
神奈川大学は、神奈川県横浜市内に2つのキャンパスを構えている私立大学です。
1928年に米田吉盛が、横浜で働きながら学びたい若者たちのために横浜学院(夜間部のみ)を創設し、1929年に旧制の横浜専門学校となり、1949年の学制改革で現在の神奈川大学となりました。
2021年にみなとみらいキャンパスを開設し、2023年に化学生命学部と情報学部を新設するなど、さまざまな改革を実施しています。同じく2023年には、教学マネジメント全学委員会を立ち上げて教学体制を抜本的に改革し、2025年5月現在、神奈川大学には11学部22学科1プログラムがあります。
この記事では、神奈川大学の入試問題の特徴や難易度、合格に向けた効率的な勉強方法について解説します。
※本記事に記載されている情報は2025年5月12日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。



目次
神奈川大学の入試問題で問われる能力
神奈川大学が求める学生の人物像について解説します。
神奈川大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
神奈川大学の理念は、以下のとおりです。
「質実剛健」・「積極進取」・「中正堅実」の建学の精神に基づき、真の実学を目指す伝統を踏まえ、自立した良識ある市民としての判断力と実践的能力、国際的感性とコミュニケーション能力を有し、専門的知識と技能を身につけた、自ら成長することのできる人材を養成する。同時に、地域社会及び世界に開かれた大学としての時代と社会の付託に応えるべく、人類と社会の発展に貢献しうる研究の遂行と、その成果の社会への還元を実現する。
また、アドミッション・ポリシー(入学者受入の方針)では、以下の資質を持つ学生を求めているとしています。
真の実学を重視する本学の教育理念に共感し、明確な目的意識とともに、学びや成長への強い意欲に溢れ、また、大学教育を受けるに足る、十分な学力を有する多様な学生を受け入れます。
この目的を実現するため、入試制度の多様化と選抜方法の改善を図るとともに、初年次教育の充実や高大連携を積極的に推進します。
上記によると、神奈川大学では、大学で学ぶための基礎知識を持っていることはもちろん、自ら学ぶ強い意欲を持ち、学びを社会生活に役立てることができる学生を求めていることがわかります。
なお、神奈川大学では、各学部・学科でもアドミッション・ポリシーを設定しています。詳しくは、大学公式ホームページの教育研究上の目的、教育目標および3つのポリシーをご確認ください。
神奈川大学入試の特徴
神奈川大学は、多様な選抜方法を提供している点が特徴です。ここでは、2026年度の入試情報をもとに、神奈川大学の主な選抜方法について解説します。
総合型選抜(総合評価型)
神奈川大学の総合型選抜(総合評価型)は、高校在学中の評定平均値が一定の基準を満たした者が出願できる選抜方法です。
出願時には、志望動機を具体的に述べた志望理由書と、高校時代に意欲的に取り組んだことを説明する活動報告書を提出します。提出した書類審査と面接に加え、90分の筆記試験を実施し、それらを総合して合否を判定します。
国際日本学部、人間科学部、化学生命学部は専願ですが、それ以外の学部は他大学との併願が可能です。
総合型選抜(適性検査型)
神奈川大学の総合型選抜(適性検査型)では、高校時代の学習習慣と基礎学力が評価されます。数学、国語、外国語のうち2科目(英語は必須)の筆記試験の結果と、調査書の評定平均値を合算して合否を判定します。英語の筆記試験を受ける代わりに、英検やGTECなど、英語外部試験のスコアを利用することも可能です。
指定校制推薦入試
神奈川大学の指定校制推薦入試は、通っている高校が学部学科ごとに指定校に選定されている場合に、学校長に推薦された者が出願できます。他大学との併願はできず、合格したら必ず入学する必要があります。
給費生試験
神奈川大学の給費生試験は、合格した場合、4年間で最大920万円の返還義務がない奨学金を受けられる選抜方法です。世帯年収制限はなく、現役生のほかに既卒生も受験でき、他大学との併願も可能です。全国23会場で試験を実施するため、家から近い会場で受験できるのも大きな特徴です。
給費生試験では3科目の学科試験を受け、その合計得点によって合否を判定します。ただし、英語については、英語外部試験のスコアを利用することも可能です。
