東京理科大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説
最終更新日:2022/09/26
東京理科大学は、東京都新宿区に本部を置く理工系総合私立大学。
1881年創設の東京物理学講習所(1883年に東京物理学校に改名)が前身となっており、自然科学系の高等教育機関としては国内で2番目、私立では最古の歴史を持っています。理学部、工学部など7学部を擁し、唯一文系の経営学部も設置されています。
この記事では、東京理科大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。東京理科大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2021年5月14日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
東京理科大学の入試問題で問われる能力
初めに、東京理科大学が求めている人物像と、入試の特徴や難易度について見てみましょう。
東京理科大学はどんな人材(学生)を望んでいるのか
東京理科大学の起源となった東京物理学講習所(後の東京物理学校)は、東京大学を卒業したばかりの若き21名の研究者が創設したそう。当時、政治経済や法学に比較すると軽んじられていた、理学の発展を志した創設者たち。彼らが掲げた理念は、「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」というものでした。これが建学の精神として現代に受け継がれています。
もともと理学をはじめとした理系の学問に特化した背景があるため、アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)も大学全体のものから、学部、学科に至るまで非常に詳細に設定されています。
大学全体としてのアドミッション・ポリシーは、次のようになっています。
建学の精神と実力主義の伝統に基づく、本学の教育研究理念のもと、
1.高等学校段階までの基礎知識と思考力、判断力、表現力を備え、専門分野の学習に必要な学力を持つ人。
2.将来広く国内外で国際的な視野を持って活躍するための基礎的な素養を身に付けている人。
3.自らの考えを表現する力を備え、主体的に多様な人々と協働して学ぶ意欲のある人。
を多様な選抜方法により広く求める。
引用:東京理科大学HP
大学ホームページでは、学部、学科ごとのアドミッション・ポリシーのほか、それぞれ「入試形態ごとの入学者に求める能力と、その評価方法」も公表されています。詳しくは東京理科大学HPよりご確認ください。
なお、東京理科大学では、2021年度から2025年度にかけて、学部・学科の再編が計画されています。学科の新設や名称変更、募集停止、キャンパスの移転などが予定されていますので、受験を考える場合は、最新の情報を東京理科大学HPや受験年度用の募集要項などでしっかりチェックしてください。
東京理科大学入試の特徴
東京理科大学の入試方式は幅広く用意されていますが、大きく分けると以下のようになります。
●一般選抜
メインとなる入試方式です。一般選抜の中に4つの方式があります。
「A方式」は、大学入学共通テストを利用した選抜方式で、全学部が対象です。
「B方式」は、東京理科大学独自の入学試験を受験します。全学部が対象です。
「C方式」は、大学入学共通テストと、大学の独自試験を併用する選抜方式です。
「グローバル方式」は、指定された英語資格・検定試験のスコアを満たしている場合に出願できる方式です。大学の独自試験を受験し、スコアに応じた加点が行われます。
4つの方式のうち、最も受験者数が多いのは「B方式」ですが、併願も可能です。一部併願できない方式もありますので、詳細は募集要項等でご確認ください。
また、C方式とグローバル方式は昼間学部でのみ実施されます。
●学校推薦型選抜
推薦を依頼する高校からの「指定校制」と、高校からの推薦に基づき広く選考を受け付ける「公募制」の2制度があります。
●その他の選抜方法
帰国子女入学者選抜など、その他の選抜方法もあります。
各科目の試験問題の特徴
東京理科大学の入試対策には、独自試験問題の特徴や傾向を掴んでおくのが大切です。理工系の大学なので、受験科目は数学、英語、理科(科目選択)が基本。しかし学部により選択で国語が選べる場合(経営学部)や理科が化学必須の場合(薬学部)もあります。
注意が必要なのは、多くの人が受験する東京理科大学のB方式の独自試験問題は、同じ科目でも学部、学科ごとで問題が違う、という点。共通問題で併願がしやすい私立大学も多いですが、東京理科大学は過去問題などを活用して学部、学科に応じた対策が必要です。
ここでは、東京理科大学B方式の試験問題の傾向を、科目ごとにご紹介します。
英語
理系学部では60分、経済学部では80分の試験時間です。2021年の入試の場合、理学部第一学部ではマークシート方式で3問、工学部ではマークシート方式と記述式の併用で5問、経営学部ではマークシート方式で4問と、学部や学科によりばらつきがあります。
全体的に他の大学と比較して長文問題が長く、整序英作文の難易度が高いとされています。受験する学科に関係した内容が出題されやすいので、志望学科に関連した専門的な語彙を増やしておくのがおすすめ。長文以外は基本的な文法や語彙をしっかり身につけておきましょう。
数学
理系学部の数学は100分、経済学部では選択科目の理系数学は同じく100分ですが、経済学部全体で受験する文系数学は60分です。
