早稲田大学の基幹理工学部の学科の違いとは?2025年度からの変更点も解説

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こんにちは、四谷学院の岩佐です。

志望者も受験者も多い人気の大学、早稲田大学。
早稲田大学には「基幹理工学部」「創造理工学部」「先進理工学部」
3つの理工系学部があります。

この3つの学部は、理工学術院という組織の中に設置されています。
「学術院」という名前はあまりなじみがないかもしれないですね。

この「学術院」は学部、大学院、そのほか研究所などを1つの組織として運営することを目的に設置されています。
一体となることで、学部と大学院の連携が強化されるなどの利点があります。
理工学術院でも「学部・大学院統合教育プログラム」が推進されており、6割以上の学部生が大学院へ進学しているそうです。

さて、そこで今回は、理工系3学部のうちの一つである「基幹理工学部」について、お話していこうと思います。

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早稲田大学の基幹理工学部の特徴


早稲田大学の基幹理工学部は、基礎工学と数学をベースにした教育・研究を行うとともに、人文社会系の素養も身につけることを目指す学部です。

一般入試の難易度は非常に高く、私立大学の理系学部の中では、最高難易度の学部の一つといわれています。

設置学科は以下の7学科です。

数学科
応用数理学科
機械科学・航空宇宙学科
電子物理システム学科
情報理工学科
情報通信学科
表現工学科

これらの学科は、これまでは数学系の「学系Ⅰ」、工学系の「学系Ⅱ」、メディア系の「学系Ⅲ」の3学系に分類されていました。

ただし、2025年度入学者よりこの学系システムが変更となり、数学系の「学系1」、工学系の「学系2」、情報系の「学系3」、メディア系の「学系4」の4学系に再編されました。

これは、世の中の変化につれて学問領域の分化が進んだことに対応するため、「工学系」を「工学系」と「情報系」に分けたものです。

ここからは、各学科の特徴について解説します。なお、学系の仕組みについてはこのあとの見出しで詳しく説明します。

数学科の特徴

早稲田大学の数学科では、2年から代数、幾何、解析、応用数学を学び、3、4年生で興味や適性に応じた専門科目を履修します。純粋数学だけでなく、世の中のさまざまな現象を数学的な考え方で理論化し明らかにする力も身につけます。

応用数理学科と密接にかかわっており、応用数理学科で開講している科目も履修可能です。

応用数理学科の特徴

早稲田大学の応用数理学科は、数学科と連携して高度な基礎数学の知識を身につけ、それをベースに現象・情報・統計などの専門分野を学びます。

数学の知識を、コンピュータ科学や統計学、物理学などほかの分野に応用し、実社会に活かす力を育むのが、応用数理学科の特徴です。社会現象を統計で予測したり、応用数理実験をしたりと、実践を通して数学を活用する方法を学ぶことができます。

機械科学・航空宇宙学科の特徴

早稲田大学の機械科学・航空宇宙学科では、材料力学、流体力学、熱力学、ダイナミクス、応用数学を必修として学び、機械科学・航空実験や製図、演習科目で実践的な力を身につけます。

物質、システム、環境、エネルギー、航空・宇宙まで幅広く網羅的に学べる学科で、興味があるさまざまな分野と関連付けた研究ができます。

電子物理システム学科の特徴

早稲田大学の電子物理システム学科は、物理の知識をもとに、電子と光を活用する技術や学問を学びます。特に2年次からは数学、物理、化学をもとにナノ・マイクロ領域科目から電子工学の中心科目、光関連科目、電子システム領域科目まで幅広く学び、新しい学術への発展を目指します。

情報理工学科の特徴

早稲田大学の情報理工学科は、コンピュータサイエンスを基礎から実践まで学べる学科で、ハードウェアからソフトウェアまで幅広くカバーしています。コンピュータサイエンスの国際標準に基づいたカリキュラムで、世界で活躍できるコンピュータサイエンティストを育成します。

情報通信学科の特徴

早稲田大学の情報通信学科では、ネットワーク、放送、無線、光通信などの情報通信技術について学びます。

問題発見や解決を重視した演習や、通信・放送事業者、電機メーカ、官庁などのサポートによる実践的な講義を開講し、スマートかつグローバルな社会基盤の発展に貢献できる人材を育てます。

表現工学科の特徴

早稲田大学表現工学科では、科学技術と芸術表現を融合させて学ぶことにより、新しい価値を創造し、理系・文系の枠組みを超えて社会の問題解決に貢献できる人材を育てています。

1・2年次には音響、音楽、映像、映画、哲学、人工知能、人間工学、ロボティクス、認知科学、メディアアートなどの知識を幅広く学びます。加えて、企画や制作、発表など表現活動を通じて実践力を養い、3年次からは研究室に入って専門分野を深く学びます。

早稲田大学の学系別入試とは?