給費生に採用されなかった場合でも、一般入試合格相当の学力があると認められた場合には、一般入試を免除して入学できます。
一般選抜(一般入試)
神奈川大学の一般選抜(一般入試)は前期と後期に分かれており、前期は4回、後期は1回あるため、合わせて5回まで受験できます。
実施する入試方式は「全学統一型」「3科目型」「得意科目型」「共通テスト併用型」の4種類で、試験日程によって実施する方式が異なります。なお、すべての方式において、英語外部試験のスコアを利用することで、英語の試験が免除されます。
全学統一型は、一度の受験で複数学科を併願できるのが特徴です。全国22会場で受験できます。
3科目型は最もスタンダードな入試方式で、3科目の合計点をもとに合否を判定します。出願できるのは1日程1学科のみです。
得意科目型は2科目の点数で合否を判定します。学科によって特定の科目の配点が高くなったり、複数の科目から自分の得意なものを選んで受験できたりする特徴があります。
共通テスト併用型は、大学入学共通テストと、神奈川大学独自試験における2~3科目の合計点で合否を判定する入試方式です。大学入学共通テスト実施後に、自己採点をしたうえで出願できます。
一般選抜(大学入学共通テスト利用入試)
神奈川大学の一般選抜(大学入学共通テスト利用入試)は、大学入学共通テストで学部学科ごとに指定された科目を受験し、その結果で合否を判定する選抜方法です。大学独自の個別試験は課されません。選択科目を複数受験した場合は、高得点の科目の得点が自動的に採用されます。
神奈川大学では、このほかにも公募制自己推薦入試、スポーツ重点強化部推薦入試、卒業生子弟・子女入試、外国人留学生入試など、さまざまな選抜方法を用意しています。詳しくは、大学公式ホームページの入試ガイドをご確認ください。
神奈川大学の各科目の試験問題の特徴や難易度と対策
神奈川大学に合格するには、試験科目ごとの特徴や、難易度を把握することが大切です。
ここでは、2024年度の過去問をもとに、神奈川大学の一般選抜(一般入試)における試験問題の特徴について解説します。
英語
英語はマーク式で、試験時間は70分です。外国語学部(中国語学科を除く)と国際日本学部国際文化交流学科は大問4つ、そのほかの学部は大問3つとなっています。長文読解問題や会話問題、文法問題などが出されます。
難易度は標準レベルですが、やや文量が多い長文を読む必要があります。教科書や単語帳で基礎力をつけ、過去問に取り組んで長文を読むことに慣れていきましょう。
国語
国語はマーク式で、試験時間は70分です。大問は2つで、1つは古文、もう1つは現代文が出題されます。
小問の数が合わせて30問以上とやや多いため、時間配分に注意して取り組む必要があります。基本的な古文単語や古典文法、漢字、文学史を押さえたうえで、過去問を解いて出題傾向に慣れておきましょう。
数学
数学は記述式で出題され、試験時間は文系70分、理系90分です。大問は文系3つ、理系4つで、理学部理学科生物コース、化学生命学部応用化学科、生命機能学科は、大問1、2のみを解答します。
基礎から標準レベルの問題がほとんどなので、教科書の内容を確実に理解し、典型問題をマスターして苦手を残さないようにすることが大切です。記述式のため、普段から答案を丁寧に書く習慣をつけておきましょう。
神奈川大学入試の難易度
Benesseの「マナビジョン」のデータによると、神奈川大学の偏差値は48~62、大学入学共通テストの得点率は62~81%となっています(2025年5月12日時点)。
学部ごとの偏差値は以下のとおりです。
| 学部 | 偏差値 |
| 法学部 | 49~53 |
| 経済学部 | 50~54 |
| 経営学部 | 52~56 |
| 外国語学部 | 48~58 |
| 国際日本学部 | 55~62 |
| 人間科学部 | 54~58 |
| 理学部 | 50~55 |
| 工学部 | 48~52 |
| 建築学部 | 52~56 |
| 化学生命学部 | 52~54 |
| 情報学部 | 48~56 |
参照:神奈川大学/偏差値・共通テスト得点率(入試難易度)【2025年度入試・2024年進研模試情報最新】|マナビジョン|Benesseの大学受験・進学情報
神奈川大学の試験概要

神奈川大学の出願資格、試験科目と配点、出願者数や合格者数のデータなど、試験の概要について解説します。
出願資格について
神奈川大学の出願資格を、2025年度の入学試験要項をもとに紹介します。神奈川大学の入学試験に出願できるのは、以下のいずれかに該当する者です。
