奈良女子大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

最終更新日:2023/03/31

※この記事は約12分で読めます。

奈良女子大学は、奈良県奈良市の中心部にキャンパスを構える国立大学です。明治41年(1908年)に設置された「奈良女子高等師範学校」を前身としており、110年を超える歴史持っています。東京都のお茶の水女子大学と合わせ、全国に2校しかない国立女子大学の一つです。

この記事では、奈良女子大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。奈良女子大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2022年4月26日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

奈良女子大学の入試問題で問われる能力

初めに、奈良女子大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。

奈良女子大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

奈良女子大学は、奈良女子高等師範学校を母体とする歴史から、女子の最高教育機関として、社会のなかでの女性の知的自立と知的展開能力の獲得を目指し、文化の進展に寄与することを目的としてきました。

そして、時代背景や社会の変化、社会からの要請に柔軟に答えるべく、平成12年(2000年)より次のような4つの基本理念を掲げています。

基本理念

  • 男女共同参画社会をリードする人材の育成―女性の能力発現をはかり情報発信する大学へ―
  • 教養教育、基礎教育の充実と専門教育の高度化
  • 高度な基礎研究と学際研究の追究
  • 開かれた大学―国際交流の推進と地域・社会への貢献―

引用:奈良女子大学HP 基本理念

このような奈良女子大学では、アドミッション・ポリシーとして、大学案内のなかで次のように語りかけています。

アドミッション・ポリシー(本学を受験する皆さんへ)

学生一人ひとりの個性が尊重される環境で、それぞれの関心に応じた教養教育と基礎教育、そして専門的な研究を通じて自ら探求することを、奈良女子大学は伝統としてきました。この奈良の地で、ともに探求に挑む気概と能力を持った学生を私たちは求めます。

(一部抜粋)

引用:奈良女子大学 大学案内―Nara Women’s University CAMPUS GUIDE 2022―(デジタルパンフレット)

なお、奈良女子大学では学部・学科ごとの入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)も詳細に定めています。詳しくは「奈良女子大学HP 三つのポリシー」より、すべての学部・学科について確認できますので、受験を考えている方はご一読ください。

奈良女子大学入試の特徴

奈良女子大学は国立大学なので、大学入学共通テストを受験後、個別学力検査を課する一般選抜が、スタンダードな入試方法です。その他にもいくつか選抜方法があるので、概要をご紹介します。

なお、奈良女子大学では2022年度(令和4年度)より、工学部が新設されており、工学部の入試についてもすべて以下の入試方法が対象になります。

  • 一般選抜

大学入学共通テストと、個別学力検査の総合得点で合否判定する選抜方法で、前期日程・後期日程があります。

文学部人間科学科(子ども教育専修プログラム)以外の、すべての学部・学科が対象です。

  • 学校推薦型選抜

ほぼすべての学部・学科で実施しています。個別学力検査は免除され、大学入学共通テストの成績と調査書などの書類、面接(学科による)により、合否判定が行われます。

文学部の人文社会学科・言語文化学科・人間科学科では、学校推薦型選抜の実施はないので、ご注意ください。

  • 総合型選抜 探究力入試「Q」

奈良女子大学独自の総合型選抜で、大学入学共通テストは課されず、第1次選考はすべて書類選考です。合格者のみ第2次選考に進み、課題レポートや口述試験、プレゼンテーションなど学科ごとに指定された内容で実施されます。

いずれも詳細は、奈良女子大学 令和4年度入学者選抜要項(PDF)など、最新の情報でご確認ください。

 

奈良女子大学入試の概要

ここからは、奈良女子大学の入試概要を解説します。

出願資格について

奈良女子大学の出願資格は、選抜方法ごとに定められています。ここでは一般選抜での出願資格をご紹介します。

出願資格は、次のいずれかに該当する女子とされています。

  1. 高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者及び入学年の3月卒業見込みの者
  2. 通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び入学年の3月修了見込みの者
  3. 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条(第6号及び第7号を除く)の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者及び入学年3月31日までにこれに該当する見込みの者
  4. 学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第150条第7号の規定により、本学における入学資格審査により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、18歳以上に達している者、又は入学年3月31日までに18歳に達する者

