熊本大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説
最終更新日:2023/06/09
熊本大学は、熊本県熊本市に本部を置く国立大学です。1887年に設立された第五高等中学校(五高)を発祥とし、1949年に五高や熊本医科大学など6つの官立学校を統合して誕生しました。表門(赤門)や五高記念館といった、国指定重要文化財や歴史的な記念物がキャンパス内に多数残っており、歴史散策が楽しめる大学としても知られています。
この記事では、熊本大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。熊本大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2022年1月28日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
熊本大学の入試問題で問われる能力
初めに、熊本大学が求めている人物像と、入試の特徴について解説します。
熊本大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
熊本市内の3地域にキャンパスを構え、国立の総合大学として幅広い教育・研究に取り組む熊本大学では、大学の教育理念を次のように表明しています。
本学は、教育基本法及び学校教育法の精神に則り、総合大学として、知の創造、継承、発展に努め、知的、道徳的及び応用的能力を備えた人材を育成することにより、地域と国際社会に貢献することを目的とする。 |
上記の教育理念を反映した熊本大学のアドミッション・ポリシーは、以下のとおりです。
熊本大学では次のような人を求めます
|
7学部を擁する熊本大学では、学部や学科・課程ごとのアドミッション・ポリシーや、求める学生像などを詳細に定めています。受験を考えている人は、大学ホームページや選抜要項などでご確認ください。
熊本大学入試の特徴
熊本大学は国立大学なので、大学入学共通テストを受験したのち、個別学力検査を受験する一般選抜に臨むのが、スタンダードな選抜方法です。その他にも特別選抜など受験のチャンスがあります。
ここでは、導入されている選抜方法の種類をご紹介します。
- 一般選抜
一般選抜では、大学入学共通テストと個別学力検査などの成績、調査書などの内容から総合的に判定を行います。前期日程・後期日程の2回、受験のチャンスがあります。前期日程は7つの全学部で実施されますが、後期日程は文学部(総合人間学科・歴史学科・文学科)、法学部、理学部、工学部の4学部が対象です。なお、医学部医学科のみ、出願者が募集人員に対して約4倍以上となる場合、大学入学共通テストや調査書などにより2段階選抜が実施されることがあり、注意が必要です。
- 特別選抜
特別選抜には以下のような選抜方法があります。【総合型選抜(グローバルリーダーコース)】
文学部、法学部、理学部、工学部の4学部に設置されているグローバルリーダーコースの選抜方法です。大学入学共通テストと個別学力検査は免除され、英語面接・書類審査・ペーパーインタビュー・口述審査・論述審査により、合否判定が行われます。【学校推薦型選抜Ⅰ・Ⅱ】
大学入学共通テストを課さないⅠ型と、課すⅡ型があり、面接・小論文などで判定が行われます。その他にも、【帰国生徒選抜】【社会人選抜】が選抜方法として設けられています。
いずれも詳細については、入学者選抜要項・学生募集要項でご確認ください。
熊本大学入試の概要
ここからは、熊本大学の出願資格や、入試概要を解説します。
出願資格について
熊本大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められています。ここでは一般選抜での出願資格をご紹介します。
出願資格は、以下のとおりです。
- 高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び入学年3月に卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年3月に修了見込みの者
- 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び入学年3月31日までにこれに該当する見込みの者
なお、上記の3番に該当する場合の詳細は、入学者選抜要項で必ずご確認ください。
また、特別選抜の出願資格は、入試方法ごとに出願要件を別途定めています。こちらについても入学者選抜要項で閲覧可能です。
試験科目や合格要件
次に、熊本大学の学部ごとの試験科目や配点を、一部学部・学科を抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、一般選抜前期日程の内容です。なお、以下のデータはすべて2022年1月28日現在のものです。
文学部 総合人間学科
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 100 | 200
※国語総合・現代文B・古典B |
300 |
地歴公民 | 100
※①世界史B、日本史B、地理Bより1科目もしくは2科目 ②現代社会、倫理、政経、倫理・政経より1科目 ①②の全体で2科目 |
– | 100 |
数学 | 100
