教員免許はどの学部でも取れるの?科目ごとに確認しよう!【大学受験の悩み相談】

この記事は約14分で読めます。

こんにちは!四谷学院 受験コンサルタントチームの伊達です。

先日の記事では、教師を目指すにあたって、教育学部に進むべきかどうか…についてお話しました。

教師になりたいなら教育学部を目指すべき?教育学部卒の受験コンサルタントが答えます!【大学受験の悩み相談】
こんにちは!四谷学院 受験コンサルタントチームの伊達です。 先日ある生徒との面談で、こんな相談がありました。 『将来は生物の先生になりたいけど、大学では色んな動...

今回は、中学校・高校の教員免許がとれる学部を、科目ごとにまとめていきます。
進路選択の参考にしてくださいね。

科目から見る!教員免許がとれる学部

中学校・高校の教員免許(一種)は、教育大や教育学部でなくても取得できます。
教員を目指すべきか否かを決めかねている人や、ほかにも大学で学んでみたいことがある場合は、教育学部以外に進み、専門的な講義を受けながら教職課程をとると良いかもしれませんね。

英語

英語はこれまでもこれからも需要の高い科目であり、ほかの仕事に就く上でも有利に働くことが多いです。
近年は国際系の学部を置く大学も増えていて、「とりあえず進学した後に、初めて教師への道を考え始めた」という学生も少なからず存在します。
英語に触れる学部や学科であれば、中高の教員免許を取得するための課程を履修することは大抵できるため、大学や学部選びの際は、自分が大事にしたい基準を優先して問題ないでしょう。

【○多くの大学で、その学部であれば該当する教員免許を取得できる】

○ 教育学部/教養学部

教養学部は、特定の学問に限らず幅広い領域を扱い、実社会で活躍できる人材の育成を目標にしています。
グローバル化社会に対応できるよう、外国語教育にも力を注いでいるのが特徴です。

例)「東京大学 教養学部 教養学科」「国際基督教大学(ICU) 教養学部 アーツ・サイエンス学科」など

○ 外国語学部

外国語学部で英語を学ぶ利点は、活きた英語に触れる機会が多いことでしょう。
苦手な人が多いとされるオーラルコミュニケーションの点でも、自信を持って指導できるのは強みになります。

例)「大阪大学 外国語学部 英語専攻」「上智大学 外国語学部 英語学科」など

○ 国際系学部

近年のグローバル化に対応するため、「国際」という名称のつく学部や学科が増加しています。
国際社会の歴史を学ぶだけでなく、経済学や社会学といった領域の授業も多く、知見を広げた状態で進路を選択することが可能です。

例)「日本大学 国際関係学部 国際教養学科」「横浜市立大学 国際教養学部 国際教養学科」など

○ 文学部/人文学部

文学部や人文学部は、英語圏の文学や文化を学ぶ講義が揃っているだけでなく、「話す」「聞く」力を伸ばすための環境も整っています。
扱う題材は書籍にとどまらず、映画や音楽について研究発表を行う人もおり、実際の教育現場に活用されているケースも珍しくありません。

例)「広島大学 文学部 欧米文学語学・言語学コース」「信州大学 人文学部 英語コース」など

国語

国語の授業は、主に「現代文」と「古典(古文・漢文)」に分かれます。
『現代文は得意だが古典は苦手』やその反対の相談を受けることも多いですが、将来仕事とするからには今の内にしっかりと苦手を克服しておきましょう。

ほかの科目と比べて、受け身で聞いている時間が長いことから、学習アンケートでは「面白くない科目」として挙げられることも少なくありません。
そのため、近年の国語教育では、グループワークを増やしたり、映画やアニメを題材とした授業を行ったりと、興味を持ちやすい主体的な内容を取り入れる先生も増えています。

【○多くの大学で、その学部であれば該当する教員免許を取得できる】

○ 教育学部/教養学部

教養学部は、特定の学問に限らず幅広い領域を扱い、実社会で活躍できる人材の育成を目標にしています。
幅広い知識や偏らない視点を得ることができるのは、将来間違いなく役に立つでしょう。

例)「東京大学 教養学部 教養学科」「国際基督教大学(ICU) 教養学部 アーツ・サイエンス学科」など

○ 文学部/人文学部

国語の場合、教育学部の次に多いのは文学部出身の教師です。
『古事記』などの上代文学をはじめとした文学史について学ぶだけでなく、文化や歴史学、行動科学などについても研究することができ、学校教育にもその視点が活かされています。

