社会で活躍する先輩への
インタビュー

大阪府庁

さん

2014 年に神戸大学農学部を卒業後、大阪府庁に入庁。環境農林水産部みどり推進課で都市緑化に関する業務を担当。2016 年からは出先事務所である北部農と緑の総合事務所にて、森林における開発規制や自然公園事業、治山ダム設置工事や森林整備などの治山事業に取り組む。そして2019 年からは泉州農と緑の総合事務所にて、引き続き治山事業を担当している。

都市の緑化や山地防災に取り組み、
快適・安全に暮らせる地域をつくる

――現在はどのようなお仕事をされていますか?大阪府庁で「林学職」の職員として働いています。大阪府の林学職は、山地災害から住民の暮らしを守るための治山事業や、林業の普及、都市緑化など、みどりに関する幅広い業務を担っています。その中で現在私は、治山ダムの設置や森林整備などを通じて、土石流や山崩れなどの山地災害から住民の方々の生命・財産を守る「治山事業」を担当しています。

――この仕事のやりがいは何ですか?近年は、豪雨などの異常気象による災害リスクが高まり、今まで以上に山地の防災・減災対策の重要性が増しています。数年にわたって実施した事業が完了し、地元の方々に報告に伺った際、「これで安心して暮らせます。ありがとうございます。」と感謝の言葉をいただいたときには、大きなやりがいを感じます。また私自身、地元大阪が大好きなので、大阪をよりよい街にするための仕事に携われることに喜びも感じています。さらに大阪府では2025年に大阪万博が予定されており、街の緑化に一層期待が高まっています。そういった意味でも非常にやりがいの大きい仕事だと感じています。

地元の自然の危機を知り、
森林科学の道へ

――大学ではどのような勉強をされましたか?私は農学部だったので、1・2回生の頃は主に米や野菜、果物について、品種改良などの育種、農薬による病害虫防除、食品加工、農場実習など専門性の高い内容を幅広く学びました。そして3回生からは、森林科学の研究室に所属し、森林生態学や樹木病理学、里山などについて学びました。卒業研究では樹木の健康状態を調べることを目的に、樹木生理に関する研究を行いました。樹木は根から水を吸い上げますが、樹木が弱ると吸い上げる力も弱くなります。健康な樹木は吸い上げた地下水によりひんやりしていて、健康状態が悪いとその傾向が弱くなるという観点で樹木の健康診断ができるのではないか、という研究をしていました。

――この分野を選んだ理由は何ですか?地元が京都の嵐山に近かったのが大きいです。高校生のときに、「嵐山の紅葉する樹木が常緑樹に被圧されて弱ってきており、将来嵐山で紅葉が見られなくなるかもしれない」という新聞記事を読み、「それは嫌だなぁ、なんでそんなことが起こるんだろう」と興味を持ったのが始まりでした。このようなきっかけから、森林科学の研究室のある大学を選びました。そして、大学在学中に大阪府の林学職の募集を見つけたときには、「勉強してきた森林にも都市緑化にもかかわることができる、好きなことを仕事にできる」と思い、迷わず受験しました。

大学は自分の関心のある分野を深めたり、
様々なチャレンジができる時間

――大学へ行く意味は何だったと思いますか?大学では、決められた時間割に沿って勉強する高校までとは違い、専門性の高い研究や関心のある学術分野を自ら選んで勉強することができます。進路という点では、自分がその分野に就職するのに向いているかを確認したり、あるいは全く違う分野にチャレンジすることができたり、大きい意味では「自分の人生をどう生きたいか」を考えたりする時間だったと思います。また大学時代の経験は、社会に出てからも役に立つ、自身の成長に繋がるものが非常に多かったと感じています。

――具体的にどんな経験をされましたか?先輩に同行して屋久島で植生調査を行ったのは貴重な経験でした。これは、その山の中の植物の構成や繁殖の程度などを調べるもので、一定の面積の区画の中で、植物(樹木)の種類や本数を調査します。今の仕事でも同様の調査を行うことがあり、この経験は実務的にも活きています。また、私は大学在学中、塾講師のアルバイトをしていました。一人ひとり違う生徒の力を、他の先生とも連携して伸ばしたり、生徒自身も勉強を楽しめるようになったりと、人の成長にかかわる貴重な経験ができました。また、このときに学んだチームワークは現在も強く意識しながら仕事をしており、自分の軸を作った経験だったと感じていますし、人との出会いと繋がりを大事に生きよう、という信念を持つようにもなりました。

勉強の仕方、精神的な強さを
身につけられたことは、今の仕事にも役立っている

――大学受験での経験で、今も役に立っていることはありますか?大学受験を通して、自分に合った勉強の仕方を身につけられたことは、仕事をする上でも非常に活きています。毎年仕事に関わる資格の取得に励んでいますが、通勤時間などのスキマ時間をうまく使うなど、勉強する内容は異なっても、やることは同じです。また、多少失敗したり不運が重なったりしても動じない図太さや前向きな思考が身についたことも、社会人になってからもとても役に立っています。大学受験のときにコツコツと粘り強く課題に取り組み、乗り越えた経験は、社会に出ても活きる場面がたくさんあると思います。あと、当時の友人とは今も連絡を取り合っています。受験を一緒に乗り越えた大切な仲間です。

メッセージ Message

高校卒業後、どんな道に進んだとしても、その後の人生を有意義に過ごせるかどうかは自身の考え方次第です。どんな進路であっても、置かれた状況で一生懸命頑張ること、そしてその状況を楽しむことを忘れないでほしいです。そしてぜひ、学生の間しか体験できないような機会に出会ったら、積極的に挑戦してほしいと思います。

子どもが生まれたことで、仕事への意識や取組み方もかわりました。

2020年4月、第一子となる晴輝(はるき)が生まれました。晴れの日のお日さまのようにみんなを明るくする子になってほしいとの思いで名付けました。愛想が良く本当によく笑う子で、名前の通りみんなを笑顔にしてくれています。先日、無事に1歳を迎え、我が子ながら可愛くて仕方がありません。休日に一緒に買い物に行くのが今の楽しみです。早く帰ってお風呂に入れたい! という思いがある一方、自分の仕事はもちろん後輩のことも気にかけないといけない立場になったので、より効率的に確実に、そして丁寧に仕事をすることを意識しています。

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