國學院大學の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

最終更新日:2022/09/26


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國學院大學(こくがくいんだいがく)は、東京都渋谷区に本部を置く文系私立大学。
1882年創設の皇典講究所が母体となり、1920年に認可された日本で最も古い私立大学のひとつです。文学部や神道文化学部など5学部を有し、日本を学ぶ大学として教育研究を行っています。

この記事では、國學院大學の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法を紹介します。國學院大學の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2021年5月14日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

國學院大學の入試問題で問われる能力

初めに、國學院大學が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。

 

國學院大學はどんな人材(学生)を望んでいるのか

國學院大學は、建学の精神として「本ヲ立ツル」ことを掲げています。これは大学の母体となっている皇典講究所の開学式で初代総裁が述べた言葉に由来しており、伝統文化を拠りどころとして日本の根本を明らかにする、という意味だそう。

そのような建学の精神に基づき、國學院大學ではアドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)を以下のように定めています。

1. 神道精神と日本文化の理解、継承、発信~もっと日本を。もっと世界へ。~
國學院大學の教育目的に共感し、日本の文化や歴史を、世界に向けて発信することに意欲がある者。
2. 自分を鍛え、社会へ貢献する姿勢~「大人」になる~
自らの個性を発揮し、目標の実現に向けて不断の努力を重ねるとともに、自らの生きる社会に積極的に参加し、その発展に貢献したいという意欲がある者。
3. グローバル社会の中の「共生」~お互いさま、おかげさまの精神~
地域社会、あるいは国際社会における交流と相互理解に興味・関心を持ち、協調・共生の環境を生み出していく営みに、主体的に関わっていきたいという意欲がある者。

引用:國學院大學HP

また、國學院大學では、より具体的な方針として、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」という観点において入学希望者を審査する、と明示しています。

学部・学科ごとのアドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)として「求める人物像」「入学者選考の観点」が詳しく公開されており、國學院大學HPで閲覧可能です。

 

國學院大學入試の特徴

國學院大學で導入されている入試方式は、大きく分けて以下の2つです。

●一般選抜
スタンダードな入試方式で、A日程、B日程、V方式があります。V方式は大学入学共通テストのみで合否判定する方式で、大学独自の個別試験はありません。

A日程には、指定の3教科を受験する「3教科型」、3教科のうち最高得点を2倍して得点とする「得意科目重視型」、学部学科ごとに指定された教科を重視して合否判定する「学部学科特色型」の3パターンがあります。それぞれ複数出願(併願)が可能で、B日程、V方式との併願もできます。

ただし学部内併願は入試の型や学科が限られていますので、詳細は一般選抜入学試験要項(PDF)でご確認ください。

●総合型選抜
総合型選抜には、「公募制自己推薦(AO型)」「指定校制推薦」など、多数の選考方法があります。

いずれも日程や受験教科などの詳細は、國學院大學HP「入試のご案内」でご確認ください。

 

各科目の試験問題の特徴

入試対策には、科目ごとの試験問題の特徴や傾向をつかみ、分析しておくのがおすすめ。國學院大學は文系の私立大学なので、どの学部でも国語、外国語(英語)、歴史政経や数学(選択科目)が試験科目になっています。ここでは國學院大學の試験問題の特徴を科目ごとにご紹介します。

なお、國學院大學の入試は「マークセンス方式」と案内されていますが、これはマークシート方式のこと。ほぼすべての試験がマークシート方式ですが、B日程の地理歴史・数学のみ記述式になりますので、ご注意ください。また、試験時間はいずれも60分です。

 

英語

國學院大學の英語は、大問が4つ。例年、1問目と2問目が長文総合問題、3問目が文法・語法問題、4問目が語彙問題となっています。特徴としては、長文が占める割合が非常に高い点が挙げられます。内容を選択肢で答える問題や空所補充、序列英作文など様々な出題形式で問われ、長文対策は欠かせません。3問目と4問目は正誤問題や内容補充問題として出題されます。

難易度は標準レベルですが、試験時間が60分と短いので、スピードを保ちつつ正確に解く練習が必要です。文法や単語など基礎的な学力を高めつつ、過去問や共通テスト用の問題集などで演習を積みましょう。

 

数学

選択科目の一つです。基本的に数学ⅠAからの出題ですが、A日程の経済学部のみ、数ⅠA・数ⅡBの範囲となります。大問は3つで、1問目と2問目は計算問題などの小問集合問題、3問目は図形や証明問題が出題される傾向にあります。難易度は標準レベルですが、範囲内から幅広く出題されるので、全体的にまんべんなく学習しておくのが大切です。

数学は、難易度が高いと言われる日本史や世界史など社会科目との選択科目です。したがって数学を選んだ場合は、ここで確実に点数を取ることが合格率を高めるカギとなります。

 

国語

國學院大學の国語は大問が4つですが、文学部の一部学科が現代文、古文、漢文の3問、その他の学部・学科は現代文1問と、現代文・古文・漢文のなかから1つ選択する2問という形式になっています。学部・学科による問題の指定を間違えないようにしましょう。

