東京学芸大学(学芸大)の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

最終更新日:2023/05/25

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学芸大(東京学芸大学)の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説
こんにちは!四谷学院の奥野です。

「学芸大といえば、先生」というイメージを持っている方が多い東京学芸大学。教育学部しか有していないことで有名で、教職の名門ともいわれています。

この記事では、東京学芸大学に合格するために必要な能力や入試の特徴、効率の良い勉強方法などをご紹介します。受験を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事に記載されている情報は2023年4月15日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

東京学芸大学の入試問題で問われる能力

1949年に設立された東京学芸大学は、全国的な知名度の高い大学なので、「入試の難易度が高いのでは?」と考える方もいるでしょう。ここでは、東京学芸大学の入試難易度や、求められている人物像をご紹介します。

 

東京学芸大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

東京学芸大学は、「高い知識と教養を備えた創造力・実践力に富む有為の教育者を養成すること(引用:東京学芸大学 大学の目的)」を大学の目的として掲げています。

その目的を達成するために、以下のような入学者の受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)を定めています。

1. 深い教養と豊かな知識を身につけ、知的な創造力や探究心を磨き、教科等の専門的な学びを深めること
2. 子どもに対する愛情と教える喜びを育むこと
3. 社会の変化や多様な教育課題に関心を持ち、学校や社会をより良く変革する力を育むこと
4. 柔軟な感性と豊かなコミュニケーション能力、他者と協働する力や困難な諸課題にしなやかに対応する力を育むこと
5. 共生社会の実現に貢献し、国際的視野を身に付けること
引用:東京学芸大学 アドミッション・ポリシー

教育者の育成を目的に作られた大学だけあって、教育に対する姿勢が重視されることがわかります。ちなみに、アドミッション・ポリシーは、課程ごとに異なるものが定められているので、詳しく知りたい方は東京学芸大学のホームページをご覧ください。

 

東京学芸大学の入試の特徴

東京学芸大学の入試は、おもに以下の3種類です。それぞれどのような選抜方法なのか見ていきましょう。

● 一般選抜
大学入学共通テストと個別学力検査の結果を総合して、合否を判定する選抜方法です。試験科目などは学部や学科によって異なります。

● 学校推薦型選抜
大学が指定する推薦要件を満たした人だけが出願できる選抜方法です。大学入学共通テストは免除され、小論文、実技、面接などで合否が判定されます。

● スーパーアスリート推薦選抜
その名のとおり、陸上や剣道などのスポーツをしている人のみが出願できる選抜方法です。こちらも大学入学共通テストは免除され、小論文と面接で合否が判定されます。

東京学芸大学の入試最大の特徴は、「入試過去問題活用宣言」に参加していること。つまり、他大学の過去の入試問題に似ている問題が出題される可能性があるということです。

入試過去問題活用宣言の参加大学は、入試過去問題活用宣言のホームページで確認できるので、チェックして過去問題演習に取り入れてみましょう。

 

各科目の試験問題の特徴

東京学芸大学の試験問題の特徴や傾向を知っていれば、対策しやすくなります。効率の良い学習をするためにも、以下を確認しておきましょう。

 

英語

試験時間は筆記90分、リスニング10分の合計100分で、長文読解、要約、和文英訳・自由英作文・リスニング(ディクテーション)問題の計5つの大問で構成されています。長文読解の問題文が長くはありますが、難易度は標準レベル。英作文で自分の意見を述べる必要があるので、文法などをしっかり学習して英作文の練習をしておきましょう。

問題は、リスニング。他の大学ではあまりない出題形式なので、慣れていないと戸惑ってしまいがちです。過去問演習で問題形式に慣れておきましょう。

 

国語

試験時間は120分。問題量が多いので、解くスピードが必要になります。総合的に見て、問題のレベルや記述量を考えるとやや難しめの水準となっています。300字近くの論述が出題されたり、日本史や倫理の知識が必要な問題が出題されたりします。

文学の知識を歴史などと絡めて学習しておくとよいでしょう。

 

数学

試験時間は120分で、大問4つ。特に数Ⅲからの出題が多いため、数Ⅲを重点的に学習しておきましょう。問題は標準レベルが中心ですが、一部に難度の高い問題も含まれています。基本的な問題を落とさないことはもちろん、小問から誘導された応用問題でも点が取れるように、問題文を丁寧に読み取りましょう。

 

世界史・日本史

試験時間は120分で、どちらも例年大問4つで構成された入試問題。論述が中心になっているので、ただ用語を覚えるだけでなく、用語の背景や地理などを含めて覚えるようにしておきましょう。

論述を上達させるには、「簡潔に」「わかりやすく」書くことが重要です。何度も書いて先生に添削してもらい、書くことに慣れておくとよいでしょう。

 

地理

試験時間は120分で、例年大問4つで構成されています。難易度は標準レベルとなっており、難問や奇問は出題されませんが、論述に苦戦する人が多いです。また、データや地図、図表の分析も、慣れていないと苦戦しがち。過去問を何度も解いて、慣れておきましょう。

 

政治経済

試験問題は120分で、政治分野から1題、経済分野から1題の、計2つ大問が出題されます。論述問題がメインなので、語句の意味や政治の主旨などをしっかりと理解しておきましょう。

また、東京学芸大学では、他大学で科目として受験科目として選択できることも多い倫理、現代社会、物理、化学、生物、地学、小論文は受験科目として存在しません。

 

東京学芸大学入試の難易度

受験生が最も気にしがちなのが、偏差値などの難易度ではないでしょうか?

