こんにちは、受験コンサルタントの田中です。
志望校への再挑戦に向け、自宅で受験勉強に取り組んでいる浪人生もいるでしょう。
そのような独学での挑戦を選んだお子さまを見守るなかで
「このままで本当に大丈夫なのだろうか?今年こそ合格できるのか?」と、不安を感じている保護者の方もいらっしゃるかと思います。
特に5月は、最初のつまずきが見えやすい時期でもあります。
本記事では、予備校への入学を前向きに検討すべき兆候や、保護者からの声のかけ方、予備校選びの視点を専門家の立場から解説いたします。
目次
自宅学習がうまくいっていない兆候とは?
自宅でがんばる浪人生に、このような変化が見られた場合は、独学での受験勉強に限界が近づいているサインかもしれません。
1. 勉強時間が安定しない、減っている
計画通りに進められず、日によって勉強時間にムラが出ている。
学習リズムが崩れ始めている。
2. 表情や態度に元気がなくなってきた
学習内容への不安や焦りが蓄積し、無気力になっている。
学習状況を尋ねると怒り出す。
「合格できないかも、ダメかも」と自信がない様子が見える。
3. 模試や過去問で結果が出ない
現役時代より模試の結果が悪い。
模試の成績を見て極端に落ち込んでいることが多い。
過去問をやらなくなった。
4. 学習に関する話をしなくなった
将来や大学、勉強の話をしない。
何をどのように勉強しているかを質問しても曖昧な返答しかない。
状況を尋ねても怒る、無視する。
独学で進める浪人生が直面する課題
予備校に通うという選択は、決して“独学をあきらめた証”ではありません。
自分を律しやすいよう、結果を出すために必要な環境とサポートを得るための方法の一つに過ぎないのです。
浪人生の多くが直面する課題が、次の3点です。
★モチベーションの維持
★体調管理
学習計画を立ててもそれに合理性がなかったり、実行力が欠けていたりすると、結果が伴いません。
また、日々の学習も惰性になりやすいでしょう。
受験へのモチベーションが維持できないと、気持ちの浮き沈みに影響を受けやすくなってしまいます。
特に感情面の変化は、早期に気づくことが大切です。
予備校で環境を整えるのも一つの手
もし戦略の再構築が必要だったとしても、まず変えるべきは「感情」の部分です。
「がんばれば合格できる!」と信じて勉強を続けられる環境を整えることが先決でしょう。
そして、その学習環境をすぐに整える方法が、予備校に行くことだと言えます。
周りは合格に向けて努力している生徒ばかりですから、よい刺激になることは間違いありません。
保護者としてできる「声のかけ方」の工夫
お子さまが自尊心を失わずに、予備校への通学を前向きに考えるためには、次のようなアプローチが有効です。
絶対に否定せず、事実を冷静に共有する
『最近、夜型になってきてるけど大丈夫?』といった、観察ベースの声かけが基本です。
『合格できるの?』など、不安を煽るような声掛けはお勧めしません。
目標を再確認する機会を設ける
『今年の〇〇大学、どういう対策が必要になりそう?』といった問いかけで、今の学習内容がゴールへとつながっているかを一緒に考えます。
大学入試の方式は年々複雑化しているので、こうした面は、受験のプロに任せて一度相談してみるのもよいでしょう。
予備校見学など“選択肢”として提示する
『こういう予備校もあるらしいよ』と情報提供する形で、本人の意思を尊重しながら関心を向けさせることも有効です。
「話を聞くだけでも」「夏期講習の前に一度」というように、具体的に誘ってみるとよいでしょう。
予備校選びで重視したい視点
予備校は指導力だけでなく、本人の性格や学習状況に合うかどうかが最も重要です。
以下のような点を基準に選ぶことをおすすめします。
途中入学者へのサポート体制があるか
4月からの遅れをどのように補ってくれるのか、具体的な仕組みを確認しましょう。
特に、担任制・個別面談などのフォローがあるのかも重要です。
精神面、受験情報など、総合的な受験戦略を相談できる体制が整っていると、安心して勉強に集中できます。
また、大学生がアルバイトとしてチューターをしている予備校もありますが、指導力が求めているレベルに達しているのかは注意が必要です。
通いやすさと自習環境の整備
通学の負担が大きくなく、学習に集中できる施設かどうかは実際に確かめておきましょう。
特に自習室は受験生にとって欠かすことができない大切な要素です。
席取り競争や順番待ちが生じるようでは、よい学習環境とは言えません。
自分の好きなときに自習室が使えるのかどうか、必ず確認しておきましょう。
「今ならまだ間に合う」ことを知っておく
浪人生にとって、5月は修正が可能な最後のタイミングとも言えます。
夏になると、現役生も本格的に受験勉強を開始します。
多くのライバルに負けないよう、本格的な学力向上を目指すには、夏からでは遅いでしょう。
お子さまが一人で抱え込む前に、保護者が適切な「橋渡し役」となることが、もっとも大きな支えになります。
気になるようことがあれば、一度予備校の説明会に参加してみるとよいでしょう。
保護者のみでも参加可能な相談会や説明会もあります。
まとめ:迷っている今こそ、「次の一手」を
浪人生活は長期戦ではありません。
4月から翌年1月の共通テストまでは約9か月ないのです。
早めの判断が、秋以降の本格的な受験シーズンの学力や精神面に大きく影響を与えます。
「自宅学習に限界が見えてきた」
「お子さまの様子に不安を感じている」
「合格への道筋が見えづらくなっている」
このような状況であれば、予備校を検討する価値は十分にあります。
今だからこそできるサポートで、お子さまの受験生生活を安定させられる選択をしていただければと思います。
お困りのことがあれば、四谷学院にぜひご相談ください。