大阪市立大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

  公開日:2020/09/25
最終更新日:2022/09/26


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日本で最初の市立大学である大阪市立大学。

関東圏での認知度はそれほど高くありませんが、関西圏では名門大学の総称である関関同立と同じくらいの人気を誇る大学です。

この記事では、大阪市立大学に合格するために問われる能力や難易度、入試概要をはじめ、効率の良い勉強法をご紹介します。ぜひチェックしてみてください。

※本記事に記載されている情報は2020年9月25日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

大阪市立大学の入試問題で問われる能力

大阪市立大学は創立140年を超える、日本で最初の市立大学です。「阪市大」「OCU」という名前で親しまれており、特に関西圏の受験生にはとても人気の大学です。

令和4年度には大阪府立大学と統合して「大阪公立大学」になる予定であり、ますます注目度が上がるといわれています。

そんな大阪市立大学はレベルが高いということもあり、「求めている人材もレベルが高いのでは…」と不安に思う方もいるでしょう。

ここでは、大阪市立大学が求めている人材や、入試問題の特徴などをご説明します。

 

大阪市立大はどんな人材(学生)を望んでいるのか

大阪市立大は「市民に親しまれ、誇りに思われる大学になる」ことを理念として掲げており、大阪市の伝統や文化を重視するなど、”市民のための大学”であることを第一としています。その理念に則り、定められている入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)は以下の通り。

「人間性豊かで、多様な関心、柔軟な思考力を持ち、科学・産業・文化・社会の発展に寄与しようとする志を持つ、向学心旺盛で優れた資質を有する学生」
引用元:大阪市立大学 入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)学士課程の3ポリシー

さらに、学部ごとに異なるアドミッション・ポリシーが定められているので、気になる方はチェックしてみてください。

 

大阪市立大入試の特徴

大阪市立大は、基本的に他の国立大学と同じく、大学入学共通テストの後に個別学力検査が行われる入試方式がとられています。

ただし、学部によっては専門高等学校の卒業生向けの入試や、自己推薦書や特別活動などを重視する「ユニーク選抜」など、様々な入試方式が取り入れられています。

入試方式によっては、自分の強みを活かして有利に入試を進められる可能性もあるので、入学者選抜要項をしっかりチェックしておきましょう。

 

各科目の試験問題の特徴

大阪市立大の受験対策を効率良く行うためにも、入試問題の特徴や傾向を把握しておくのはとても重要です。ここでは、各科目の試験問題の特徴や傾向をご説明するので、ぜひ参考にしてください。

 

英語

試験時間は100分で、長文読解3題、和文英訳1題の大問4つで構成されています。長文読解の割合が多くはありますが、そこまで長い文章ではなく、難易度も標準レベル。ただし、問題量が多いので、解くスピードが求められます。

 

国語

試験時間は、文学部が120分でそれ以外の学部が90分。現代文2題と古典1題の大問3つの構成で、文学部以外は現代文のみの出題です。評論と、随筆か小説の2つが出題され、どちらも内容説明問題がほとんど。書かれていることをくみ取って、的確にまとめる能力が求められます。

現代文、古典のどちらも難易度は標準レベル。古典では古文・漢文のどちらも出題されるので注意しましょう。

 

数学

試験時間は、文系が90分で理系が120分。どちらも大問4つで構成されています。難易度はそれほど高くありませんが、文系数学は幅広い範囲から出題されることが、理系数学は数Ⅲからの出題が多いことが特徴として挙げられます。

どちらでもベクトルは頻出問題なので、要チェック。また、証明問題で差が付きやすいので、しっかり対策しておくと良いでしょう。

 

物理

試験時間は1科目であれば90分で、2科目で150分。力学と電磁気から1題ずつ、波動か熱力学のいずれかから1題の、大問3つで構成されています。出題の傾向が定まっており、難易度も基礎〜標準レベルなので、取りこぼしのないように点数をとることが大切。

教科書を中心に学習すれば良いでしょう。

 

化学

こちらも、試験時間は1科目であれば90分で、2科目で150分。大問3の構成ですが、1つの大問の中に多くの問題が含まれているので、ボリュームは多めです。有機よりも理論や無機が多く出題される傾向にあり、特に化学平衡や有機化合物の構造決定は頻出問題。

難易度は一見高めですが、基礎的な知識を基にしてしっかり考察し、計算できれば正解に辿り着く問題がほとんどです。過去問などで考察力を身に付けておくのがおすすめ。

 

生物

こちらも、試験時間は1科目であれば90分で、2科目で150分。大問4つで構成されており、幅広い分野から出題されるのが特徴です。難易度は標準レベルですが、論述問題が多いので、考えや知識を分かりやすくまとめる練習をしておくと良いでしょう。

 

大阪市立大入試の難易度

大阪市立大の難易度は、学部によっては関関同立と同程度。工学部や理学部では偏差値が55程度ですが、最も高い医学部では67にもなるなど、学部によって難易度が大きく異なるのが特徴です。

 

