静岡大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説
最終更新日:2022/09/26
静岡大学は、静岡県静岡市に本部を置く国立大学です。1875年(明治8年)創設の静岡師範学校をはじめとする県内の5校を統合し、1949年(昭和24年)に静岡大学として新創設されました。富士山が臨める緑豊かな静岡キャンパスと、ものづくりの中心地・浜松に位置する浜松キャンパスを持ち、6学部を有した大学です。
この記事では、静岡大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。静岡大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている情報は2021年9月24日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。
静岡大学の入試問題で問われる能力
初めに、静岡大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。
静岡大学はどのような人材(学生)を望んでいるのか
静岡大学は、教育理念として「自由啓発・未来創成」を掲げています。
大学創立時に統合された5校のうち、浜松高等工業学校では「自由啓発」という理念のもと、学生を自由な環境のなかに置き、個性を尊重することで才能を発揮できる教育を目指していました。
静岡大学でもその理念を引き継ぐとともに、希望に満ちた未来を創る「未来創生」にも全力を尽くすとし、この二つを教育理念としています。
そのような静岡大学の入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー)は、次のようになっています。
【育てる人間像】
静岡大学は、教職員、学生が共に「自由啓発」を基盤として、平和で幸福な「未来創成」をめざします。この基本理念の下、地球の未来に責任をもち、アジアをはじめ諸外国との関わりをもつ国際的感覚を備え、高い専門性を有し、失敗を恐れないチャレンジ精神にあふれた人格を育成します。こうした人格こそが、社会の様々な分野でリーダーとして、21世紀の解決すべき問題を追求し続ける豊かな人間性を有する教養人です。
【目指す教育】 感性豊かな知性を育てるために、フィールドワーク、ものづくり体験、地域づくり、子どもと共にそだちあえる学校や地域の場に接する機会を活用します。それによって刺激を受けた人間力を、基礎と応用の分野での学習・研究に反映させます。
【入学を期待する学生像】 失敗を恐れず若々しいチャレンジ精神をもち、人の意見によく耳を傾け、それに学び、協調性豊かに自己主張ができる人の入学を期待します。 |
このほか、各学部でも入学者受入の方針(アドミッション・ポリシー)を定めています。募集要項や静岡大学HPで閲覧できます。受験を考えている場合は確認しておきましょう。
静岡大学入試の特徴
静岡大学は国立大学なので、大学入学共通テストを受験したあと、個別学力検査に進む一般選抜(前期日程、後期日程)が一般的な入試方法です。
それ以外では、学校推薦型選抜、総合型選抜(旧AO入試)などがあります。
前期日程で必要な大学入学共通テストの受験教科・科目は基本的に5教科7科目ですが、選択内容により6教科7科目になる場合があります。また、学部の枠を超えて募集が行なわれる地域創生プログラム「地域創造学環」では、選抜方法により3教科3科目の場合があります。受験予定の場合は、最新の募集要項で必ず確認してください。
なお静岡大学では、令和4年4月をめどに浜松医科大学との法人統合・大学再編を目指していましたが、2021年8月時点で延期となっています。念のため今後の情報にご注意ください。
●一般選抜
大学入学共通テストと、個別学力検査の結果により、合否判定を行ないます。
受験者が多い前期日程での個別学力検査は、2科目および3科目で行なわれ、学科により小論文が課せられる場合があります。
2段階選抜は全学部で行なわれていません。選択科目間で平均点に20点以上の差がある場合、学科により得点調整が行なわれる場合があります。
●学校推薦型選抜
高校の学校長推薦に基づき、小論文、面接、調査書などで選抜します。学部・学科によりいくつかの選抜パターンがあり、大学入学共通テストは課される場合と課されない場合があります。
選抜パターンによっては、高校あたりの推薦人数が定められている場合があり、ご注意ください。
●総合型選抜
総合型選抜を行なう学部・学科は、教育学部以外の学部で、一部の学科に限定されます。大半は高校の専門学科および総合学科の受験生を対象にしており、大学入学共通テストも課されません。
高校の全学科で受験可能なのは、工学部の一部学科(大学入学共通テストなし)と、理学部地球科学科(大学入学共通テストあり)となっています。
いずれも詳細は静岡大学HPより募集要項が閲覧可能です。
各科目の試験問題の特徴
静岡大学の入試対策のために、試験問題の特徴や傾向をつかんでおきましょう。ここでは、静岡大学の試験問題の特徴を、一部科目ご紹介します。
英語
静岡大学の英語は、問題文がすべて英語で書かれているため、初見では戸惑う可能性があります。必ず過去問で慣れておきましょう。問題は大問5つで構成されており、試験時間は80分。長文読解(小説と論説の2問)・自由英作文・文法問題・会話問題からバランスよく出題される傾向です。
文法や会話はやや難易度が低いので、なるべく時間をかけず10分程度で解答したいところです。英作文20分、長文50分の配分で解答できるよう過去問演習を繰り返し行ないましょう。
数学
学部・学科により3パターンの出題があり、共通問題と独自問題とで構成されています。試験時間は80分もしくは120分(数Ⅲが入る場合)。大問は4問(数ⅠAⅡBは3問)と共通しています。
