大学入学共通テストとは？仕組みや注意点を理解して共テ利用入試を活用しよう

こんにちは、四谷学院の受験コンサルタント片野です。
大学入学共通テストは国公立大学の出願には必須ですが、多くの私立大学でも取り入れられているため、受験を考えている方も多いでしょう。
今回は、大学入学共通テストの仕組みや利用大学の例、スケジュールや注意点を解説します。受験を有利に進めるために、ぜひご活用ください。

大学入学共通テストの特徴と仕組み

大学入学共通テストとは、大学入学センターが利用大学と協力して実施する試験です。全国で同じ期日に同じ問題を用いて、学力や適性などを評価します。

問題作成の意図

大学入学共通テストは、「高等学校教育の成果として身に付けた、知識・技能や思考力・判断力・表現力等を問う問題」とされています。回答はマーク方式ですが、暗記すれば解けるわけではなく、思考力や判断力が求められる問題が多く出題されます。

引用：独立行政法人 大学入試センター「大学入学共通テストの仕組み等」

2026年度（令和8年）の出題教科・科目

2026年度の大学入学共通テストの出題教科・科目は以下のとおりです。このなかから、志望大学が指定する科目を受験します。

参照：令和8年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト出題教科・科目の出題方法等（PDF）

国公立大学・私立大学における大学入学共通テストの扱い【共テ併用とは】

国公立大学の入試では、独自試験と併せて大学入学共通テストを利用します。
一般選抜では、1次試験として大学入学共通テストを用い、独自試験との総合成績で合否を判定します。また、推薦型選抜や総合型選抜で、独自試験とともに大学入学共通テストの受験を条件としている大学も少なくありません。

私立大学では、国公立大学と同様に大学入学共通テストと独自試験を併用する「併用型」のほか、大学入学共通テストの成績のみで選抜を行う「単独型」もあります。

大学入学共通テスト利用入試は、私大志望者でも利用しやすいように3教科で受験できる大学もあれば、7教科すべてを課す大学もあります。

例えば、早稲田大学・政治経済学部の大学入学共通テスト利用入試は、数学を含む5教科6～7科目での受験が必要です。明治大学では、学部によって3～7科目の受験方式が指定されます。

大学入学共通テスト利用入試を実施する大学の例

国公立大学だけでなく、多くの私立大学でも大学入学共通テストが利用されています。ここでは東京都を例に、該当する大学をご紹介します。

国公立大学で大学入学共通テストを利用する大学

私立大学で大学入学共通テストを利用する大学

参照：大学入学共通テスト利用大学情報 | 独立行政法人 大学入試センター

大学入学共通テスト利用入試の合格ライン

私立大学で実施されている大学入学共通テスト利用入試の合格ラインは、一般入試よりも高くなります。

一般的に、早稲田大学で90％近く、MARCH【※1】で80％以上、日東駒専【※2】で75％くらいの得点が合格ラインとなります。
【※1】MARCH……明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学
【※2】日東駒専……日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学

大学入学共通テストは、難問が出題される試験ではありません。しかし、かつてのセンター試験と比べて資料参照問題が増え、思考力や読解力が求められるようになりました。そのため、問題文を読解するのにも時間がかかり、結果として多くの科目で時間制限との戦いになりやすいでしょう。
時間内にすべて解き終え、見直しまで行うには、大学入学共通テスト対策を万全にしておく必要があります。

私大志望者の注意点

私大志望者は、一般入試での合格を第一目標とするのが一般的です。
ただし、大学入学共通テスト対策は国立志望者に比べて手薄になりやすいため、大学入学共通テスト利用入試で合格を狙う際は「目標校」ではなく、「安全校」にしたほうがよいでしょう。

国公立大志望者の注意点

国公立大学の一般選抜では、大学入学共通テストが1次試験となり、その結果を踏まえて志望大学へ出願します。実力に見合った大学へ出願できるよう、しっかりと対策を行いましょう。

2026年度（令和8年）の大学入学共通テスト利用入試のスケジュール

大学入学共通テスト利用入試の多くは、大学入学共通テスト本番前に出願しなければなりません。一部には「後出し」といわれる、大学入学共通テスト後に出願できる大学もありますが、高倍率になる可能性が高いでしょう。

また、大学入学共通テスト利用入試の多くは、手続き締切日が早めに設定されています。受験プランを組むうえでとても重要な要素となるため、忘れずに確認しましょう。

大学入学共通テスト利用入試のスケジュールは以下のとおりです。

大学入学共通テストの出願方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
共通テストがオンライン出願に変わる！いつまでに何を準備すればいいの？ | 四谷学院大学受験合格ブログ

なお、志望大学への出願時期は、大学・学部や選抜方法、受験時期によって大きく異なるため、選抜要項で必ず確認しておいてください。以下は、一般的な出願スケジュールです。

【国公立大学】
総合型選抜：2025年9月～
学校推薦型選抜：2025年11月
一般選抜：2026年1月～

【私立大学】
総合型選抜：2025年9月～
学校型選抜：2025年11月～
一般選抜（私立大学）：2025年12月～

科目ごとの配点も要チェック

大学入学共通テスト利用入試では、科目ごとの配点も各大学によって特徴があります。
以下で具体的に説明します。

得意科目の活用

「青山学院大学 理工学部　機械創造工学科」の大学入学共通テスト利用入試と「法政大学 理工学部 機械工学科」大学入学共通テスト利用B方式を例に、科目ごとの配点を見てみましょう。

青山学院大学は、英語・数学・理科の配点が均等に200点です。対して法政大学は、数学が200点、英語・理科100点と、数学の配点比率が大きくなっています。

参照：青山学院大学／偏差値・共通テスト得点率（入試難易度）【2025年度入試・2024年進研模試情報最新】｜マナビジョン｜Benesseの大学受験・進学情報
法政大学／偏差値・共通テスト得点率（入試難易度）【2025年度入試・2024年進研模試情報最新】｜マナビジョン｜Benesseの大学受験・進学情報
青山学院大学　入学者選抜要項（一般選抜／大学入学共通テスト利用入学者選抜）【昨年度参考】（PDF）
法政大学　2025年度入学試験要項（PDF）

理工学部を第一志望とするAさんとBさんの模試の得点率が以下だったとしましょう。

Aさん：英語70％　数学90％　理科71％　総得点率77％
Bさん：英語90％　数学60％　理科81％　総得点率77％

教科の配点に差がない青山学院大学では、AさんとBさんに差はつきません。しかし、法政大学では数学の配点が大きいため、Aさんは総得点率80％、Bさんは73％となり、AさんはA判定が出ますが、BさんはC判定になってしまいます。

このように、自分の得意科目の配点が高ければ、入試では有利です。
科目ごとの配点もしっかりと確認し、志望大学や受験方式を検討しましょう。

大学入学共通テスト受験時の注意点

大学入学共通テストはすべてマーク方式ですが、出題範囲は幅広いため、対策は十分に行う必要があります。計画的に学習を進めましょう。

なお、大学の入試スケジュールによっては、大学入学共通テストの前後で入学手続きが必要になるケースがあります。合格発表のタイミングも大学によって異なるため、スケジュール管理も確実にするよう心がけましょう。

まとめ

大学入学共通テストは、国公立大学の受験に必須なだけでなく、多くの私立大学入試でも活用されています。大学入学共通テストの実施スケジュールはもちろん、志望大学の出願スケジュールや指定科目、配点なども把握し、万全の準備を整えましょう。

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