※上記4により、入学資格審査を受けようとする者は、必ず問い合わせが必要

参照:奈良女子大学 令和4年度入学者選抜要項(PDF)

なお、奈良女子大学では出願資格の共通事項として、入学資格とする「女子」の概念に、女性としての性自認を持つトランスジェンダー女性(MtF)を含めると明記しています。

その他の選抜方法での出願資格など詳細は、奈良女子大学 令和4年度入学者選抜要項(PDF)など最新の情報でご確認ください。

試験科目や合格要件

ここからは、奈良女子大学の学部ごとの試験科目や配点について、一部学部・学科を抜粋してご紹介します。

今回取り上げるのは、一般選抜(前期日程)の内容です。その他の選抜方法の試験内容については、奈良女子大学 令和4年度入学者選抜要項(PDF)などで最新の情報をご確認ください。

なお、以下のデータはすべて2022年4月26現在のものです。

文学部

奈良女子大学の文学部は、入学時に学科別の志望は認められず、学部全体で合格者が決定します。入学後、2年次より各学科に所属します。

区分 大学入学共通テスト 個別学力検査 配点
国語 100 国語総合・現代文B・古典B

200

300
地歴公民 世B、日B、地理B、倫・政経から2科目

100

100
数学 数Ⅰ、数Ⅰ・数A から1科目、数Ⅱ、数Ⅱ・数Bから1科目

100

100
理科 物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から2科目、又は物理、化学、生物、地学から1科目

100

100
外国語 英、独、仏、中、韓から1科目

100

英(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・英語表現Ⅰ・Ⅱ)、独、仏より1科目

200

300
合計 500 400 900
理学部 数物科学科
区分 大学入学共通テスト 個別学力検査 配点
国語 100 100
地歴公民 世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫・政経から1科目

100

100
数学 数Ⅰ・数Aと、数Ⅱ・数B、簿、情報から1科目

200

数Ⅰ・数Ⅱ・数Ⅲ・数A・数B

200

400
理科 物理、化学、生物、地学から2科目

200

物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から2科目

200(2科目)

400
外国語 英、独、仏、中、韓から1科目

200

英(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・英語表現Ⅰ・Ⅱ)

100

300
合計 800 500 1,300

出願者数や合格者数のデータ

奈良女子大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。今回取り上げるのは、2021年度一般選抜(前期日程・後期日程の合計)の結果です。

学部 募集人数 出願者数 受験者数 合格者数 志願倍率 実質倍率
138 530 314 143 3.8 2.2
131 330 196 145 2.5 1.4
生活環境 142 596 381 153 4.2 2.5

出典:奈良女子大学 令和3年度入試に係る統計調査(PDF)

 

各科目の試験問題の特徴や難易度

奈良女子大学の入試対策として、試験問題の傾向や特徴をつかんでおきましょう。
ここでは、奈良女子学一般選抜(前期日程)での試験問題の特徴について、一部の科目をご紹介します。

英語

奈良女子大学では、すべての学部で外国語(英語)が必須です。試験時間は100分で、大問は例年3つとなっています。

1問目は英文の文章読解で下線部和訳、2問目は日本語の長文で下線部英訳が出題されます。2問目の問題は学部により異なった内容の出題になっているようです。3問目は長文読解となっており、内容説明や下線部和訳などの記述総合問題が出題されます。

単語や文法などの細かい知識よりは、読解力や英作文など、内容の理解を問う現代文のような出題が特徴的といわれています。

国語

大問は3つで、1問目は評論文(現代文)、2問目は古文、3問目は漢文が出題されます。文学部では試験時間100分で3問すべてを解答し、生活環境学部(選択科目の一つ)では1問目と2問目を75分で解答します。

現代文では、意味がつかみにくい高度な語彙が使われており、文字数制限のない記述解答が複数含まれているなど、本文をしっかり理解したうえでの解答が求められます。古文・漢文も記述中心で、全体的に難易度が高い出題です。