理系数学は数Ⅲまでが範囲に入っており、微分積分が主流です。全体的に良問が多いとされますが、かなりの習熟度が必要。文系数学は数ⅡBまでの範囲で、理系数学より難易度は低くなります。
国語
理系学部では国語のテストはなく、経営学部のみで必要です。学科により、必須になっている場合と選択科目の一つになっている場合があります。試験時間は100分、マークシート方式と記述式の併用です。
大問3つのうち2つが長文問題と言われますが、毎年、驚くほど長い長文が出題されるのが特徴。試験時間内に解き切るためには、読解速度や解答速度を高めておく必要があり、過去問などを使って充分なトレーニングを積んでおきましょう。
理科
理系学部では、物理・化学・生物から1科目を受験します。学科により受験科目が指定されている場合と、自分で1科目を選択する場合があります。ただし理学部第一部の数学科は数学を2回受験するので、理科の受験科目はありません。
物理はいわゆる奇問・難問はありませんが、思考力を問う問題を出題。化学は基本的な理解度を問われるほか、計算問題が多く出題されるので、素早く粘り強く解く力が必要です。生物は分子生物学領域からの出題が多くみられます。単純な知識問題は少なく、思考力や計算力が問われます。
東京理科大学入試の難易度
東京理科大学の入試の偏差値は学部・学科により差があり、45.0~62.5。大学入学共通テストの得点率の目安は、71%~86%とやや高めになっています。
東京理科大学試験の概要
ここからは、東京理科大学の入試概要を解説していきます。
受験資格について
東京理科大学の受験資格は、入試方式によってそれぞれ定められています。ここでは一般選抜における受験資格を紹介します。
1.高等学校(特別支援学校の高等部を含む)又は中等教育学校を卒業した者及び受験年3月卒業見込みの者
2.高等専門学校第3学年修了者又は受験年3月修了見込みの者
3.学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び受験年3月31日までにこれに該当する見込みの者
出典:東京理科大学一般選抜要項(PDF)
上記3の条件で受験する場合は、詳細が要項で解説されていますので、必ずご確認ください。
試験科目や合格要件
東京理科大学の学部ごとの試験科目や配点は、以下のようになります。ここでは一般選抜の一部を解説します。その他詳細は東京理科大学一般選抜要項(PDF)でご確認ください。なお、以下のデータは全て2021年5月14日現在のものです。
A方式
A方式は、大学入学共通テストを利用した選抜方法です。必要な共通テストの教科、科目は次のようになっています。
教科 | 科目 | 配点 | 備考 |
国語 | 国語 | 200 | |
数学 | 数ⅠA、数ⅡB | 200 | 各100点 |
外国語 | 英語、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語より1科目選択 | 200 | 英語はリーディングを150点に換算、リスニングを50点に換算し、合計200点 |
理科(理系学部) | 物理、化学、生物、地学から1科目選択 | 200 | |
選択科目(経営学部) | 理科より1科目、もしくは地歴公民より1科目 | 2科目受験した場合は高得点の教科で、第一解答科目を採用 | |
合計点 | 800 |
B方式
B方式は、大学の独自問題を受験する選抜方法です。必要な受験科目は、次のようになっています。なお、理科の必須科目や選択科目、学科ごとの配点など詳細は、東京理科大学一般選抜要項(PDF)でご確認ください。
教科 | 科目 | 備考 |
数学 | 数Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、A、B(ベクトル、数列) | 経営学部は学科により選択科目として選べる場合あり |
英語 | コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、英語表現Ⅰ、Ⅱ | リスニング、スピーキングは課さない |
理科(理系学部のみ) | 物理(物理基礎、物理)、化学(化学基礎、化学)、生物(生物基礎、生物) | 学部、学科により1科目選択の場合と、指定された1科目を受験する場合がある |
国語(経営学部のみ) | 国語総合(古文、漢文を除く近代以降の文章)、現代文B | 学科により必須の場合と選択科目になっている場合がある |
文系数学(経営学部のみ) | 数Ⅰ、Ⅱ、A、B(ベクトル、数列) | 経営学部は必須 |
出願者数や合格者数のデータ
東京理科大学の出願者数や合格者数は以下の通りです。なお、ここで紹介するのは2020年度一般入試(各方式の合計)のデータです。
学部 | 倍率 | 募集人数 | 出願者数 | 合格者数 |
理学部第一部 | 3.2 | 504 | 10186 | 3070 |
薬学部 | 3.0 | 140 | 3173 | 970 |
工学部 | 4.0 | 385 | 12154 | 2670 |
理工学部 | 3.3 | 868 | 19568 | 5740 |
経営学部 | 4.2 | 336 | 5186 | 1194 |
理学部第二部(夜間) | 2.1 | 252 | 1293 | 575 |
基礎工学部
※2021年度より先進工学部に名称変更 |
3.5 | 252 | 4795 | 1308 |
出典:過去の入試データ|ADMISSIONS & AID|東京理科大学
東京理科大学試験の概要
ここからは、東京理科大学に合格するための学習方法をご紹介します。
東京理科大学に入るには、何をすればいい?
