
こんにちは!四谷学院の奥野です。
大学入学共通テストのボーダーは、志望校合格を目指す方にとって重要な指標ですが「あてにならない」と言われることもあります。
今回は大学入学共通テストのボーダーについて、定義や「あてにならない」と言われる理由、それらを踏まえた大学選びのポイントを解説します。
目次
大学入学共通テストの「ボーダーライン」とは?

大学入学共通テストのボーダーラインとは、大学入試の合否判定において、合格可能性が50%を超える目安の得点(あるいは得点率)です。
主に大手予備校が、模試の成績や過去の入試結果などのデータから算出しており、独自のシステムを用いて公開されます。
例えば、ボーダーラインが80%の場合、大学入学共通テストの得点率が80%以上であれば、2次試験終了時に合格している可能性は50%を超えるという意味です。
ボーダーラインは、予備校によって「A判定(合格可能性80%以上)」「B判定(合格可能性65%以上)」「C判定(合格可能性50%)」「D判定(合格可能性35%以上)」「E判定(合格可能性20%以下)」のように、複数の判定基準を設けている場合もあります。
ちなみに、大学によっては過去の受験データを公開しており、過去の合格最低点や最高点、平均点などがわかるため、そこからある程度のボーダーを予想することも可能です。
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大学入学共通テストのボーダーラインが「あてにならない」と言われる理由

受験生にとって重要な目安となるボーダーラインですが「あてにならない」と言われることも多いようです。ここでは、その理由を4つご紹介します。
理由1:あくまで予想であること
大手予備校や情報サイトが発表するボーダーラインは、過去のデータや模試の結果などをもとにした「予想」および「目安」であり、確定値ではありません。
大学入学共通テスト自体、2021年1月から始まったもので、データの蓄積も少ないといえます。
必ずしも正確な合否を保証するものではないため、うのみにするのは危険です。あくまでも参考程度に考えましょう。
理由2:変動が大きいこと
ボーダーラインは受験者数や問題の難易度、志望動向、入試方式の変更など、さまざまな要因によって大きく変動します。
特に大学入学共通テストは、センター試験に比べて問題の難易度が不安定な傾向があるため、ボーダーラインの変動幅も大きくなる可能性が高いでしょう。
また、大学・学部によっては一部の科目に得点調整が入ることもあり、これもボーダーラインを変動させる要因です。
加えて、自己採点後に受験生がボーダーラインをリサーチした結果、志望校を変更し、実際のボーダーラインと合致しなくなるケースもあります。
理由3:大学・学部によって異なること
大学入学共通テストのボーダーラインは、同じ大学でも学部や学科、入試方式(前期・後期、共通テスト利用型、総合型選抜など)によって異なります。
これは、学部や学科によって求められる学力水準や配点が異なるからです。
志望校のボーダーラインを調べる際は、必ず学部・学科、入試方式まで確認しましょう。
理由4:個人の得点状況によって異なること
合否判定には、大学入学共通テストの得点だけではなく、個別試験(2次試験)の得点、調査書の内容(内申点、活動実績など)、面接、小論文なども大きくかかわります。
ボーダーラインはあくまでも大学入学共通テストの得点のみを考慮したものであり、個人の総合的な学力や適性を反映しているわけではありません。
よって、大学入学共通テストの結果がボーダーを下回っていたとしても、2次試験で巻き返せる可能性は十分にあるのです。
大学入学共通テストのボーダーライン、変動要因を詳しく解説!

「大学入学共通テストのボーダーはあてにならない」と言われる理由の一つとして、前項では変動が大きいことを挙げました。
そこで、ボーダーラインが変動する主な要因と、それぞれの要因がどのようにボーダーラインに影響を与えるのかを簡単に説明します。
要因1:受験者数
受験者数が増加すれば自然と競争率が高まり、ボーダーラインも上昇するでしょう。
特に難関大学や人気学部では、受験者数の増加がボーダーラインに大きく影響する傾向があります。
要因2:問題の難易度
問題が難化すると全体の平均点が下がり、ボーダーラインも低下する傾向があります。
逆に、問題が易化すると平均点が上がり、ボーダーラインも上昇します。
要因3:志望動向
特定の大学・学部に人気が集中し、ボーダーラインが上昇する場合があります。具体的には、社会情勢によって需要が高まる職種に対応した学部・学科に人気が集まるケースです。
また、経済状況の悪化によって学費負担を減らすために地元の国公立大学を志望する受験生が増えるケースなどが考えられるでしょう。
ほかにも、大学のブランドイメージや学部の特色など、さまざまな要素が志望動向に影響を与えます。
要因4:入試方式の変更
大学入学共通テスト利用入試の科目や配点、募集定員などが変更されれば、当然ボーダーラインにも影響が出ます。
例えば、共通テストの配点比率が高くなると、ボーダーラインが重視されるようになるでしょう。
要因5:個別試験(2次試験)の難易度・配点
2次試験の難易度が高い、または配点比率が高い場合、共通テストのボーダーラインが低くなる傾向があります。
2次試験で逆転できる可能性があるため、共通テストのボーダーラインを過度に気にせず、2次試験対策にしっかりと力を入れるのがおすすめです。
ボーダーラインに振り回されない!大学選びのポイント
大学入学共通テストのボーダーラインは、あくまでも参考程度のものです。「自分が安全圏にいるかどうか」を確かめるための情報として考えましょう。
志望校を決定する際は、ほかの要素も含めて総合的に考慮することが大切です。
また、受験勉強を進めるうえでの目標の一つとしてボーダーラインを活用するのもおすすめです。
ボーダーラインだけを見て安易に志望校を諦めたりレベルを下げたりするのではなく、自分の学力、将来の目標、大学で学べる内容などから総合的に判断して、後悔のない進路を選択しましょう。
まとめ
大学入学共通テストのボーダーラインとは、志望校合格の可能性が50%を超える目安の得点(あるいは得点率)を指します。
ただし、ボーダーラインはさまざまな要因によって変動するため、あくまでも目安の一つとしてとらえましょう。
ボーダーラインを超える得点を取るために勉強することは重要ですが、出願計画はボーダーライン以外のさまざまな情報も含めて考慮し、柔軟に進めていくことが大切です。
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