数学

大問6つで構成されており、1~3問目が理学部用で試験時間90分、4~6問目が生活環境学部用で試験時間75分の内訳です。

整数や図形、ベクトルなど、各学部の出題範囲内で設問されていますが、証明問題の割合が高いともいわれます。難問奇問はないかわりに、完答しないと点数にならない問題が多く、しっかりとした学習が求められます。

奈良女子大学入試の難易度

Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」のデータでは、西南学院大学の入試の偏差値は55~65、共通テスト得点率は70~80%となっています。学部別では、以下のような偏差値になっています。

学部 偏差値
文学部 62~65
理学部 57~63
工学部 58~62
生活環境学部 55~65

出典:Benesseの大学受験・進学情報「マナビジョン」

 

奈良女子大学に合格するための勉強方法

ここからは、奈良女子大学に合格するための勉強方法をご紹介します。

奈良女子大学に入るには、何をすればいい?

奈良女子大学の入試は一般選抜が中心となっており、入試制度自体はシンプルです。ただし、個別学力検査で課される科目数が学部・学科により異なるので、しっかり確認して受験勉強を進めるようにしましょう。

どの科目においても、細かい知識よりは、しっかりと身に付けた学力を問われる出題が多くみられるので、十分な対策が必要です。

受験生は自分が志望する学部・学科で求められる学習内容を過去問などから分析し、重要な部分は集中的に勉強して入試に臨みます。つまり、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです

大学入学共通テストや個別学力検査など、基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。

受験期の過ごし方

高校3年生という受験期をどう過ごすかによって、合否の確率が変わってきます。やみくもに勉強するのではなく、年間を通じた長期スケジュールを立て、計画的に受験勉強に取り組んでください。

  • 春(4〜6月):基礎の定着を徹底する時期。教科書の内容をもとに丁寧に学習し、苦手分野の確認をしておきましょう。暗記ものは1日でも早く取りかかり、単語集や用語集を使って繰り返し学習するのがおすすめです。
  • 夏(7〜9月):苦手分野の克服を徹底する時期。長期休暇中は、まとまった時間が取りやすいので、ぜひ成績アップにつなげたいものです。モチベーションを高めるには、「一日に、問題集を10ページ進める」など、短いスパンでスケジュールを組んでみるのも効果的です。
  • 秋(10〜12月):大学入学共通テストの対策を始める時期。基礎固めしながら、応用力も磨くことで、個別学力検査対策にも役立ちます。
  • 冬(1月〜):過去問を集中的に学習し、演習を積む時期。個別学力検査対策には、時間配分にも注意しながらミスなく問題を解くようにし、最後の仕上げをします。

予備校で勉強する場合

一人で受験勉強に取り組む場合、継続する意志と情報収集力がないと、かなり厳しい戦いになると考えられます。しかし「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れないのをご存じでしょうか。

その理由は、集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ授業を受けることも一般的です。講師の授業を大きい教室のなかで聞き、受け身でわかった気になっているだけの場合もあり、そのままでは知識が定着しない心配があります。

また集団授業のなかで、苦手分野が取り残されてしまうこともあります。授業で十分わからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなどして積極的に取り組まないと、思うような学習の効果が出ない可能性もあります。

四谷学院のカリキュラムのご案内

予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。

科目別能力別授業

大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。

四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。

55段階個別指導

科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。

55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。

 

まとめ:奈良女子大学入試は丁寧に解く力が重要!

【奈良女子大学の入試概要】

  • 国立大学なので、一般選抜(前期日程・後期日程)が中心。学校推薦型選抜、総合型選抜はある。
  • 難易度は標準~やや難。

【奈良女子大学の入試データまとめ】

  • 一般選抜(前期日程・後期日程)の学部ごとの実質倍率は4~2.5倍(志願倍率は2.5~4.2倍)。

【勉強方法まとめ】

  • 基本的な知識をしっかりと身に付けるよう、教科書や用語集を丁寧に学習するのがおすすめ。
  • 過去問に取り組む際には、時間配分の練習をしておく。

奈良女子大学は、難易度は標準からやや難レベルですが、伝統ある国立の女子大学なので、志願者も多くハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。

自分の学習レベルに合った授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2022年4月26日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

大学受験合格ブログ編集部

このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。

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