電気通信大学の受験対策!難易度や合格に向けての勉強法を解説

最終更新日:2022/09/26


※この記事は約13分で読めます。

電気通信大学は、東京都調布市に本部を置く理工系単科の国立大学。1918年創設の電信協会管理無線電信講習所を起源とし、100年を超える歴史を持ちます。「日本全国に開かれた大学を造る」という建学精神から、国立大学で唯一、地名の付かない大学名が採用されています。

この記事では、電気通信大学の入試の特徴や難易度、倍率、合格するための効率的な勉強方法をご紹介します。電気通信大学の受験を考えている方、勉強しているのに成績が伸び悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

※本記事に記載されている情報は2021年3月26日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。

 

電気通信大学の入試問題で問われる能力

初めに、電気通信大学が求めている人物像と、入試の難易度について解説します。

 

電気通信大学はどんな人材(学生)を望んでいるのか

電気通信大学は「情報理工学域(学部)」のみを有する大学で、「総合コミュニケーション科学」の創出を担う人材育成を目標としています。

「総合コミュニケーション科学」とは、「人と人」「人と自然」「人と社会」「人と人工物」の間の双方向コミュニケーションに関わる、新しい実践的な科学技術のこと。電気通信大学では、「全ての人々が心豊かに暮らせる社会」の実現のためのイノベーション(技術革新)を、「総合コミュニケーション科学」として推進しています。

そして、「情報理工学域(学部)」の中には、緩やかに分類される以下の3類があります。

・Ⅰ類(情報系)
情報に関わる学問の基礎を、幅広い分野にまたがり広い視野を持って学びます。

・Ⅱ類(融合系)
融合の進む「情報」と「理工」の新しい学問領域に進むための基礎を学びます。

・Ⅲ類(理工系)
新機能を持つ物質やデバイスの創造と、そのメカニズムを探求しつつ、人間と環境に調和するものづくりに貢献する学問分野を学びます。

このような電気通信大学では、アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)の中で、「求める学生像」を次のように定めています。

「総合コミュニケーション科学」とその基盤となる領域に不可欠な自然科学および数学に強い興味と探究心を持ち、その学修およびディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーに基づく教育の実現のために必要な基礎学力と論理的思考力・判断力・表現力を有し、多様な人々と協働しながら主体的に学ぼうとする意志の強い皆さんを求めます。
情報、融合、理工、それぞれの領域において、修得した知識と技術を活用して広い視野からグローバルに活躍し、社会の発展に貢献するという意欲に溢れる人を歓迎します。

引用:電気通信大学HP

電気通信大学HPでは、「情報理工学域(学部)」と各類の解説や「求める学生像」、「入学までの段階で修得が望ましい教科内容と水準」などについて、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)と入学者選抜の基本方針」のページで詳しく記載しています。受験を考えている人は、ぜひご一読ください。

 

電気通信大学入試の特徴

電気通信大学は国立大学なので、大学入学共通テストと、個別学力検査(2次試験)を受験する一般選抜が中心です。その他には特別選抜として、学校推薦型選抜や総合型選抜などが行われます。

・一般選抜(前期日程・後期日程)
大学入学共通テストのあと、個別学力検査として一般選抜前期日程を受験するのが、もっとも受験者数が多く、スタンダードな受験方法です。

前期日程は類別の募集ではなく、全類を一括しての大括り入試となっています。後期日程では類別の募集を行います。

一般選抜で特徴的なのは、個別学力検査(全教科、科目の合計点数)の高得点者に、優先合格者枠が設けられている点です。前期日程では募集人数349名のうち45名以内、後期日程では250名のうち30名以内が優先的に合格者とされます。

したがって、仮に大学入学共通テストが思うように振るわなかった場合でも、個別学力検査で高得点が取れた場合は、共通テストの得点に関係なく優先合格者となることが可能です。

優先合格者を決定したのち、共通テストと個別学力検査の合計得点で合否判定が行われます。

なお、前期日程では二段階選抜は行なわれません。後期日程では入学志願者が募集人員の8倍を超えた場合、共通テストの総得点で二段階選抜を行います。

・学校推薦型選抜
この選抜方法は、類のプログラム毎の募集になっています。総合問題試験や面接、推薦書などの提出書類、また該当する分野のコンテスト受賞歴などから総合的に選抜を行ないます。

・総合型選抜
総合型選抜は、面接試験やプレゼンテーションおよび資料や提出書類などを総合的に評価して選考します。なお募集は類ごとになっています。

上記以外の選抜方法と入試の詳細については、募集要項(PDF)や電気通信大学HPの入試案内でご確認ください。

 

各科目の試験問題の特徴

電気通信大学の入試対策には、個別学力検査(2次試験)の問題の傾向をつかんでおくことが重要です。毎年、出題数や形式、出やすい分野がパターン化している一方で、大問の内容が毎年少しずつ異なる科目もあります。傾向を押さえつつも、全体を基礎から網羅して学習を進めましょう。