基幹理工学部の特徴の一つが「学系別入試」です。
学系別入試では、学科選択を2年の進級時に行います。入学試験出願時は、数学系、工学系、情報系、メディア系というおおまかな「学系」のみ選択して受験します。

1年生で実際の授業を受けたうえで学科選択をすることができるので、入学後に自分の興味や将来進みたい道をじっくり考えたうえで学科を選ぶことができます。

4つの学系と進級できる学科は以下のとおりです(2025年度以降)。

 学系1
(数学系)
学系2
(工学系)
学系3
(情報系)
学系4
(メディア系)
各学系から進級できる学科と人数の内訳数学科(50名)

応用数理学科(30名)

応用数理学科(15名)

機械科学・航空宇宙学科(140名)

電子物理システム学科(80名)

応用数理学科(15名)

情報理工学科(70名)

情報通信学科(70名)

情報理工学科(10名)

情報通信学科(10名)

表現工学科(60名)

参照:早稲田大学 基幹理工学部「2025 年度以降の基幹理工学部における学系入試制度の改革(学系再編)について」

また、基幹理工学部では、2年次に主専攻として選んだ学科に加え、もう1つほかの分野を履修できる「基幹副専攻制度」を用意しています。2つ以上の分野を学ぶことで、ものごとをさまざまな視点から見ることができ、新たな価値を創造できる人材の育成を目指します。

早稲田大学以外で学科選択制を採用している大学


早稲田大学基幹理工学部の学系別入試について説明してきました。早稲田大学以外にも、入学後に学びたい学問を決めることができる大学があります。

  • 文系・理系の大まかな枠組みで入学し、2年次への進級時に学部を選ぶ
  • 学部を決めて入学し、2年次への進級時に学科を選ぶ

入学後に学問を決められる大学には上記の2パターンがあり、早稲田大学基幹理工学部は後者のパターンです。ここでは、前者のパターンについていくつかご紹介します。

東京大学

東京大学では、文科一類、文科二類、文科三類、理科一類、理科二類、理科三類の6つの科類から一つ選んで出願し、受験します。

入学後2年次までは前期課程として教養学部で幅広い分野を学び、その過程で2年生Sセメスター(春学期)の終わりから夏休み頃に志望する学部・学科(コース)を選択します。それぞれの学科(コース)には定員があり、前期課程の成績がよい順に内定する仕組みとなっています。定員から漏れ、内定がもらえなかった学生は、第二段階の進学選択を利用します。

金沢大学

金沢大学には、入学後1年間学びたいことを熟考したうえで学類・専攻を選べる「文系一括」「理系一括」とだけ区別した「一括入試」と呼ばれる選抜方式が用意されています。1年次には国際基幹教育院総合教育部で教養教育や基礎教育を受け、2年次に進みたい学類を選択します。

文系一括入試は9学類、理系一括入試は13学類のうちから進みたい学類を選べます。

北海道大学

北海道大学では、学部別入試のほかに、文系または理系の括りで受験できる「総合入試」を導入しています。

総合入試で合格した学生は、1年次に総合教育部に所属します。総合教育部で全学教育科目を文系・理系で定められたカリキュラムに沿って学びながら、選びたい学問について考えることができます。

まとめ

早稲田大学基幹理工学部について、それぞれの学科で学ぶ学問や、学系別入試の特徴をご紹介してきました。

学系別入試を利用することで、大学に入学してから学びたい学問をじっくり考えることができます。さまざまな学問に実際に触れてから進む道を決められるため、「学ぶ内容が思っていたのと異なる」というギャップも生じにくいでしょう。

早稲田大学の学系別入試のような、大学入学後に学部や学科を決めることができる選抜方式では、入学後に教養科目や基礎科目をしっかり学べる時間が確保されています。しっかりと基礎的な力を身につけて、専門分野へ進んでいく。基礎力があるから、どのような分野に進んでも力を発揮できるのです。

これは受験でも同じですね。
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大学受験合格ブログ編集部A

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