大阪市立大試験の概要


ここまで大阪市立大の入試の特徴や難易度について説明してきましたが、受験生にとって最も気になるのは「何点とれば合格できるのか」ということでしょう。

そこでここでは、データから見る大阪市立大入試の概要をご紹介します。

 

受験資格について

大阪市立大の定めている受験資格は、以下の通り。

1.高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。以下同じ。)を卒業した者及び入学年の3月卒業見込みの者
2.通常の課程により12年の学校教育を修了した者及び入学年の3月修了見込みの者
3.外国において、学校教育における12年の課程を修了した者及び入学年の3月修了見込みの者又はこれに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの(ただし、12年の課程を要しない国からの出願資格については事前に相談してください。)
4.文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者及び入学年の3月修了見込みの者
5.文部科学大臣の指定した者
6.高等学校卒業程度認定試験規則による高等学校卒業程度認定試験に合格した者及び入学年の3月31日までに合格見込みの者(廃止前の大学入学資格検定規程による大学入学資格検定に合格した者を含む。)
7.相当の年齢に達している者で、本学において高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められたもの(ただし、事前協議を行いますので、原則として入学前年の規定日までに大学 運営部入試課に申し出てください。)
引用元:大阪市立大学 2021年度 入学者選抜要項(PDF) 

 

試験科目や合格要件

大阪市立大の学部ごとの試験科目や配点は、以下の通りです。なお、ここでは個別学力検査の前期日程における試験科目などについて解説します。

 

商学部

科目 出題範囲 配点
国語 国語総合・現代文B 160
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B 170
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 170

 

経済学部

科目 出題範囲 配点
国語 国語総合・現代文B 150
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B 150
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 150

 

法学部

科目 出題範囲 配点
国語 国語総合・現代文B 300
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 300

 

文学部

科目 出題範囲 配点
国語 国語総合・現代文B・古典B 200
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 200

 

理学部

理学部は学科によって選択可能な科目や配点が異なるので、以下をチェックしておきましょう。

<数学科・生物学科・地球学科、理科選択>

科目 出題範囲 配点
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数A、数B 200
理科 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学から2科目選択 200
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 100

 

<物理学科・化学科>

科目 出題範囲 配点
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数A、数B 200
理科 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、地学基礎・地学から1科目選択 200
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 100

 

工学部

科目 出題範囲 配点
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数A、数B 250
理科 物理基礎・物理、化学基礎・化学 200
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 150

 

医学部

医学部も学科によって科目が大きく異なるので、以下をチェックしておきましょう。

<医学科>

科目 出題範囲 配点
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数A、数B 300
理科 物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物から2科目選択 300
外国語 「英」 200

 

<看護学科>

科目 出題範囲 配点
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B 150
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 150

 

生活科学部

生活科学部も学科によって科目が大きく異なるので、以下をチェックしておきましょう。

<食品栄養科学科>

科目 出題範囲 配点
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B 150
理科 化学基礎・化学、生物基礎・生物から1科目選択 150
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 150

 

<居住環境学科>

科目 出題範囲 配点
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B 150
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 150

 

<人間福祉学科>

科目 出題範囲 配点
国語、数学から1教科選択 国語総合・現代文B 150
数Ⅰ、数Ⅱ、数A、数B
外国語 「英」を必須として、問題の一部について「英」「独」「仏」「中」「韓・朝」から1科目選択 150

出典:大阪市立大学 2021年度 入学者選抜要項(PDF)

 

入試の合格者最低点は?

大阪市立大の合格最低点は、以下の通り。なお、ここでご紹介するのは、2020年度の個別学力検査の前期日程における合格最低点です。

学部 学科 満点 合格最低点
商学部 500 211.7
経済学部 450 158.3
法学部 600 249.0
文学部 400 193.0
理学部 数学科 500 244.0
物理学科 500 221.0
化学科 500 219.0
生物学科 500 197.0
地球学科 500 169.0
理科選択 500 198.0
工学部 機械工学科 600 279.5
電子・物理工学科 600 271.3
電気情報工学科 600 293.3
化学バイオ工学科 600 247.0
建築学科 600 285.0
都市学科 600 268.5
医学部 医学科 800 528.5
看護学科 300 127.5
生活科学部 食品栄養科学科 450 222.8
居住環境学科 300 114.8
人間福祉学科 300 126.8

出典:大阪市立大学 2021年度 入学者選抜要項(PDF)

 

出願者数や合格者数のデータ

大阪市立大の出願者数や倍率は、以下の通りです。なお、ここでご紹介するのは、2020年度の一般入試の前期日程におけるデータです。

学部 学科 出願者数 倍率
商学部 579 2.9
経済学部 390 2.3
法学部 432 3.0
文学部 407 3.3
理学部 数学科 50 2.6
物理学科 54 2.5
化学科 64 2.1
生物学科 35 1.9
地球学科 24 2.0
理科選択 14 1.6
工学部 機械工学科 167 3.7
電子・物理工学科 93 2.7
電気情報工学科 161 4.1
化学バイオ工学科 117 2.6
建築学科 102 4.9
都市学科 98 2.5
医学部 医学科 205 2.6
看護学科 154 3.9
生活科学部 食品栄養科学科 89 3.3
居住環境学科 106 3.0
人間福祉学科 102 3.1

出典:大阪市立大学 2021年度 入学者選抜要項(PDF)

 

大阪市立大に合格するための勉強方法


ここでは、大阪市立大に効率良く合格するためにおすすめの勉強方法をご紹介します。

 

大阪市立大に入るには、何をすればいい?

