公民の正しい勉強法
共通テストの公民対策
ここでは、共通テスト対策としての公民科目の学習の仕方について説明していきます。どの科目にも言えることですが、社会科目の共通テストでは、知識だけでなく、資料(文章・カード・表・グラフ・地図など)の読みとり問題が増えています。これらの問題は、センター試験でも一部は出題されていましたので、センター試験の過去問演習も十分に役立ちます。また、資料問題自体は難易度が著しく高いものではないため、丁寧に資料を読んでいけば特別な学習をしていなくても解ける問題でもあります。ですから、普段の学習では、しっかりとした知識を身につけることを念頭に学習を進めていきましょう。
また、知識を身につけるために必要なのはインプット(覚え込み)よりもアウトプット(問題演習)です。特に共通テストの場合は語句を記述することはなく、すべて選択問題になります。限られた時間内で効率よく得点力を身につけていくために、覚え込みに時間をかけるのではなく、問題を解く時間を多く確保するようにしましょう。
■ 倫理
共通テスト倫理では以下の三点の力が問われます。
②思想内容の理解(知識&読解)
③資料の読みとり(読解)
普段の学習では、まず「誰が何を言ったのか」=「思想家と思想内容の中心となる語句を結びつける」ことを最初にしましょう。ノートやプリントなどに、思想家ごとに語句や思想内容を書き込んでいくと良いでしょう。「思想内容を見て思想家を思い出す」、「思想家を見て思想内容を思い出す」といったトレーニングをして、知識を定着させましょう。
次に、その思想をより深く理解するために、問題演習に取りくみます。センター試験の過去問も十分に役立ちますので、過去問を使って思想内容の理解と資料の読みとり問題の訓練をしていきます。間違えた問題については、自分でまとめたノートやプリントに適宜書き込み、知識を固めていきましょう。
■ 政治経済・現代社会
政治経済や現代社会の共通テストの選択問題、正誤問題では政治・経済・社会の用語や制度、仕組みの正しい理解が必要になります。学習を進めるにあたり、単に語句を覚えるのではなく、制度の背景や仕組みを理解するように努めてください。
普段の学習では、「政治経済の基本事項の整理」=「学習項目ごとに重要な語句や仕組みを理解する」ことからはじめましょう。まずは教科書や参考書で基本事項を理解します。ノートを最初から作ると時間がかかりますので、授業ノートがない場合は最初からまとまっている参考書を使うと良いでしょう。また、経済分野ではグラフ問題や計算問題が出題されやすいため、需給グラフ、外国為替、貿易などの項目は重点的に学習しておきましょう。
次に、実際の問題で得点できるように問題演習に取りくみます。センター試験の過去問も十分に役立ちますので、過去問を使って知識の確認と資料の読みとりの訓練をしていきます。間違えた問題は、ノートやプリントなどに適宜書き込み、知識を固めましょう。
コラム Column
「記憶力を高める」シリーズ その⑤
~思い出す手がかりで救われる~
何かを置き忘れて、そのときの自分の行動をたどると、どこに置いたかを思い出すことができた経験は誰しもがあるのではないでしょうか。このような情報は長期記憶に蓄えられていて、簡単には思い出すことはなくても、何かのきっかけがあれば思い出すことができるのです。どうしても覚えにくいものは、覚えるときに思い出す手がかりを作っておくのが効果的ということになります。
テスト中に問われている事柄がノートのどの位置に書かれてあったかを思い浮かべてみることで、何とか思い出せることがあるように、ほんのちょっとしたことでも思い出す手がかりになる可能性があります。皆さんも経験があるであろう、何度か書いてみる、マーカーで色つけする、なども手がかりを作る作業です。こういう「体験」をしておくことで、体や目が覚えておいてくれて、思い出す手がかりになっているのです。
手がかりの作り方は、自分にとって有効であれば何でもかまいません。どうしても覚えられない単語は単語の意味をイメージするイラストを横に描いておくなど、どんどん工夫してみてください。そして暗記することを楽しんでください。手かがりを作っておくと、反復練習もよりスムーズです。繰り返しによって、記憶の奥にしまわれていた情報は、よく使う情報として記憶の貯蔵庫の中でよりアクセスしやすい位置に置かれるようになり、ついには手がかりなしでも容易に思い出せるようになるのです。