| 高等学校(中等教育学校を含む、以下同じ)を卒業した者または入学年の3月卒業見込みの者。 |
| 特別支援学校の高等部または高等専門学校の3年次を修了した者または入学年の3月修了見込みの者。 |
| 外国において学校教育における12年の課程を修了した者、入学年の3月31日までに修了見込みの者またはこれらに準ずる者で文部科学大臣の指定した者。 |
| 文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程または相当する課程を有するものとして認定または指定した在外教育施設の当該課程を修了した者または入学年の3月31日までに修了見込みの者。 |
| 専修学校の高等課程(修業年限が 3 年以上であること、その他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者または入学年の 3 月修了見込みの者。 |
| 文部科学大臣の指定した者。 |
| 高等学校卒業程度認定試験(大学入学資格検定を含む)に合格した者または入学年の3月31日までに合格見込みの者(ただし、給費生試験については、2024年度第2回高等学校卒業程度認定試験に出願している者を含む)で、かつ、入学年の4月1日までに18歳に達する者。 |
| 本大学において、個別の入学資格審査により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、本学に入学する時点で18歳に達する者。 |
参照:2025年度 神奈川大学 入学試験要項
試験科目や配点
神奈川大学の試験科目は選抜方法によって異なります。ここでは、一般選抜(一般入試・3科目型)における一部の学部・学科について、試験科目と配点をご紹介します。
<法学部>
| 教科 | 科目・範囲等 | 配点 |
| 地歴、公民 | 「公共、政治・経済」「日本史探究」「世界史探究」「地理総合、地理探究」から1科目選択 ※後期の場合「地理総合、地理探究」の選択は不可 | 100点 |
| 国語 | 「現代の国語、言語文化(漢文除く)」 | 100点 |
| 外国語 | 「英語コミュニケーションⅠ、英語コミュニケーションⅡ、論理・表現Ⅰ」 | 100点 |
<工学部>
| 教科 | 科目・範囲等 | 配点 |
| 理科 | 「物理基礎、物理」「化学基礎、化学」から1科目選択 | 100点 |
| 数学 | 「数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B(「数列」のみ)、数学C(「数学的な表現の工夫」を除く)」 | 150点 |
| 外国語 | 「英語コミュニケーションⅠ、英語コミュニケーションⅡ、論理・表現Ⅰ」 | 100点 |
参照:神奈川大学 試験科目(給費生試験・一般入試・大学入学共通テスト利用入試)(PDF)
出願者数や合格者数のデータ
神奈川大学の一般選抜(一般入試・前期)における出願者数や合格者数(2025年度)は、以下のとおりです。
| 学部 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
| 法学部 | 1,148 | 1,090 | 687 | 1.6 |
| 経済学部 | 2,303 | 2,192 | 990 | 2.2 |
| 経営学部 | 1,710 | 1,639 | 567 | 2.9 |
| 外国語学部 | 736 | 701 | 260 | 2.7 |
| 国際日本学部 | 1,009 | 975 | 385 | 2.5 |
| 人間科学部 | 763 | 720 | 270 | 2.7 |
| 理学部 | 1,288 | 1,207 | 504 | 2.4 |
| 工学部 | 1,233 | 1,163 | 640 | 1.8 |
| 建築学部 | 693 | 651 | 227 | 2.9 |
| 化学生命学部 | 827 | 765 | 215 | 3.6 |
| 情報学部 | 794 | 725 | 221 | 3.3 |
参照:神奈川大学 昨年度の入試結果[2025年度](PDF)
神奈川大学に合格するための勉強方

ここからは、神奈川大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
神奈川大学に入るには、何をすればいい?