 

英語

大問3つで構成されており、1問がマーク式、残りの2問が記述式。試験時間は90分です。毎年、長文問題が2問、英作文が1問出題となっており、形式は同じです。

難易度は標準的と言われますが、カギを握るのは大問2に含まれる要約問題。長文を250字以内の日本語で説明する問題で、大学入試では珍しい出題形式となっていることから、過去問などで慣れておくようにしましょう。近年は新聞からの出題も見られます。

また自由英作文は、100語程度と入試問題としては解答字数が多いため、差が付きやすい問題となっています。充分な英作文対策も必須です。

 

数学

大問4つで構成されており、記述式で試験時間は120分です。大問は多数の小問からなり、丁寧に解き進めていくタイプの出題になっています。

電気通信大学の数学は数Ⅲの範囲から出される割合が高いので、対策は数Ⅲを中心に。基礎的な問題から応用力を試される問題まであり、入試の難易度としては高めと言えます。ただし出題傾向は毎年あまり変化がないので、過去問をしっかり分析しておきましょう。

 

物理

記述式で試験時間は2科目で120分、大問は3つです。大問は少ないものの、毎年計算問題が多数出題されるため、時間配分を意識することが大切です。

平均的な難易度で奇問はなく、教科書に掲載されているような解きやすい問題と言われていますが、ケアレスミスなく正確に解けるよう、充分に演習を積んでおきましょう。

 

化学

記述式で試験時間は2科目で120分、大問は2つ。内容的には基礎的な問題や記述問題、計算問題が出題されます。電気通信大学の化学は毎年出題パターンが異なるので、どの分野が出題されても大丈夫なように、幅広く学習しておきましょう。

 

電気通信大学入試の難易度

電気通信大学の入試の偏差値は、55.0~60.0。大学入学共通テストの得点率の目安は、73%~78%となっています。

 

電気通信大学試験の概要


ここからは、電気通信大学の入試概要を解説します。

 

受験資格について

電気通信大学は、まず大学入学共通テストで指定された教科・科目を受験している人が出願できます。そのうえで受験資格については、以下のようになっています。

1.高等学校もしくは中等教育学校を卒業した者および入学年の3月に卒業見込みの者
2.通常の課程による12年の学校教育を修了した者および入学年の3月に修了見込みの者
3.学校教育法施行規則第150条の規定により、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者および、入学年の3月までにこれに該当する見込みの者

引用元:電気通信大学 入学者選抜要項

なお3つめの要件に該当する場合は、詳細を入学者選抜要項で必ず確認してください。

 

試験科目や合格要件

では、電気通信大学の試験科目や配点を見てみましょう。ここでは大学入学共通テストの受験科目と、一般選抜前期日程での個別学力検査の範囲を取り上げます。

なお、以下のデータは全て2021/3/26現在のものです。

 

大学入学共通テストの受験科目

大学入学共通テストでは、以下の5教科7科目を受験します。

教科 科目
国語 国語
地歴公民 世界史B、日本史B、地理B、現代社会、倫理、政経、倫・政経から1科目
数学 数Ⅰ・数A、数Ⅱ・数Bの2科目
理科 物、化、生、地学から2科目
外国語 英(リスニング含む)、独、仏、中、韓から1科目

 

個別学力検査の試験科目

電気通信大学の一般選抜前期日程では、全類を一括しての大括り入試となっています。したがって、どの類を希望しているかに関わらず、情報理工学域(学部)として同じ試験を受験します。

大学入学共通テストの点数は、どの教科も1/2倍され、450点満点で配点されます。
※英語はリーディング75:リスニング25で傾斜あり。

前期日程の試験科目と配点は、以下のようになっています。

教科 科目・出題範囲 共通テストの配点 個別学力検査の配点 満点
数学 数Ⅰ、数Ⅱ、数Ⅲ、数Aはすべての範囲

数Bは数列、ベクトル

合計で450 200 900
理科 物理基礎・物理のすべての範囲 90 150
化学基礎・化学のすべての範囲 60
英語 コミュニケーション英語Ⅰ、コミュニケーション英語Ⅱ、コミュニケーション英語Ⅲ、英語表現Ⅰ、英語表現Ⅱ 100

参照:電気通信大学 入学者選抜要項

 

出願者数や合格者数のデータ

電気通信大学の出願者数や合格者数は以下の通りです。なお、ここで取り上げるのは2020年度一般入試、前期日程の結果です。大括り入試のため、類ごとのデータはありません。

学部 受験倍率 定員 出願者数 合格者数
情報理工学域 4.1 370 1661 387

出典:2020年度入学者選抜状況

 

電気通信大学に合格するための勉強方法


ここからは、電気通信大学に合格するための学習方法をご紹介します。

 

電気通信大学に入るには、何をすればいい?