例)「東北大学 文学部 人文社会学科」「福岡大学 人文学部 日本語日本文学科」など

【△一部の大学で、該当する学部で教員免許を取得できる】

△ 外国語学部/国際系学部

外国語学部の中には、一部日本語を研究対象とする学科もあります。
言語として専門的に学ぶため、国語教師ではなく、日本語学校の先生として外国人に教える道へ進む人も少なくありません。(2024年4月から、「登録日本語教員」という国家資格になります)

例)「東京外国語大学 国際日本学部 国際日本学科」「専修大学 国際コミュニケーション学部 日本語学科」など

△ 芸術学部

芸術学部の中でも、言語を媒介とした芸術である「文芸」を扱う学科では国語の教員免許を取得できる大学があります。
小説や和歌について大学で研究しながら、就職先として教師に行き着く人も少なからずいるようです。

例)「大阪芸術大学 芸術学部 文芸学科」「日本大学 芸術学部 文芸学科」など

△ 人間科学部

人間科学とは「Human science」の訳で、人間そのものを対象とし、生物学や社会学、心理学や哲学といった多岐にわたる学問の視点から研究を行います。
社会科目の免許を取得できる大学が大半ですが、国語科目を取得できる大学もわずかながら存在します。

例)「青山学院大学 教育人間科学部 教育学科」「九州女子大学 人間科学部 心理・文化学科」など

数学

数学教師を目指す場合、教育学部に進むのか、はたまたそれ以外の学部に進むのか…は、ほかの科目よりも慎重に考えた方が良いでしょう。
選択するときの判断基準は、「数学という学問の、より高度な内容に触れてみたいかどうか」です。

教育学部を選んだ場合、大学の講義は教職課程が多くを占めるため、いわゆる「大学数学」まで触れることはあまりありません。
「数学という学問をとことん追究したい」という場合は理学部の数学科などを視野に。「生徒たちに数学の面白さを体感してもらいたい」場合は教育学部を…と大まかにイメージしておくと良いでしょう。

【○多くの大学で、その学部であれば該当する教員免許を取得できる】

○ 教育学部

教育学部で数学を学ぶ一番のメリットは、教員免許の取りやすさでしょう。
ほかの学部のように、卒業単位数にプラスして教職課程の講義を受ける必要がないため、その時間を塾講師のアルバイトなどに充てて、指導経験を積むことができます。
一方で、数学について深くまで学びたいという場合は、理学部などで実施しているオープン科目の講座を受講する必要があります。(大学や学部によっては受講できないため注意)

例)「千葉大学 教育学部 数学科」「愛知教育大学 教育学部 算数・数学専修」など

○ 理学部/工学部/理工学部

数学という学問自体への興味が強い場合は、教育学部よりも数学科のある理工学部系統に進学するのが良いでしょう。
実際、数学の先生たちに出身学部を聞いてみると、教育学部よりも理学部出身の方が多い…ということもよくあります。

例)「京都大学 理学部 理学科 数学コース」「東京理科大学 創域理工学部 数理科学科」など

○ 情報科学部/情報工学部

近年受験生から人気を集めている情報系学部にも、数学の教員免許を取得できる学部学科が多くあります。
各学校では「情報」科目を担当できる教員の不足が叫ばれているため、「数学」と「情報」の両方を取得できる大学を選択すると将来の道が広がるかもしれません。

例)「愛知県立大学 情報科学部 情報科学科」「岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 ソフトウェア情報学科」など

【△一部の大学で、該当する学部で教員免許を取得できる】

△ 教養学部

教養学部は、特定の学問に限らず幅広い領域を扱い、実社会で活躍できる人材の育成を目標にしています。
ただし、教員免許をそのまま取得できるのは社会などの文系科目が多く、一部の大学のみ他学部の講義を受講することで数学も取得可能です。

例)「東京大学 教養学部 統合自然科学科」「都留文科大学 教養学部 学校教育学科」など

理科

理科の教員免許を取得する上で注意すべきは、科目ごとに分かれていないという点です。
受験で物理と化学を使い、大学も物理学を専攻していた…という人でも、教壇に立つときは生物や地学を教えることになるかもしれません。
「理科」教科全体を担当する可能性があるため、各科目のエキスパートになるだけでなく、広い分野に興味を持つ必要がありますね。

数学と同様、理科は教育学部以外から先生になる人が多い教科です。
学習負担は増えますが、進路への迷いや大学で研究したいことがある場合は、教員免許の取得が可能な大学かどうかを調べておくと良いでしょう。

【○多くの大学で、その学部であれば該当する教員免許を取得できる】

○ 教育学部

教育学部で理科を学ぶ一番のメリットは、教員免許の取りやすさでしょう。
大学生活の大半を「研究」や「実験」が占める理学部や農学部では、卒業単位数にプラスして教職課程の講義を受ける負担は決して軽くありません。
ただし、教育についての講義が増える都合上、自分が関心を持った分野に特化して研究を行うことは難しくなります。