理工系総合大学の東京理科大学の入試は、思考力や計算力を問われる問題が中心です。第一志望で臨む受験生はもちろんのこと、早稲田や慶應、東工大、旧帝大の理学部・工学部と併願する受験生も多く、ハイレベルな戦いになることも。また併願で他大学の農学部や医療系学部を考えている場合は、東京理科大学と問題の質が異なってくるため、過去問などで分析しながら、それぞれに対策が必要です。
思考力や計算力が問われる場合、特に1つのミスが合否を分ける事態になってしまいます。基礎を徹底しつつ、演習をどれだけ積むか、どれだけミスを無くすかが重要なポイント。解答を見直す癖をつけるようにして、ミスを減らす工夫をしましょう。
東京理科大学では、科目によって問題の文章にボリュームがあったり、問題数が多かったりする場合があります。過去問演習を使って時間配分の練習もしておきましょう。
受験期の過ごし方
無計画になんとなく机に向かっているのでは、効率よく成績を上げることは難しいもの。受験期で特に重要なのは、長期的なスケジュールをたてて、計画的に学習を進めることです。特に高校3年生の1年間は、学習の進め方次第で合否の確率が変わる重要な期間。東京理科大学合格に向けて、下記を参考にスケジュールを立てましょう。
●春(4〜6月):基礎を徹底して身に付ける期間です。教科書を中心に丁寧に学習し、基礎問題に取り組みましょう。基礎を確認することで、理解度が低かった分野や苦手分野の洗い出しにつながります。
●夏(7〜9月):苦手分野に集中して取り組み、克服する期間です。夏休みに「1日に問題集を10ページする」などの短期的なスケジュールで進めるのがおすすめ。集中して学習時間が確保でき、落ち着いて取り組める時期なので、苦手分野の克服につなげましょう。
●秋(10〜12月):大学入学共通テストの対策を始める時期です。独自試験のみでの受験を考えている場合でも、基礎知識の確認に役立ちます。大学入学共通テスト用の問題集などを活用しましょう。
●冬(1月〜):独自試験対策として過去問演習にしっかり取り組みましょう。東京理科大学の独自試験は思考力や計算力を必要とする硬派な問題が多いとされます。ミスなく時間配分に気をつけて問題を解くトレーニングをし、最後の仕上げをします。
予備校で勉強する場合
独学で受験勉強を進める人がいないわけではありませんが、受験情報を集める力や学習を計画的に進める意志が強くないと、かなり難しいもの。しかし一方で「予備校に通っていれば問題ない」とも言い切れません。というのも、一般的な予備校は集団授業。講師の授業をただ聞いて終わるだけになってしまい、知識を得ても十分定着しない場合があるからです。
また、苦手分野が取り残されがちなのも集団授業のデメリット。授業で分からなかったところは自分で講師に聞きに行くなど積極的に苦手分野と向き合わなければ、克服に十分な効果は期待できないでしょう。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階をスモールステップで無駄なく実践力を磨きます。
東京理科大学入試は丁寧に解く力が重要!
【東京理科大学の入試概要】
●理工系の私立大学だが、経営学部も人気
●大学入学共通テストや独自試験など複数の選抜方式
●難易度は受験方式や科目により標準~難
【東京理科大学の入試データまとめ】
●倍率は一般選抜で2.1〜4.0倍。学部や学科により差がある。
【勉強方法まとめ】
●独自問題は同じ科目でも学部、学科で出題が異なる
●過去問対策をしっかり行い志望学科の傾向をつかむ
東京理科大学は、歴史ある理工系総合私立大学なので、第一志望で目指す人も多いほか、早稲田や慶應などと併願する人も多く受験します。ハイレベルな戦いになりやすい大学なので、充分な対策が必要。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なく問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルにあった授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2021年5月14日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

大学受験合格ブログ編集部
このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。
こんな記事も読まれています
前の記事 » 國學院大學の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説
次の記事 » 京都府京都市で塾を探している方へ|英語の偏差値40台からのスタートで第一志望に合格!大学受験に成功した先輩にインタビュー!大学受験予備校四谷学院