【京大理系の国語】古文対策~和歌問題~京都大学入試の傾向と対策

最終更新日:2023/10/06

※この記事は約15分で読めます。

こんにちは、四谷学院の国語担当、田中です。
今回は、京都大学の二次試験、古文に出題される「和歌の解釈問題」について、どんな対策をしていくべきなのか、詳しく見ていきます。

京大の過去問を見て、出題の傾向を発見した生徒が、先生に報告にきたようです。早速、先生とのやり取りをご覧ください。

京大古文の出題傾向

生徒
生徒
先生、京大の過去問をチェックして気づいたことがあります!
先生
先生
おお、どうだったかな?
生徒
生徒
設問形式をチェックしてみたら、形式自体は2つだということに気づきました。基本的にどの年度も、現代語訳と説明問題で構成されているみたいです。
先生
先生
その通りなんだよね。
基本的に単語問題・空欄補充・内容一致・抜き出し問題などはなくて、全て現代語訳と説明問題で構成されている。特に説明問題は内容説明・理由説明・心情説明など、バラエティに富んでいるね。読解した内容を適切な字数で分かりやすくまとめる表現力が問われているんだ。
生徒
生徒
やっぱり記述対策が必須ということですね。頑張らなきゃ。
先生
先生
その意気だ!

京大古文に頻出の「和歌の解釈問題」

生徒
生徒
でも、一つ心配なことがあって。和歌の解釈に関する問題が出てくるみたいです。
先生
先生
確かに和歌の解釈に関する出題は特徴的だね。その中でも和歌の現代語訳は、文理で問題が分かれた2007年度以降において2008年度・2010年度・2012年度・2019年度で出題されているね。

【出題年】

生徒
生徒
和歌の現代語訳か。困ったな。ただでさえ和歌は苦手なのに、京大の問題となるとどれだけ難しいんだろう。ううう涙。
先生
先生
だいぶおびえているねぇ。実は、京大の問題であっても特別なことは必要ないんだよ。
生徒
生徒
どういうことですか?
先生
先生
まずは直訳を作ることで大まかな内容を把握出来る和歌がほとんどだよ。見たこともないような難解な文法・単語や和歌の修辞技巧が問われたりすることはない。
生徒
生徒
え、そうなんですか?てっきり難問ばかりなのかと。
先生
先生
他の大学と同様、京大の問題においても基本的な文法・単語・古文常識の知識が重要だよ。
生徒
生徒
それはそうですが。
先生
先生
では実際に出題された問題を見てみよう。次に引用するのは、『落窪物語』の一節だ。実母に先立たれた姫君が継母からいじめを受け、辛い日々を送っている場面だね。

(2019年度出題より)

生徒
生徒
和歌の現代語訳ってどういう風にやったらいいですか?
先生
先生
まずは句切れの確認をしよう。和歌には句点がないから、自分で句点を付けて意味のまとまりを把握する必要がある。
生徒
生徒
句切れは聞いたことあります。『終止形・命令形・終助詞・係り結びの結び』が句切れですよね。『共にを消えよ』の『消えよ』は命令形だから・・・ここが句切れですか?
先生
先生
さすが!四句目に句点がつく、四句切れの和歌だとわかったね。そうしたら、後は上から品詞分解して直訳を作るんだ。
生徒
生徒
あれ?上から品詞分解して直訳を作るって、普通の文を現代語訳するのと同じじゃないですか?
先生
先生
いいことに気づいたね。まさにその通り。変わったことは必要ないんだ。そのままの語順で、上から直訳していけばいい。
実際に傍線部を直訳してごらん。
生徒
生徒
ええと、品詞分解すると
『我・に・つゆ・あはれ・を・かけ・ば・立ち帰り・共に・を・消えよ』
『を』は強意の助詞って注釈があるから訳さなくてもよさそう。
直訳したら
『私に少し情けをかけるならば立ち帰って共に消えてくれ。』

みたいな感じだと思います。

先生
先生
OK!ほら、基本的な文法・単語で直訳が作れたね。難解な文法・単語・和歌の修辞技巧はない。
生徒
生徒
本当ですね。
先生
先生
『消えよ』が命令形であるのと、『かけば』が『未然形+ば』だから順接仮定条件になるのがポイント。
生徒
生徒
どっちも授業で習った文法事項ですね!
先生
先生
後はこれをベースにして表現を修正・補足していけばいいんだけど、和歌が詠まれる前後の状況や本文全体の趣旨、贈答歌ならば前後の和歌の解釈、景物と心情の対比、掛詞などの修辞技巧。注意しなくてはいけない点が多いというのが和歌の現代語訳の難しさだね。
生徒
生徒
むむむ。
先生
先生
ここでは問題文にあるように、『姫君が亡くなった実母によびかけた和歌』だという状況をふまえて最終的な解答に落とし込むんだ。
生徒
生徒
やはり注意しなくてはいけない点は多いですね。
でも、直訳をベースに修正・補足していくのは普通の文の現代語訳と同じですね。何だかいける気がしてきました!
先生
先生
その意気だね!ヒントを出すと、今回は以下の3点を補足していくと完成に近づくよ。
【ヒント】
①『誰が』『私に』情けをかけるのか
②『どこから』『どこに』立ち帰るのか
③『誰と共に』消えてほしいのか
先生
先生
言葉を補って現代語訳せよ、とは書かれていないけれど、採点者にわかりやすいように自分の理解度を示すことは重要だよ。もちろん、誤った補いをしてしまうと減点されるから要注意だね。
生徒
生徒
これは姫君が亡くなった実母によびかけた和歌だから、『実母が』『私に』情けをかけてくれるならば、と仮定している歌ですね。亡くなった実母に対して、『あの世から』『この世に』帰って来て、辛い思いをしている『私と共に』消えてほしいと思っている。
訳に落とし込んでみると、
『母上が私に少しでも情けをかけるならば、あの世からこの世に帰って来て私と共に消えてくれ。』
こんな感じでしょうか。
先生
先生
その通り!これで内容を理解しやすい訳になったね。
生徒
生徒
ありがとうございます!
先生
先生
あとは修辞技巧についてなんだけど、『つゆ』と『消えよ』が縁語であるのも重要だ。『露』ははかなく消えやすいものの象徴だからね。『つゆ』は副詞の『つゆ』と名詞の『露』の掛詞と考え、結びつけて訳す必要がある。そして和歌を詠む直前の、『母君、我を迎へたまへ』という姫君のセリフもチェックしよう。母親に敬語を使っているので、この和歌も敬意を込めた表現にすると自然だ。
生徒
生徒
ふむふむ。
先生
先生
まとめてみよう。
『母上が私に少しでも情けをかけてくださるならば、あの世からこの世に帰って来て、露が消えるように私と共に消えて下さい。』
とするといいね。
生徒
生徒
基本に忠実に直訳した後、様々な要素に注意しながら最終的な解答に落とし込む。これを肝に銘じてがんばります!

まとめ「京大理系の古文~和歌問題~」

今回は京都大学の入試における、和歌問題の扱い方について解説しました。
過去問題に取り組むことで、志望大学の入試で頻繁に出題されるテーマや内容を確認し、大学側が受験生にどのような能力を求めているのかを知ることができます。そのうえで勉強を進めれば、効率的に対策を進めることができますね。

京大文系国語についてはこちらの記事を参照になさってください。

京都大学入試では漢文は出題されないって本当?京大文系国語の傾向と対策

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