昭和大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説
最終更新日:2023/08/03
昭和大学は、東京都品川区に大学本部を置く、私立の医系総合大学です。医学部・歯学部・薬学部・保健医療学部の4学部を有し、医療に関わる多くの人材を育成しています。
この記事では、昭和大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。昭和大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2022年3月4日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
目次
昭和大学の入試問題で問われる能力
まず、昭和大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。
昭和大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
昭和大学は、医師である上條秀介博士が1928年(昭和3年)に創立した、昭和医学専門学校を前身としています。大学ではなく専門学校からスタートした背景には、学問・研究に偏りがちだった当時の医学教育があるそう。実学をおろそかにする現状に危機感を抱いた上條博士が、優れた臨床医を育成する重要性を訴え、創立に向けて尽力しました。
こうした時代背景を持つ昭和大学の建学の精神は、「至誠一貫」という言葉。これは「常に相手の立場に立ってまごころを尽くす」という意味で、医療に携わる者の信念を表しています。
そして「社会の文化と公共の福祉に貢献する」ことを学則とし、国民の健康に寄与することを目標に掲げた昭和大学の「入学者の受入方針(アドミッション・ポリシー)」は、次のようになっています。
昭和大学アドミッション・ポリシー
医系総合大学である昭和大学は、「至誠一貫」の精神を体現する医療人の育成を目的に次のような学生を広く求めます。
|
引用:昭和大学 三つのポリシー
なお、昭和大学では、学部・学科ごとの入学者の受入方針(アドミッション・ポリシー)も詳細に定めています。詳しくは昭和大学 三つのポリシーから確認できますので、受験を考えている人はぜひご一読ください。
昭和大学入試の特徴
昭和大学で導入されている入学試験では、一般選抜などさまざまな選抜方法が実施されています。令和4年度入試より、総合型選抜(医学部以外)や卒業生推薦入試が新たに導入されました。
全体としては、医学部とその他の学部とでは導入されている選抜方法が異なりますので、募集要項などでしっかり確認しましょう。おもな選抜方法は以下のようになります。
- 一般選抜入試(Ⅰ期・Ⅱ期)
全学部で行われる試験で、Ⅰ期・Ⅱ期とは、いわゆる前期・後期にあたります。受験教科は英語、数学か国語(選択)、理科(医学部は物理・化学・生物から2科目選択)の3教科。医学部は一次試験・二次試験があり、二次試験が小論文と面接です。 - 大学入学共通テスト利用入試
医学部以外で実施されています。指定された教科の得点と面接により合否判定されます。 - 学校推薦型選抜入試(特別協定校・指定校)
全学部で行われますが、医学部は特別協定校のみが対象です。 - 卒業生推薦入試
祖父母または両親のいずれかが、昭和大学医学部、歯学部、薬学部、保健医療学部の卒業生の場合、受験できます。 - 総合型選抜入試
医学部以外で実施される選抜方法です。一次試験・二次試験があり、内容が学部により異なります。例えば歯学部の場合は、一次試験で書類審査(入学志願票・調査書・活動報告書)、二次試験で教養試験(英語・小論文・一般教養)、模擬授業およびテスト、面接が行われます。
なお、医学部一般選抜入試(Ⅰ期)を利用して、歯学部・薬学部を併願できる選抜方法もあります。その他にも併願できるパターンが多くありますので、選抜方法の詳細は、最新の募集要項でご確認ください。
昭和大学入試の概要
ここからは、昭和大学の入試概要を解説します。
出願資格について
昭和大学の出願資格は、選抜方法ごとに細かく定められています。ここでは一般選抜についてご紹介します。
一般選抜の出願資格は以下のとおりです。
- 高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者、および入学年3月卒業見込みの者
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者、および入学年3月修了見込みの者
- 高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者、および入学年3月31日までにこれに該当する見込みの者
参照: 昭和大学令和5年度入学試験要項(PDF)
なお、上記の3番に該当する場合の詳細と、その他の選抜方法の出願資格についても、最新の募集要項でご確認ください。
試験科目や合格要件
ここからは、昭和大学の学部ごとの試験科目や配点を、一部学部・学科を抜粋してご紹介します。
今回取り上げるのは、一般選抜入試(Ⅰ期)の内容です。その他の学部・学科の試験内容については、最新の募集要項にてご確認ください。
なお、以下のデータはすべて2022年3月4日現在のものです。
医学部
教科 | 科目・選択範囲 | 配点 |
一次試験 | ||
英語 | コミュニケーション英語I、Ⅱ、Ⅲ、英語表現I、Ⅱ | 100 |
数学または国語
(1教科選択) |
数学:数学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、A、B
国語:国語総合(現代文のみ) |
100 |
理科
(3科目から2科目選択) |
物理(物理基礎・物理)
化学(化学基礎・化学) 生物(生物基礎・生物) |
200 |
二次試験 | ||
小論文 | 30 | |
面接 | 70 | |
合計 | 500 |
歯学部
教科 | 科目・選択範囲 | 配点 |
英語 | コミュニケーション英語I、Ⅱ、Ⅲ、英語表現I | 100 |
数学または国語
(1教科選択) |
数学:数学Ⅰ(データの分析を除く)、Ⅱ、A、B(数列・ベクトル)
国語:国語総合(現代文のみ) |
100 |
理科
(3科目から1科目選択) |
物理(物理基礎・物理)
化学(化学基礎・化学) 生物(生物基礎・生物) ※物理の『物理』は「原子」を除く |
100 |
面接 | 60 | |
合計 | 360 |
出願者数や合格者数のデータ
昭和大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは、2021年度に実施された一般選抜入試(Ⅰ期)の結果です。
学部 | 募集人数 | 出願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 志願倍率 | 実質倍率 |
