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- 慶應義塾大学総合政策学部
好きなことを突き詰めた結果がAO入試での大学合格に繋がりました。55段階で培った学力と自信は今も私の武器になっています。
どうしても入りたい研究室がありAO入試合格を目指すべく通信制へ
宮下さんが通信制高校を選択した理由を教えてください。
自分が志望する大学の研究室に入るためです。高校2年生のとき、慶應SFCの教授とお話する機会があって研究室にお邪魔するようになりました。そのうち、どうしてもここで研究がしたい、研究室に通いながらAO入試合格に向けてしっかり準備していきたい、そう思って高3になるタイミングで通信制に切り替えたんです。時間の融通がききやすいのは通信制の強みですから。
目標が明確で、とても前向きな選択をされたのですね。
通信制高校は、最近では有名人も行っているし、通信機器が増えたこともあって、今までの当たり前が当たり前ではなくなって、多様な選択ができるようになったと思います。自分の選んだ高校を誇りに思ってほしいし、その高校にいる自分に自信を持って、様々な活動につなげてほしいですね。
宮下さん自身、高校時代はたくさんの活動をされていらっしゃったと聞きました。
はい。ネットでのアクセスも含めると1,000万人以上が参加するような幕張メッセのイベントが文化祭代わりだったので、ブースを出したり、海外留学をしてスタンフォード大学の高校生外交官プログラムに参加したりしました。空飛ぶ車の開発サポートも高校生の頃からやっていて、それが今の大学での研究にもつながっています。
好きなことを研究できる楽しさと基礎学力の大切さを大学で実感
大学では今、どんな研究をしているのですか?
ロボット法の研究をしています。人間社会におけるロボットの法整備について学び、ハードウェア面をどうするか考えています。例えば、空飛ぶ車であれば、その存在が車なのか飛行機なのかで管轄が変わってくるので、トラブルを回避するには法律をどう適用させるのか、とか。ドラえもんやアトムが本当にいる世界は何が問題になるのか、とか。遊びながら考えて書き連ねて、それを研究に持っていく。好きなことを研究テーマにできるので本当に楽しいです。でも、自分のやりたいことをやるためには、やはり基礎学力を身につける必要性があります。
具体的には、どんな場面で基礎学力の必要性を感じますか?
例えば、海外のロボットや法律を研究しているので、英語でコミュニケーションをとったり論文を読んだりする力が必要です。数式を見てこのプログラミングおかしいな、と気がつけるのは数学の力。実験の仮説がうまくいかないな、どうして?と考察するときには理科の知識が必要になってきます。私の場合、課外活動に注力した分、学力面が抜けていました。苦手分野が多くて、知識は小学生レベルにも足りなかったかもしれません。けれど今は、四谷学院で固めた基礎学力が大学でも活かせています。
55段階で培った学力と自信が将来の武器になる
苦手分野が多かったとのことですが、どのように克服されましたか?
四谷学院の55段階で、学び直しをさせてもらいました。わかるところはスキップできるし、わからないところや、知らない間に忘れたり抜けたりしていたところは、もう一度身につけられる。そういうところが本当に助かりました。私は数学が苦手だったんですが、データサイエンスを重視する今の大学でも、55段階で培ったものが武器として使えていると感じます。小さなブロックで1個1個、知識を積ませてもらえたおかげですね。
スモールステップが苦手意識の払拭に役立ったのですね。
そうですね。55段階なら苦手科目でも「あ、ちょっといけるかも」っていう気持ちになるんです。それが心の支えでした。「ちょっとできた」という手ごたえや自信って結構すごいです。高い壁の上にあるゴールへ辿り着くために、必ずしも最初からゴールまで一度も失敗しないで進む必要はなくて、足場を置きながら、トライアルアンドエラーでやっていけると感じられたことは自信につながりました。今後、研究や仕事なども、それまで自分が身につけてきたことをつなげながら試行錯誤していくことを考えると、そういう経験はすごく大事だったなって思います。
最後に後輩たちへメッセージをお願いします。
好きこそものの上手なれ。自分が好きなものを大事にしてください。好きなものに突き進むことで自己肯定感が高まるし、それが学問の扉をたたきます。私は好きなことを突き詰めた結果、それがAO入試での大学合格につながりました。AO入試は、どれだけ熱意があるか、入学後のビジョンが見えているか、それをしっかり先生に伝えられるかにかかっています。だからこそ、「好き」が本当に強い。熱中して取り組んできたことがあるなら取り組み続けてほしいし、挑戦したいと思うことがあるなら、ぜひ挑戦してほしいです。