電気通信大学は、「総合コミュニケーション科学」を推進する、独自性のある学問を追求する大学と言えます。国立大学で難易度は低くありませんが、募集要項に記載されている入学時に求められる学習水準を理解し、基礎からしっかり学習を進めるのがポイントです。

出題はおおむねパターンが決まっているので、過去問を活用して傾向をつかむようにします。難問、奇問はないと言われていますが、その分正確に解答することが特に重要。1つのケアレスミスが合否に関わることもあるので、しっかり演習を積んでおきましょう。

 

受験期の過ごし方

無計画に机に向かっていても、効率的な成績向上は期待できません。長いようで短い高校3年生の1年間を有意義に過ごすには、長期的なスケジュールをたてることが大切です。

・春(4〜6月):基礎を徹底して身に付ける期間。繰り返し学習が有効な単語や用語などは、早くから計画的に取り組むのが基本です。また、この時期に苦手分野の洗い出しをしておきましょう。
・夏(7〜9月):苦手分野の克服に充てる期間。夏休みに集中して学習に取り組めるので、成績を伸ばしやすい時期。1日単位、1週単位などで取り組む課題の量を決めるなど、短期的なスケジュールを併用するのもおすすめです。
・秋(10〜12月):大学入学共通テストの対策を始める時期です。個別学力検査の対策もかねて、演習を積み、基礎事項に漏れがないか確認しつつ、応用力も磨いていきましょう。
・冬(1月〜):過去問演習にしっかり取り組み、個別学力検査対策を進めましょう。出題傾向をつかむことで、落ち着いて本番を迎えられます。本番と同じ時間配分で問題を解き、最後の仕上げをします。

 

予備校で勉強する場合

独学で受験勉強を計画的に進めるのは、意志が強くないとなかなか難しいものです。そのため、予備校に通うことは有効な手段ですが、「予備校に通っていれば心配ない」というわけでもありません。というのも、一般的な予備校では集団授業が基本です。受講人数の多い大規模予備校の授業では、講師の授業をただ聞いて終わるだけのこともあり、知識を得ても定着に至らないケースが多いからです。

また、苦手分野が取り残されてしまいがちな点も集団授業のデメリット。授業で良く分からなかった場合は自分で講師に聞きに行くなどの積極性がないと、思うような効果は得られないでしょう。

 

四谷学院のカリキュラムのご案内

予備校の授業に起こりがちな問題を解決したいなら、四谷学院の「ダブル教育システム」がおすすめです。ダブル教育システムで注目の「2つのポイント」をチェックしてみましょう。

 

科目別能力別授業

大抵の予備校では、志望校やテストの総合得点でクラス分けします。そのため、苦手科目の授業についていけなかったり、得意科目の授業が物足りなかったりする「科目ごとのレベルの不一致」が起こりがち。

四谷学院の科目別能力別授業は、科目と能力の2つでクラス分けするのが特徴です。つまり科目ごとに自分に合ったレベルの授業が受けられる仕組み。自分のレベルに合った授業を受けられるので、無理なく理解が進み、効率的に成績向上を目指せます。

 

55段階個別指導

科目別能力別授業で得た理解を、解答力につなげるのが55段階個別指導です。

55段階個別指導では、過去の入試問題を徹底分析して作られた55テストを受験し、理解に穴があるところ、考え方が不完全なところ、表現が不適切なところを段階的にチェック。解答力が身についているかを確認しながら、級を進めていきます。中学レベルから東大レベルまでの55段階をスモールステップで無駄なく実践力を磨きます。

 

電気通信大学入試は丁寧に解く力が重要!

【電気通信大学の入試概要】
・「総合コミュニケーション科学」を推進する、独自性のある大学
・大括り入試(前期日程)や類別の入試(後期日程)など多様な入試方法
・難易度はやや難〜難

【電気通信大学の入試データまとめ】
・一般選抜前期日程で、2020年度の倍率は4.1倍。選抜方式によって差がある

【勉強方法まとめ】
・基本的な知識を問われる問題が多いものの、個性的な出題もある。過去問の分析は必須
・計算問題などは特に時間配分を練習しておきましょう

電気通信大学は、多彩な情報領域、理工領域を融合した先端的な学問研究を目指す学生が集まる国立大学で、ハイレベルな入試になりやすい大学とも言えます。基礎を徹底した上で、いかにミスを少なくして問題を解くかが重要になってきます。そこでおすすめなのが、四谷学院の「ダブル教育システム」。

自分の学習レベルにあった授業で、効率的な成績向上が望めます。気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

※本記事でご紹介した情報は2021年3月26日現在のものです。最新の情報は大学公式ホームページにて必ずご確認ください。


大学受験合格ブログ編集部

このブログは、大学受験予備校の四谷学院の「受験コンサルタントチーム」「講師チーム」「受験指導部チーム」が担当しています。 大学受験合格ブログでは、勉強方法や学習アドバイスから、保護者の方に向けた「受験生サポート」の仕方まで幅広く、皆様のお悩みに役立つ情報を発信しています。

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