早稲田大学文化構想学部ってどんな学部?卒業生が教える学部について

最終更新日:2023/07/21

※この記事は約12分で読めます。

こんにちは、四谷学院の岡本です。

早稲田大学の文化構想学部ってあなたにとってどんなイメージですか?

「なんだかよくわからないけどいろいろやれそう」
こんな風に思っているのではないでしょうか?

というのも……
私は早稲田の文構を卒業しているのですが、正直、受験生のときは文化構想学部を目指していながら、「何がやれるのか?」「どんな学部なのか?」ということがあまりわかっていませんでした。

大学で勉強できることって幅が広いし、正直なんだかよくわからないですよね。

なので、今日は早稲田大学の文化構想学部について、キャンパスの雰囲気や、学科に相当する「論系」の内容、比べられることの多い文学部との違いを、卒業生の私がざっくり紹介します。
文化構想学部に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。

早稲田大学 文化構想学部の概要の紹介

はじめに、早稲田大学「文化構想学部」の学部の理念やアドミッションポリシー、入試情報を紹介します。

文化構想学部の理念

文化構想学部では、早稲田大学の総合性や独創性を活かし、多様な学問や言語、文化、価値観の交流を育むことから、主体的に地球社会に貢献できる人材育成を目指しています。

このような文化構想学部では、学部の理念・教育目標として、次のように掲げています。

  • 文化の様相と構造を解明し、表象の分析と文芸の創造に取り組み、人間と社会の本質に迫ることによって新しい時代にふさわしい文化を構想する。
  • 文化学の叡智を現代の課題で照らし、これまでの学問領域を大胆に乗り越えて、広領域的・学融合的アプローチを実践する。

引用:早稲田大学ホームページ

文化構想学部のアドミッションポリシー

アドミッションポリシー(入学者受け入れの方針)は、おおむね次のように表されています。

  • 学部の理念・目標を理解し、学位取得に積極的に取り組む意欲がある。
  • 文化構想学部の基礎から専門に亘るカリキュラムを理解して、入学後の修学に必要な基礎学力を有する。また入学以前に幅広い学習と経験を積んでいる。
参考:早稲田大学ホームページ

文化構想学部の入試情報

早稲田大学文化構想学部では、入学試験として多彩な方法が実施されています。

一般選抜
入試の中心となる試験方法です。外国語、国語、地歴の3教科を受験します。外国語の試験に「英語4技能テスト」のスコアを利用する、「英語4技能テスト利用方式」も実施しています。
一般選抜(共通テスト利用方式)
一般選抜の試験(外国語、国語)に、大学入学共通テストの指定科目(地歴・公民、数学、理科)から1科目または2科目の成績を加えて、合否判定する方法です。
多くの私立大学で見られるような、共通テストの成績のみで合否判定する方式ではないので、ご注意ください。
その他の入試方法
推薦入学試験(指定校推薦)や帰国生入試などが実施されています。

いずれも、詳細は最新の入試情報をご確認ください。

参考:早稲田大学ホームページ

早稲田大学 文化構想学部の特徴

ここからは、文化構想学部がどのような学部かがわかるように、特徴を具体的に紹介していきます。

女性の方が多い珍しい学部

戸山女子大学って言葉、聞いたことはありますか?

文学部と文化構想学部のある戸山キャンパスは通称「文キャン」と呼ばれているのですが、さらなる別名みたいなものです。

これは、実はとってもよくキャンパスの特徴をつかんでいるんですよ。

男性の比率が高い早稲田において(全体の比率は(約)、男:女=6:4)、文キャンの男女比率は(約)男:女=4:5でなんと女性の方が多い唯一のキャンパスなんです。
そのせいもあってか、どことなくゆったりとした雰囲気なのが文化構想学部、ないしは文キャンの特徴です。

また戸山キャンパスには、46万冊もの蔵書がある「戸山図書館」や、「戸山の丘」と呼ばれる庭園、カフェテリアやスターバックスといったスポットも充実しています。

ちなみに、文学部と文化構想学部のある戸山キャンパス以外のキャンパスにも、実はあだ名がついています。せっかくなのでご紹介しますね(あくまでも学部生が楽しんでいるあだ名ですので、そのあたりはご了承くださいね)。

  • 西早稲田キャンパス(基幹理工・先進理工・創造理工)=西早稲田工場
  • 所沢キャンパス(人間科学部・スポーツ科学部)=所沢体育大学
  • 早稲田キャンパス(上記以外の学部)=宇宙

