【共通テスト2024】詳細分析を公開!全科目まとめて解説します

  公開日:2024/03/26

※この記事は約6分で読めます。

四谷学院の共通テスト担当者が、2024年度(令和6年度)の大学入学共通テストの試験問題を科目ごとに分析。今年度の出題傾向と次年度に向けたポイントを詳しく解説していきます。

2024年度共通テスト 概略

志願者数

2024年度の共通テストの志願者数は491,914人でした。センター試験の頃も含めると6年連続の減少となります。現役志願率(2024年3月高等学校卒業見込者のうち共通テストに出願した者の割合)は過去最高の45.2%となったものの、高等学校卒業見込者自体が4.2万人減少している影響が大きく、志願者数は既卒生も含めて2.1万人の減少となりました。志願者が50万人を割り込んだのは32年ぶりと話題になりました。

受験者数

2024年度の受験者数は457,608人でした。欠席者が34,306人、受験率は93.0%となっています。科目数別の受験者数をみてみると7科目以上の受験者は272,845人(前年比99%)であるのに対し、3科目以下の受験者数は105,389人(前年比93%)と3科目以下の受験者の減少が目立ちます。

国公立大学は基本5教科7科目必要ですから、減少が目立つ3科目以下の受験生というのは私立大学専願の受験生と考えることができます。センター試験から共通テストに変わり、クセのある問題や思考力を問う問題が増えたため、私立大学の個別試験と並行して共通テストの対策をすることを負担に感じ、敬遠する私立志望の受験生が増えたものと思われます。また、過去3年間で2回得点調整が実施されるなど、科目間で難易度格差が出ており、自分が選択した科目によって当たり外れが出てしまうなど不安定な要素が多いことも一因かもしれません。

平均点

科目による差はありますが、文系・理系ともに平均点はやや上昇しています。得点調整が生じた2021年度、2023年度、数学や理科が大幅に難化した2022年度に比べると全体としては落ち着いた試験だったといえます。


2024年度共通テスト 各科目の分析・総括

国語

平均点は2年連続でダウンしていましたが、前年に比べ+10.8点の116.5点となり初年度並みの水準に戻りました。文系・理系ともに平均点アップのカギとなりました。

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令和6年度共通テスト「国語」総評

地理歴史、公民

政治経済を除く全科目の平均点が60点±2点以内に収まった前年と比べると、科目間のバラツキはありましたが、共通テストとしては標準的な内容であったといえます。ただし、政治経済は44.4点と過去最低の平均点となりました。地理Bとの平均点の差は20点以上開いたもの「地理歴史」と「公民」は別の教科という扱いのため得点調整は実施されませんでした。

大学入試においては、選択科目の一つとして地歴と同一の配点となる大学が多いため、政治経済選択者にとっては非常に厳しい結果であったと言えます。特に私立文系で共通テスト利用を考えている受験生にとっては3科目のうちの1科目ですから、影響は大きかったものと考えられます。

数学

数学ⅠA、ⅡBともに平均点は約4点のダウンでした。各大問の導入部分では基本的な公式や定理の理解を問う問題など解答しやすいものがありましたが、後半では方針が立てにくく、解法選択に惑わされる設問が多くやや難化したと言えます。長めの問題文から必要な情報を抜き出し、考察する力を問う問題もあり、上位層の中でも差がつく出題となっていました。特に数学ⅠAは模試や過去問で得点できている受験生でも苦戦している様子が見られました。

数学の原理についての確かな理解が問われる出題となっており、日頃からパターン暗記の学習で済ますのではなく、原理原則の理解を粘り強く続けることが高得点を取るためのキーポイントとなりそうです。

理科

2021年度、2023年度と得点調整が実施され、不安定感が強い理科ですが、2年連続で過去最低点を記録していた生物の平均点が上がり、今年は得点調整が実施されるほどの差はつきませんでした。とはいえ、化学・生物と物理との差は8点以上あり、科目間の差は解消されていないと言えます。
科目別の得点分布を見ると、物理は90点以上の高得点者が13%弱いるのに対し、化学は6%弱、生物は2%弱となっています。生物はここ3年高得点が取りにくい試験が続いています。ただし、2021年度の生物は平均点が72.6点、90点以上の高得点者が20%を超えるなど年によるブレが大きいため、一概にこの科目が有利である、不利であるということはできません。

英語

リーディングとリスニングの合計点の平均は120点前後で推移しています。以前はリーディングに比べ、リスニングの方が得点しにくいイメージがありましたが、ここ2年の平均点は「リスニング>リーディング」となっています。

大学入試の配点ではリーディングの傾斜を高くしている大学が多く、平均点がリーディング>リスニングの頃はリーディング:リスニング=1:1の大学はリスニングが苦手な人に敬遠される傾向がありましたが、近年はリスニングの方が得点しやすくなったため、そういった傾向も薄まっています。

リーディングは文章量が制限時間に対して多くなっており、時間内に読み切る力がないと厳しい試験となっていますが、今年は文章量の増加に加え、複数箇所の情報を参照しなければならない問題や本文に述べられていない内容を推測する問題も多くあったため、時間不足に陥った受験生も多く見られました。

▼問題解説を公開中!

令和6年度共通テスト「英語」総評

参考資料
大学入試センター「試験に関する公表データ等」
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r6/

大学受験合格ブログ編集部

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