現役合格のための古文の勉強法➁~古典文法編~

最終更新日:2019/08/13

※この記事は約5分で読めます。


こんにちは。四谷学院の岩佐です。

本日は、「古文の勉強法①~単語編~」に続いて、「古文の勉強法~文法編~」です。
前回の記事「古文の勉強法①~単語編~」はこちら!

文法を読解に生かす

古典文法というと、暗記テストや暗唱テストをイメージする人もいるかもしれません。
ですが、そもそも、古典文法を学ぶのは古文を正確に読解するためです。
どのように文法を読解に生かすのか、例題を見ながら確認していきましょう。

例題:以下のⅠ・Ⅱの文を現代語訳せよ。

Ⅰ.文(ふみ)を書きぬ。

Ⅱ.文(ふみ)を書かぬ人

ヒント
この2つの文を正確に現代語訳するためには「ぬ」の正体を明らかにする必要があります。

正解は…

Ⅰ.手紙を書いた。

Ⅱ.手紙を書かない人

でした。

ヒントにも書いた通り、「ぬ」の正体を明らかにすることが現代語訳の鍵です。

助動詞は活用が大事

では、これをどういう風に見極めるのか、解説していきます。

まずは「ぬ」の直前の単語を見てみましょう。直前には「書く」という動詞がありますね。
Ⅰでは「書き」となっており、Ⅱでは「書か」となっているのがわかります。
ここで思い出して欲しいのが動詞の活用です。
※動詞などが形を変えることを「活用する」と言います。覚えておきましょう。

「書く」はカ行四段活用の動詞でした。みなさん覚えていましたか?

※表の右の列に書いてあるのは「活用形」と言います。
それぞれの形の名前です。これもしっかり覚えましょう。

この活用表にあるように、か/き/く/く/け/け と変化していきます。
よって、
Ⅰの「書き」は「書く」の連用形
Ⅱの「書か」は「書く」の未然形
ということがわかりました。

次に必要なのが助動詞の知識。
実は、例題で登場した「ぬ」はどちらも助動詞なんです。
「ぬ」という形で登場する助動詞は2つあります。

打消の助動詞の「ず」
完了の助動詞の「ぬ」

それぞれ意味が全く違いますよね。だから「ぬ」の正体を見分ける必要があったのです。

『例文では「ぬ」って出てきたのに、「ず」ってなんですか!?』
という声が聞こえてきそうですが、こちらについても活用表を見てみましょう。

こちらが完了の助動詞の「ぬ」と打消の助動詞の「ず」の活用表です。

打消の助動詞「ず」の連体形を見てください。
「書く」が「書か」「書き」と変化したように、「ず」も姿を変え、「ぬ」や「ね」、「ざら」という形で登場します。
そして、今回は「ず」が「ぬ」になって登場したために、完了の助動詞「ぬ」と同じ形になってしまった、ということだったんです。

では、ここまでで確認した内容をいったんまとめましょう。

①Ⅰの「書き」は「書く」の連用形
Ⅱの「書か」は「書く」の未然形

②「ぬ」の正体は、打消の助動詞の「ず」もしくは完了の助動詞の「ぬ」

助動詞は接続も大事

この2つの内容に、もう1つ助動詞の知識を加えることで「ぬ」の正体が明らかになります。
その知識とは助動詞の『接続』です。

古文の教科書や文法書を見ると、助動詞ごとに「未然形接続」や「連用形接続」などと書いてあります。
これはその助動詞の前に、どの活用形が来るか、を表しているものです。
例えば、「未然形接続」の助動詞であれば、その助動詞の前には必ず「未然形」が来ます。

今回、登場した2つの助動詞の接続は以下の通りです。

打消の助動詞の「ず」は「未然形接続」(=「ず」の直前は未然形)
完了の助動詞の「ぬ」は「連用形接続」(=「ぬ」の直前は連用形)

例文Ⅰ・Ⅱは「ぬ」の前に、どちらも「書く」がありましたが、その活用形は

Ⅰの「書き」は「書く」の連用形
Ⅱの「書か」は「書く」の未然形

でしたね。これを接続の知識と組み合わせると

Ⅰ 「書き」は「連用形」だから、そのあとの「ぬ」は完了の助動詞
Ⅱ 「書か」は「未然形」だから、そのあとの「ぬ」は打消の助動詞

ということがわかり、よって、現代語訳は

Ⅰ.手紙を書いた。
Ⅱ・手紙を書かない人

となる、という論理でした。

今回、使った知識をまとめると

  • 動詞の活用
  • 助動詞の活用・接続・意味

です。

これらは学校の暗記テストなどで「覚えさせられた」という人も多いかと思います。
英語の学習でも同じなのですが、文法の知識は文法問題を解くためだけではありません。
読解にも活かして、論理的な読解ができるようにしましょう。

次回は「古文の勉強法~古文常識編~」です。

四谷学院の「55段階個別指導」は、先生と1対1で納得いくまで質問できるので、苦手の克服にも最適です。
「55段階個別指導」について、詳しくはホームページでご確認ください。

大学受験合格ブログ編集部

このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。

科目・能力別授業詳細はこちら

個別相談会で詳しくご説明します

相談会の様子

システム紹介はもちろん、受講プランの作成や教材閲覧、校舎見学などを行っています。※相談会後の迷惑な勧誘やしつこい電話は一切しておりません。安心してご参加ください。

無料個別相談会はこちら

無料でパンフレットをお送りします

パンフレット

各コースの詳しい資料と合格体験記冊子を無料でお届けします。
お気軽にご請求ください。

無料資料請求はこちら

無料資料請求はこちら

こんな記事も読まれています

 

前の記事 » 
次の記事 » 

 

同じカテゴリの記事を見てみる  教科別学習アドバイス  

 

感想をお寄せください

個別のお返事はいたしかねますが、いただいたコメントは全て拝見しております。いただいた内容はメルマガやブログでご紹介させていただくことがございます。掲載不可の場合はその旨をご記入ください。
お問い合わせはフリーコール(0120-428255)にて承っております。

このページの先頭へ