神奈川大学では、自ら学ぶ強い意欲を持ち、学びを社会生活に役立てようとする学生を求めています。
偏差値は48~62、大学入学共通テストの得点率は62~81%が合格ラインです。基本問題や典型問題では、確実に点数が取れるようにしておく必要があるでしょう。
また、神奈川大学の一般入試の場合、科目によってはマーク式と記述式で出題されます。教科書の基本事項、公式や単語、文法をしっかり押さえたうえで、過去問をたくさん解いて実際の出題傾向に慣れておきましょう。
受験期の過ごし方
神奈川大学を一般入試で受験する場合、志望学科で利用する科目の基礎を固め、問題を解けるようにしておく必要があります。
神奈川大学の一般入試では、基礎問題や標準問題が多く出されます。ほかの人が解ける問題を取りこぼさないよう、苦手は早めにつぶしておきましょう。
また、例年出題傾向が似ているため、過去問を徹底的に学習することをおすすめします。
高校3年生の1年間はあっという間に過ぎていくため、計画を立てずに勉強していると、受験本番までに間に合わず、志望校をあきらめてしまうことになるかもしれません。
以下を参考に、1年間の長期計画を立てて勉強を進めましょう。
- 春(4~5月):入試問題を解くための土台となる基礎力をつける時期です。教科書の内容を確実に理解し、自力で例題を解けるようにしておきましょう。英単語や文法などの暗記には時間がかかるため、早いうちからコツコツ進めてください。
- 夏(6~8月):夏までに基礎固めを完了させることで、秋からの問題演習がスムーズに進みます。まとまった勉強時間を確保できる夏休みのうちに、苦手分野は克服しておきましょう。
- 秋(9~11月):これまでに固めた基礎を活かして、入試レベルの問題演習にどんどん取り組みます。志望校の過去問で出題傾向を把握し、傾向に沿った対策を行いましょう。
- 冬(12月~):時間配分を意識して過去問に取り組み、最終調整を行います。不明点があれば教科書に戻って基礎から確認し、入試本番で確実に解けるようにしましょう。
予備校で勉強する場合
神奈川大学の入試では、志望学科の出題傾向に合わせて勉強を進める必要があります。
受験勉強は独学でも可能ですが、一人で長期間集中して勉強に取り組むのは困難です。不明点があってもすぐに質問できないため、思ったように学習を進められないことも多いでしょう。
効率よく受験対策を進めたいなら、勉強に集中できる環境が整った予備校に通うのがおすすめです。
ただし、大人数授業がメインの予備校だと、授業スピードが自分のレベルに合わない場合や、不明点をすぐに質問するのが難しい場合もあるでしょう。
四谷学院のカリキュラムのご案内
「神奈川大学に合格するために予備校を探している」という方には、科目別能力別授業と55段階個別指導の「ダブル教育」が特徴の四谷学院がおすすめです。
ここからは、科目別能力別授業と55段階個別指導について詳しく解説します。
科目別能力別授業
四谷学院の科目別能力別授業は、志望校別ではなく、科目ごとの習熟度別にクラス編成を行うのが特徴です。例えば、総合偏差値が高く難関大学を志望していても、古典が苦手であれば、古典のみ基礎クラスや標準クラスで学びます。
自分の習熟度に合った授業を受けられるので、「内容が難しすぎてついていけない」という状態にはならず、着実に学力を伸ばせます。大人数クラスではなく、不明点や疑問点を質問しやすい環境です。
55段階個別指導
四谷学院の55段階個別指導は、受験に必要な知識や解法を55のレベルに分け、段階を踏んで学力を伸ばせる仕組みです。
55テキストで1つの級を学んだら、55テストを受験します。55テストはプロの講師がその場で採点し、間違えたところや理解できていないところをわかるまでマンツーマンで解説します。これを繰り返すことで、学力を志望校レベルまで着実に高めることが可能です。
神奈川大学入試は志望学科に合わせた対策が重要!
【神奈川大学の入試概要】
- 選抜方法は、総合型選抜(総合評価型、適性検査型)、指定校制推薦入試、給費生試験、一般選抜(一般入試、大学入学共通テスト利用入試)などがある
- 偏差値は48~62で標準レベル
【神奈川大学の入試データまとめ】
- 一般選抜(一般入試・前期)の実質倍率は、1.6~3.6倍(2025年度)
【勉強方法まとめ】
- 入試で利用する科目の基礎を固め、典型的な問題を解けるようにしておく
- 過去問で出題傾向を把握し、似た問題を解く
神奈川大学の受験対策をするなら、「ダブル教育」が特徴の四谷学院がおすすめです。基礎をしっかり固め、苦手を克服して神奈川大学に合格したい方は、ぜひ四谷学院の詳細をご確認ください。

※本記事でご紹介した情報は2025年5月12日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
失敗しない予備校選びは説明会・相談会参加が重要!
大学受験を成功させるには、自分に合った予備校を選ぶことが大切です。インターネットの情報や口コミの内容だけで判断せず、できるだけ予備校に足を運び、教室の雰囲気や設備を自分の目で確認してから選ぶことをおすすめします。
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