こんにちは、四谷学院 受験コンサルタントチームの藤川です。
大学受験の中心となる18歳人口は、長期的に減少しています。
文部科学省の資料によると、18歳人口は1992年には約205万人でしたが、2023年には約110万人まで減少しました。
2026年も約110万人の水準と見込まれており、1992年と比べると約95万人少なくなっています。
受験する世代の人口がこれだけ減っていると聞くと、
「昔より大学には入りやすくなっているのでは?」
と考える人もいるかもしれません。
しかし、2026年度の私立大学一般選抜では、少し違った動きが見られました。
旺文社「螢雪時代」が513大学を集計したところ、前年と比べて志願者は10%増加した一方、合格者は5%減少しました。
志願者数を合格者数で割った倍率も、3.1倍から3.6倍へ上昇しています。
18歳人口は長期的に減っているのに、なぜ私立大学の一般選抜では志願者が増え、合格者は減ったのでしょうか。
今回は2026年度入試のデータから、私立大学の一般選抜で何が起きたのか、そして2027年度の受験生は何を意識すべきなのかを考えてみましょう。

2026年度の私大一般選抜は「志願者増・合格者減」
まず、2026年度の結果を整理してみましょう。
旺文社の集計では、私立大学一般選抜全体で、
- 志願者数:前年比10%増
- 合格者数:前年比5%減
- 志願者数÷合格者数:3.1倍 → 3.6倍
となりました。
入試方式別に見ても、大学独自の入試では3.5倍から4.1倍へ、共通テスト利用方式では2.6倍から2.9倍へ上昇しています。
もちろん、すべての大学・学部で同じように倍率が上がったわけではありません。
大学や学部、入試方式によって状況は異なりますが、私立大学の一般選抜全体では、前年よりも志願者が増え、その一方で合格者が減少したという傾向が見られました。

なぜ「志願者増・合格者減」が同時に起きた?
2026年度の特徴的な結果には、いくつかの要因が重なっています。
まず挙げられるのが、大学入学共通テストの難化です。
2026年度は共通テストの平均点が4年ぶりに下がり、国公立大学志望者のなかには、私立大学へ志望を変更したり、併願を増やしたりする動きが見られました。
また、一人の受験生が複数の学部・入試方式へ出願する「学内併願」も志願者数に影響します。
複数方式への出願で受験料を割り引く大学などもあり、志願者が10%増えたからといって、受験生そのものが10%増えたわけではありません。
さらに、学校推薦型選抜や総合型選抜などの「年内入試」も一般選抜に影響しました。
旺文社による116大学の集計では、推薦型・総合型選抜の志願者は前年比12%増えた一方、合格者は3%増にとどまっています。
その結果、不合格となった受験生が一般選抜に再挑戦するケースが増えたとみられます。
一方で、年内入試で入学手続きをする人が多かった大学では、定員を大きく超えないよう、一般選抜の合格者数を抑える動きも見られました。
つまり2026年度は、
- 共通テストの難化による私立大学への志望変更や併願校の増加
- 学内併願の増加
- 年内入試の不合格者が一般選抜へ再挑戦
- 年内入試で入学者を確保した大学が、一般選抜の合格者数を抑える動き
といった複数の要因が重なり、「志願者増・合格者減」につながったと考えられるのです。
「倍率が上がった」だけで志望校を変えない
ここで注意したいのが、倍率の数字だけを見て、「去年より倍率が高いから、この大学はやめよう」と安直に判断しないことです。
ここまで紹介した3.1倍→3.6倍という数字は、旺文社の全体集計で「志願者数÷合格者数」として算出されたものです。
一方、個別の大学を調べるときによく使われる「倍率」には、志願者数を募集人員で割る志願倍率と、実際の受験者数を合格者数で割る実質倍率があります。
特に私立大学では、一人で複数の方式に出願したり、募集人員より多くの合格者を出したりするため、志願倍率と実質倍率で数字に大きな差が出る場合もあるのです。
倍率の詳しい見方については、こちらの記事でも解説しています。

前年より志願者が増えたからといって、それだけで「その大学が大幅に難しくなった」と判断することはできません。
倍率だけでなく、過去の合格最低点や募集人数、入試科目・配点なども合わせて確認することが大切です。
2027年度の受験生は何を意識すべき?
2026年度に私立大学の一般選抜全体で倍率が上昇したからといって、2027年度もまったく同じ結果になるとは限りません。
前年の倍率は「結果」であって、翌年の合否を予言する数字ではないからです。
だからこそ2027年度の受験生は、私立大学全体の傾向だけを見るのではなく、自分が受験する大学・学部・入試方式まで具体的に確認することが重要です。
特に、
- 募集人数
- 過去数年の志願者数・受験者数・合格者数
- 実質倍率
- 合格最低点
- 入試科目と配点
- 入試方式の新設・廃止や変更点
は必ず確認しておきましょう。
同じ大学でも、学部や入試方式によって倍率や必要な科目は異なります。
また、2027年度も大学ごとに入試方式や試験科目、配点などの変更があります。
募集要項などで確認しておきましょう。
最新の変更点については、こちらの記事でも紹介しています。

「去年と同じだろう」と思い込まず、自分が受験する年度の最新情報を確認し、その内容を勉強や併願戦略に反映することが大切です。
入試データは「不安になる原因」ではなく「戦略を立てる材料」
2026年度の私立大学一般選抜では、志願者が増え、合格者が減少しました。
しかし、この結果だけを見て、「私立大学全体が難しくなった」「倍率が高い大学は受けない方がいい」と考える必要はありません。
重要なのは、全体の数字ではなく、自分が目指している大学・学部・入試方式で何が起きているのかを見ることです。
そして、合格するために必要な点数と現在の自分の学力を比べれば、これから何を優先して勉強すべきかも見えてきます。
入試データは、受験生を不安にさせるための数字ではありません。
志望校合格までの戦略を立てるために使う数字なのです。
志望校や併願校の選び方に迷ったら四谷学院へ
「この倍率なら志望校を変えた方がいい?」
「第一志望と併願校をどう組み合わせればいい?」
「今の成績から、どの科目を優先して勉強すればいい?」
入試データを調べても、それを自分の受験にどう当てはめればよいのか迷うこともあるでしょう。
四谷学院では、受験コンサルタントが一人ひとりの志望校や現在の学力、入試方式などを確認しながら、受験戦略や学習計画を一緒に考えていきます。
数字を見るだけで終わらせず、志望校合格のために何をすべきかまで明確にしていきましょう。






コメント