※数Ⅰ・Aは必須 数Ⅱ・B、簿記、情報から1科目選択で合計2科目 |
– | 100 |
理科 | 50
※物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎より2科目、もしくは物理、化学、生物、地学より1科目 |
– | 50 |
外国語 | 100
※英語、独語、仏語、中国語、韓国語より1科目 |
200
※英語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ)、独語、仏語、中国語より1科目 |
300 |
小論文 | ‐ | 100
※論理的思考力と表現力をみる |
100 |
合計 | 450 | 500 | 950 |
薬学部 薬学科
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 100 | – | 100 |
地歴公民 | 50
※世界史B、日本史B、地理B、現代社会、倫理、政経、倫理・政経より1科目 |
– | 50 |
数学 | 100
※数Ⅰ・Aは必須 |
300
※数Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、A、B |
400 |
理科 | 100
※化学は必須 物理、生物より1科目選択で合計2科目 |
300
※物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物より2科目 |
400 |
外国語 | 200
※英語、独語、仏語、中国語、韓国語より1科目 |
– | 200 |
合計 | 550 | 600 | 1,150 |
出願者数や合格者数のデータ
熊本大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2021年度の一般選抜前期日程の結果です。
学部 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 志願倍率 | 実質倍率 |
文 | 115 | 256 | 254 | 131 | 2.2 | 1.9 |
教育 | 177 | 404 | 360 | 195 | 2.3 | 1.8 |
法 | 145 | 335 | 324 | 161 | 2.3 | 2.0 |
理 | 150 | 339 | 328 | 160 | 2.3 | 2.1 |
医 | 196 | 601 | 526 | 211 | 3.1 | 2.5 |
薬 | 70 | 288 | 262 | 75 | 4.1 | 3.5 |
工 | 335 | 643 | 564 | 360 | 1.9 | 1.6 |
各科目の試験問題の特徴や難易度
熊本大学の入試対策のために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、熊本大学一般選抜前期日程での試験問題の特徴を、科目を抜粋してご紹介します。
英語
試験時間は120分で、記述式。例年、大問4問が出題されています。熊本大学の英語は長文が多いことが特徴で、出題の内訳としては長文読解が2問、自由英作文が1問、会話文が1問。
難易度は標準レベルなので、基礎的な構文や語彙力を地道に積み上げていくのが得点を上げるコツです。
自由英作文は文字数の制限もあり、さほどボリュームはありませんが、問われる内容の傾向は決まっていません。自分の意見を述べるものや提示された文章を説明するものなどさまざまな形式で出題されるので、重要な構文を暗記するなどして対応できるようにしておきましょう。
会話文はインタビュー形式の文章で、空所補充問題が出題されます。流れを理解しながら該当する語句を推測する能力が問われますので、類似した問題を多く練習しておきましょう。
国語
試験時間は120分で、大問は4つ、記述式です。現代文2問と古文1問、漢文1問の出題と、幅広い学習が求められます。
熊本大学の現代文は、かなり長い文章が出題されますが、設問数が1問につき2~3問と少ないのが特徴。1問の比重が重くなっているため、自分の考えを端的に素早くまとめる力が求められます。
数学
大問4つで構成されており、試験時間は例年120分。文系数学と理系数学、医学部の数学、学部により範囲・内容は異なります。いずれも記述式なので、自分が考えた過程が採点者に伝わりやすいよう、式の羅列だけでないわかりやすい解答を心がけましょう。
理系数学は数Ⅰ・A、数Ⅱ・B、数Ⅲが範囲で、微分・積分、数列、ベクトルが頻出。近年、複素平面が頻出なので、過去問になくても押さえておきましょう。医学部数学は難易度が高くなり、数学で差が付きやすくなっています。
文系数学は数Ⅰ・A、数Ⅱ・Bまでですが、こちらも微分・積分、数列、ベクトルが頻出です。
熊本大学入試の難易度
熊本大学の入試の偏差値は47.5~65.0です。学部ごとでは、文学部で共通テスト得点率68%~79%、偏差値 55.0~57.5、工学部で共通テスト得点率64%~75%、偏差値 47.5~50.0、医学部で共通テスト得点率65%~83%、偏差値47.5~65.0などとなっています。
熊本大学に合格するための勉強方法
ここからは、熊本大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
熊本大学に入るには、何をすればいい?