例)「東京学芸大学 教育学部 中等教育教員養成課程 理科専攻」「早稲田大学 教育学部 理学科」など

○ 理学部/工学部/理工学部

理学部や工学部には、各理科科目(物理・化学・生物・地学)を専門的に履修できる学科が存在します。
1つの科目をとことん追究するという点では、教育学部よりも上だと言えるでしょう。
物理学や化学といった学問そのものを深くまで理解することで、生徒に興味を湧かせる話ができるようになったという声も多いです。
ただし、高校の教員免許のみ取得可能で中学は対象でない…といった大学もあるので、事前にしっかりと調べておきましょう。

例)「北海道大学 理学部 生物科学科」「慶應義塾大学 理工学部 応用化学科」など

○ 農学部

農学部は、生物や地学に関連する学科が多く設置されています。
最初から教員になることを目的として入学する生徒は少なく、自身が関心を持つ分野の研究に大学生活を捧げる人が大半です。
教員免許を取得できる農学部は国公立大学に多く、食品やバイオテクノロジーといった近年注目されている分野を学べることから、人気も高まっています。

例)「九州大学 農学部 生物資源環境科学科」「東京農業大学 農学部 農学科」など

【△一部の大学で、該当する学部で教員免許を取得できる】

△ 教養学部

教養学部は、特定の学問に限らず幅広い領域を扱い、実社会で活躍できる人材の育成を目標にしています。
ただし、教員免許をそのまま取得できるのは社会などの文系科目が多く、一部の大学のみ他学部の講義を受講することで理科も取得可能です。

例)「東京大学 教養学部 学際科学科」「都留文科大学 教養学部 学校教育学科」など

△ 薬学部

薬学部にも、理科の教員免許を取得できる大学があります。
基本的に薬剤師免許の取得を目指す人が多い薬学科ではなく、薬品メーカーなどに就職する人が多い薬科学科や創薬科学科が対象です。
薬剤師免許と教員免許の同時取得が可能なのは近畿大学と金城学院大学の2校のみということからも、免許を取得する大変さが伝わってきます。

例)「東北大学 薬学部 創薬科学科」「近畿大学 薬学部 医療薬学科」など

社会

社会の教員免許は、中学が「社会」のみなのに対し、高校は「地理歴史」と「公民」の2種類に分かれます。
高校で地理を教えたいのに、「公民」の免許しか取得できない学部へ進んでしまうと、その目標が実現できなくなってしまうため注意しましょう。

また、ほかの科目と比べて、社会は非常に多くの学部や学科で教員免許を取得できます。
興味のある分野を学んだ上で、進路をしっかりと検討することができるのは、学部選択で悩んでいる人にとっては大きなプラスとなるでしょう。

一方、それだけ取得できるルートや人数が多いということは、実際に教師として教壇に立つための競争率も自ずと高くなってしまいます。
教員免許取得をゴールと考えず、教員採用試験や生徒へ授業を実施するその日まで、指導力を高めるための修練を続けましょう。

【○多くの大学で、その学部であれば該当する教員免許を取得できる】

○ 教育学部

教育学部で数学を学ぶ一番のメリットは、教員免許の取りやすさでしょう。
ほかの学部のように、卒業単位数にプラスして教職課程の講義を受ける必要がないため、その時間を塾講師のアルバイトなどに充てて、指導経験を積むことができます。

また、たとえば「公民」のみ免許を取得した場合、実際の採用では「地理歴史」も担当可能な教員より優先度を下げられてしまう可能性があります。
とりあえず教員免許を取得するのではなく、将来的に高校で社会を教えたいという希望を持っている場合は、両方の免許を取得できる環境がおすすめです。

例)「大阪教育大学 教育学部 学校教育教員養成課程 小中教育専攻 社会科教育コース」「玉川大学 教育学部 社会科教育専攻」など

○ 文学部/人文学部/心理学部

文学部が扱う分野は多岐にわたり、歴史を研究する史学科、人間の思想について触れる哲学科や心理学科など、社会科目に関連する学科が多く設置されています。
ほかにも諸外国の文化を学ぶ学科や、日本の遺産について調べる学科でも免許を取得することができ、社会という教科がカバーする学習範囲の広さに驚かされます。

例)「信州大学 人文学部 人文学科 歴史学コース」「同志社大学 文学部 美学芸術学科」など

○ 社会学部/社会福祉学部/総合政策学部

社会学という学問は、人間と社会に関するこの世のあらゆるものを研究対象とします。
扱うテーマにほぼ制限がないことから、自身が興味を持つ方向に途中から舵を切りやすいのも特徴と言えるでしょう。
「公民」のみ取得できる大学も多いですが、どの科目と比べても教員採用の競争が非常に厳しい科目のため、注意が必要です。

