東海大学 工学部 航空宇宙学科 天満 憲一 先生 | 大学受験予備校・四谷学院の学部学科がわかる本        

Interview

航空業界の「2030年問題」
次世代を担うパイロットの育成を目指して

東海大学 工学部 航空宇宙学科 航空操縦学専攻 教授
天満 憲一 先生


広がる操縦士養成の場と、新たな使命

2030年には、現在活躍している操縦士の多くが退職を迎える見込みで、操縦士不足が懸念されています。これまで日本の操縦士の主な育成ルートは、自社養成や航空大学校に限られていましたが、近年では私立大学による養成の規模と質も確かなものとなってきました。こうした環境の変化を受け、次世代を担うパイロットの育成がますます重要になってきています。
私はこれまで、国土交通省航空局において操縦士の養成や、知識・技能に関する仕事に携わり、また航空大学校では操縦教官として学生を指導してきました。約30年にわたり、操縦士養成の現場を通して、日本の航空界の安全確保に関わってきた経験を活かし、これからの航空界を担う学生たちの成長をお手伝いしたいと考え、現在の仕事に取り組んでいます。

現場で活用できる、実践的な学び

東海大学工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻では、将来、エアラインパイロットを志望する学生に対し、豊かな人格を育む人間教育と、基礎から実践までを網羅したきめ細かい専門教育を行っています。確かな操縦技術を身につけ、社会の期待に応える優れたパイロットを養成することが目的です。
その中で私は「航空力学」「航空機基本システム」「航空英語」などの授業を担当し、「現場で活用できること」に焦点を当てた指導を行っています。難しい数式は最小限にとどめ、例えば「離陸滑走距離の算出方法」など、パイロットの実務に直結するテーマを学び、飛行全体のイメージをつかむことを重視しています。また、パイロットとしての心構えや安全な運航のために利用可能なすべての資源を有効活用し、チームの業務遂行能力を向上させるCRM(Crew Resource Management)の授業も取りまとめています。そこでは、授業ごとに現役のエアラインパイロットや卒業生、航空業界の関係者を招き、チームワーク、コミュニケーション、および仕事に取り組む姿勢などの重要性を学んでいきます。

航空留学と仲間の絆が、成長を後押しする

2年生から 3年生にかけては、アメリカ・ノースダコタ大学への航空留学も行います。ノースダコタ大学は、航空が盛んなアメリカの中でも、航空・宇宙の幅広い分野で高い水準と実績を誇る大学です。パイロットは英語で管制官と交信します。留学前には英語を重点的に勉強しますが、高校生のうちから文理を問わず幅広く学び、特に英語の基本技能(読む・書く・聞く・話す)を偏りなく身につけておくことが大切です。
操縦士の技量は、地上での勉強や準備、そして実際の飛行訓練を通して磨かれていきます。上級生や卒業生が下級生に学習方法や訓練への取り組み方をアドバイスする姿には、学生同士の強い絆と、日々成長している姿が感じられます。こうした学生間のつながりは、東海大学の大きな強みです。これまで飛行経験のなかった学生が、4年間の努力を積み重ね、パイロットとして巣立っていくときには、学生の可能性と同時に、教育者としての大きなやりがいを感じます。ときには、空港でばったり教え子に再会することもあり、現場でさらに成長した姿を見せてもらえることは、とても頼もしく、そして嬉しいものです。

天満先生からのメッセージ

今、大変な思いをして受験勉強している高校生も多いと思います。皆さんの努力は必ず報われますので、夢に向かって頑張ってください。
自分の興味のある大学・学部のオープンキャンパスや説明会などに参加すると、HPやパンフレットだけではわからない学校の雰囲気を感じることができてモチベーションも上がると思います。ご健闘をお祈りしています。

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