社会で活躍する先輩への
インタビュー

東京地方裁判所民事部

さん

2014 年に京都大学法学部を卒業後、裁判所職員採用試験に合格。裁判所事務官として大阪高等裁判所で採用され、高等裁判所の会計課で事務官を務める。2016 年からは裁判所書記官に任官し、大阪地方裁判所の刑事部、東京地方裁判所の民事部に配属。法廷での裁判立ち合いや裁判の進行管理に従事している。

裁判は、多くの人にとって
「一生に一度」あるかないかの出来事

――「裁判所事務官」や「裁判所書記官」はどのようなお仕事ですか?裁判所事務官は、裁判所の事務局で人事や会計などの事務を担当しています。裁判部に所属する場合は、裁判所書記官の指示の下で、事件に関する調書の作成や判例・法令などの調査を行います。

裁判所書記官は「法律の専門家」として、法廷で裁判に立ち会って調書を作成したり、裁判官と協力して裁判の進行を管理するのが主な仕事です。訴訟費用の確定や支払督促の発付など、裁判所事務官にはない固有の権限も与えられています。また、刑事部では裁判員裁判を担当することも多くあります。

――大串さんは「裁判所書記官」として、日々どのようなお気持ちで仕事に臨まれていますか?裁判は、トラブルを解決するために利用する手段ですから、関係者全員にとって望ましい結果に終わるというのはなかなか難しいものです。私は、裁判を受けた人が、望ましくはなかったとしても「公平に判断をされた結果だ」と納得できるようにサポートしたいと思って仕事をしています。例えば、裁判所では専門的な手続きが多くあります。それに戸惑って自分の言いたいことが言えなかったというような不完全燃焼を引き起こさないように、必要な手続きについて丁寧に、わかりやすい言葉で説明するようにしています。「裁判は、多くの人にとっては一生に一度あるかないかの出来事だ」ということを常に頭に置いて仕事をするように心がけています。そうして事件が一つひとつ終結していくのを見届けることが仕事のやりがいにも繋がっています。

「裁判所書記官」という仕事との出会い

――大串さんはなぜ「裁判所書記官」というお仕事を選ばれたのですか?大学に入学した当時は検察官を志していて、裁判所書記官という仕事は全く知りませんでした。そこから法学部で学び、縁あって様々な職業に就いた先輩方と知り合う中で、自分は対立するどちらか一方の立場に立つというより、もっと公平な立場で、そして、もっと一般の人に近い立場で仕事がしたいと思うようになりました。自分のしたいことが明確になったことで目標が変わったというか、むしろ、しっくりくる目標が見つかったような感覚でした。

難問を解くには本質の理解が大事
わからない問題は細分化すると〇

―― 大学受験のことも教えてください。大串さんは第一志望だった京都大学に合格されましたが、どのように勉強しましたか?難しい問題というのは、解答に辿り着くまでのステップが多いんです。それでも、そのステップ一つひとつを崩していけば必ず解けます。基礎知識や公式を「どういうときに」「何を求める」ものなのか、本質から理解していれば、どんな難問であっても糸口が見えてきます。また、解けない問題があったときに最初から最後までわからないと思うと嫌になるけれど、「ここをこう考えたらあとはこうすればいい」という突破口がわかったら、結び目をほどいていく感覚で解けるようになって楽しくなりました。受験のときは「これ以上ない」っていうくらい勉強してきたことが自信になったので、焦りや迷いはありませんでした。

――受験勉強を通じて大きな成功体験を積めたわけですね。はい、受験勉強の1年間は本当に充実した1年間だったと思います。頑張った分だけ点数や成績が伸びていき、自信がついて、それがさらに頑張るエネルギーになるという良い循環をつくる経験ができました。また、目標に向かって努力し続ければ、ちゃんと結果はついてくるんだという貴重な経験もできました。

受験を通じて高い目標に向かって
ハードルを越えていく方法が身についた

――大学受験で身についたことで、今も役に立っていることはありますか?何か達成したい目標があるときに、今の自分には少し高いハードルを課して、背伸びしてでもそれをこなしていくという私の努力の仕方は、受験勉強を通して身についたと思います。最初は本当につらいし、ハードルを下げたくなりますが、そこをぐっと堪えて「習慣」になってしまえば、苦には感じなくなります。また、当時は志望校合格で頭がいっぱいでしたが、今振り返ってみると、どうやったら自分がやる気を引き出しコントロールできるのかを学べたことも大きかったと思います。

メッセージ Message

今、自分の将来像が見えていなくてもいいと思います。もちろん、目標があって、それが揺らがないまま目指せることは素晴らしいことだと思いますが、大学進学後に目標が変わってもいいと思うし、入学した学部と全く異なる分野で社会に出ることになってもいいと思います。ただ、いずれにせよ、進路を決めるときは誰かに与えられた道を行くのではなくて、自分の手で「選ぶ」ことが大切です。数年後、そこまでに得たたくさんの手札の中から、本当に自分がやりたいことを見つけるために、悔いのない大学受験をして、大学生活を謳歌してください!

娘の笑顔を見るのが、一番の幸せ。育児からたくさんのことを学ぶべく奮闘中です。

昨年、娘が生まれました。初めての育児は、今まで経験してきたどんな仕事よりも大変ですが、娘の笑顔一つで疲れも吹っ飛び、穏やかな寝顔は見飽きることがなく、我ながら幸せな毎日だなぁと思っています。特に、週末に公園で夫と遊ぶ娘が声をあげて笑うのを見ているのが、ささやかながら一番の幸せです。赤ちゃんのチャレンジ精神や成長スピードに負けないように、育児からたくさんのことを学び取るべく日々奮闘中です。

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