現代文1問が各学部共通問題となっており、抽象度の高い硬派な評論などが出題されることが多いため、あまり読みなれていない人は同様の文章で読み取り演習するのがおすすめ。古文は源氏物語からの出題が多い傾向ですが、難易度は高めになっているので、基礎からしっかり取り組み、準備しておきましょう。

 

日本史

選択科目の一つです。大問が4つで、それぞれ10問ずつ小問がある合計40問。空欄補充や正誤問題などが出題されます。國學院大學の日本史はレベルが高いことで知られており、近年戦後史もよく出題されていることから、幅広い年代を網羅して徹底的に学習しておくのが重要です。また出題にやや癖があるとも言われるので、過去問で慣れておきましょう。

 

世界史

選択科目の一つです。大問は4つで、中国史が多く出題される傾向にあります。日本史よりは難易度低めと言われていますが、充分な対策が必要です。最低限、教科書レベルの知識は確実に暗記しておくことが求められます。

 

國學院大學入試の難易度

國學院大學の入試の偏差値は、だいたい50.0~60.0となっており、準難関私立大学の位置付け。しかし分析する予備校によっては、人気の高い文学部で70.0を付けている場合もあり、油断は禁物です。

 

國學院大學試験の概要


ここからは、國學院大學の入試概要を解説します。

 

受験資格について

國學院大學の受験資格は、入試方式により異なるため、詳細は確認が必要です。ここでは一般選抜(一般入試)について取り上げます。

一般選抜入学試験の主な出願資格は、次のように定められています。

1.高等学校(特別支援学校の高等部を含む)又は中等教育学校を卒業した者、及び入学年の3月に卒業見込みの者
2.高等専門学校の3年次を修了した者、及び入学年の3月修了見込みの者
3.外国において、学校教育における12年の課程を修了した者、及び入学年の3月31日までに修了見込みの者、又はこれらに準ずる者で文部科学大臣が指定した者

参照:國學院一般入試出願ガイド(PDF)

出願資格は全部で8項目あるので、詳細は國學院一般入試出願ガイド(PDF)でご確認ください。

 

試験科目や合格要件

國學院大學は文系の私立大学なので、基本的には国語・外国語・地歴公民数学からの組み合わせになります。ここではV方式(大学入学共通テスト利用入試)と、一般選抜A日程3教科型について、試験科目や配点を抜粋して解説します。なお、以下のデータは全て2021年5月14日現在のものです。

 

V方式(大学入学共通テスト利用入試)

V方式では、学部・学科により指定された教科・科目を利用します。概ね国語・外国語・地歴公民数学から選択1科目になりますが、主になる科目が学部により異なりますので、詳細は國學院一般入試出願ガイド(PDF)でご確認ください。

一例として、文学部V方式の受験科目と配点は次のようになっています。

学部 学科 教科 科目 配点 合計点 注意点
文学部 日本文

中国文

国語 国語 400 800 200点満点を2倍
外国語 英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目 200 英語はリーディング・リスニング各100点
地歴公民数学 世B、日B、地B、現社、倫理、政経、倫政経、数Ⅰ、数ⅠA、数Ⅱ、数ⅡBから1科目 200 100点満点を2倍換算。地理歴史公民は第一選択のみ利用可。2科目以上受験した場合は、最高得点の科目を利用。
外国語

国語 国語(近代以降の文章) 200 600 100点満点を2倍
外国語 英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目 200 英語はリーディング・リスニング各100点
地歴公民数学 世B、日B、地B、現社、倫理、政経、倫政経、数Ⅰ、数ⅠA、数Ⅱ、数ⅡBから1科目 100 地理歴史公民は第一選択のみ利用可。2科目以上受験した場合は、最高得点の科目を利用。
地理歴史 世B、日B、地Bから1科目 200 600 100点を2倍換算。第一選択のみ利用可。
外国語 英語、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語から1科目 200 英語はリーディング・リスニング各100点
国語公民数学 国語、現社、倫理、政経、倫政経、数Ⅰ、数ⅠA、数Ⅱ、数ⅡBから1科目 200 国語以外は100点を2倍換算

 

一般選抜A日程3教科型

一般選抜A日程では、全学部統一のテストとなっています。一部学科で国語の選択範囲が異なりますので、ご注意ください。
「3教科型」の科目と配点は次のようになっていますが、國學院大学一般選抜では、すべて点数は偏差値換算されます。3教科の偏差値の合計で合否判定が行われます。

 

学部 学科 英語(100点) 選択科目(100点) 国語(100点)
文学部 日本文、中国文、史 コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ

