東京農業大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

最終更新日:2022/09/26


※この記事は約12分で読めます。


東京農業大学は、東京都世田谷区に本部を置く私立大学です。

1891年創立の徳川育英会育英黌(いくえいこう)農業科を起源とし、1925年に東京農業大学として開校。日本で最も古い農学部を有する大学のひとつで、2021年には創立130年を迎えています。

この記事では、東京農業大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。東京農業大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2021年8月27日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

東京農業大学の入試問題で問われる能力

初めに、東京農業大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。

 

東京農業大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか

東京農業大学は、初代学長に「日本近代農学の祖」と言われる横井時敬(よこい ときとし)を迎えています。横井時敏は教育理念に「実学主義」におき、「稲のことは稲に聞け、農業のことは農民に聞け」といった名言を残しています。その理念を引き継ぎ、建学の精神として「人物を畑に還す」と定めています。

そのような東京農業大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)は、次のようになっています。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

大学、学部、学科の教育理念、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ、どのように入学者を受け入れるかを定める基本的な方針であり、受け入れる学生に求める学習成果(「学力の3要素」※についてどのような成果を求めるか)を示すもの。

※【学力の3要素】とは、(1)知識・技能(2)思考力・判断力・表現力等の能力(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を指す

参照:東京農業大学HP 教育研究上の目的・教育目標・3ポリシー

また、学部・学科ごとのアドミッション・ポリシーも別途設けられています。例えば農学部のアドミッション・ポリシーは次のような内容です。

アドミッション・ポリシー

農学部では、生産科学、生命科学、環境科学および生活科学としての農学の立場から、生命現象の解明、国内外における農作物や畜産物の安全かつ安定した生産と供給および技術革新、さらには生物多様性の保全と活用、動植物や食の持つ多様な機能の活用による人の生活の質の向上など、広範な領域で活躍できる人材を養成しています。そのため、本学部では次のような学生を求めています。

(1) 高等学校までに得られる国語、英語、数学をはじめ、農学を学ぶ上で必要な生物や化学などの基礎学力と知識を身につけている。

(2) 人類社会の直面する食料問題、資源問題や環境問題などの解決、生命現象の解明に取り組む意思と意欲を持っている。

(3) 自然や生き物の持つ価値を理解し、それらを人類の福祉と持続的な社会の構築に役立てる意欲を持っている。

引用:東京農業大学 農学部(PDF)

その他の学部や、学科のアドミッション・ポリシーは、東京農業大学HP 教育研究上の目的・教育目標・3ポリシーにて閲覧可能です。受験を考える人はぜひご一読ください。

 

東京農業大学入試の特徴

東京農業大学は私立大学なので、導入されている入学者選抜方法はさまざまです。主な選抜方法を紹介します。

●一般選抜
幅広く募集される選抜方式です。A日程、B日程があり、受験日が3日間あるA日程がもっとも受験生が多い選抜方式。全学部全学科で日程の縛りはなく、3日間すべてで受験可能。また、同じ学科を3日間受験することもできて、合格のチャンスを広げられます。

一般選抜の受験科目はすべて3科目。必須の英語と、選択Ⅰ(国語か数学)、選択Ⅱ(理科系、社会系の科目)という内容で、必要な科目を受験していれば、複数の学科に出願可能です。

試験会場はA日程で全国18か所、B日程は全国9か所に用意され、受験生の利便性も高くなっています。

●一般学校推薦型選抜
「学校推薦」とありますが、こちらは全学部対象の、いわゆる公募型推薦となります。
ただし、出願資格に評定平均値が3.5以上(生物産業学部は3.3以上)と定められているので、ご注意ください。

●自己推薦型総合型選抜
「キャリアデザイン総合型選抜」「高校で学んだ実践スキル総合型選抜」「東京農大ファミリー総合型選抜」「大自然に学ぶ北海道総合型選抜」「“ 私の夢 ”北海道総合型選抜」の5タイプがあります。

●大学入学共通テスト利用選抜(前期・後期)
各学科が指定した大学入学共通テストの得点のみで、合否判定する方式です。「4科目型」「3科目型」「2科目型」があります。

●特別選抜
いわゆる指定校推薦の「指定高校推薦型選抜」をはじめ、「運動選手学校推薦型選抜」「併設高校総合型選抜」など多くの方式があります。

このほかの選抜方法など、詳細は東京農業大学HPよりご確認ください。

 