人気の高い大阪市立大ですが、入試問題は基礎〜標準レベルの科目がほとんど。

つまり、ライバルの受験生もある程度高い点数をとってくる可能性が高い、ということです。1つのミスが合否を分けることにもなりかねないので、教科書や問題集、資料集などを丁寧に学習し、単語や熟語などの基礎的な知識を徹底しておきましょう。

また、解くスピードを求められる科目も多くあります。過去問演習を本番さながらに行って、時間配分の練習をしておきましょう。

また、論述や記述問題も多い傾向にあります。語句の内容を把握しておくのはもちろん、簡潔にまとめられるように、先生や講師などに細かく確認してもらいながら練習するのがおすすめです。

 

受験期の過ごし方

受験生にありがちなのが、短期間のスケジュールは立てていても、入試までの長期的なスケジュールは立てていない、ということ。「合格」 という最終的な目標を効率良く達成するために、以下を参考にしてスケジュールを立ててみてください。

●春(4〜6月):基礎を徹底して身に付けましょう。基礎知識が身についていないと、それ以上のことはできません。教科書を中心に丁寧に学習しましょう。
●夏(7〜9月):夏休みは、苦手分野を潰す期間。秋以降に疑問や苦手分野を持ち越さないように、ここで集中して勉強に取り組んでおきましょう。夏休みだけの短期的なスケジュールを組むのもおすすめです。
●秋(10〜12月):共通テスト対策を始めましょう。大阪市立大は、個別学力検査も共通テストレベルの科目が多いので、共通テスト対策の比重を多めにしてもOKです。
●冬(1月〜):個別学力検査対策を行いましょう。大阪市立大は頻出問題が決まっている科目も多いので、過去問演習を徹底して行うと効果的です。

 

予備校で勉強する場合

自己管理が徹底できる自信がない場合は、予備校に通うのがおすすめです。

しかし、ただ予備校に通っているだけでは、思うような学習効果は得られません。特に集団授業の場合、ただ聞いているだけで授業時間は終わってしまいがちです。「何を得たいのか」をしっかり意識して聞くことで授業内容の身に付き具合は変わり、成績向上に直結します。

入試で問われる能力は、知識を持っていることではなく、知識を活用できることです。「予備校に通っているから安心」「講師がなんとかしてくれる」などと慢心せず、主体的に学習に取り組む姿勢を忘れずに、予備校に通いましょう。

 

四谷学院のカリキュラムのご案内

上述したように、一見優れている予備校の授業も、「聞いているだけ」になりがちという弱点があります。そんな予備校の弱点を克服できるのが、四谷学院の「ダブル教育システム」

以下の2つの学習システムを組み合わせることで、知識のインプットとアウトプットの両方が鍛えられ、入試に必要な実践力が身に付きます。

 

科目別能力別授業

一般的な予備校では模試の総合得点でクラス分けを行いますが、四谷学院の科目別能力別授業では、科目と能力の2つでクラス分けを行います。得意科目はもてあまし、苦手科目ではついていけない、という予備校にありがちな状況を打破できるシステムです。

全ての科目において自分の学習レベルにあった授業を受けられるので、効率的に成績向上を目指すことができるのが最大の特徴。苦手科目のフォローと得意科目のさらなる向上を同時に目指せるのは、科目別能力別授業ならではです。

 

55段階個別指導

55段階個別指導は、自分のレベルに合った「演習」が徹底的に行えるシステム。集団授業で得た知識を実践できるように訓練することで、入試に必要な実践力が養われます。

マンツーマンなので、大阪市立大で多く出題される英作文や論述などの対策ももちろん可能。解答力を上げることで、本番の入試でも確実に点数がとれるようになります。

 

大阪市立大は頻出問題と傾向を掴むべし!

【大阪市立大の入試概要】
●柔軟な思考力を持ち、向学心旺盛な人材を求めている
●大学入学共通テストのスコアと個別学力検査のスコアの合計によって合否判定
●難易度は標準〜高め

【大阪市立大の入試データまとめ】
●合格最低得点率は33〜48%程度
●前期日程における倍率は1.9〜4.9倍と、学部や学科によって大きな差がある

【勉強方法まとめ】
●記述や論述、英作文など、文章力が重視される問題が多い
●頻出問題や傾向が定まっている科目が多いので、過去問演習などでチェックしておく

大阪市立大に効率良く合格するためには、四谷学院独自の「ダブル教育システム」を利用するのがおすすめです。

ただやみくもに勉強していても、成績は思うように上がりません。体験授業も行っているので、四谷学院の学習システムに興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2020年9月25日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。


大学受験合格ブログ編集部

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