広島大学 大学院 医系科学研究科 田原 優先生 | 大学受験予備校・四谷学院の学部学科がわかる本        

Interview

「いつ食べるか?」の視点から研究し
健康に関する社会課題を解決していく

広島大学 大学院 医系科学研究科 准教授
田原 優 先生


「体内時計」と「食べるタイミング」を合わせて
より健康な体づくりを

「食べるタイミング」を考える時間栄養学の研究をしています。これまでの栄養学は、「何をどれだけ食べるか?」に注目された研究が多く、「いつ食べるか?」という概念はあまり研究されてきませんでした。しかし、私たちの体には、体内時計があり、起きて寝てという一日のリズムがあります。その体のリズムに合わせて食事することで、より効果的な栄養摂取ができ、より健康的な体づくりができます。朝、昼、夕食や間食の時刻や食べる内容を考えることで、効果的なダイエット方法や高齢者のサルコペニア(筋肉が減って弱っていくこと)予防の方法などを提案することもできます。
所属する公衆衛生学教室では、食事アプリやオンライン調査で集めたビッグデータを統計解析し、データ駆動形の栄養疫学研究を行っています。また、マウスや細胞実験も行うことで、ベストな朝食の内容や、有効な機能性食品成分の探索も行っています。機能性食品の研究は、食品メーカーや素材会社とも共同研究を行うことで、研究結果を効率よく商品開発に繋げています。

体内時計や睡眠の研究をきっかけに
研究の楽しさに気づく

私は、早稲田大学先進理工学部電気・情報生命工学科で学部、修士、博士と学びました。3年生の研究配属の際に、研究室に見学に行き、そこで初めて体内時計や睡眠の研究方法や内容を知りました。研究室に配属され、マウスを扱いながら研究を進めていくうちに、研究そのものの楽しさに気づき、博士課程進学を考えるようになりました。仮説を立て、実験プランを練り、試薬や装置を準備して実験を行い、結果を解析・考察し、教授と共に次の実験プランを練る、この過程がとても楽しく、研究生活は毎日充実していました。私はマウスの発光イメージングを行っていますが、体内の遺伝子の動きを光としてカメラで捉えられた時は、とても感動しました。

研究結果を社会に伝え、
社会の仕組みを変えていく

体内時計や時間栄養学の研究は、私自身の実生活にも直結し、人に伝える時にも分かりやすく、とてもやりがいのある研究テーマです。医学部公衆衛生学教室は、いかに社会課題をデータから捉え、行政や企業と連携しながら社会の仕組みを変えていく研究室です。私は、細胞や動物実験で分かった基礎研究を、いかに社会に伝えていくか、日々試行錯誤しながら挑戦しています。人の普段のなにげないルーティン(睡眠や食習慣)ってなかなか変わらないものです。医学部では、患者さんと日々接するお医者さんや保健師さん、看護師さんからも意見を頂くことができるので、とても刺激的なところです。

田原先生からのメッセージ

まだやりたいことが見つからなくても心配しなくていいと思います。毎日頑張るうちに、ふと出会いがあり、やりたい事が見つかると思います。それを探すのが大学という場所です。私は学生時代、電気・情報生命工学科に物理・化学で入りましたが、大学では生物系の研究室を選びました。研究室で恩師に出会い、今に至ります。また、理系志望の受験生はぜひ、大学で研究を楽しんでほしいと思います。

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