各科目の試験問題の特徴

東京農業大学の一般選抜は、全学部3科目型です。英語は必須で、2科目は選択式となっています。入試対策をするために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。

ここでは、東京農業大学一般選抜の試験問題の特徴を科目ごとに一部ご紹介します。

 

英語

東京農業大学の一般選抜では、全学部英語が必須になっています。大問は5問で、問題数は30題。試験時間は60分、すべてマークシート方式です。

例年、長文読解が2問、文法問題で1問、語彙や読解問題で2問、という内訳です(合計5問)。長文読解は生物や化学に関する内容が出題されることが多く、専門用語などで戸惑うかもしれません。しかし、難易度自体はさほど高くないので、前後関係で読み取り可能。文法はまんべんなく出題されるので、基本をしっかり叩き込んでおきましょう。

 

数学

選択科目Ⅰのひとつで、国語との選択になります。大問は5つで試験時間は60分、マークシート方式です。

確率は頻出で、その他には関数や不等式、微積分、データ分析、空間ベクトルも出題されています。難易度は標準~やや難レベルで、数学が苦手な人には合格ラインに届くのが難しい場合も。試験時間も長くないので、素早く正確に解く練習が必要です。

 

国語

選択科目Ⅰのひとつで、数学との選択です。大問は2つで試験時間は60分、マークシート方式です。

大問は2つとも現代文ですが、そのなかに漢字や文学史、古文などが入り込んでくる方式。特に大問2のほうに古文が融合した形で設問に入ってきます。純粋な古文問題ではないものの、問題集などでは見かけない設問になっているため、過去問で出題形式に慣れておく必要があります。

 

東京農業大学入試の難易度

東京農業大学の入試の偏差値は、約40.0~52.5となっています。

 

東京農業大学試験の概要


ここからは、東京農業大学の入試概要を解説します。

 

受験資格について

東京農業大学の受験資格は、選抜方式により細かく定められています。ここでは一般選抜での出願資格について一部ご紹介します。

【出願資格】本学、入学者の受入方針(アドミッション・ポリシー)を理解のうえ、以下のいずれかに該当する者。

①高等学校または中等教育学校を卒業した者および入学年3月卒業見込みの者。
②特別支援学校の高等部または高等専門学校の3年次を修了した者および入学年3月修了見込みの者。
③外国において、学校教育における12年の課程を修了した者および入学年3月31日までに修了見込みの者。

参照:東京農業大学2022年度一般選抜募集要項(PDF)

一般選抜の出願資格は全部で8項目あるので、上記以外の条件は募集要項でご確認ください。また、「公募型一般学校推薦型選抜」など、東京農業大学HPで出願資格が確認できます。受験を検討している人は、必ず事前にご確認ください。

 

試験科目や合格要件

ここでは東京農業大学の一般選抜の試験科目や配点を紹介します。なお、以下のデータはすべて2021年8月27日現在のものです。

 

一般選抜(A日程、B日程)の試験科目範囲

東京農業大学の一般選抜は、すべて共通問題となっており、必須科目と選択科目で合計3科目を受験します。

科目ごとの範囲と配点は全学科共通で次のとおりです。

区分 科目 範囲 配点
必須 英語 コミュニケーション英語基礎、コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲおよび英語表現Ⅰ・Ⅱ 100
選択科目Ⅰ 数学 数Ⅰ・Ⅱ、数A・B 100
国語 漢文以外(漢文は含まれない)
選択科目Ⅱ 生物 生物基礎・生物 100
化学 化学基礎・化学
物理 物理基礎・物理
日本史 日本史B
地理 地理B
世界史 世界史B
現代社会 現代社会
合計点数 300

 

一般選抜(A日程、B日程)の学部・学科ごとの対応科目

東京農業大学の全6学部(農学部、応用生物科学部、生命科学部、地域環境科学部、国際食料情報学部、生物産業学部)で、英語+選択科目Ⅰ(数学または国語)+選択科目Ⅱ(生物または化学)が対応科目となっています。