例)「一橋大学 社会学部 社会学科」「南山大学 総合政策学部 総合政策学科」など

○ 経済学部/商学部/経営学部/政治経済学部

名称に「政治」を含まない、経済学部や商学部でも社会の教員免許は取得可能な大学が多いです。ただし、国立大の経済学部はすべて「地理歴史」が取得できないため注意しましょう。
進路相談の中で『まだ将来やりたいことが決まっていないから、つぶしがききそうな経営学部を考えている』という声をよく聞きますが、教員という道も閉ざされずに済みますね。
多くの大学で看板学部となっていて、入試難易度が高い傾向にあるため、しっかり対策して受験に臨みましょう。

例)「高崎経済大学 経済学部 経済学科」「関西大学 商学部 商学科」など

○ 法学部

法学部といっても、法曹(弁護士や検察官)を目指す人だけではありません。司法試験を受けるのは、法学部生全体の1割以下だと言われています。
ただし、法学部で教職課程を並行して受講するのは、ほかの学部と比べてもややハードだと言えるでしょう。
法学部の講義は、いわゆる出席点が加味されない大学も多く、定期試験の点数次第で成績が決まることが多いです。
毎日多くの講義にただ出席するだけでなく、試験のための勉強時間も確保する必要があるため、スケジュール管理がカギになるでしょう。

現時点で「弁護士と教師のどっちになるかで迷っている!」という人でない限りは、進路に迷う人でも、両立のしづらさという点ではおすすめしにくい学部です。

例)「鹿児島大学 法文学部 人文学科」「明治大学 法学部 法律学科」など

【△一部の大学で、該当する学部で教員免許を取得できる】

△ 国際系学部

国際系の学部には、言語を学ぶだけでなく、世界中の文化や社会を学ぶ学科が多く存在します。
『教員も社会経験を積むべきだ』という意見もありますが、それとは関係なくとも、学生時代に多文化や異なる環境に触れておくのは良い経験となるでしょう。
近年人気が高まっていることもあり、私立大学の新設や再編が多く見られます。

例)「神戸大学 国際人間科学部 環境共生学科」「明治大学 国際日本学部 国際日本学科」など

△ 人間科学部

人間科学とは「Human science」の訳で、人間そのものを対象とし、生物学や社会学、心理学や哲学といった多岐にわたる学問の視点から研究を行います。
教育学についても力を入れている大学が多く、教養を備えた上で塾や予備校の講師になる人もいます。

例)「大阪大学 人間科学部 人間科学科」「早稲田大学 人間科学部 人間環境科学科」など

△ 観光学部

観光学部は、その名の通り「観光」について、経済学や社会学などの学術的見地から研究する学部です。
約25年前に初めて立教大学に設置された比較的新しい学問であり、そのまま旅行会社やレジャー施設などの観光業に進む人は全体の半数に満たないほどとなっています。
設置する大学自体多くありませんが、教員免許を取得できる大学はごくわずかのため、観光業に強く関心がある場合でなければ、教職志望者にはあまりおすすめできません。

例)「立教大学 観光学部 交流文化学科(「公民」は不可)「長野大学 環境ツーリズム学部 環境ツーリズム学科」など

学部を正しく理解してから道を決めよう!

今回は、各科目の教員免許を取得できる学部について見ていきました。
教師と言っても、何の科目を教えたいのか、どういう能力を発揮したいのか、どう成長していきたいのか…によって、どの学部を選ぶべきかが異なります。

そこで重要なのが、各学部について正しく理解することです。
たとえば「英語」を学びたい場合、教育学部の英語科、文学部の英文学科、外国語学部の英語科、ほかにも国際コミュニケーション学部など…選択肢は多岐にわたります。
ただし、扱う内容や英語への接し方は当然学部によって異なります。
もし英語でのコミュニケーションができるように語学として学びたいと考えていたのに、英語の歴史や文学についての研究に時間を割くことが多かったら、非常にもったいないですよね。その逆のケースももちろんあり得ます。
さらに、同じ「文学部 英文学科」という名称でも、大学によって扱う内容は違いますからね。

重要なのは、「情報を揃えた上で」自分の選択を決めるということです。
そこで役に立つのが、四谷学院の学部学科がわかる本
各学部で研究できる範囲や就職先など、必要な情報がすべてまとまっています。
Webから見られるようになっているので、ぜひ進路決定に役立ててくださいね。

のべ300万人以上に読まれてきた、四谷学院の「学部学科がわかる本」Web版はこちらから!

タイトルとURLをコピーしました