ならではのメリットでしょう。
しかし、予備校の集団授業は一方通行であることがほとんど。聞いているだけで理解しているつもりになっているケースがとても多いのです。予備校に通うとしても、授業内容を理解・実践して、主体的に学ぶ姿勢が重要です。
予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。
四谷学院のカリキュラムのご案内
四谷学院独自のダブル教育システムは、予備校にありがちな集団授業の弱点を補填できるシステム。効率的な学力の向上を望めます。
ダブル教育システムの柱は、以下の2つです。
科目別能力別授業
科目別能力別授業とは、科目と能力の2つでクラス分けを行うシステムのことです。一般的な予備校では総合得点だけでクラス分けを行いますが、それだと得意科目では暇をもてあまし、苦手科目では授業レベルについていけない、という状況に陥りがち。
しかし科目別能力別授業であれば、どの教科も自分の学習レベルにあった授業を受けられます。苦手科目のフォローと得意科目のさらなる向上が目指せるので、基本的な知識がまんべんなく必要な横浜国立大学には、ぴったりの学習法です。
科目別能力別授業の詳細はこちら!
55段階個別指導
集団授業のデメリットの1つである「実践不足」を補えるのが、55段階個別指導。マンツーマンで丁寧に演習を行うので、「知識のアウトプット」が徹底的に行えます。入試に必要なのは実践力なので、合格に直結する力が養えるでしょう。
55段階個別指導の詳細はこちら!
横浜国立大学は基礎の徹底が重要!
【横浜国立大学の入試概要】
- グローバルな視点で主体的に学問に取り組める人材を求めている
- 大学入学共通テストのスコアと個別学力検査のスコアの合計によって合否判定
- 難易度は標準〜高め
【横浜国立大学の入試データまとめ】
- 合格最低得点率は55〜67%程度
- 前期日程における倍率は0.9〜4.5倍と、学科やEPによって大きな差がある
【勉強方法まとめ】
- 記述や論述、英作文など、文章力が重視される問題が多い
- 問題文は難しくても基礎知識を問われる問題が多い
- 過去問などで出題方法に慣れておくことを推奨
横浜国立大学は、全国的に知名度が高く、人気もある大学。そんな横浜国立大学の合格を目指す方は、四谷学院への入学をご検討ください。四谷学院独自の「ダブル教育」システムで、合格に必要な幅広い知識と実践力を身に付けられます。
効率の良い学習は、合格の可能性を大幅に上昇させます。四谷学院の学習システムを体験して、効率良く成績を向上させましょう。個別相談も行っているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2023年3月8日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会参加が重要!
予備校選びは合否に直結すると言っても過言ではありません。ネットで口コミを調べたり予備校のパンフレットを見たりするだけでは、得られる情報に限界があります。自分に合った予備校を選ぶには、説明会に参加して、ご自身の目で確かめるのが一番!
以下の記事では、予備校の入学説明会について詳しく解説しています。ぜひチェックして、予備校の説明会に参加するときに感じがちな疑問や不安を解消してください。

大学受験合格ブログ編集部
このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。
こんな記事も読まれています
前の記事 » 東京外国語大学(東京外大)の受験対策!難易度や偏差値、合格に向けての勉強法を解説
次の記事 » 自宅では勉強に集中できない!受験生が陥りやすい原因と対処方法