選択科目Ⅱで、生物・化学以外の科目も対応している学科は、次のようになっています。

選択科目Ⅱの科目 対応している学部・学科
物理 生命科学部全学科

応用生物科学部醸科学科

地域環境科学部全学科

生物産業学部食香粧化学科

日本史 農学部デザイン農学科

地域環境科学部の生産環境工学科以外

国際食料情報学部全学科

生物産業学部自然資源経営学科・食香粧化学科

地理 農学部デザイン農学科

地域環境科学部全学科

国際食料情報学部全学科

生物産業学部自然資源経営学科・食香粧化学科

世界史 農学部デザイン農学科

地域環境科学部の生産環境工学科以外

国際食料情報学部全学科

生物産業学部自然資源経営学科・食香粧化学科

現代社会 農学部デザイン農学科

地域環境科学部の生産環境工学科以外

国際食料情報学部全学科

生物産業学部自然資源経営学科・食香粧化学科

なお、上記はすべて東京農業大学2022年度一般選抜募集要項(PDF)を参照していますが、受験の際は最新の募集要項で詳細をご確認ください。

 

出願者数や合格者数のデータ

東京農業大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2021年度一般入試A日程の結果です。

学部 募集人員 倍率 出願者数 合格者数
農学部 312 3.3 3067 922
応用生物科学部 362 4.1 3113 761
生命科学部 280 4.0 2690 665
地域環境科学部 288 3.2 1870 592
国際食料情報学部 332 2.9 1780 622
生物産業学部 169 1.9 635 328

参照:東京農業大学 2021年度一般選抜A日程 選抜結果(PDF)

 

東京農業大学に合格するための勉強方法


ここからは、東京農業大学に合格するための学習方法をご紹介します。

 

東京農業大学に入るには、何をすればいい?

東京農業大学の入試で特徴的なのは、一般選抜の受験科目が3科目統一になっている点。難易度はさほど高くないといわれていますが、一般選抜で必要な科目を絞り込みやすいので、集中的に勉強してくる受験生も少なくないでしょう。

私立大学は問題に特徴がある場合が多いので、過去問などから自分の志望する学部・学科で求められる学習内容をつかみ、絞り込んで勉強して入試に臨みます。したがって、1つのミスが合否を分ける事態になりがちです。

基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。

 

受験期の過ごし方

高校3年生の過ごし方次第で、志望校への合否の確率は変わってきます。無計画に勉強せず、年間を通して長期スケジュールを立て、効率よく受験勉強を進めましょう。

●春(4〜6月):基礎を徹底して身に付ける時期。教科書を中心に丁寧に学習し、暗記ものは単語集や用語集を使って、早くから進めておくのが重要です。また、この時期に苦手分野の洗い出しもしておきましょう。
●夏(7〜9月):苦手分野を克服する時期。夏季休暇ではまとまった学習に取り組めるので、成績アップが狙えます。「1日に問題集を10ページ進める」など短いスパンで具体的にスケジュールをたてるのがおすすめです。
●秋(10〜12月):大学入学共通テストの対策を始める時期。共通テストは基礎知識が中心になるので、私大入試や個別学力検査の対策にもなります。
●冬(1月〜):入試直前の時期には、過去問を集中的に学習し、演習を積んでおきます。個別学力検査対策には、ミスをなくし、時間配分に気をつけて問題を解く練習をして、最後の仕上げをします。

 

予備校で勉強する場合

自分1人で受験勉強を続けるのは、継続する意志と情報収集力がないと、かなりつらく厳しい戦いになります。だからといって「予備校にさえ通っていれば安心」とも言いきれません。

その理由は、集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が集まって授業を受けることも珍しくありません。講師の授業を受け身で聞いてわかった気になってしまい、実は知識が定着していない、という心配があります。

また大勢で受ける集団授業では、苦手分野が取り残される可能性もあります。授業でよくわからなかったところは、自分で講師に聞きに行くなどの積極性がないと、思うような学習効果が出ないかもしれません。

 

四谷学院のカリキュラムのご案内

予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。

 

科目別能力別授業

大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。

四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。

 

55段階個別指導

科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。

55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。

 

東京農業大学入試は丁寧に解く力が重要!

【東京農業大学の入試概要】
●多くの個性的な選抜方式を持つが、メインは一般選抜。
●難易度はやや平易〜標準的。

【東京農業大学の入試データまとめ】
●一般選抜A日程の全体合計データで倍率は3.3倍。1.5倍~5.7倍と、学科により差が大きい。

【勉強方法まとめ】
●基本的な知識を問われる問題が中心なので、教科書や用語集などを丁寧に学習する。
●試験時間は60分統一なので、時間配分の練習をしておく。

東京農業大学は、難易度は高くありませんが、試験科目が限られている分、ハイレベルな戦いになりやすい大学です。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。

自分の学習レベルにあった授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2021年8月27日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。


大学受験合格ブログ編集部

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