頻出範囲がはっきりしており、「微・積分法」は必須。「数列」「ベクトル」も毎年のように出題されているので、押さえておきましょう。数Ⅲがない学科では数A「確率」が頻出。数Ⅲまで範囲に含む場合は、「複素数平面」が多く出題されます。
国語
現代文、古文、漢文の出題で、現代文の配点が6割です。すべての問題が記述解答のため、日頃から論述対策を行なっておきましょう。
人文社会科学部経済学科のみ、現代文が2問で、1問あたり50分、計100分の試験となっています。難易度もやや高く、短い時間で意見をまとめられるように、論述演習を繰り返しておくのがおすすめです。
静岡大学入試の難易度
静岡大学の入試の偏差値は、人文社会科学部、情報学部、工学部、農学部で50.0~52.5。教育学部では47.5~52.5、理学部では50.0~55.0となっています。
参照:大学受験パスナビ
静岡大学試験の概要
ここからは、静岡大学の入試概要を解説します。
受験資格について
静岡大学の受験資格は、該当年度の大学入学共通テストで、必要な教科・科目を受験した場合に出願が可能となります(大学入学共通テストを課さない場合を除く)。
一般選抜での出願資格については、次のとおりです。
1.高等学校(中等教育学校を含む。以下同じ。)を卒業した人及び入学年3月卒業見込みの人
2.通常の課程による12年の学校教育を修了した人及び入学年3月修了見込みの人(特別支援学校の高等部または高等専門学校第3学年修了者及び入学年3月修了見込みの人が該当します。)
3.学校教育法施行規則第150条の規定により、高等学校を卒業した人と同等以上の学力があると認められる人及び入学年3月31日までにこれに該当する見込みの人
出願資格の「3」で出願する場合は、条項が細かく規定されています。該当する募集要項で必ずご確認ください。
試験科目や合格要件
静岡大学の学部ごとの試験科目や配点を、一部ご紹介しましょう。ここでは一般入試前期日程における試験科目などについて解説します。なお、以下のデータはすべて2021年9月24日現在のものです。
大学入学共通テストの選択科目
基本的に大学入学共通テストの受験教科・科目は5教科7科目(公民を選択した場合は6教科7科目)となっていますが、静岡大学では学部・学科により必須教科・科目が異なります。受験した科目が要件に足りていない場合は出願できないので、募集要項などでしっかり確認してください。
個別学力検査の科目範囲
個別学力検査の科目範囲も、学部・学科により細かく異なっています。例えば国語では国語総合と現代文Bのみの場合と、古典Bも範囲に入る場合があります。
理系学部の数学では数Ⅲが課される場合が多いですが、範囲に入っていない学科もあります。
同じ学部内でも科目内容が異なる場合があり、注意してください。
人文社会科学部 社会学科
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 100 | 100
国語総合、現代文B、古典B(古文・漢文) |
200 |
地歴公民 | 200(100×2)
世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫政経から2科目選択 *地理歴史を必ず1科目選択する必要あり |
― | 200 |
数学 | 100(50×2)
数Ⅰ・Aは必須 数Ⅱ・B、簿記・会計、情報関係基礎より1科目選択で、合計2科目 ※ただし簿記、情報は高校などで履修している場合に限る |
― | 100 |
理科 | 50
物理、化学、生物、地学と、それぞれの基礎科目を対にして1科目選択 |
― | 50 |
外国語 | 150
英語(リスニング含む)、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語より1科目選択 |
100
英語(コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、英語表現Ⅰ、Ⅱ) |
250 |
小論文 | ― | 100 | 100 |
合計 | 600 | 300 | 900 |
工学部 機械工学科
区分 | 大学入学共通テスト | 個別学力検査 | 配点 |
国語 | 150 | ― | 150 |
地歴公民 | 100
世A、世B、日A、日B、地理A、地理B、現社、倫、政経、倫政経から1科目選択 |
― | 100 |
数学 | 150(75×2)
数Ⅰ・数A 数Ⅱ・数B |
400
数Ⅰ・A、数Ⅱ・B、数Ⅲ |
550 |
理科 | 150(75×2)
物理 化学 |
400
物理 |
550 |
外国語 | 150
英語(リスニング含む) |
200
英語(コミュニケーション英語Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、英語表現Ⅰ・Ⅱ) |
350 |
合計 | 700 | 1,000 | 1,700 |
出願者数や合格者数のデータ
静岡大学の出願者数や合格者数は以下のとおりです。なお、ここで取り上げるのは2021年度一般選抜(前期日程)の結果です。
学部 | 募集人数 | 倍率 | 出願者数 | 合格者数 |
人文社会科 | 237 | 2.4 | 570 | 272 |
教育 | 184 | 2.2 | 404 | 191 |
情報 | 140 | 2.3 | 317 | 148 |
理 | 113 | 2.7 | 302 | 134 |
工 | 272 | 3.0 | 809 | 299 |
農 | 80 | 2.6 | 210 | 90 |
(地域創造学環) | 25 | 3.9 | 97 | 28 |
静岡大学に合格するための勉強方法
ここからは、静岡大学に合格するための学習方法をご紹介します。
静岡大学に入るには、何をすればいい?