東京学芸大学入試の難易度は専攻・選修・コースによって大きく異なり、下は51から上は67となっています。大学入学共通テストの得点率は55~75%です。

学部 偏差値
教育学部 51~67

出典:Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」

 

東京学芸大学試験の概要

学芸大試験の概要
東京学芸大学に効率良く合格するためには、明確な目標値を設定することが必要不可欠です。そこで、東京学芸大学の入試試験の概要を以下で確認しておきましょう。

※記載のデータは、すべて2023年4月15日時点のものです。

 

受験資格について

東京学芸大学の定めている一般選抜の受験資格は、大学入学共通テストで指定の教科・科目をすべて受験し、いずれかに当てはまる人です。

(1)高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者及び入学年の3月卒業見込みの者
(2)通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年の3月修了見込みの者
(3)学校教育法施行規則第150条の規定により,高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者のうち次の各項目の一つに該当する者及び入学年の3月31日までにこれに該当する見込みの者
① 外国において学校教育における12年の課程を修了した者,又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定した者
② 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者
③ 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定したものを文部科学大臣が定める日以降に修了した者
④ 文部科学大臣の指定した者
⑤ 高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)による高等学校卒業程度認定試験に合格した者(同規則附則第2条の規定による廃止前の大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による大学入学資格検定に合格した者を含む。)で,18歳に達した者
⑥ 本学において,個別の入学資格審査により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で,18歳に達した者

参考:東京学芸大学 入学者選抜要項

 

試験科目や合格要件

東京学芸大学の学部ごとの試験科目や配点は、以下のとおりです。ここでは、一般選抜(前期日程)の個別学力検査における試験科目などについて解説します。

課程 選修・専攻・コース 出題教科 出題範囲 得点
初等教育専攻(A類) 国語コース 国語 国語総合、現代文A・B、古典A・B 400
小論文 50
社会コース 地理歴史・公民 日本史B、世界史B、地理B、現代社会、倫理、政治・経済
※6科目のなかから1つ選択
300
小論文 30
数学コース 数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数A・B 450
小論文 50
理科コース 理科 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から1つ選択 200
物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学から1つ選択 200
小論文 40
音楽コース 共通試験(楽典、聴音、新曲視唱) 150
音楽実技 200
面接 35
美術コース 図工・美術実技(選択問題) 350
面接 35
保健体育コース 体育実技 200
面接 150
家庭コース 小論文 300
英語コース 外国語 コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ(ディクテーションを含む) 450
面接(英語によるものを含む) 50
現代教育実践コース 学校教育プログラム 小論文 300
現代教育実践コース 学校心理プログラム 面接 300
現代教育実践コース 国際教育プログラム 面接 450
現代教育実践コース 環境教育プログラム 理科 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2つ選択 理科から2科目(各150)または地理歴史・公民から1科目(300)
地理歴史・公民 日本史B、世界史B、地理B、現代社会、倫理、政治・経済
※6科目のなかから1つ選択
小論文 30
ものづくり技術コース 面接 400
幼児教育コース 実技(音楽素質検査) 50
面接 300
中等教育専攻(B類) 国語コース 国語 国語総合、現代文A・B、古典A・B 1,200
小論文 100
社会コース 地理歴史・公民 日本史B、世界史B、地理B、現代社会、倫理、政治・経済
※6科目のなかから1つ選択
300
小論文 30
数学コース 数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数A・B 1,000
小論文 100
理科コース 理科 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から1つ選択 500
物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学から1つ選択 500
小論文 100
音楽コース 共通試験(楽典、聴音、新曲視唱) 300
音楽実技 600
面接 90
美術コース 美術実技(選択問題) 500
面接 200
保健体育コース 体育実技 300
面接 150
家庭コース 小論文 300
技術コース 面接 400
英語コース 外国語 コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ(ディクテーションを含む) 500
面接 50
書道コース 国語 国語総合、現代文A・B、古典A・B 400
書道実技・書道理論 600
面接 100
情報コース 数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数A・B 400
面接 50
特別支援教育専攻(C類) 小論文 400
面接 40
養護教育専攻(D類) 養護教育コース 小論文 300
面接 100
教育支援専攻(E類) 生涯学習・文化遺産教育コース 小論文 500
カウンセリングコース 面接 300
ソーシャルワークコース 小論文 500
多文化共生教育コース 小論文 500
情報教育コース 数学 数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、数A・B 500
面接 50
表現教育コース 小論文 1,300
生涯スポーツコース 体育実技 300
面接 200

出典:東京学芸大学 令和5年度 学生募集要項

 

