こんにちは！四谷学院の奥野です。
どの大学を志望するか悩む高校生は多いでしょう。
国立青少年教育振興機構が行った調査によると、「将来希望する職業を決めているか」という設問に対し、「はっきり決めている」と回答した割合は22.0％、「おおよそ決めている」は32.6％という結果が出ています。高校生のうちに将来の夢が明確に決まっているケースは決して多くはありません。
参考：国立青少年教育振興機構「高校生の進路と職業意識に関する調査報告書－日本・米国・中国・韓国の比較－」（令和5年6月）
将来の夢が明確に決まっていない状態で、数ある大学から一つの進学先を選ぶのは難しいものです。この記事では、将来の夢がなく進路に悩んでいる文系の高校生に向けて、自分に合った大学の選び方を解説します。
目次
将来の夢がないけど大学は進学したい……何から考えるべき？
将来の夢がない場合の考え方について解説します。
まずは「自分が興味あること」から探そう
将来の夢が決まっていない場合、自分にとって興味・関心がより強い内容を学べる学部を選ぶことがおすすめです。そうすることで入学後に大きなミスマッチを防げるでしょう。
自分が何に興味があるのか知るために、あなたの身の回りにある「興味のタネ」を見つけることから始めてみましょう。好きなことを知ることで、自分が何に興味を持つのかを把握できます。
ゲームが好きであれば、物語の構成が好きなのか、人を惹きつける仕組みが好きなのか、ゲーム業界のビジネスが好きなのかなど掘り下げて考えてみるとよいでしょう。物語に興味があるなら文学系、人を惹きつける仕組みに興味があるなら心理学系、ゲーム業界のビジネスに興味があるなら商学系の学部に適性があるかもしれません。
また、K-POPが好きで、K-POPが世界で流行る理由に興味があるなら社会学系、韓国の歴史や文化に興味があるなら地域研究系、歌詞を理解したいなら外国語学系がおすすめです。
好きなものや興味があるものを掘り下げて、自己分析してみましょう。
好きな教科や得意な教科から考える
興味がある分野が多くて選べない、という方は、得意な教科から大学を絞るのもよいでしょう。大学で学ぶことと高校で学ぶことは大きく異なりますが、学びの基礎となる知識は地続きです。高校で得意な教科があれば、それを活かせる学部を選んでみましょう。
以上のことを考えたうえで、「自分は文系の道に進もう」となったら、大学の文系学部の特徴を調べてみましょう。
大学の文系学部の特徴
大学の文系学部は、法学・政治学系統、経済・経営・商学系統、社会・国際関係学系統、文学・人文学系統、教育学系統の5つの系統に大別されます。各系統で学べることや将来の選択肢は以下のとおりです。
| 学部系統 | 学べること | 将来の選択肢 |
| 法学・政治学系統 | 憲法や民法、刑法などの法律や、国内外の政治の仕組みを学ぶ。実習も多く、問題解決能力や論理的思考力が身につく。 | 公務員、弁護士、検察官、裁判官、弁理士、法務コンサルタント、税理士、企業の法務部など |
| 経済・経営・ 商学系統 | 社会全体のお金の流れ（経済学）や、企業活動の仕組み（経営学・商学）を学ぶ。実務経験を積む機会もあり、実社会で役立つ知識が得やすい。 | 金融機関、商社、メーカー、コンサルティング、マスコミなど |
| 社会・ 国際関係学系統 | さまざまな社会問題（環境、文化、福祉、政治など）や、国と国の関係、異文化について学ぶ。 | マスコミ、メーカー、教育関連、IT関連など |
| 文学・人文学系統 | 文学作品だけでなく、歴史、哲学、心理学、言語学など、人間が築き上げてきた文化や思想について深く探究する。 | 出版社、マスコミ、教師、学芸員、一般企業の広報職など |
| 教育学系統 | 人の成長や学びについて、教育の方法や歴史、心理などをさまざまな角度から学ぶ。必ずしも学校の教師になるわけではない。 | 教員、公務員、教育関連企業、一般企業の研修・人事部、教育コンサルタントなど |
文系の場合、特定の学部を卒業したからといって、就職先が限定されることはそれほど多くありません。最終的に大学でまったく学んでいない進路に進むこともできるため、「自分が何を学びたいのか」を重視して学部を考えるとよいでしょう
文系には進みたい！だけど大学が決まらないときの考え方
文系の大学に進むことだけ決まっているけれど、志望大学が定まらない方は、なるべく偏差値の高い大学を目指してみましょう。偏差値が高い大学ほど将来の選択肢が広がりやすくなります。
家から通いやすい大学を選ぶのも一手です。通いやすい大学ならオープンキャンパスや説明会にも足を運びやすいため、学部・学科選びの情報を入手しやすいでしょう。実際に進学したあと、一人暮らしする必要もなく、経済的負担も少なくなります。
大学のイメージが漠然としていて学部を絞り込めない場合は、大学案内などを取り寄せるのがおすすめです。大学・学部の特徴を知り、複数の大学を比較することで、候補を絞りやすくなります。一括で資料請求できるサイトもあるため、少しでも気になった大学はどんどん資料請求していきましょう。
まとめ
「文系の場合、大学や学部の選択が大学卒業後の進路に直接影響しないケースもありますが、大学の勉強を通して培った能力を生かして、様々な進路に進むことができます。自己分析と大学分析が自分に合った大学選びの鍵になります。自分の興味や関心を深掘りし、複数の大学・学部を比較してみましょう。
大学選びに迷っているなら、高校の進路担当の先生に相談したり、予備校で進路相談を受けたりするのがおすすめです。専門家の力も借りながら、自分の将来を具体的にイメージして大学を選びましょう。
失敗しない予備校選びは相談会・説明会参加が重要！
大学進学に向けて予備校を効率的に活用したいなら、予備校選びに力を入れましょう。予備校によって指導方法や方針が異なります。
口コミやホームページの情報だけでなく、相談会や説明会に参加すると、学習環境や指導方針、サポート体制など、予備校に関する詳細な情報を入手できます。予備校を利用する目的を明確にしたうえで複数の予備校を訪れて比較し、自分に合った予備校を選択しましょう。
