【生物】答案作成がスムーズになる「4つの問い」—ティンバーゲンの4つの問いから考える生物学習のポイント

最終更新日:2022/06/13

※この記事は約3分で読めます。

こんにちは、四谷学院の山中です。

生物の勉強は、幅広い分野からたくさんの知識を暗記しなければならない、と思われがちです。
確かに暗記は必要ですが、ただやみくもに覚えようとするのも苦痛ですよね?

この記事では、記述答案作成を見すえた勉強のヒントとして「ティンバーゲンの4つの問い」について紹介します。

ティンバーゲンの4つの問いとは?

動物行動学者ニコ・ティンバーゲン(ニコラース・ティンバーゲン Nikolaas Tinbergen)は、動物の行動を研究する際、4つの異なる切り口からアプローチすることができる、と唱えました。
その4つの切り口とは、

①メカニズム:どのようなしくみで成立しているのか
②機能:どのような利点/意義があるか
③発達:成長過程でどのように獲得するか
④系統進化:進化の過程でどのように獲得したか

この4つです。「ティンバーゲンの4つのなぜ」とも言われています。

4つの切り口からの研究

例えばスズメの仲間(鳴禽類)では、オスは「さえずり」と呼ばれる複雑な鳴き声を持ちます。生まれつきさえずりができるわけではなく、幼鳥期に周りのオスのさえずりを聞くことで学習しています。
この「さえずり」という行動1つについても、4つの切り口から研究されています。

①メカニズム→脳内にどのような構造があり、さえずりを学習できるのか?
②機能→縄張りの防衛や雌への求愛など、生存・繁殖における利点があるのか?
③発達→幼鳥から成鳥になる過程で、どのようにさえずりを獲得するのか?
④系統進化→進化の過程で、いつから「さえずり」するようになったのか?

行動学の分野に限らず、生物として学ぶさまざまな現象は、この「4つの問い」のいずれか(または複数)に答えるものになっています。
それゆえ、入試での問われ方も「4つの問い」に準じており、特に「①メカニズム/しくみ」「②機能/利点/意義」として問われることが多いのです。

参考文献 生き物をめぐる4つの「なぜ」 長谷川眞理子 集英社新書(2002)

入試問題の解答に!

例えば「CAM植物の光合成」についての記述答案を作成する場合を考えてみましょう。

「①メカニズム」に着目して
「夜に大気中の二酸化炭素をに固定し、日中は液胞に蓄積したから二酸化炭素を取り出し光合成を行う」
と書くこともできます。

そして
「②機能」に着目すれば
「夜に炭素固定を行うことで、日中は気孔を閉じ水分の蒸散を防ぎながら光合成ができる」
と書くこともできます。

その設問が「何を答えてほしいのか」をきちんと読み取ることがポイントです!

ぜひ日々の学習でも「4つの問い」の視点を取り入れてみてください。答案作成がスムーズになりますよ。

大学受験合格ブログ編集部

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