医
一次試験 |
75 | 2761 | 2598 | 579 | 36.8 | 4.5 |
医
二次試験 |
579 | 537 | 257 | 7.7 | 2.1 | |
歯 | 44 | 351 | 322 | 103 | 8.0 | 3.1 |
薬 | 95 | 435 | 406 | 223 | 4.6 | 1.8 |
保健医療 | 61 | 439 | 422 | 174 | 7.2 | 2.4 |
各科目の試験問題の特徴や難易度
昭和大学の試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、昭和大学一般選抜入試での医学部の試験問題の特徴を、科目を抜粋してご紹介します。
英語
昭和大学医学部の英語は、2020年度に出題数が3題に減り、以降はその形式を維持しています。試験時間は数学または国語と合わせて140分です。
大問1は空所補充問題で、短文完成や短い会話文などが出題され、文法の基礎や語法、熟語の習熟度が問われます。大問2・3は長文問題で、医療や自然科学に関する文章が多く出題されるようです。
全体的な難易度は標準レベルなので、高得点の戦いになりやすく、数学(または国語)と合わせて140分なので、数学(または国語)に時間を残すために、スピード感を持って解答できるようにしておきましょう。
数学
例年大問4つで構成されています。試験時間は英語と合わせて140分なので、単純計算で70分と考えましょう。難易度は上位私立大学レベルといわれています。
難問奇問は出題されず、典型問題が中心なので、基本的な問題を全範囲、抜けがないように学習することが重要です。また、問題量や計算量が多い傾向にあるので、解答スピードを身に付けておく必要もあります。数Ⅲの積分が頻出といわれています。
なお、2022年度入学試験要項では、国語との1教科選択になっていますので、ご確認ください。
昭和大学入試の難易度
昭和大学の入試の偏差値は、45.0~67.5となっています。学部別では、医学部で67.5、歯学部で55.0、薬学部で50.0、保健医療学部で45.0~47.5といったデータが出ています。
出典:大学受験パスナビ
昭和大学に合格するための勉強方法
ここからは、昭和大学に合格するための勉強方法をご紹介します。
昭和大学に入るには、何をすればいい?
昭和大学の入試は、新設された総合型選抜や卒業生推薦入試などユニークなものもありますが、基本的には一般選抜入試や大学入学共通テスト利用入試(医学部以外)が中心になります。
特に、医学部の一般選抜で他の学部を併願できる制度もあることから、医学部の一般選抜の対策をする受験生も多いと考えられるでしょう。
受験科目ごとに難易度は多少の違いはあるようですが、おおむね上位私立大学レベルの問題で、難問奇問は少ないようです。したがって、高得点を争う戦いになりやすいといえます。
受験生は過去問などから自分の志望する学部・学科で求められる習熟内容をつかみ、絞り込んで勉強して入試に臨みます。したがって、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。
昭和大学の受験対策では、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかを意識して日々の学習に取り組みましょう。
受験期の過ごし方
高校3年生という受験期の過ごし方により、合否の確率が変わるといっても言い過ぎではありません。やみくもに勉強していたのでは、あっという間に時間が過ぎてしまいます。ぜひ年間を通じた長期的なスケジュールを立てたうえで、受験勉強に取り組んでください。
- 春(4〜6月):徹底して基礎を身に付ける時期です。教科書の内容を丁寧に学習し、早めに苦手分野の洗い出しをしましょう。暗記ものは単語集や用語集を活用し、早い時期から毎日取り組むのがおすすめです。
- 夏(7〜9月):苦手分野を徹底して克服する時期です。まとまった学習に取り組める長期休暇を有効に使い、ぜひ成績アップを狙いましょう。「一日に問題集を10ページ進める」など、短期スケジュールを組むのも、モチベーションを保つコツといえます。
- 秋(10〜12月):大学入学共通テスト対策に着手する時期です。基礎固めをしつつ、さらに応用力を磨くことで、一般選抜入試対策にも役立ちます。
- 冬(1月〜):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期です。時間配分に注意して解くようにしましょう。ミスなく解答できる工夫をして、最後の仕上げをします。
予備校で勉強する場合
ひとりで受験勉強に取り組む場合、強い意志に加え情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになると考えられます。しかし「予備校に通っていれば安心」とも言い切れません。
その理由は、集団授業にあります。
大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ授業を受けることは珍しくありません。講師の授業を受け身で聞いて、理解できた気になっているだけの場合もあり、知識が定着しない心配があります。
また集団授業のなかでは、苦手分野が取り残される可能性もあります。授業でわからなかったところは、自分で講師に質問に行くなど積極性がないと、思うような学習の効果が出ない場合もあります。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
昭和大学入試は丁寧に解く力が重要!
【昭和大学の入試概要】
- 一般選抜が中心だが、総合型選抜や、卒業生推薦入試、大学入学共通テスト利用入試などがある。
- 難易度は標準~やや難。
【昭和大学の入試データまとめ】
- 2021年入試での実質倍率は1.8~4.5倍(志願倍率は4.6~36.8倍)。
【勉強方法まとめ】
- 基本的な知識を網羅的に身に付け、教科書や用語集を活用し、丁寧に学習するのがおすすめ。
- 時間が足りなくなる科目が多いので、スピードを持って解答できるようにし、さらに時間配分の練習もしておく。
昭和大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、高得点が取りやすい教科もあり、ハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2022年3月4日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

大学受験合格ブログ編集部
このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。
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