静岡大学の入試で特徴的なのは、学部・学科によって、大学入学共通テストや個別学力検査で受験に必要な科目が微妙に異なる点です。配点も大学入学共通テストを重視する学部・学科と、個別学力検査の比重が高い学部・学科があり、学部・学科ごとに傾向をつかんでおく必要があります。
得意科目を生かして、配点が高い学科を受験する場合などは、一見メリットがあるように感じますが、一方で同じようなタイプの受験生が集まると考えられ、厳しい戦いになる可能性が十分あります。
基礎を徹底するのはもちろん、どれだけミスなく解き切るかが問われます。
受験期の過ごし方
高校3年生の受験勉強をどのように進めるかで、志望大学への合否確率が変わってきます。やみくもに勉強するのは効率的ではありません。1年間を通して長期的なスケジュールを立て、計画的に受験勉強をすすめましょう。
●春(4〜6月):基礎を徹底して身に付ける時期と考えましょう。教科書を中心に丁寧に学習し、この時期から単語集や用語集などで暗記ものを進めておくのが重要です。合わせて、苦手分野の洗い出しもしておきましょう。
●夏(7〜9月):苦手分野を克服する時期と考えましょう。まとまった学習時間が取りやすく、成績アップが狙えます。夏休みには「一日に問題集を10ページ進める」など短いスパンでスケジュールをたて、効率よく自分のペースで進められる工夫をしましょう。
●秋(10〜12月):大学入学共通テストの対策に取りかかる時期です。共通テスト対策は私大入試や個別学力検査の対策にもなるので、基礎固めをしつつ応用力を磨いておきましょう。
●冬(1月〜):入試直前の時期には、過去問を集中的に学習し、演習を積んでおきましょう。個別学力検査対策には、時間配分に気をつけて問題を解く練習をし、最後の仕上げをします。
予備校で勉強する場合
独学で受験勉強に取り組むことは不可能ではありませんが、継続する強い意志と計画性、受験情報の収集力がないと、かなり厳しい戦いになると言わざるを得ません。しかし「予備校にさえ通っていれば安心」とも言い切れないのをご存じですか?
その理由は、集団授業にあります。大手予備校ともなれば、一度に多くの生徒が同じ授業を受けることも珍しくありません。講師の授業を受け身で聞いて、その時はわかった気になっているだけという場合もあり、本当の知識が定着しない可能性があります。
授業で十分理解できなかったところは、自分で講師に聞きに行くなどの積極性がないと、学習の効果が思うように出ない場合があります。
四谷学院のカリキュラムのご案内
予備校の授業に起こりがちな欠点をカバーしてくれるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」です。ダブル教育システムで取り入れている「2つのポイント」をチェックしてみましょう。
科目別能力別授業
大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。
四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。
55段階個別指導
科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。
55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階を、スモールステップで無駄なく学べるよう体系化して指導しています。
静岡大学入試は丁寧に解く力が重要!
【静岡大学の入試概要】
●国立大なので、大学入学共通テスト+個別学力検査の一般選抜が主流。
●難易度は標準的だが大学入学共通テストと個別検査の配点比重が一律でない点に注意。
【静岡大学の入試データまとめ】
● 倍率は2.2〜3.9倍程度。学部や学科、選抜方法により差はある。
【勉強方法まとめ】
●基本をしっかり固めたうえで、教科書や用語集、過去問を丁寧に学習しておくのがおすすめ。
●試験時間はおおむね十分あるが、問題のボリュームもあるため、ミスなく解き切るトレーニングをしておく。
静岡大学は、難易度は標準的ですが、その分ハイレベルな戦いになりやすい大学。基礎を徹底したうえで、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。
自分の学習レベルにあった授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事でご紹介した情報は2021年9月24日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

大学受験合格ブログ編集部
このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。
こんな記事も読まれています
前の記事 » 北海道札幌市で塾を探している方へ|「医学部は厳しい」と言われていたが現役合格!大学受験に成功した先輩にインタビュー!大学受験予備校四谷学院
次の記事 » 福岡県北九州市で塾を探している方へ|E→A判定にひっくり返して大学受験に成功した先輩にインタビュー!大学受験予備校四谷学院