国際連盟はなぜ失敗した?国際連合との違いを徹底比較

最終更新日:2022/09/26

※この記事は約4分で読めます。


「国連」といえば国際連合のことですが、勉強しているうちに国際連合と国際連盟の違いがよくわからなくなり、混乱してしまうこともあるかもしれません。

しかし、国際連盟と国際連合は大学入試で出題頻度が高く、時代背景も含めてしっかり理解しておきたい重要事項の一つです。

そこでこの記事では、設立の経緯や採決方式なども含めて、国際連盟と国際連合を比較します。
日本との関係についても解説するので、ぜひ勉強の参考にしてください。

 

国際連盟は機動力が低く実効力もない残念な組織だった


国際連盟は、第一次世界大戦後の1920年に設立された国際機関です。しかし、指導力も牽引力も乏しく、実効力のともなわない組織でした。

 

国際連盟が失敗だったといわれる理由

国際連盟は、地域紛争の解決などに一定の成果をあげていましたが、主に3つの点で失敗だったとされています。

一つは、アメリカをはじめとした有力国の不在です。
敗戦国だったドイツは1926年に加盟しますが、1933年に脱退。
1917年に誕生したばかりのソ連は1934年に加盟しますが、1939年に除名されます。
常任理事国だった日本とイタリアも1930年代に脱退し、議会の承認が得られなかったアメリカは最後まで国際連盟に加盟しませんでした。

そして、国際連盟が全会一致の法則を採っていたことも、失敗の一つとされています。一国でも反対すれば重要な事項であっても何も決められず、迅速に有効な対応が取れなかったからです。

さらに、国際連盟は軍事力が行使できず、有効な制裁手段がなかったことも大きな失敗であったとされています。

 

日本と国際連盟の関係

日本は国際連盟発足当初から加盟しており、常任理事国の一つでした。
しかし、1931年の満州事変がきっかけで孤立。
1933年、国際連盟がリットン調査団の報告書に基づき、満州国の不承認・日本軍の撤兵を求める勧告を全会一致で採択すると、日本の全権大使であった松岡洋右が国際連盟の脱退を宣言しました。

 

国際連盟の失敗から生まれた国際連合


国際連盟がファシズムの台頭や第二次世界大戦の勃発を防ぐことができなかったことなどを受け、新たな国際機関として発足したのが国際連合です。

 

国際連合の概要

国際連合はアメリカ大統領のフランクリン=ルーズベルトにより構想され、第二次世界大戦中の1945年6月に国際連合憲章の採択をもって成立。各国の批准により、同年10月に正式に発足しました。国際連盟の解散は1946年なので、国際連合と国際連盟は一時期併存していたことになります。

本部はアメリカのニューヨークに置かれ、発足時の加盟国は51ヵ国。常任理事国は、アメリカ・イギリス・フランス・ロシア(発足時はソ連)・中国(発足時は中華民国)の5ヵ国です。

国際連合にはいくつかの機関がありますが、国際安全保障のためにもっとも重要とされるのが安全保障理事会です。安全保障理事会は常任理事国5ヵ国と非常任理事国10ヵ国で構成され、ここでの議決は常任理事国5ヵ国と非常任理事国4ヵ国の賛成により採決されます。

 

国際連盟との違い

国際連盟との大きな違いは、発足当初からアメリカ・ソ連の2国が加盟していることです。また、総会での評決は多数決でおこなうため、迅速な対応が可能になっています。さらに、紛争解決手段として、国際連合による武力行使を容認していることも大きな違いです。

なお、国際連合に常設の軍隊はありません。武力行使が必要な場合は、安全保障理事会との特別協定に従い、加盟国が兵力を提供することになっています。

 

日本と国際連合の関係

日本は、サンフランシスコ平和条約の発行を受けて1952年に加盟を申請しましたが、ソ連が安全保障理事会で拒否権を発動したために加盟が否決されました。

そこで、日本はアジア諸国の賛同を得るために、1955年に開催された第1回アジア=アフリカ会議(バンドン会議)へ参加。さらに、1956年には日ソ共同宣言を発表して日ソ間の戦争状態を終結させ、1956年12月に国際連合への加盟が実現しました。

 

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