出願者数や合格者数のデータ

東京学芸大学の出願者数や倍率は、以下のとおりです。なお、ここでご紹介するのは、2022年度(令和4年度)の一般入試の前期日程におけるデータです。

課程   出願者数 倍率
初等教育教員養成課程(A類) 国語選修 96 1.7
社会選修 102 2.0
数学選修 92 1.8
理科選修 97 1.6
音楽選修 26 1.5
美術選修 20 1.3
保健体育選修 71 2.4
家庭選修 22 1.8
英語選修 20 2.5
学校教育選修 26 1.7
学校心理選修 48 4.0
国際教育選修 15 1.3
環境教育選修 41 2.7
ものづくり技術選修 28 3.5
幼児教育選修 44 2.8
初等教育教員養成課程(B類) 国語専攻 43 2.9
社会専攻 39 2.0
数学専攻 53 2.7
理科専攻 74 2.5
音楽専攻 27 1.8
美術専攻 25 1.7
保健体育専攻 26 2.6
家庭専攻 12 1.5
英語専攻 23 2.9
技術専攻 15 1.9
書道専攻 38 2.4
特別支援教育教員養成課程(C類) 53 1.8
養護教育教員養成課程(D類) 養護教育専攻 20 3.3
教育支援課程(E類) 生涯学習・文化遺産教育コース 86 2.9
カウンセリングコース 31 2.4
ソーシャルワークコース 19 1.1
多文化共生教育コース 42 1.4
情報教育コース 21 2.1
表現教育コース 3 2.9
生涯スポーツコース 54 3.0

出典:東京学芸大学 令和5年度 入試結果情報

 

東京学芸大学に合格するための勉強方法

学芸大に合格するための勉強方法
東京学芸大学に合格するための、効率の良い勉強方法をご紹介します。

 

東京学芸大学に入るには、何をすればいい?

専攻・選修・コースによって大きく難易度が変わる東京学芸大学ですが、どの科目においても重要なのは「書く力」です。自分の意見をわかりやすく相手に伝えたり、論理的に考えたりする訓練をしておきましょう。特に、小論文対策は必須。学校の先生や予備校の講師に、積極的に添削をお願いしましょう。

また、問題形式が特徴的なのも、東京学芸大学ならではです。過去問演習にしっかりと時間を割いて取り組むようにしましょう。

 

受験期の過ごし方

季節ごとにやるべきことを、以下を参考に考えてみましょう。


● 春(4〜6月):春は基礎を学習する期間。東京学芸大学は基礎知識を問う問題も少なくないので、確実に点が取れるように基礎を徹底しておきましょう。
● 夏(7〜9月):夏休みのある夏は、成績を大幅にアップさせるチャンスの期間。春の学習で出てきた苦手分野や疑問点を、ここで解決しておきましょう。
● 秋(10〜12月):秋は共通試験対策を始めます。二次試験対策も兼ねた学習ができるので、丁寧に共通テストの過去問演習を行ないましょう。
● 冬(1月〜):二次試験対策に集中しましょう。過去問は繰り返し行なってください。問題の傾向の把握や、時間配分の練習になります。

 

予備校で勉強する場合

予備校に通うと決めた場合は、集団授業か個別授業か、あるいは何科目通うのか、など、自分に合った予備校を選ぶ必要があります。

特に、集団授業の予備校は主体的に学ぶ姿勢を常に保っていないと、「ただ授業を聞いているだけ」という状態になりがちです。予習や復習、予備校のテキスト以外の問題集などを組み合わせて、不足している部分を自分で補う必要があります。

予備校の注意点・落とし穴については以下の記事もぜひご覧ください。

予備校に通っているのに成績が伸びない理由は?なぜか模試A判定がでない4つの理由

 

四谷学院のカリキュラムのご案内

「自分に何が不足しているのかわからない」「東京学芸大学に合格するための勉強法を自分で実践するのは不安」という方には、四谷学院がおすすめです。

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まとめ

【東京学芸大学の入試概要】

  • 子どもに対する愛情など、教育に対して真摯な姿勢で向き合う学生を求めている
  • 一般選考では大学入学共通テストのスコアと個別学力検査のスコアの合計によって合否判定
  • 専攻・選修・コースによって難易度が大きく異なる

【東京学芸大学の入試データまとめ】

  • 記述や論述などの文章力を求められる問題が多いので、書く力を身に付けておく
  • 問題形式が特徴的なので、過去問で慣れておくのが大切

教職の名門といわれており、幅広い教育分野を専門的に学べる東京学芸大学は、教師を志す学生にとって憧れの大学の一つ。そんな東京学芸大学を目指している方は、ぜひ四谷学院をご検討ください。

四谷学院独自の「ダブル教育」システムで自分のレベルに合った学習をすることにより、効率良く成績向上して、合格を目指せます。

※本記事でご紹介した情報は2023年4月15日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

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以下の記事では、予備校の入学説明会について詳しく解説しています。ぜひチェックして、予備校の説明会に参加するときに感じがちな疑問や不安を解消してください。

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大学受験合格ブログ編集部

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