こんなあだ名がついています。早稲田キャンパスの「宇宙」なんていうのは、一見なんのことだかわけがわかりませんね(笑)。

ですが、どのキャンパスのあだ名も実際に行ってみると的確にその様子を表しているので、早稲田大学に合格したら見てみてくださいね。

学科選択のない学部

早稲田大学文化構想学部は入学時に学科を選択しない代わりに、2年生になると6つの論系に分かれます。

  • 多元文化論系
  • 複合文化論系
  • 表象・メディア論系
  • 文芸・ジャーナリズム論系
  • 現代人間論系
  • 社会構築論系

論系は、1年次の終わり頃に希望をとって、評定順で振り分けられていきます。

「表象・メディア論系」や「複合文化論系」など人気のある論系は1年次で勉強不足だと入れないこともあるので、しっかりと勉強しておきましょう。

早稲田大学 文化構想学部各論系の紹介

簡単にですが、それぞれの論系を紹介します。
まずは多元文化論系についてです。

多元文化論系

地域文化の多様性を総合的に検証します

早稲田大学の多元文化論系では、多元的に形成されているさまざまな文化の有り様について、流動性・融合性に着目し、時間軸・空間軸に沿って総合的に研究します。


それにより、現代にあるさまざまな価値観を体系的・横断的にとらえられる、幅広い視野を持つ人材の育成を目指しています。

文化構想学部や文学部の論系・コースのなかでも教員数が多く、アメリカやイギリスのネイティブな教員がいるほか、アジア・アラブ・ヨーロッパなどの言語が堪能なスタッフも多数在籍しています。そのため、国際的な研究を行いやすい環境といえるでしょう。また、多元文化論系には多様な選択肢があり、外国語が苦手な学生は日本文化の探求に力を入れることができます。

多元文化論系は以下の5つのプログラムから構成されています。

・アジア文化プログラム
・ヨーロッパ文化プログラム
・英語圏文化プログラム
・中東・イスラーム文化プログラム
・国際日本文化論(JCulP)プログラム

複合文化論系

時空を超え、文化の複合的な構造を解明

複合文化論系では、社会・文化現象を総合的に研究します。


研究対象は「社会・文化現象」というだけあって幅広く、衣食住をはじめ、言語、文学、芸術、哲学、思想、宗教、美意識、メンタリティー、政治、経済、医療、さらには国際関係まで内包しています。

複合文化論系は、以下の4つのプログラムから成り立っています。

・言語文化プログラム
・人間文化プログラム
・超域文化プログラム
・感性文化プログラム

それでは、次に文化構造学部で一番人気の論系である「表象・メディア論系」を見ていきましょう。

表象・メディア論系

芸術文化の諸相に多角的にアプローチ

表象とは、世の中に存在する事物、観念、出来事などに何らかのイメージを与え、別の形にして表されたもののことをいいます。つまり、多種多様な形で表現された芸術文化活動を研究するのが、表象・メディア論系です。


表象・メディア論系は次の3つのプログラムから構成され、現代思想、ポスト構造主義、記号論、精神分析、言説分析、ジェンダー理論などの現代人文諸科学から文化活動の研究をします。

・メディア論
・身体論
・イメージ論

表象・メディア論系の特徴は、芸術文化そのものではなく、芸術文化活動に研究対象が置かれている点です。TVや映画、舞台、広告などに興味のある人におすすめの論系です。

文芸・ジャーナリズム論系

文学・文化を通して世界と人間存在の多様性に触れる

文芸・ジャーナリズム論系では、活字文化に限らず、広い意味で文芸との接点を持つ領域をカバーし、その創作者から伝達者まで、いわばソフトからハードまでを対象に研究します。


文芸諸ジャンルの実作から翻訳、研究者・批評家の育成、さらには雑誌の編集や書籍の制作・出版者になるための学び、書物の流通・販売や書店の経営に関する学びなど、とにかく「文芸・ジャーナリズム」に関わることならなんでも研究できるのが、この論系の特徴です。

将来作家を目指しているという人や、出版社に勤めるなど文芸に関わる仕事がしたい人に特におすすめの論系です。早稲田大学からは数多くの著名な文化人が卒業しているので、学べることも多いはずです。

現代人間論系

現代を「ともに生きる」人間のあり方を研究

「人間」という大きなテーマを軸に、人間に対する多面的なアプローチを通じて、現代社会の諸問題の解決に向けた研究ができるのが、現代人間論系です。


論系共通のテーマが「ともに生きる」となっており、「生き方」や「心」「人との関係」といった、私たちが日常的に突き当たる問題に切り込んでいくので、今までの文化的な論系とは少し雰囲気が違います。

問題解決の軸足を「現代」に定めている点もこの論系の特徴で、「現代人の精神構造や倫理」、「コミュニケーション」、「人生」などについて探究を進めていきます。

社会問題に関心があり、かつ「心理学や文学、哲学、倫理学、宗教学、教育学、社会福祉学」に興味がある人や、それらを軸に現代社会のさまざまな問題の解決策を研究したいという人におすすめの論系です。

