神奈川県立保健福祉大学 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 玉垣 努先生 | 大学受験予備校・四谷学院の学部学科がわかる本        

Interview

作業療法は好きが活かせて何でもあり!
不可能を可能にするものづくり

神奈川県立保健福祉大学 リハビリテーション学科 作業療法学専攻 教授
玉垣 努 先生


患者さんの夢をかなえる
「立ち上がれる車椅子」を開発

作業療法とは、日常生活の動作や社会的適応能力の増幅を行う分野ですが、実は何でもありの分野で、運動やゲーム、ものづくりなど多様なアプローチ方法があります。私は、工学や心理学などさまざまな視点を取り入れながら、身体機能の改善をうながす方法や、できないことを可能にするための方法をものづくりの観点からも考えています。例えば首のケガで頚髄(けいずい)を損傷し、手足がマヒしてしまった患者さんがいるとします。「また立ち上がりたい」と願っているものの、リハビリをしても自力で立ち上がることは難しい場合もあります。こうした患者さんの夢をかなえるために、電動で立ち上がり、動き回れる車椅子を開発しました。スイッチを入れると、車椅子が患者の姿勢を制御して立ち上がった状態になるのです。

「困った」を解決して感謝される
やりがいのある仕事です

兄が理学療法士だったことや、経済的に厳しい学生でも受け入れてくれる大学があったことから、作業療法を勉強しました。作業療法士として臨床の現場で働き始めると、人に感謝される仕事だと実感できて、やりがいを覚えました。現場では、患者さん一人ひとりの「困った」に直面します。同じ病名が付けられていても患者さんによって症状がまったく異なる場合もあり、「困った」を解決する方法もさまざまです。なぜこれほど違うのかと疑問を抱き、患者さんの夢をかなえられるような作業療法の研究を始めました。

「不可能を可能にする」福祉用具開発時に
忘れてはならないこと

不可能を可能にする福祉用具の開発をおこなった目的は、患者さんの生活を快適にするためです。健常者(特定の慢性疾患を抱えておらず、日常生活行動に支障がない人)の日常生活の中には、高い場所に置かれている物を取るなど、座ったままでは不便な動作が多くあります。「立ち仕事」といわれる、立たなければできない仕事もあります。もし足が不自由になった患者が自力で立ち上がる手段があれば、生活や就職へのハードルが下がるでしょう。ほかにも足を使わずに手だけで運転できる車など、患者さんができないことを可能にするために、福祉用具の開発を行っています。福祉用具の開発では、患者さんの体への負担も考慮しなければなりません。姿勢を変えるときに無理な力を加えてしまうとケガにつながるからです。立ち上がる車椅子の開発でも、膝にかかる圧力や骨の密度との関係などを綿密に分析しました。

玉垣先生からのメッセージ

進路を考えることを、あまり気負わないでください。作業療法は何でもありの分野で、幅が広いからこそ、あなたの好きなことも生かせるはずです。あなたが弱点に感じていることでも、逆に長所にできる方法があるかもしれません。もちろん好きなことや武器になる特技があれば、それを大切にしてほしいです。あなたと結びつく方法を見つけられると思うので、ぜひ作業療法に興味を持ってください。

関連情報

学部から探す

大学の学問系統別にご紹介しています。さっそく興味のある学問から読んでみましょう。

四谷学院の「ダブル教育」
四谷学院について詳しくはこちら
個別相談会はこちら
資料請求はこちら

ダブル教育とは?

予約コード17GJWAZ

『学部学科がわかる本』冊子版をプレゼント

予約コード17GJWAZ

ページトップへ戻る