一般選抜と総合型選抜を両立する受験戦略【大学入試】

最終更新日:2022/05/13

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大学入試において、総合型選抜・学校推薦型選抜の合格者数は増加傾向にあります。国公立大学においても、総合型選抜・学校推薦型選抜のいずれも、入学者の割合が増えています。

グラフ:文部科学省「令和3年度国公私立大学入学者選抜実施状況」より作成

「総合型選抜」・「学校推薦型選抜」とは、以前はAO入試や公募制推薦入試、学校推薦などと呼ばれていた入試形式です。一方、以前「一般入試」と呼ばれていた選抜方法は、「一般選抜」と呼ばれるようになりました。

【参考記事】
大学入試の学校推薦型選抜とは?公募制と指定校制の違いや対策も解説

学校推薦型選抜は、高校での実績や取り組みをもとに、受験生の個性や意欲を評価するという入試形式です。学校推薦型選抜による入学者の割合は、年々増えつつあります。そして、この傾向は今後も続くと考えられています。

「推薦は準備が大変だから私には無理だろう」
「活動実績がないから自分は関係ない」

などと、一般選抜だけを視野に入れて対策をしてきた方も多いかもしれません。
あるいは、「推薦だけを狙うのは心配」と思う方もいるかもしれません。

ご存じのように「大学入試改革」が行われ、大学入試において求められる力も変化しつつあります。
大学入試においては、『知識・技能』『思考力・判断力・表現力』『主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度』といういわゆる学力の3要素を多面的・総合的に評価される方針となってきています。
総合型選抜・学校推薦型選抜も視野に入れて対策していくことは、大学受験において自分の可能性を高めることにつながります。

特にこれから大学入試に本格的に取り組み始める方にとって、志望校合格のために「一般選抜」と「総合型選抜・学校推薦型選抜」の組み合わせについても視野に入れ、受験戦略を組み立てて行くことが重要です。

【参考】
文部科学省「平成33年度大学入学者選抜実施要項の見直しに係る予告について(通知)」で以下のよう述べています。これが、大学入試の新しいルールの趣旨となります。

各大学の入学者選抜において、卒業認定、学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針を踏まえた入学者受入れの方針に基づき、「学力の3要素」(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」)を多面的・総合的に評価するものへと改善する。

大学入試における受験戦略とは?

では一般選抜と総合型選抜・学校推薦型選抜の併用を考えるにあたっては、どのような受験戦略を立てていけばよいのでしょうか。具体的に5つの視点で考えてみましょう。

情報収集

まず、総合型選抜・学校推薦型選抜にはいくつかの種類があります。それぞれの選抜方式や内容、基準についてよく知ることが第一歩となります。

総合型選抜

「総合型選抜」においては活動実績のほか、大学が求める学生像つまりアドミッション・ポリシーに沿って評価をしていきます。アドミッション・ポリシーとは、「うちの大学はこういう人を求めています」という方針のようなものです。自分が志望する大学の「求めている人物像」「期待する学生像」と自分のなりたい姿、送りたい大学生活が合致しているかどうか、しっかり情報を整理しておきましょう。
選抜方法は、面接や論文、プレゼンテーションが一般的で、事前課題や書類の提出も必要であることがほとんどです。

公募制学校推薦型選抜

「学校推薦型選抜」においては、高校での実績や取り組みをもとに個性や意欲を評価していく入試形式です。多くの場合「学校長の推薦」が必要で、大学側が一定の水準を設けています。学校長の推薦を得る場合、学業成績・スポーツ実績・課外活動実績などが成果としての評価基準となります。
選抜試験の内容は、書類提出(志望理由書・自己推薦書・エントリーシートなど)、面接、小論文、プレゼンテーションなどです。

指定校制学校推薦型選抜

過去の合格実績をもとに、特定の高校と協定を結んで推薦枠を作っていることがあります。これが指定校制(指定校制学校推薦型選抜)です。実績がない場合、つまりその高校出身の入学者が多くない場合は、指定校枠がないこともあります。指定校制の場合、合格率が非常に高く、学内で推薦された時点でほぼ合格と考えて良いでしょう(一部の大学を除く)。ただし、その分、選抜基準(評定平均・出席日数など)が厳しいという側面もあります。

評定平均

評定平均とは、「履修科目の5段階評価の成績合計÷履修科目数」から算出される数値です。高校における定期試験等の成績が大きくかかわるということです。大学によって必要な評定平均は異なります。情報収集をして、志望校合格に必要な「評定平均」が明らかにしておきましょう。
難関大学の推薦であれば、「評定平均5」が必要と考えましょう。履修科目には、実技(体育・芸術・家庭など)の教科も含まれますので、注意が必要です。

学力

学校の成績である評定平均とはまた別に、「学力」も求められます。出身高校自体の学力レベル、個人の偏差値なども考慮する必要があります。
特に指定校制学校推薦型選抜を目指す場合、学校内での倍率がとても高い場合があり、指定枠が取れないことも想定しておく必要があります。並行して一般選抜対策も進めておきましょう。

活動実績

一般選抜では「学力試験」を軸として合否を決めていきますが、総合型選抜の場合は、面接や小論文を通じた「人物評価」が中心となっています。また、課外活動実績などの独自基準が大学ごとに設定されていますので、先ほど述べた「情報収集」が非常に大切になってきます。
総合型選抜についてはこちらの記事も参照してください。

大学入試の総合型選抜とは?一般選抜との違いや選抜方式のパターンを解説

英語力などのそのほかのスキル

英語力やアカデミックスキルといった、将来的にも生かせるスキルは大きなアピールポイントになります。英語力については、大学によってはあらかじめ出願要件として課される場合もあります。英検2級相当以上を求める大学が多くなっています。

まとめ

受験戦略を考えるにあたって、上記の5つの視点から自分の強みを考えてみると、さらに磨いておきたい点が見つかるでしょう。強みをさらに伸ばせると、「合格」のチャンスがつかみやすくなります。
推薦入試、一般選抜のどちらにどの程度重きを置くか、バランスも重要になってきます。一般選抜と総合型選抜・学校推薦型選抜の両方を視野に入れた受験対策を行う受験生も増えてきています。特に、現在高校1年生、2年生の方は、両方を見据えて受験計画を今のうちから、考えてみてはいかがでしょうか?

大学受験合格ブログ編集部

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