共通テスト数学(数ⅠA・数ⅡB) 問題の傾向と対策 | 大学入学共通テストポイント解説

最終更新日:2024/01/09

※この記事は約5分で読めます。

この記事では、共通テストの「数学」について具体的な内容と、試験に向けて有効な対策法を解説していきます。

出題内容

数学Ⅰ・数学A

大問は全5問で、うち第1問・第2問が必答問題(数学Ⅰ範囲)、第3問・第4問・第5問が選択問題(数学A範囲)です。選択問題から大問2題を選んで解答します。
2023年度本試験の出題内容は以下のとおりです。

第1問 [1]実数・不等式 [2]三角比
第2問 [1]データの分析 [2]2次関数
第3問 場合の数
第4問 整数の性質
第5問 図形の性質

数学Ⅱ・数学B

大問は全5問で、うち第1問・第2問が必答問題(数学Ⅱ範囲)、第3問・第4問・第5問が選択問題(数学B範囲)です。選択問題から大問2題を選んで解答します。
2023年度本試験の出題内容は以下のとおりです。

第1問 [1]三角関数 [2]指数関数・対数関数
第2問 [1]微分法 [2]積分法
第3問 確率分布と統計的推測
第4問 等比数列・数列の漸化式
第5問 空間ベクトル

配点

「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」いずれも、第1問・第2問が各30点、第3問~第5問が各20点で、全体で100点満点です。

試験時間

「数学Ⅰ・数学A」の試験時間は70分、「数学Ⅱ・数学B」の試験時間は60分です。

共通テスト数学の特徴

全体の難易度としてはマークシート型の数学入試問題としておおむね標準的ですが、高度な思考力が要求されるやや難しめの問題が出題されることもあります。2023年度の問題でいえば、「数学Ⅰ・数学A」第3問の後半などはやや難しめだったといえるでしょう。
「数学Ⅰ・数学A」「数学Ⅱ・数学B」それぞれ、できるだけ広い範囲からまんべんなく出題しようと全体が構成されており、試験時間に比べて問題の分量はやや多めです。センター試験から共通テストへの移行にともない、問題の設定が複雑になり、問題文も長大化したため、センター試験時代よりさらに時間の制約が厳しくなっています。2022年度本試験の「数学Ⅰ・数学A」ではその傾向が極端に現れ、平均点が大きく下落しました。
日常的な題材について数学的な考察を行わせる出題も、共通テストの特徴と言えます。「数学Ⅰ・数学A」では、例えば次のようなテーマでの出題がありました。

・短距離走のタイムとストライド・ピッチとの関係(2次関数)(2021年度本試験)
・地図アプリから山頂を見上げる角度を求める(三角比)(2022年度本試験)
・シュートされたバスケットボールの軌道(2次関数)(2023年度本試験)

共通テスト数学の攻略法

一部に高度な思考力が要求される設問を含むとはいえ、ベースとなる数学的な知識や要求される考え方はあくまで高校教科書で学習する範囲内です。①基礎概念をごまかさずにちゃんと理解し、②基本的な計算問題を演習する過程で理解を定着させ、③実戦的な問題演習を通じて得点力を高めていく、というごく一般的な数学の学習法を進めていくことが、共通テスト数学を攻略するための王道であるといえます。
初めて共通テストの過去問題を解くときは、前項で述べたような特徴的な出題にとまどうこともあるでしょう。問題文を読み解くためにかけられる時間は限られますので、問題冊子を開いたらページをパラパラとめくってまずは各大問にザッと目を通して、解きやすそうな大問から解き、めんどうそうな大問は後回しにする、という要領の良さは必要になってきます。また、設問文が長い問題においては、読まなくても良い文章が間にはさみこまれていて実際に解答するのに必要な箇所は限られている、というケースもあります。長めの文章をササっと読んでいきながら重要と思える箇所を選んでアンダーラインする、といった戦略も有効でしょう。

共通テスト対策「これだけはやめて!」

普段の学習においては、「ちゃんと理解する」という当たり前の学習姿勢を身につけることが大事です。問題のパターンに対する解法を暗記するといった安易な態度では、本番で大けがをします。逆に、「ちゃんと理解する」ことができてさえいれば、どんなに設定に工夫されていようが問題文が長かろうが、過去問を演習していく過程でどこをどう数学的に処理すればいいかが見えるようになります。正面から数学に取り組みましょう。
なお、「数学Ⅰ」と「数学Ⅰ・数学A」、「数学Ⅱ」と「数学Ⅱ・数学B」は、それぞれ同じ冊子の前半と後半に配置されています。本番で、「数学Ⅰ・数学A」を受けるつもりで「数学Ⅰ」を解く、これだけは本当にやめてください。

過去問題の活用

共通テスト数学においては、数学的な内容をしっかり理解することが第一、共通テストの形式への対応力を身につけることが第二です。数学ⅠA、数学ⅡBの学習が中途半端な状態で過去問を解くのではなく、一通りの学習をちゃんと済ませてから過去問に取り組むようにしましょう。
過去問を解くときは、「いかにして時間内に最大限解き切るか」を目標とし、必ず時間を測って解くようにしましょう。前もって各々の大問にかけられる時間を想定しておき、70分ないし60分という時間の中でどこまで処理できるか、というスピード感を確認してください。

高1高2の共通テスト対策

くり返しになりますが、数学がちゃんと理解できていれば共通テストにも対応できるようになります。学校での学習、教科書の理解をしっかりとすすめていきましょう。
なお、2023年の4月から高2生になる人は、新しい学習課程で数学を学んでおり、高3生になって受ける共通テスト(2025年度)は新課程1年目のテストとなります。この新課程では「数学Ⅱ・数学B」は「数学Ⅱ・数学B・数学C」に変わり、試験時間も70分になります。現在大学入試センターのホームページで公開されている試作問題では、次のような問題構成になっています。第1問~第3問が必答問題、第4問~第7問が選択問題(4問中3問を選択)です。

第1問(配点15) 三角関数
第2問(配点15) 指数関数・対数関数
第3問(配点22) 微分法・積分法
第4問(配点18) 数列
第5問(配点18) 確率分布と統計的推測
第6問(配点18) ベクトル
第7問(配点18) いろいろな曲線と複素数平面

大学受験合格ブログ編集部

このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。

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