熊本大学は国立大学なので、一般選抜が入試の中心になり、制度自体はわかりやすくなっています。学部・学科により、大学入学共通テスト・個別学力検査それぞれで必要な科目が異なっているため、早めに確認して対策を進めるようにしましょう。難易度は標準的なものが多いですが、例えば国語の長文問題のように、個性的な出題例もあります。
受験生は過去問などから志望する学部・学科で求められる学習内容をつかみ、傾向をつかんで勉強し、入試に臨みます。したがって、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。
大学入学共通テスト・個別学力検査いずれも基礎を徹底するのはもちろんですが、どれだけミスなく解き切るかが重要となってきます。
受験期の過ごし方
受験期の高校3年生をどのように過ごすかによって、合否の確率は変わってきます。無計画に勉強を進めるのではなく、年間を通じた長期的なスケジュールを立てることが、受験勉強においては重要です。本番までの見通しを立てて取り組みましょう。
- 春(4〜6月):基礎を徹底的に身に付ける時期。教科書の内容に沿って丁寧に学習を進め、同時に苦手分野の洗い出しをします。暗記ものは一日でも早く取りかかるのがおすすめです。単語集や用語集を使って、効果的に進めましょう。
- 夏(7〜9月):苦手分野を集中的に克服する時期。長期休暇中は、まとまった時間が取りやすいため、苦手分野の学習には有効です。「一日に問題集を10ページ進める」など、短期スケジュールを組むのも、モチベーションを保つコツです。苦手を潰して成績アップを狙いましょう。
- 秋(10〜12月):大学入学共通テストの対策を始める時期です。共通テスト対策は基礎固めに役立ちます。さらに応用力を磨くことで個別学力検査対策にも有効です。
- 冬(1月〜):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期です。個別学力検査対策には、熊本大学の出題傾向をつかみ、時間配分を考えて解きましょう。ミスなく解答を進められるよう、最後の仕上げをします。
予備校で勉強する場合
独学で受験勉強に取り組むことも不可能ではありませんが、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになりがちです。だからといって「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れないのをご存じでしょうか。
その理由は、集団授業。大手予備校ともなれば、多くの生徒が集まって同じ授業を受けることも珍しくありません。講師の授業を受け身で聞き、なんとなくわかった気になっている場合もあり、十分に知識が定着しない心配があります。
また集団授業のなかでは、苦手分野が取り残されるかもしれません。授業でわからなかったところは、自主的に講師に質問に行くなど積極的に取り組まないと、思ったほどの学習効果が出ない可能性もあります。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
熊本大学入試は丁寧に解く力が重要!
【熊本大学の入試概要】
- 一般選抜が中心で、総合型選抜や学校推薦型選抜などの特別選抜もある。
- 難易度は標準~やや難。
【熊本大学の入試データまとめ】
- 一般入試前期日程の学部での実質倍率は1.6~3.5倍。
【勉強方法まとめ】
- 基本的な知識を十分に身に付けるために、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。そのうえで、出題傾向をつかみ、十分対策する。
- 試験時間はおおむね十分あるが、癖のある出題にあたる場合もあるため、全体の時間配分を考えて解く練習をする。
熊本大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、個別学力検査では正確な解答を求められる出題形式が多く見られるため、ハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2022年1月28日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

大学受験合格ブログ編集部
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