英語表現Ⅰ、Ⅱ

日本史B、世界史B、政治経済、数学から1科目選択

※数学選択の場合は、経済学部のみ数②(数ⅠA、数ⅡB)で、他の学部は数①(数ⅠA)を解答する

現代文40点、古文40点、漢文20点
外国語文、哲 現代文(必須)70点、現代文・古文・漢文より1科目選択で30点
神道文化 神道文化
法律
経済 経済、経営
人間開発 初等教育、健康体育、子ども支援

なお、A日程では「3教科型」のほかに「得意科目重視型」「学部学科特色型」がありますが、いずれも受験する科目は同じです。それぞれ配点のみ異なっており、「得意科目重視型」では最高得点の科目を2倍にして合否判定、「学部学科特色型」では学部・学科により定められた判定科目、判定比率で合否判定を行います。なお、いずれも「3教科型」と同様に、点数は偏差値換算して合否が判定されます。

その他詳細は國學院一般入試出願ガイド(PDF)でご確認ください。

 

出願者数や合格者数のデータ

國學院大學の出願者数や合格者数は次のようになっています。なお、ここで取り上げるのは2020年度一般入試の学部ごとのデータです。

学部 倍率 定員 出願者数 合格者数
文学部 5.7 425 9687 1651
神道文化学部 5.8 86 1095 184
法学部 5.2 301 4642 862
経済学部 6.1 310 7573 1202
人間開発学部 5.2 181 2951 547

出典:國學院大學 入試データ

 

國學院大學に合格するための勉強方法

ここからは、國學院大學に合格するための学習方法をご紹介します。

 

國學院大學に入るには、何をすればいい?

國學院大學は文系の私立大学なので、おのずと受験科目は文系3科目に絞られてきますが、選択科目に数学も入っているのが特徴的です。皇典講究所が母体となった大学で、国文学者や歴史学者を多く輩出しており、入試でも日本史や古文のレベルが高いことで知られています。

選択予定の難易度の高い科目や、得意科目を徹底して学習することはもちろんのこと、共通問題の現代文や外国語でしっかり得点できるよう、重点的な学習が必要。私立大学特有の癖のある問題には、過去問の分析をしっかり行って臨みましょう。

 

受験期の過ごし方

高校3年生の1年間は、過ごし方次第で合否の確率が変わる重要な時期です。無計画のまま手当たり次第に勉強するのではなく、以下を参考にして長期的なスケジュールを作成し、受験勉強を進めましょう。

●春(4〜6月):基礎を徹底して身に付ける時期です。暗記が必要な英単語や熟語、国語の文法などは、繰り返し学習が効果的。早い時期から計画的に取り組むのがおすすめです。
●夏(7〜9月):夏は苦手分野克服に集中しやすい時期です。約1か月ある夏休み期間中は、1週間単位など短めのスケジュールをたて、段階を踏んで学習していくのが良いでしょう。
●秋(10〜12月):応用力を磨く時期です。英作文や英文読解など、実践的な問題集に取り組みましょう。大学入学共通テストを受験する場合は、専用の問題集などで対策を。マークシート方式で行われる私立大学の入試対策にも役立ちます。
●冬(1月〜):過去問演習を徹底して行い、受験勉強の仕上げをしましょう。過去数年分に取り組むのがおすすめ。志望校の出題形式を知ることで、落ち着いて本番を迎えられます。

 

予備校で勉強する場合

受験勉強を一人で進めるのは、情報収集力と強い意志が必要です。しかし「予備校に通ってさえいれば問題ない」とも言えません。というのも、一般的な予備校の授業は集団授業。講師の授業を一方的に聞いて終わるだけになってしまい、十分な理解ができなかったり、知識が定着しなかったりするケースも少なくありません。

また、苦手分野を取りこぼしやすい点も集団授業のデメリット。集団授業で分からなかったところは、自分で講師に聞きに行くなど積極的に学習しなければ、苦手分野の克服に十分な効果は得られません。

 

四谷学院のカリキュラムのご案内

予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーできるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムを支える2つのポイントをチェックしてみましょう。

 

科目別能力別授業

大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。

四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。

 

55段階個別指導

科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。

55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階をスモールステップで無駄なく実践力を磨きます。

 

國學院大學入試は丁寧に解く力が重要!

【國學院大學の入試概要】
●日本文化を礎に教育研究を行う大学
●一般入試のほか大学入学共通テストのみで出願もできる
●難易度は標準〜やや難

【國學院大學の入試データまとめ】
●倍率は一般選抜でだいたい5倍〜6倍。学部や学科によって差があるが、全体的に高め

【勉強方法まとめ】
●マークシート方式なので、基本的な知識を網羅して丁寧に学習
●試験時間が60分と短く時間配分が重要。過去問で早く正確に解く練習を!

國學院大學は、おおむね標準的な出題レベルですが、日本史や古文など難易度の高い選択科目もあります。受験生はみな得意科目を選択して準備しますので、その分ハイレベルな戦いになりやすい一面も。基礎を徹底した上で、いかにミスなく問題を解くかがより重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。

自分の学習レベルにあった授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2021年5月14日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。


大学受験合格ブログ編集部

このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。

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