社会構築論系

過去に学び、現在を知り、未来を拓く

社会構築論系は、現代社会の構造について、政治、経済、法学などの社会科学の視点ではカバーしきれない問題を、「歴史的、文化的視点」から分析し、社会の問題を克服する新たな社会構築の方法とそれを担う主体のあり方を構想する論系です。


社会構築論系も文化に焦点を当てている「多元文化論系」や「複合文化論系」、「表象・メディア論系」とは少し変わって、「現代人間論系」寄りの論系になります。

次の3つのプログラムで構成されています。

・国や社会の成り立ちを中心とした「社会構造論プログラム」
・地域社会に焦点をあてた「地域・都市論プログラム」
・地球規模で考える「共生社会論プログラム」

これまでの社会科学ではカバーしきれなかった「歴史的、文化的視点」から社会の諸問題について研究していくので、民主主義や人権などの現代社会を成り立たせている原理やNPO・NGO、子どものいじめ問題などに興味のある人におすすめの論系です。

文化構想学部と文学部の違いは?

早稲田大学には、文化構想学部以外に文学部も存在しています。この2学部について、何が違うのかいまいちわからない、という方もいるかもしれません。

ここからは、文化構想学部と文学部の違いを紹介します。

「ワセ文」として関係性の高い学部

早稲田大学では、「人文学」を学ぶ学部として、文化構想学部と文学部を設置しています。
この2つの学部は、どちらも戸山キャンパスに属して関係性も深く、まとめて「ワセ文」という呼び方もされています。

「人文学」とは、「人間とはなにか?」という問いを、思想や歴史、文化を通じて、いろいろな方法で追究する学問のこと。人文学を異なる視点から学ぶ2つの学部を設けているのは、早稲田大学ならではの特徴です。

「人文学」を学ぶスタイルが違う!

文学部と文化構想学部は、どこが違うのでしょうか?

まず文学部は、人文学のさまざまな領域の18の専門的テーマ(例えば、英文学や哲学、日本史など)を掘り下げ「知の本質」を探究する、つまり「究める」ことをテーマとしています。

一方の文化構想学部は、先ほど紹介した6つの論系をベースに、人文学の学問領域を横断的に融合するアプローチが特徴です。テーマは「新たな知」を開拓する、つまり「つくる」こと、とされています。

このように、同じ人文学を学ぶ学部ではありますが、学びへのアプローチが異なっているのが、それぞれの特徴なんです。

わかりやすく言い換えると、文学部は「コース料理」、文化構想学部は「ビュッフェスタイル」のようなもの、とのこと。

文学部は選んだ分野について深く濃く追究していくスタイル、文化構想学部は豊富な科目のなかから、自分のテーマに沿って自由に学んでいくスタイルといえます。

どのような人が文学部・文化構想学部に向いている?

2つの学部の違いを踏まえたうえで、どのような人が文学部・文化構想学部に向いているでしょうか。

文学部で2年次に選択する18のコースは、心理学・美術史・教育学など、学ぶジャンルがイメージしやすいコース分けになっています。

「学びたい分野はコレ!」とはっきりしている場合には、文学部が向いているでしょう。

一方の文化構想学部は2年次に6つの論系に分かれますが、幅広い視野を持ち、さまざまな研究に触れながら、自分自身のテーマを深めていける自由度の高さが魅力です。

従来の学問の領域にとらわれず、学びを追求したい人に向いています。


なお、どちらの学部を選択しても、文化構想学部と文学部には「ブリッジ科目」と呼ばれる約1,000科目で構成された科目群があります。
同じ人文学を学ぶ2つの学部を自由に行き来するように、興味のある学問を学べることが、ワセ文の特徴ともいえるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、早稲田大学の文化構想学部を目指しているあなたへ、「学部についてざっくりとご紹介」をしました。少しでも学部のイメージがつかめればうれしいです。

やっぱり漠然とした憧れよりも、入学してからの具体的なイメージをもって大学を目指したいですよね。
なぜなら、具体的なイメージがあるほうが、「合格したいという気持ち」が強くなり、気持ちが強いほうが、やっぱり受験に強いからです。四谷学院にはさまざまな大学のさまざまな学部を卒業した受験コンサルタントがたくさんいます。

四谷学院は先生との距離もとっても近いので、大学選びに迷ったときや、どんなことが勉強できるのか気になったときは受験コンサルタントの先生や講師の先生方に相談してみてくださいね。

きっとあなたの背中を押すおもしろいお話を聞かせてくれると思います。

あなたの合格を応援しています。一緒に受験までがんばりましょう。

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